吉田修一のレビュー一覧
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映画公開直前に上巻だけ買ったものの、映画を先に3回観てしまったので積読していた。
映画は言わずもがな神作だったが、本は映画よりもひとりひとりの人物について深掘りされていたり映画にはなかったエピソードも描かれていて、遅くなってしまったけど読んでよかった!!つまり映画も本もどちらも最高傑作です。
独特の語り口だし知らない言葉もたくさん出てくるのに内容がスルスル頭に入ってきて一気に読めたのは、映画を観ていたおかげで映像が浮かびやすかったのと、ストーリー展開がテンポよくて面白いからなのだろうなと思った。
徳次の人物像やマツとの関係性が深掘りされているところ、あとはやっぱり喜久雄と俊介の関係性やふたりの葛藤、苦悩が刺さった。 -
Posted by ブクログ
圧巻だったなぁ、、
読んでいると歌舞伎の舞台や楽屋が、音や香りまでありありと目に見えて伝わってくるようで、気付いたらどっぷりと没入していました。
喜久雄が舞台の上で俊介のことを想うとき、僭越ながら2人の人生を追わせていただいている読み手として、その思い出がまるで自分のことのように思い出されて涙がでました。
喜久雄や俊介だけでなく、徳次や弁天、そして優しく、それ以上に力強く男性を支える女性陣の姿一人ひとりにたくさん感動させられました。
歌舞伎が、舞台が、映画が、音楽が、本が、
芸術というものがある世界に生まれて良かったと心から思いました。
しばらくは心がふわふわするような余韻に浸っていられそうです。 -
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表面上は実際にありそうな風景。
仕事に邁進しつつ恋愛問題もそれなりに抱え他人の厄介事にも巻き込まれ、自分だったらげんなりしそうな状況も世之介は軽やかに日常のように過ごしていく。まぁ、それを可能にしているのはあけみさんの手腕によるところも大きい訳で何なら彼女が一番偉いと思うが。
それでも世之介の人に労力を惜しまないところはとても魅力的だ。楽しんでいるのがまたいい。偉ぶらない(出来てない)のは更にいい。ある程度正直に生きていてそれが羨ましく、直前に読んだ伊坂幸太郎の逆ソクラテスに出ていた子供を思い出す。あの子と世之介を引き合わせたい(笑)
このシリーズを最初から読んでる人とここから読んだ人では捉え方、日常に対する深みがまるで違うはず。
妙に記憶に残る人。
気付けば好きになってしまってる。
世之介の飾らなさに。
あけみさんの切なさに。
何だか泣き笑いのような気持ちでページを手繰った。
さぁ、いよいよ下巻に入ります。
読みたくないけど読まずにいられない。 -
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昨年映画を拝見。
「あんな風には生きられないよなぁ」
まさに邦画の最高峰。その世界観に心酔。
そこから頃合いを見て原作にトライ。
徳次の存在でかい!その他数多のキャラ含め映画では削ぎ落とされてしまったのは尺的に致し方ないが、先に映画を観てその後原作の流れは正解だった。
上下巻を小分けに少しずつ読み進めて2週間程度で読破したが、重厚感のある濃密な文章なのにさくさく読み進められ、読み終わってしまうのが寂しくなる過去にないほどの充実した読後感。
最後の方は映画主題歌である井口理の歌が頭の中ずっと流れてたのも心地良い時間。
青春時代から良い事ばかりではなかったものの、芸に取り憑かれた"美しい化け物"としての幕切れは、喜久雄にとって然るべき姿と言わざるを得ない。それは様々な人たちの夢、献身、悲劇が積み重なり生まれた。
いやー、凄まじい世界を観た。
「いつまでも舞台に立っていてえんだよ。幕を下ろさないでほしいんだ」
「もうこれで十分だろ。おまえはよくやった。本当によくやったよ。この五十年、おまえが戦ってきたその姿、俺だけじゃない、みんなが忘れるもんか」
直接交わされた会話ではない。キーパーソン竹野の感情は敬意と哀れみ入り混じるものだったと思われ、読んでるこっちの気持ちもそこにスッと乗っかれる。
美しい化け物と悪魔は表裏一体同じものなのか。悪魔がその世界へ引き摺り込んだのか、悪魔が認めて拍手を送ったのか。
日本人も知らない日本文化の陰陽が魅せる狂気と絢爛を取りまとめた作者に脱帽! -
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大好きな横道世之介!
