吉田修一のレビュー一覧

  • 路

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    吉田修一の描く群像劇はやはりピカイチだと思う。
    とても素敵な作品だった。

    台湾に日本の新幹線が走る。
    商社の台湾支局に勤める春香と日本で働く建築家・人豪の巡り合い。
    台湾で生まれ戦後引き揚げた老人・勝一郎の後悔。
    「今」を謳歌する台湾人青年・威志の日常。
    新幹線事業を背景に、
    日台の人々の国を越え時間を越えて繋がる想いを色鮮やかに描く群像劇。

    出てくる登場人物たちが皆何らかの形で台湾新幹線に関わっている。
    これは非常に高等なテクニックだとも思った。
    何気ない日常を描き、何でもない台湾人青年に至ってもそういう流れになる。
    群像劇で一番難しい繋がりを、いとも簡単に描いている点は流石の一言。

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    2026年04月20日
  • ウォーターゲーム

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    水道の利権をめぐる策略と情報戦。色んな企業、国、政治、それぞれの私利私欲が絡み、スパイ&アクションのエンタメ要素ががっつり高めで面白い!展開がテンポ良く変わるので飽きずに読める。ただ、前の2作と比べるとあまりにも現実離れしすぎているというか出来すぎている感はあって、前半はそんなにのめり込めなかった。でも、終盤の畳み掛けるような展開が好き過ぎた。
    スピンオフも出して欲しいな。

    あと、ファッテューチョンってスープ、初めて知った。仏も飛んでくるってすごい!どんな味なんだろ?!

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    2026年04月11日
  • ミス・サンシャイン

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    当初想像していたのとはだいぶ違う内容だった。それは勿論良い意味で。

    心に傷を負った大学院生の岡田一心は、
    伝説の映画女優である和楽京子こと石田鈴の自宅で荷物整理を手伝うことに。
    引退した今なお美しい鈴さんの胸に秘められていた波瀾万丈な映画人生、
    原爆が奪った運命と大切な人たち。
    その過去に触れるうち、一心の胸にあたたかな光が灯る。

    吉田修一作品で言ったら横道世之介に分類される読みやすさと温かさであった。
    何より、鈴さんの生きた人生が本当に胸に刺さる内容であった。
    ミス・サンシャインに込められた皮肉、
    そんなことにも気付けなかった己の無知さ加減も含めて。

    鈴さんという存在によって、
    主人公

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    2026年04月11日
  • パレード

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    小さなきっかけで集まった、お互いに無関心な緩い関係性の5人の話。ゆるい日常にだんだんと暗雲が立ち込めて、ラストに繋がった。まともそうな人が実は、というとこまで含めて親近感がわく小説だった。
    長く付き合う関係性もいいけど、人生の中で数年程度の刹那的な関係っていいよね。

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    2026年04月10日
  • ミス・サンシャイン

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    最初は物語の核となる部分がどこにあるのか分からなかったが読み進めることで和楽京子と一心がそれぞれ異なる人生を歩む中でも重なる部分にこちらが惹き込まれていく。桃ちゃんの件が必要だったのかは微妙なところだが、逆のこの年相応の恋模様が展開されることで読みやすく、また主人公がまだまだ大人にも非情にもなりきれない未熟な少年であることが上手く表現されている。原爆に関して、記述は多くはないがそれでも歴史と和楽京子の人生の重みを感じるには充分な文章だった。

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    2026年04月07日
  • 怒り(下) 新装版

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    信じる 信じない 信じられない
    信じていたのに裏切られる

    結局最後は自分自身を信じることができた者だけが、自分にとって大切だと思う人のことを信じることができるのだろう

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    2026年04月07日
  • 怒り(上) 新装版

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    最初はよくわからないまま進んでいたけど、後半はかなり面白くてサクサク読めた。続きが非常に気になる。
    下まで読んでもう一度ちゃんと感想書こう。

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    2026年04月05日
  • 永遠と横道世之介 下

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    なんでもない一日。
    春の、夏の、秋の、冬の。
    そんななんでもない一日みたいな人。

    心が洗われるような本でした。

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    2026年04月04日
  • 路

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    台湾新幹線のお話という事でもっとプロジェクトXっぽいかと思いましたが、いい意味で予想を裏切ってもらいました。

    吉田修一さんの作品は人間を描くのが上手だといつも感心しますが今回はいい方の人間臭さが目立つ内容で台湾の人の優しさ、おおらかさがとても心地よかったです。

    後、一番は台湾の空気、匂い、そして南国の蒸し暑さ、それがすごく伝わって来ましたね。

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    2026年03月29日
  • パレード

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    ネタバレ

    直樹の章の最後で、全くジャンルが異なる本になる。
    共同アパートで暮らす5人を丁寧に描いた群像劇のように進んでいく。
    サトルが新たに入居して不穏な空気になるがそれがミスリードのまま終わると思いきや、まさかのそれをオチに持ってくる衝撃の展開。
    読んでいて全く予想できなかった、ただこの作品のジャンルがとても難しいと思った。
    オチありきならミステリーになるのだが、それだとオチの衝撃が無くなってしまうだろう。
    しかし、純文学と言われればオチによって全く異なる性質に変わるので純文学ではない、故に非常に難しい本の紹介になる。
    紹介する人の技術が問われる小説なのかもしれない。

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    2026年03月28日
  • 永遠と横道世之介 上

