吉田修一のレビュー一覧

  • 最後の息子

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    吉田修一さんのデビュー作品。
    『Water』は、高校の水泳部員たちを描いた青春小説で、とても清々しい作品。大会の最終日、メドレーリレーの前にケンカする4人がめちゃくちゃ尊い。
    個人的には『最後の息子』と『破片』がとても好きで、どちらも閉鎖的なコミュニティでの息苦しさや、昔ながらの男女の価値観が描かれていました。
    デビュー作でこんな作品を描いてしまう吉田修一さんはやはりすごい。
    別の作品も手に取ってみようと思います。

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    2026年04月25日
  • 路

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    日本の新幹線の台湾への輸出事業を背景に、両国の人たちの交わりや、すれ違い、その中に生まれる静かだけど深い思いのドラマ描写。
    人生におけるタイミングであったり、出会いの奇跡、必ずしも成就しないことだったりが、自分に優しい気持ちを与えてくれたように感じられた。

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    2026年04月25日
  • 怒り(下) 新装版

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    2026.04.22 ★4.6

    上巻は静かに淡々と時間が流れ、下巻からは怒涛の展開。

    3ヶ所に居る身元不詳の男は一体誰なのか
    誰が誰を信じていて、誰が誰を信じられないのか
    「怒り」は誰が誰に向けたものなのか

    一気に色々なことが起こり、ページをめくる手が止められない。

    正直、読み進めるのが辛く感じる展開もあったが、ほんの少しだけ光が見える終わり方だった。


    ↓↓↓内容↓↓↓

    山神一也は整形手術を受け逃亡している、と警察が発表。
    洋平は一緒に働く田代が偽名だと知り、
    優馬は同居を始めた直人が女といるところを目撃し、
    泉は気に掛けていた田中が住む無人島であるものを見てしまう。
    日常をと

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    2026年04月22日
  • 国宝 上 青春篇

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    全ては運命と言われれれば、そうだったのかもしれないと思わされる。
    一方で全ては意志であり、意地であり、欲であり、怒りであり、
    人の正負が混在した意識が濁流となってできたような展開に飲み込まれていく。

    以下抜粋

    - そう問いかける半二郎の、何も知らぬような目を見たとたん、ああ、旦那はまえから何もかも知ってはったんやな、と、今さら気づく喜久雄でございます。(P.195)
    - 俊ぼん、アンタは生まれときから役者の子や。他の子らと野球するのも我慢して稽古してきはずや。何があっても、ちゃんとアンタの血ぃが守ってくれる。そいで喜久雄。アンタ、うちに来て何年や?五年になるやろ。そのあいだ、一日でも稽古休

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    2026年04月21日
  • 国宝 上 青春篇

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    映画を先に見てから暫く経ってから原作を読んだ。映画と原作は似て非なるものと思ったが、先に映画を観たことで原作の解像度が高まり、原作を読むことで映画のシーンを振り返って、こういう事だったのか…と思うことができた。
    青春篇の方がより映画に近い内容で、任侠の世界から芸に没頭する疾走感が感じられた。

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    2026年04月20日
  • 横道世之介

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    3月の後半に読んだがいい時期であった。1990年頃、長崎から大学進学のために上京した横道世之介と彼を取り巻く周囲の人々のストーリー。

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    2026年04月20日
  • 路

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    吉田修一の描く群像劇はやはりピカイチだと思う。
    とても素敵な作品だった。

    台湾に日本の新幹線が走る。
    商社の台湾支局に勤める春香と日本で働く建築家・人豪の巡り合い。
    台湾で生まれ戦後引き揚げた老人・勝一郎の後悔。
    「今」を謳歌する台湾人青年・威志の日常。
    新幹線事業を背景に、
    日台の人々の国を越え時間を越えて繋がる想いを色鮮やかに描く群像劇。

    出てくる登場人物たちが皆何らかの形で台湾新幹線に関わっている。
    これは非常に高等なテクニックだとも思った。
    何気ない日常を描き、何でもない台湾人青年に至ってもそういう流れになる。
    群像劇で一番難しい繋がりを、いとも簡単に描いている点は流石の一言。

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    2026年04月20日
  • 国宝 上 青春篇

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    喜久雄と俊介の人生が対照的でありながらお互いを補うように、まるで太陽と月のように描かれている。映画を観ておらず歌舞伎にも疎いが、ありありと映像が目に浮かぶような、特等席で芝居を見ているような芸の凄みを見た感覚になった。

    「…見るもん、やるもん、何から何まで新鮮で、歌舞伎が好きで好きで、稽古がおもろうておもろうて…」

    「…歌舞伎が憎くて憎くて仕方ないんでしょ。…でも、それでいいの。それでもやるの。それでも毎日舞台に立つのがあたしたち役者なんでしょうよ」

    芸に魅了された者と生まれた時から芸に生きる道を決められた者、この文章にすべてが凝縮されているのではないかと思う。花道篇を読むのが楽しみ。

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    2026年04月19日
  • 横道世之介

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    オールタイムベスト級に大好きな映画の原作小説、やっと読めた。ダラダラと精一杯今を生きる世之介は小説でもやっぱり愛おしいし、記憶の中で現在と過去が交差するその一瞬の切なさよ。世之介が辿る人生は必然的なものだったのかも、と示唆させるラスト前の展開が見事。

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    2026年04月15日
  • ウォーターゲーム

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    水道の利権をめぐる策略と情報戦。色んな企業、国、政治、それぞれの私利私欲が絡み、スパイ&アクションのエンタメ要素ががっつり高めで面白い!展開がテンポ良く変わるので飽きずに読める。ただ、前の2作と比べるとあまりにも現実離れしすぎているというか出来すぎている感はあって、前半はそんなにのめり込めなかった。でも、終盤の畳み掛けるような展開が好き過ぎた。
    スピンオフも出して欲しいな。

    あと、ファッテューチョンってスープ、初めて知った。仏も飛んでくるってすごい!どんな味なんだろ?!

