吉田修一のレビュー一覧

  • ミス・サンシャイン

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    吉田修一さんの話題作「国宝」を読む前に寄り道で読んだ本作。思いがけず良い本に出会えたなあ。って思いましたよ。過去の大女優「和楽京子」こと石田鈴の家の片付けを始めた大学院生の岡田一心が鈴さんと交友し、妹の死、失恋、そして鈴さんの忘れえぬ友「佳乃子」との衝撃の過去を巧みにタイアップさせて、胸をうつ“平凡なラスト“をむかえます。大女優の劇的な人生と、平凡な市民の小さな幸せをすごく上手に書いたなって感じです。読み終わって感動すると共にほっとできる本でした。

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    2025年08月15日
  • 横道世之介

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    吉田修一さん著「横道世之介」
    著者の「国宝」が素晴らしかったので著者作品で人気のこちらの作品も期待して購読。
    書店にて知ったがこの「横道世之介」は三部作になっていたので全て購入してきた。

    今回の物語は主人公、世之介18~19歳の東京での大学生活の一年間が描かれている。時代設定や大学生の青春譚というところでなんとなく村上春樹さん「ノルウェーの森」を彷彿させられる。

    この世之介、とにかく笑えるエピソード満載で久し振りに面白可笑しい物語だった。
    主に就寝前に読んでいたのだが笑って何回も眠気が飛んでしまった。

    この作品が秀逸だと感じるところが著者の文章力にある。個性的な登場人物のキャラクター設定

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    2025年08月14日
  • パレード

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    え・・・・・・・。そんな・・・・。
    そんな終わらせ方しないでくれ・・・・。

    時々出てくるワードが平成レトロなので、その時代の話だと思われるのに、現代的な対人関係を顕著に表していて、今この作品を読んで良かったと思えた。全てに「詳細を・・・」とお願いしたくなるような作品だった。

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    2025年08月12日
  • 橋を渡る

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    春、子供のいない夫婦が預かっている、海外赴任中の姉の高校生の息子が、彼女を妊娠させる。夏、市議会議員の妻が、夫の収賄を知って苦悩し、秋、数カ月後に結婚を予定している順風そうなテレビディレクターが、彼女を殺してしまう。そして冬、時代は一気に70年後に飛ぶ。冬の視点者は、「サイン」と呼ばれる、特殊な生まれ方をし、通常の人間とは区別されて生きている男。その「サイン」は、秋、テレビディレクターが追いかけていた研究者が作り出したものである。サインの妻が、春の夫婦の血縁者であったり、もう一人のサインの夫が、夏の市議会議員の血縁者だったりすることが、だんだんわかる。70年前の出来事が、影響している世界。あの

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    2025年08月08日
  • おかえり横道世之介

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    おかえり!
    泣けた!

    横道の善良さに心洗われた。
    冬に飲む自販機のコーンポタージュみたいな安心感と暖かさがある。
    相変わらず笑いもあり。

    大人になって大学生の頃のような激しさはないけど、人間味がある深い話が多かった。

    印象に残ったのは次の吉田修一さんのまとめ。

    人生の低迷期だったとしても、その時にしか会えなかった人はいるし、その時ならではの楽しかった思い出もある。
    スランプ万歳!

    なんか焦らなくていいんやなって思った。
    当たり前に過ぎていく日常やけど、色んなことは起きてる。
    それを楽しんで、受け入れながら生きていくだけでいいのかもって。

    あとは、やりたいことやる。
    横道みたいにカメ

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    2025年08月08日
  • 罪名、一万年愛す

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    ネタバレ

    孤島を舞台にしたミステリーであり、戦災孤児など歴史の重みがにじむ人間ドラマでもあった。時々クスッと笑える描写もあり、気づけば結末が気になって一気読み。作中で触れられる「砂の器」など昭和の名作とは異なる予想外のラストに驚かされた。初読みの作家さん。引き込まれる作品で、とても面白かった。

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    2025年08月06日
  • 横道世之介

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    急に智世が出てきた時には、急に誰の何の話?と思ったが、読み進めて理解できた時に読み返したくなり、それによってさらに物語に惹き込まれた。
    東京実家暮らし20代の私からすると、上京して来た昭和の男子大学生の気持ちや当時の時代背景の理解に苦しむところも多々あったが、自分との違いを感じたのも面白かった。

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    2025年08月05日
  • 横道世之介

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    ああ、そういえば、そういう奴いたよねー。って忘れていたにもかかわらず、つい思い出話に口が止まらない。そうそう!こんなことあって、、って、思い出すと笑いが込み上げてくる。誰かの過去にスルッと通り過ぎた普通の青年。誰かの心にふわっと何かを残している青年。
    横道世之介、どこにでもいる大学生。
    たぶん、すれ違う青年の中にもこんな男の子がいるのだろう。どこにでもいて、でも唯一無二の青年の、どこにでもある素敵な青春小説でした。

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    2025年08月05日
  • 東京湾景(新潮文庫)

