吉田修一のレビュー一覧
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昨日に続いて吉田修一さんのエッセイ。
村上春樹さんは小説とエッセイにかなりの落差があって痛快なのだが、吉田修一さんはどうなのだろうか。
『横道世之介』という映画はうろ覚えだけど、あまり落差がない気がする。
今回のエッセイも旅の一コマと追想が綴られている。
なかでも、「青の氾濫・竹富島」「対馬旅情」「四00万人分の笑顔がお気に入り」竹富町も対馬も金比羅山神社も行ったことがない。
特に藍色、空色、水色、水浅葱、露草色、勿忘草色、青褐、鉄紺、、33種類の青表現以上の色の豊富な竹富島の海と空。期待を裏切らないどころか期待以上という景色。
想像ばかりがふくらみ、幸せな気分になる本だった。 -
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ANAの飛行機に乗ると、必ず目を通すのがこの機関誌。そうか、そこに載っていたエッセイだったのか。
地図が大好きな私は、早速吉田修一さんとの共通点を見つけて、「読む旅」を始めた。
吉田修一さんが『横道世之介』の原作者というくらいしか予備知識がなかったが、読めば読むほど興味が湧いてきた。
吉田さんはさださんと同じ長崎出身。賑やかな精霊流しな話などを読むと憧れがふくらむ。
上高地とヨセミテ国立公園の水と清潔の話。水が大好きな吉田さんは、清潔さが一番恐ろしいという。たぶん表裏一体の気持ちだろう。森の声と風のゆらぎ、満天の星の敬虔なる風景がそう言わせたのかな。
アカデミー賞の映画に対するSMAPの稲垣さ -
ネタバレ 購入済み
11人の女性との逸話または寓話
吉田修一さんのストーリーテラーぶりにはただただ脱帽。男性視点の11人の女性との逸話または寓話。個人的には作品名含め最後の「最初の妻」の話がよい(というか胸が痛い)。中学1年で最初で最後のデートという設定も初恋ではないが儚くそしてその純粋な思いにくらくらしてしまいました。また、自分勝手な妄想で怒りにふるえてしまう犯罪ストーカー的な「夢の女」も共感する部分あり。「どしゃぶりの女」は何もしない無気力な女ではなくて、実は人には事情があって、それをいちいち言わないのもそれに気づかないのも男と女だなと思ってしまった。
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ネタバレ映画観てから上下巻読み終わり
映画だと分かりにくかった、不倫相手の日記かと思いきや桃子自身の日記だったり
桃子と真守と義母の細かいやりとりとか、描写とか、凄く想像しながら読めて面白かった
桃子はきっと他所から見たら、良いお嫁さんで、働いてた時は凄く仕事も出来て、旦那さんとも義理親とも上手くやっていて、とても幸せに見えてたんだろうな
でもみんな自分だけの地獄があるんだなと思い知らされる
鰐淵さんに、裏でめんどくせ〜って言われるとことか
義母と真守に騙されたようなもんだって言われるとことか
リアルだな〜
誰でも桃子のようになる可能性がある
自分が自分でいられなくなる時がある
最後は仕事だ -
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本作は、少なくとも三〜五作目は実在の事件をもとにして書かれていると思うのだけど、明記されていないのはなぜだろうか
ばからがき…大王製紙井川 ギャンブル狂い
よろずやぜんじろう…『つけびの村』でも有名な山口連続放火殺人事件
白球白蛇伝…元千葉ロッテマリーンズ投手強盗殺人事件
実際の事件がモチーフになっている犯罪小説は、人間の業の深さ、生い立ちや環境次第で一歩間違えば誰でも犯罪者になり得るのではないかと思わせるリアリティさが増す
完全なるフィクション(あり得ない筋)も面白いが、
こういう背景が本当にあったのかもしれないと思わせてくれる事件小説は、実際の報道内容と照合させて書かれているものも -
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世之介をとりまく人々、またその人たちをはぐくんできた人たち、たくさんの登場人物がでてくる。
世之介の父母の出会い、世之介と事実婚にあるあけみちゃんの芸者だった祖母。。。
それらは、今を生きる世之介やあけみちゃんが語るのではなく、その当事者たちの時代に戻るためそのたび読者は時代を行き来することになり脳が忙しくなる。
どのエピソードも特にドラマティックではないがあたたかくやさしさにあふれている。
特に、世之介の父母の出会いの話が好き。
多恵子(母)が結婚前に洋造(父)の母に初めて会う場面。
長く漁師町で働いてきたのちに姑となる母の手で握られた多恵子は「ここが私が幸せになる場所だ」と確信する。「ウ -
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遂に…本当にこれでおしまいかぁ…!!一気に読んだけれど、長いとは感じなかったです。
「ドミー吉祥寺の南」の住民たちと、世之介の元カノである二千花、仕事の後輩に当たるエバ…世之介が関わってきた人たちは(前作・前々作の登場人物も含めて)、みんな素敵な人たちでしたっ!
善良な世之介と関わったことで、みな善良になれたのかな…この世で一番大切なことはリラックスできていること、世之介らしいなって感じました。なんでもない一日みたいな人が世之介…こんな風に誰かの心に残る人になりたいなぁ…!
あぁ…読み終えてしまった…!評価は通して、☆4に読み終えたときのインスピレーションでしているけれど…☆5で -
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遂に読んでしまったって感じかな…。この作品では、主人公の横道世之介が38歳~39歳の1年間をベースに描かれています。世之介は修学旅行に同行するようなカメラマンとして、そして暮らしているのは「ドミー吉祥寺の南」という下宿です。この下宿を切り盛りしているのが、交際相手のあけみちゃんで、世之介の他にも営業マンの礼二さんや書店員の大福さん、大学生の谷尻くんなど個性的な面々が暮らしています。そこに、教師のムーさんの息子でひきこもりの一歩が加わります。
世之介って、どの年代にもちゃんと交際している彼女がいて…あ、あけみちゃんとは内縁関係か、でもその前にもう一人、二千花という彼女もいたようで…あけみち