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    2026年04月11日
  • ミス・サンシャイン

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    当初想像していたのとはだいぶ違う内容だった。それは勿論良い意味で。

    心に傷を負った大学院生の岡田一心は、
    伝説の映画女優である和楽京子こと石田鈴の自宅で荷物整理を手伝うことに。
    引退した今なお美しい鈴さんの胸に秘められていた波瀾万丈な映画人生、
    原爆が奪った運命と大切な人たち。
    その過去に触れるうち、一心の胸にあたたかな光が灯る。

    吉田修一作品で言ったら横道世之介に分類される読みやすさと温かさであった。
    何より、鈴さんの生きた人生が本当に胸に刺さる内容であった。
    ミス・サンシャインに込められた皮肉、
    そんなことにも気付けなかった己の無知さ加減も含めて。

    鈴さんという存在によって、
    主人公

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    2026年04月11日
  • パレード

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    小さなきっかけで集まった、お互いに無関心な緩い関係性の5人の話。ゆるい日常にだんだんと暗雲が立ち込めて、ラストに繋がった。まともそうな人が実は、というとこまで含めて親近感がわく小説だった。
    長く付き合う関係性もいいけど、人生の中で数年程度の刹那的な関係っていいよね。

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    2026年04月10日
  • ミス・サンシャイン

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    最初は物語の核となる部分がどこにあるのか分からなかったが読み進めることで和楽京子と一心がそれぞれ異なる人生を歩む中でも重なる部分にこちらが惹き込まれていく。桃ちゃんの件が必要だったのかは微妙なところだが、逆のこの年相応の恋模様が展開されることで読みやすく、また主人公がまだまだ大人にも非情にもなりきれない未熟な少年であることが上手く表現されている。原爆に関して、記述は多くはないがそれでも歴史と和楽京子の人生の重みを感じるには充分な文章だった。

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    2026年04月07日
  • 怒り(下) 新装版

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    信じる 信じない 信じられない
    信じていたのに裏切られる

    結局最後は自分自身を信じることができた者だけが、自分にとって大切だと思う人のことを信じることができるのだろう

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    2026年04月07日
  • 怒り(上) 新装版

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    最初はよくわからないまま進んでいたけど、後半はかなり面白くてサクサク読めた。続きが非常に気になる。
    下まで読んでもう一度ちゃんと感想書こう。

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    2026年04月05日
  • 永遠と横道世之介 下

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    なんでもない一日。
    春の、夏の、秋の、冬の。
    そんななんでもない一日みたいな人。

    心が洗われるような本でした。

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    2026年04月04日
  • 平成猿蟹合戦図

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    描写がリアル過ぎて、衝撃的だった。
    実体験として脳裏でその瞬間を見てしまった、その現場にいたように感じ、読まなきゃ良かった。
    面白く一気に読んだが、フィクションとノンフィクションの境が分からないような描写に戸惑う。
    そこが作者の力だと思うが。

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    2026年04月01日
  • 横道世之介

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    上京してきた大学生の日常の物語。
    特に変わったところの無い、普通の大学生、それが世之介。ありふれた大学生のひとりだけど、一つ一つの出会いを大切にしてのんびーり過ごすのも青春だなって懐かしくなった。

    読み終わってから、世之介死んじゃったのか…と知り合いでもない本の主人公なのに、なんか力が入らないというか、どこかやるせなさを感じてしまう。

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    2026年03月31日
  • 路

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    台湾新幹線のお話という事でもっとプロジェクトXっぽいかと思いましたが、いい意味で予想を裏切ってもらいました。

    吉田修一さんの作品は人間を描くのが上手だといつも感心しますが今回はいい方の人間臭さが目立つ内容で台湾の人の優しさ、おおらかさがとても心地よかったです。

    後、一番は台湾の空気、匂い、そして南国の蒸し暑さ、それがすごく伝わって来ましたね。

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    2026年03月29日
  • パレード

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    ネタバレ

    直樹の章の最後で、全くジャンルが異なる本になる。
    共同アパートで暮らす5人を丁寧に描いた群像劇のように進んでいく。
    サトルが新たに入居して不穏な空気になるがそれがミスリードのまま終わると思いきや、まさかのそれをオチに持ってくる衝撃の展開。
    読んでいて全く予想できなかった、ただこの作品のジャンルがとても難しいと思った。
    オチありきならミステリーになるのだが、それだとオチの衝撃が無くなってしまうだろう。
    しかし、純文学と言われればオチによって全く異なる性質に変わるので純文学ではない、故に非常に難しい本の紹介になる。
    紹介する人の技術が問われる小説なのかもしれない。

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    2026年03月28日