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    少し前に読んだ『太陽は動かない』でもコメントしたが、改めて吉田修一の表現力の広さ(深さ?)には恐れ入る。『横道世之介』シリーズの三作目として、これまでの軽妙な表現や内容は、『悪人』『怒り』『犯罪小説集』等の「重さ」と『太陽は動かない』の「ダイナミックなアクションもの」とは全く別物で、シリーズの期待どおり思わず笑ったりホッとさせたりしてくれる。第一作目の映画化のとおり、世之介は主演の高良健吾君をイメージしながら読んでしまった。
    (小説の内容については下巻も含めて全て読んだところでコメントさせてもらう。)

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    2026年03月27日
  • 悪人 新装版

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    やはり吉田修一作品すごいなあ。
    いったい悪人とはなんなのか。見栄を張り平然と嘘をつくものなのか。殺しはしないが人の心を弄びなんとも思わないものなのか。追い詰められて人を殺すものなのか。愛を貫いて法を破るのが悪人なのか。知りもしないで外野から批判する者たちなのか。
    2人にとっては逃避行だったけれども、孤独な者同士が初めて繋がる居場所だったんだろう。究極に切ない。
    長崎弁で書かれているからか素朴さを感じながらもかえって剥き出しの感情が刺さってくる。
    「その人の幸せな様子を思うだけで、自分までうれしくなってくるような人たい」という父親のセリフや「祐一、逃げたら駄目よ。怖かやろうけど、逃げたら駄目よ。

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    2026年03月25日
  • 横道世之介

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    大学進学を機に上京した横道くんの青春物語。
    冴えない青年だった横道くんが、読み進むにつれて気付いたら成長してる。すごく垢抜けたとかではなく、自然な感じが絶妙。
    友人たちのその後が描かれているのが良かった!

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    2026年03月21日
  • 昨日、若者たちは

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    何気ない景色も、当事者にとっては人生が変わるきっかけになる。言葉にはし難いけれど今から何かが変わるような、新しい自分が始まるような。得体の知れないけど確実に存在する空気感が描写されていて頭がすきっとした。

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    2026年03月19日
  • 怒り(下) 新装版

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    最初はちょっと自分に合わないかなと思いながら読み進めていたが、上巻の最後の方から引き込まれ、あっという間に下巻を読み終えた。最後は涙と感動が。恐るべし吉田修一。

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    2026年03月15日
  • 怒り(上) 新装版

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    最初はちょっと自分に合わないかなと思いながら読み進めていたが、上巻の最後の方から引き込まれ、あっという間に下巻を読み終えた。最後は涙と感動が。恐るべし吉田修一。

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    2026年03月15日
  • 日曜日たち

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    外で読んで、外で号泣した。
    一組の兄弟と、二人に関わりながら特別な日曜日を生き抜いた五人の話。リアルだった。こういう人達が本当にいて、なんとか一日を生きようとしてて、その中で少しだけ特別な日曜日を迎えることがある気がした。

    日曜日のエレベーター→粉雪のような。サラサラしてて、煌めいて綺麗で、それでいて触れたら溶けてしまう。彼女は夢を叶えて、僕はあの日で止まったまま。日曜日がターニングポイントになったけど、どっちが幸せ、とかそういうのではない。理解はしてるのに体が付いてきていない。だから僕は、エレベーターは10階で止まる気がしたんだと思う。

    日曜日の被害者→「何もされないのがちょっと可哀想だ

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    2026年03月08日
  • パーク・ライフ

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    サラリーマンが公園で知り合って、ふとしたことで口をきき、何気ない付き合いが始まる。それだけ。
    以前、話題になった「悪人」を読んだ感想で、可もなく不可もない話だと書いた覚えがある。被疑者にされた恵まれない育ちの素朴な青年と、電話で知り合った女性が逃げているうちにお互いに情が湧く、ストックホルム症候群的いきさつだろう。それがそんなに話題になるほどいい小説なのか、長いし。と思った。

    この「パーク・ライフ」を読んでから再読すると、とんだ勘違いで、浅い読み手だったと反省した。
    これは日常生活の1シーンを切り取ったようないい話だった。

    取り立てて驚くようなこともなく、公園でふと知り合ったサラリーマンと

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    2026年03月07日
  • 罪名、一万年愛す

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    いわゆるSFなんだけど、面白くて一気に読んでしまった。よくあるミステリーだと思っていたけど、戦争の話が始まって色々と考えさせられた。読んでいて辛いところもあったけど、でも戦争系の本が苦手な私でもすっと読めたから、この本はいいなと思った。
    なにより登場人物に嫌な人がいないことがとてもポイントが高い。
    科学的に証明されなくたっていい。
    終わり方もとても良かった。
    戦争のない今を生きている私たちは幸せだ。各国では戦争が起きているけれど、戦争が無くなればいいのにな、、、

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    2026年03月02日
  • パレード

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    ネタバレ

    4人の男女がマンションの部屋をシェアして暮らしている。適当な距離を保って快適だと思っていた。それが長引くとお互いのかかわりも深まって。
    第15回山本周五郎賞受賞作


    都内の2LDKのマンションに男女4人が暮らしている。男部屋、女部屋と名づけて一部屋に二人ずつ住んでいる。
    最初は「直樹」と「美咲」が住んでいた。二人の仲が冷め始めた頃、「美咲]の友人が行きどころが無くなり一緒に住み始めた、これが雑貨店の店長をしている「未来」。そこに直樹の後輩の後輩「良介」が上京して同居することになる。その頃美咲は新しい恋人を見つけて、マンションを出て行く。

    「美咲」は大手化粧品メーカーの秘書、「直樹」はインデ

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    2026年03月01日