吉田修一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
吉田修一の描く群像劇はやはりピカイチだと思う。
とても素敵な作品だった。
台湾に日本の新幹線が走る。
商社の台湾支局に勤める春香と日本で働く建築家・人豪の巡り合い。
台湾で生まれ戦後引き揚げた老人・勝一郎の後悔。
「今」を謳歌する台湾人青年・威志の日常。
新幹線事業を背景に、
日台の人々の国を越え時間を越えて繋がる想いを色鮮やかに描く群像劇。
出てくる登場人物たちが皆何らかの形で台湾新幹線に関わっている。
これは非常に高等なテクニックだとも思った。
何気ない日常を描き、何でもない台湾人青年に至ってもそういう流れになる。
群像劇で一番難しい繋がりを、いとも簡単に描いている点は流石の一言。
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Posted by ブクログ
当初想像していたのとはだいぶ違う内容だった。それは勿論良い意味で。
心に傷を負った大学院生の岡田一心は、
伝説の映画女優である和楽京子こと石田鈴の自宅で荷物整理を手伝うことに。
引退した今なお美しい鈴さんの胸に秘められていた波瀾万丈な映画人生、
原爆が奪った運命と大切な人たち。
その過去に触れるうち、一心の胸にあたたかな光が灯る。
吉田修一作品で言ったら横道世之介に分類される読みやすさと温かさであった。
何より、鈴さんの生きた人生が本当に胸に刺さる内容であった。
ミス・サンシャインに込められた皮肉、
そんなことにも気付けなかった己の無知さ加減も含めて。
鈴さんという存在によって、
主人公 -
Posted by ブクログ
ネタバレ直樹の章の最後で、全くジャンルが異なる本になる。
共同アパートで暮らす5人を丁寧に描いた群像劇のように進んでいく。
サトルが新たに入居して不穏な空気になるがそれがミスリードのまま終わると思いきや、まさかのそれをオチに持ってくる衝撃の展開。
読んでいて全く予想できなかった、ただこの作品のジャンルがとても難しいと思った。
オチありきならミステリーになるのだが、それだとオチの衝撃が無くなってしまうだろう。
しかし、純文学と言われればオチによって全く異なる性質に変わるので純文学ではない、故に非常に難しい本の紹介になる。
紹介する人の技術が問われる小説なのかもしれない。
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やはり吉田修一作品すごいなあ。
いったい悪人とはなんなのか。見栄を張り平然と嘘をつくものなのか。殺しはしないが人の心を弄びなんとも思わないものなのか。追い詰められて人を殺すものなのか。愛を貫いて法を破るのが悪人なのか。知りもしないで外野から批判する者たちなのか。
2人にとっては逃避行だったけれども、孤独な者同士が初めて繋がる居場所だったんだろう。究極に切ない。
長崎弁で書かれているからか素朴さを感じながらもかえって剥き出しの感情が刺さってくる。
「その人の幸せな様子を思うだけで、自分までうれしくなってくるような人たい」という父親のセリフや「祐一、逃げたら駄目よ。怖かやろうけど、逃げたら駄目よ。 -
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外で読んで、外で号泣した。
一組の兄弟と、二人に関わりながら特別な日曜日を生き抜いた五人の話。リアルだった。こういう人達が本当にいて、なんとか一日を生きようとしてて、その中で少しだけ特別な日曜日を迎えることがある気がした。
日曜日のエレベーター→粉雪のような。サラサラしてて、煌めいて綺麗で、それでいて触れたら溶けてしまう。彼女は夢を叶えて、僕はあの日で止まったまま。日曜日がターニングポイントになったけど、どっちが幸せ、とかそういうのではない。理解はしてるのに体が付いてきていない。だから僕は、エレベーターは10階で止まる気がしたんだと思う。
日曜日の被害者→「何もされないのがちょっと可哀想だ -
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サラリーマンが公園で知り合って、ふとしたことで口をきき、何気ない付き合いが始まる。それだけ。
以前、話題になった「悪人」を読んだ感想で、可もなく不可もない話だと書いた覚えがある。被疑者にされた恵まれない育ちの素朴な青年と、電話で知り合った女性が逃げているうちにお互いに情が湧く、ストックホルム症候群的いきさつだろう。それがそんなに話題になるほどいい小説なのか、長いし。と思った。
この「パーク・ライフ」を読んでから再読すると、とんだ勘違いで、浅い読み手だったと反省した。
これは日常生活の1シーンを切り取ったようないい話だった。
取り立てて驚くようなこともなく、公園でふと知り合ったサラリーマンと -
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ネタバレ4人の男女がマンションの部屋をシェアして暮らしている。適当な距離を保って快適だと思っていた。それが長引くとお互いのかかわりも深まって。
第15回山本周五郎賞受賞作
都内の2LDKのマンションに男女4人が暮らしている。男部屋、女部屋と名づけて一部屋に二人ずつ住んでいる。
最初は「直樹」と「美咲」が住んでいた。二人の仲が冷め始めた頃、「美咲]の友人が行きどころが無くなり一緒に住み始めた、これが雑貨店の店長をしている「未来」。そこに直樹の後輩の後輩「良介」が上京して同居することになる。その頃美咲は新しい恋人を見つけて、マンションを出て行く。
「美咲」は大手化粧品メーカーの秘書、「直樹」はインデ