吉田修一のレビュー一覧

  • ミス・サンシャイン

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    往年の大女優と大学院生の青年の交流を描いた作品。出演した作品や演技とその時々の生活や背景などを描きながら、現代の時間や交流とオーバーラップしつつ進んでいく展開は吉田修一のお得意のところという感じ。舞台芸術的な世界や作品を丁寧に描くという意味では『国宝』とも通じるのですが、『国宝』は地の文の独特さもあり(それが良いのですが)、どちらがより吉田修一らしいかと言われればこちらでしょう。結びの描き方も落ち着いていて大変良い。人生で歩んできた時間や人とのつながりを大切にしたくなる温かい作品。

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    2026年06月25日
  • 日曜日たち

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    短編集。日曜日の運勢の章が個人的に一番の好みだった。断ったり強く否定できない性格から癖のある女性に好かれ振り回されるものの案外その人生を謳歌している主人公が愉快だった。

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    2026年06月24日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    何ともほのぼの。
    小説とは違って、事件はみんなと同じくらいのもの。
    猫らに癒されるのも。
    しかし、仕事などでいろんなところに行き、いろんな人と会い、いろんなものを食べて飲んでいるところのグレードは高いな。
    国宝の最初にも出会える楽しい作品。

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    2026年06月22日
  • おかえり横道世之介

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    子どもとのやりとりがあたたかい。
    好きな一言
    弱い人間っていうのは、弱い人からおもちゃを取ろうとする人のことだぞ。逆に、強い人間っていうのは、弱い人に自分のおもちゃを貸してあげられる人のこと。

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    2026年06月21日
  • ミス・サンシャイン

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    引退した大女優の荷物整理を引き受けた大学院生が恋をする話

    来た!吉田さんの純愛純文学。波乱万丈でも平々凡々でもすべては人間であり同じような悩みや傷を抱え生きている、深い共感。愛とは嫌われてもいいと思う気持ち。吉田さんの描く男はみんな優しい

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    2026年06月20日
  • 悪人 新装版

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    ネタバレ

    前半はよくいるOLの話。仲が良いようで心の中ではほくそ笑んだりしている、女の汚い部分が描かれていた。被害者はまさに"イヤな女"だし、加害者は苦労人で初め同情したが結局感情で人を殺めたし、で、登場人物の誰にも共感できない、むしろ胸糞な内容。だが後半、どうしようもない登場人物の家族側にスポットライトが当てられ、感情移入をし、泣いてしまった。自分の大切な子・孫がどんな悪行を働いたとしても、愛おしいし、それを馬鹿にする人の気持ちがわからない。普段では考えられない行動も発作的に起こす。亡き娘の背中を蹴り飛ばした男の元へ行くも結局もできず帰ってきてしまう父の切なさ。自分を脅迫する男の元へ震えながら立ち向かう祖母の姿。孫の優しさが動力になる。その孫は人を殺めたが、祖母にとってはかけがえのない孫である。救いようのない事件の中で、人の心が希望の光となる物語だった。

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    2026年06月20日
  • 永遠と横道世之介 上

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    大きな出来事が起こるわけではないが、世之介を取り巻く温かな日々に引き込まれる。この幸せな時間がいつまでも続いてほしいと願うが、その先に待つ悲しい結末を前作で語られているからこそ、一つひとつの場面がより愛おしく切なく映る。下巻へ

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    2026年06月19日
  • 日曜日たち

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    ネタバレ

    5つの短編から成る一冊です。
    5つの違った物語の中に,少しだけ繋がりがあり、最後は全体が繋がっていきます。
    日常に溢れている身近な風景の中に生活している人たちの、ちょっと切ない物語です。
    それでも、読み終わると肩の荷が下りたようなホッとした気持ちになりました。
    キーポイントでもある少年の兄弟も、著者の描く世界観にマッチしていて、すごく良かったです。

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    2026年06月19日
  • 国宝 上 青春篇