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    4.2/5.0

    手に取った時に想像してた内容とは違い、結構がっつり恋愛小説だった。

    吉田修一作品は、登場人物たちが皆んな可愛らしくて、でもそれぞれに色々なものを抱えていて、微笑ましくなると同時に少し切なくなる。

    二十代中盤という、人生について少し立ち止まって考えることが多くなる時期を過ごす登場人物が、迷いながらも進んで行こうとする姿に勇気づけられた。

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    2025年08月04日
  • 横道世之介

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    ネタバレ

    映画国宝を見て、吉田修一さんの著書を読んでみた。

    まず、一言で言うとこの人は天才だと思った。
    前半で、横道世之介という人物像を読者に掴ませ、愛着を沸かせる。その後、横道世之介を知る人物からみた横道世之介の人物像を語る。そこで過去の横道世之介の片思いの相手が横道世之介が死んだことを知るシーンを描く。その後再び横道世之介の目線から描かれる。
    横道世之介が亡くなったことに対するインパクトを読者が1番残す方法で書かれていて、実際私も心を掴まれた。

    ここまで面白みの欠ける主人公を面白おかしく描けるのは吉田修一さんしかいないと思った。

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    2025年08月02日
  • 女たちは二度遊ぶ

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    長い人生の中の一瞬の出来事を今体験してるみたいな感覚になって、次はどんな物語なんだろうって一気に読みたいけど勿体なくてちまちま読み進めた一冊

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    2025年07月31日
  • 横道世之介

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    大学一年生の一年間を、ひと月ごとに切り取った小説。
    新学期のワクワクや、「自分も何者かになれるかもしれない」という期待を抱きながら、結局は大きく変わらないまま過ぎていく日々。そんな感覚にとても共感しました。

    横道世之介の飄々としたキャラクターはもちろん、登場人物みんなの人間味に触れるたびに愛おしさが増していって、自分の大学生活まで大切に思える作品でした。
    気づけば「ちょっと読むつもり」が一気読み。
    心にやわらかく残る読後感でした。

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    2025年07月31日
  • 横道世之介

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    4.2/5.0

    凄く読みやすくて、笑えて楽しいんだけど、切なかったり、哀しかったりもする。

    どこか抜けてて、でも愛嬌があって可愛らしい横道世之介というキャラクターがとにかく最高。

    漫画っぽくも思えるくらい、それぞれのキャラクターのケレン味みたいなのが効いていて、人を選ばずおすすめ出来る一冊。

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    2025年07月31日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    ANA機関誌に掲載されたエッセイ。
    ちょうど2019年までのものなのでコロナを知らなかったころなんだなぁ。
    先日観た映画の原作の話も時々出てきて興味深かった。
    とても明るい楽しいエッセイでした。

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    2025年07月31日
  • 国宝 1

    匿名

    無料版購入済み

    話題

    映画が話題になっているので読んでみました。想像していたストーリーではなく、良い意味で意外で面白いです。

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    2025年07月23日
  • 国宝 1

    匿名

    無料版購入済み

    映画の評判が良いので見てみました。映画見てないけど、これは映像で見たら面白そうだなって思います。華やかだろうな。

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    2025年07月20日
  • 国宝 上 青春篇

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    ネタバレ

    映画に衝撃を受けてその日のうちに購入。映画では端折られてた人物やシーンがほとんどで、結末を知ってても面白く読めた。
    とにかく喜久雄の周りが皆いい人すぎる。特に女性たちの強さというか器の大きさがすごい。あとは徳次が人情溢れてて魅力的。彼らが映画であんまり描かれてなかったのが勿体ない(なんなら徳次は登場すらしてない?)。だけど、この大作を映画に上手く落とし込んだのはすごいなとも思う。
    辻村だけがよく分からなかった。喜久雄の父親を殺したのに恨まれてなさそうだし、仇どころかむしろ味方なの?

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    2025年12月03日
  • 国宝 1

    無料版購入済み

    さすが

    2025年夏、超話題の映画「国宝」のマンガ版。

    原作小説が2018年秋と2021年秋の上下巻発売、このマンガが2024年9月から連載開始、そして映画の公開が2025年6月。
    タイミング的に、このマンガ版は映画と共に売るというメディアミックス戦略の一環だろう。

    作画の三国史明というマンガ家は、ビッグコミックオリジナルにて「穀潰しのメシア」という読み切り作品で2022年にデビュー。
    そして、恐らくその次の作品が本作。
    他に「武論尊100時間漫画塾」出身という情報くらいしかないが、絵のレベルはかなりのモノ。
    特に、歌舞伎の女役にスポットを当てた作品で、妖艶さを出す描画力はすごい。
    また、普段の絵

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    2025年07月17日
  • パレード

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    ネタバレ

    パレード

    「悪人」、「横道世之介」と心に残る吉田修一氏の作品。「横道世之介」と同じような若者の日常を描きながら、「パレード」はとても不気味な小説でした。
    狭い2LDKのマンションで共同生活を送る5人の若者。のんきで憎めない大学生、イケメン俳優の彼女、痛烈に飲むイラストレータ、映画俳優会社勤務の男、男娼の若者。
    彼ら5人の背景を織り込みながら、5人が各章で主人公となり物語を少しずつ推し進めていきます。
    結構ハードに生きている彼ら、彼女らが淡々と当たり前のように語られていることがとても不思議な感覚です。
    解説の川上弘美さんが”恐い”小説と書いていて、何故恐いかがうまく書けないと言っています。

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    2025年07月17日
  • 森は知っている

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    面白い
    吉田修一いまんとこ読んだ本はみんな面白い
    常にスピード感があって
    ほっといても物語りに引き込まれちゃう
    電車が着いても
    しおりを挟むのを躊躇うような
    そういう本だけを読めればいいのに

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    2025年07月11日