大学を卒業し、就活もパッとせずバイトで生活する世之介
「横道世之介」を友達に勧めるときにどう説明したら分かってもらえやすいかずっと考えてた
簡単に説明すると愛されキャラの世之介くんがちょっとずつ成長し人との繋がりを作っていく
なんだけどそれだけじゃない良さがたくさんあって、なにか上手く伝えられないかずっと考えてたけど
今回で少し分かった!
まずは世之介が「善良」なこと
そしてどこか自分たちと重なるところがあるところ
唐突に何の前触れもなくフッと、もう何年も会ってない同級生や昔の職場で出会った人のことを思い出すことがあるけど、ストーリーの展開がそうなんだろうなと
そしてその友達もどこかで生活していて、自分は知らないけど人生が進んでてそれが大樹のように枝分かれしていて(当たり前のことなんだけど)そう思うと無性に愛おしい気持ちになる -
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素晴らしい!
映画を観て感動して、文庫本を買ったまま積んでいた自分を反省です。(一気読みでした)
映画も本当に素晴らしかった、よくぞこの作品を映像化してくれた、と思いますが・・・。
やはりやはり、原作の素晴らしさは、桁違いな気がします。物凄い!!(歌舞伎には疎い私、変な表現があったらお許しを)
小説ならではの語り口も美しく、ラストは、長い長い物語を語っていたのは歌舞伎座の屋根?って本気で思いながら涙が溢れました。
人間万事塞翁が馬
捨てる神あれば拾う神あり
情けは人のためならず
読み進めながら、いろいろな格言が浮かびました。
人が一生を生きる間に、1つのことに打ち込めるというのは、なんと苦しく、そして贅沢なことなのだろう…そんなことを感じました。
映画では涙した、娘とのエピソードも、実は原作では全然違う関わり方があり。(私はこの辺りもとても好きだ)映画では全然出てこないキャラクターもいて(結構重要)。まあ、映画は長くても3時間に収めるのだから仕方ないのはわかりますが、やはりやはり、原作の重み、素晴らしさは格別です。
映画で感動した方には、ぜひぜひ、原作を読んでいただきたいと思うのでした。読んでよかった! -
Posted by ブクログ
映画を観た後に小説を読みました。
映画でいまいちピンとこなかった部分は、なるほど、こんんにざっくりカットされていたからだったのかと、伏線じゃないけど伏線回収する感じでとても楽しく読むことができました。
(彰子はもっと大きな役割があったんだ!とか、藤駒と自身の娘にもっとちゃんと関わってたんだ!とか、万菊さん全然菊雄推しじゃないじゃん!とか)
実際の歌舞伎は数回しか鑑賞したことがなく、詳しくないので、映画のビジュアルを観ていなければ、歌舞伎の描写画面を読んでもピンとこなかったと思うので、歌舞伎に詳しくない私のような人は、映画を観てから読むとより楽しめると思います。
下巻に続く
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Posted by ブクログ
なんともまぁ不思議で魅力的なキャラクターで、めちゃくちゃいいやつかって言われればそうでもないし、くず要素もかなりあるし、なんどけども愛されるし、憎めないし、という表現の難しい男なんですが、、、
人として善良であるべき、それはわかるけどなかなかそうはいかないもんで、そんな中何意識するわけでもなく自然とそうあるこの男かっこいいなと思ったりしました。憧れます。
たとえば人からこんな人いるんだよって聞くととっても良い人そうに見えるんだけどさ、実際そばにいたらそうでもないからね、極端に頼りないし。
ってのがたぶんほんとその通りなんだろうなとは思います。笑