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    ネタバレ

    万菊さんの「あなた、歌舞伎が憎くて憎くて仕方ないんでしょ。でも、それでいいの。それでもやるの。」というセリフ、もとは俊坊へのセリフだったんだ

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    2026年09月13日
  • おかえり横道世之介

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    読んだ本 おかえり横道世之介 吉田修一 20260614

     シリーズ連投で読みました。
     ちょっと世之介の世界が小さくなった気がするけど、周りの人たちの関わる世界に間接的に触れることで、無力感を感じさせない何もできない様子がなんかいいですね。
     こういう幸せの中で納めてあげたくなる気もするんだけど、そうはいかないんですかね。
     隼人さんの最後が、すごく感じ入りました。当たり前のようにしていたことからの解放。自分が何なのかを取り戻すようなラストシーン。これを最後に持ってくるなんて、やっぱり良いお話でした。
     三作目もあるって気づきました。
     少し余韻に浸ってから読みますかね。

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    2026年06月14日
  • ミス・サンシャイン

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    作家の得意とする暗さがなく楽しめた。でも最後は暗い部分の表れそれが作品の魅力を一段と引き立てている。
    異性と性別を超えた共鳴を覚える人に出会えたことが羨ましくもあり、本当にあるのかなとも、またその境地に達していないだけの自分がいるのかなとも、、、

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    2026年06月11日
  • ミス・サンシャイン

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    すずさんといっくんの関係がすてきすぎた。
    いっくんが、すずさんとのことだけは奥さんに話せなかった、というところに切なさを感じた。

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    2026年06月08日
  • 罪名、一万年愛す

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    吉田修一さん、ほんとにいろんなジャンルの作品があってビックリします!

    私は「太陽は動かない」の3部作が好きで、そのあとに「悪人」や「怒り」の犯罪小説系を読み、そして「国宝」はまた文体からして全然違ったけど素晴らしく……“みんな違ってみんないい”です本当に

    この本もまた、私が読んだことのある吉田修一さんの作品にはないジャンルで、ドラマ化を前提に書き下ろしたのかと思うような劇的なストーリー
    楽しく読みました

    次は、こちらの皆さんの本棚や評価で目にとまった、「横道世之介」読むぞ〜〜!!

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    2026年06月05日
  • 怒り(上) 新装版

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    虚偽の情報に満ちた腐敗した社会の中で、自分を偽らずに生きることが、いかに危険で絶望的に困難であるかを投げかけている。

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    2026年05月20日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    湖畔の老人介護施設で老人が亡くなった
    人工呼吸器を外されていたことで警察の捜査が入り
    物語は展開していくのだけど
    刑事とそこのスタッフの女性とが怪しい関係に
    なっていく流れの異常さは読者を選ぶかもしれない
    事件の経過も気になるし二人の関係もなぜか気になり
    読みました
    この著者はこういった感じの作品なのかな?
    と思いながらも物語的には気になって引き込まれて
    しまいました

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    2026年05月20日
  • 泣きたくなるような青空

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    偶然にも知り得た吉田氏のエッセイは、心に響いた。本書もすぐに読んでみようと思っていた。個人的にも、旅は、いいものだ。


    本書は、航空機内誌に連載されていた25編のエッセイを纏めている。カバーが、圧巻だ。椰子の木と
    その椰子の木の周囲を取り囲む岩場等、ちぎれ雲とのコントラストが筆舌し難い。見事に夏の一瞬を切り取っているように見え、非常に目に映える。

    筆者は、中国語を勉強しているようだ。日本語と中国語との発声方法の違い等を知ると、中国語に対するイメージ等も変わるという。さらに、筆者は、新しい言葉を学ぶ楽しさを述べている。確かに、学習直後は、特に楽しいだろう。

    中国語の勉強を始めた筆者と、中国語に限らず外国語を少しでも実践したいという気持ちが強かった学生時代の頃とが重なった。

    余談だが、先日、勤務中に中国人旅行者が質問してきた。何とも心許ない中国語力だが、問題等は解消できたようで、そのお二方は、満足気だった。


    日々思っていることだが、新しい言葉を知ることは、世界を拡げてくれるはずだ。

    本書は、私の背中をそっと押してくれた気がした。

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    2026年05月18日
  • 国宝 上 青春篇

