吉田修一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
特に劇的な何かがあるわけでもない、目に余る奇跡が起こるわけでもない。
長崎から大学進学のために東京へ上京して来た横道世之介、18歳。
そんな彼の東京での日常を切り取っていくお話。
悠々自適な大学生活、サンバ部への入部、風変わりな友との出会い、
そして彼の何かを変えたに違いないお嬢様との恋愛。
青春とは誰かが決めるものでもない。自分が見て感じて得たもの。
横道世之介という青年を観てると、そんな風にすら感じる。
あの頃、自分が見て感じたもの。
気付けなかった青っぽい春のゆらめき。
そんな甘酸っぱいものが溢れ出てくる、やっと思い出したかのように。 -
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
初恋の女性と結婚した男。がむしゃらに働いて成功するが、夫婦で温泉に出かける前日、妻から離婚を切り出される。幸せにするために頑張ってきたのに、なぜ―表題作ほか、不倫を重ねる元同級生や、親に内緒で初めて外泊する高校生カップルなど、温泉を訪れる五組の男女の心情を細やかにすくいあげる。日常を離れた場所で気づく、本当の気持ち。切なく、あたたかく、ほろ苦い恋愛小説集。
温泉で見つめなおすか・・・
走りすぎているというか普段気づかないことを気づかせてくれるというのはやはり心にゆとりがないと難しいものなんでしょうね。。。
僕は大丈夫だね!?? -
Posted by ブクログ
出版社/著者からの内容紹介
最高傑作長篇小説
村上龍氏絶賛!
「倒壊の陰にある希望、裏切りと同意語の救済。閉塞と共存する解放、虚構に身を隠す現実。」
関東平野のど真ん中、開発途上の大宮の地にそびえ立つ、地上35階建ての巨大スパイラルビル。設計士・犬飼と鉄筋工・隼人の運命が交差するその建設現場で、積み重ねられた不安定なねじれがやがて臨界点を超えるとき。鮮烈なイメージと比類ない構想、圧倒的な筆力で<現代>のクライシスを描く芥川賞・山本賞作家の傑作長篇小説!
それぞれにそれぞれの物語があるんだなぁ・・・
と感じてしまいます。
きっと何も取り柄がないような僕にも物語にしようと思えばそうなるのかな -
Posted by ブクログ
自分の大学生時代を思い出しました。自由だけど、分からないことだらけ。その場のその視点からでしか物事を判断できずにいる主人公の滑稽さに親しみだけでなく懐かしさまで感じさせられました。
作者の心の機微を表現する様々な工夫が、自分のこれまでの人生の様々な場面での感情までもうまく言葉にしてもらえた気がしました。複雑な感情って言葉で諦めていたけれど、感情って言葉にできるんだなと思えたことが、国語が苦手だった私のこの本での学びでした。
読むのも遅い私でしたが、最後まで読めたことで、過去も今の出来事ももっと言葉に換えて大切にしたいと思えました。
温かい気持ちになれました。自分には長すぎでしたが。。 -
Posted by ブクログ
映画も見たので原作も読んだ(Audibleで視聴)。
映画と結構違う!
いや大筋は一緒だけれども、この大作を映画で実際の歌舞伎を映しながら3時間の尺に収めるためにかなり原作から削られているキャラや展開がある。
とは言え映画は入り切らない部分を削っただけで決して改変をしていないとも言える。今のところ原作を読んだのは上巻までだが、映画は脚本のまとめ方が凄すぎますね。
原作は喜久雄の母親への愛情、俊坊の母親幸子の健気な姿、ずっと喜久雄に寄り添っている徳次の忠心などがもっとしっかり語られている。
そして原作の喜久雄は稽古に励んだ末歌舞伎役者としても誰よりも頭角を現し、血のつながらない丹波屋を継いで半