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    ネタバレ

    映画に感動して手に取った。
    当然映画はいろいろ端折られている。でも、改めて映画は映画でとてもまとまっていたのでは…と思った。

    徳次の存在
    これは小説において重要。喜久雄が寡黙なタイプ、表現が薄いタイプなだけに、かなり効いてくる。喜久雄にとってなくてはならない存在。そして読者的には喜久雄がヤクザの血筋であることを要所要所で思い起こさせる。

    ヤクザの勢力図と歌舞伎界の勢力図
    なんかね…ヤクザっていたんだなって…この時代を生きてきていないから、ちょっと理解しにくくはあるけども、どう立花組が解体させられていくのか、それでも辻村には頭が上がらない、なんなら資金援助を受けているとか。立花組のことを夜の女性達が哀れむほどとか。描かれ方が切ない。
    梅村が白虎の件で左遷され、喜久雄の後見人に万菊がならず、鶴若がなる。そして端役しか渡されず、地方巡業。一方、竹野が俊介を見つけ、万菊が後見人となる。俊介には良い役が与えられ、万菊と共演。一方の喜久雄は端役も端役。歌舞伎界の後見人の必要性が描かれていた。

    マツ
    小説で印象的な女性はマツだった。喜久雄の実の母ではないのに、千代子に顔向けできるような子育てをと奮起している。いや、それ以上の母としての愛を感じた。大阪に送り出すときに他のヤクザの家はダメだと大反対、突然帰省した喜久雄に女中姿を見られたときの切ない対応、何よりも優先する仕送り、大阪へは行かず、いつか東京で喜久雄の歌舞伎を観ると長崎で小料理屋を営む決意。なんか、かっこいいお母さんだよね。見栄で大阪行くときに良い着物を質屋で借りるとかさ、立花組の妻の意地と見栄もあり、一生懸命な人。

    さてさて、彰子が登場して上巻は終わり。下巻も楽しみ。

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    2026年07月28日
  • 国宝 5

    購入済み

    む?

    相変わらず絵が綺麗で良いが、時系列がちょっとわかりにくいのと、
    危なさ満載だった辻村の舞台に立ってどうだったのか、などがなんだか不明?

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    2026年05月11日
  • 新装版 静かな爆弾

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    吉田修一さんの恋愛小説。
    テレビ局に勤める俊平は、公園で出会った聴覚にハンディキャップを持つ女性・響子と恋に落ちる。
    静かで穏やかな日々を重ねていく二人は、俊平が仕事で忙殺されるなかで、すれ違いが積み重なっていく。
    俊平と響子は言葉を交わせない分、伝えたいことを精査して文字で伝えるため、余分なことを省略するのが当たり前になってしまう。だけど、その余分なことが相手を知るために必要なこともあり、心が通じ合えるほどの関係に至っていなかったことに気付かされる。
    思っていた以上に相手のことを知らず、知らないことに薄々気付いていたのに知ろうとしなかった俊平の気持ちが見えてくる描写がとても良かったです。
    二人の出会いの場面がとにかく美しく、はっきりとは描かれない二人の関係も想像をかき立てます。
    吉田さんの恋愛小説は心に沁みる。また好きな作品が増えました。

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    2026年05月11日
  • 横道世之介

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    昭和?平成初期?の大学生横道世之介の1年間を描いた小説。
    映画観た記憶が薄らあるが、そんなにおもしろくはなかったし、世之介変なやつだなーとか思った気がするが。
    本は世之介そんなに変じゃないし、世之介が関わった人たちがほんとうに少しだけ影響を受けたり受けなかったり。世之介もすんなりいいやつってわけではないけど、どこか憎めない、愛される男。この男の見ている世界を切り取るカメラマンという職業もよかった。
    この本が、世之介が、とても大切だと抱きしめられる人もいる、響く人には響く作品。

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    2026年05月10日