吉田修一のレビュー一覧

  • 国宝 上 青春篇

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    久しぶりに興奮しながら小説を読んだ。映画が話題になっていたがまだ観ていない。本を読んで本当に良かった。
    極道の家に生まれた一人の青年が、たまたま関西の歌舞伎役者の家に預けられ訓練されて、女形の歌舞伎役者として成長していく物語。ご存じ厳しい世襲の世界、血筋でない者がいい役をもらい評価されるのは極めて難しい。
    主人公喜久雄が不器用ながら素直な性格でとても好感が持てるので、読者は応援したい気持ちになるだろう。最初から認められたわけではなく、下積み時代も長かったし、先輩役者、妻や子、そして何よりライバルの役者、付き人など周囲の支えも必要だった。芸をひたすら磨き、舞台のことだけを考える生きざま。芸を極め

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    2025年11月20日
  • 国宝 上 青春篇

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    映画よりも面白かった
    映画は尺の問題でしょうがないが、歌舞伎の説明であったり、いろいろな人の話があって面白かった

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    2025年11月18日
  • 国宝 上 青春篇

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    映画を拝見後に、この原作を読見始めました。
    映画鑑賞後でもあるためとてもスラスラと読めました。
    語り口調で歌舞伎らしさを感じさせ歌舞伎という世界にのめり込みやすくなっています。

    とてもおすすめです。
    騙されたと思って読んでみてください(*^^*)

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    2025年11月17日
  • 国宝 上 青春篇

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    映画も観ました。

    映画の方が歌舞伎の演目が劇中劇と効果的に入って
    いて、内容がストレートに伝わってきます。
    ヒットするわけだ。

    そして二人の主人公の生き様に焦点を当てていた
    映画に対して、小説は彼らを取り巻く様々な
    登場人物にも光を当て、それぞれの人生を丁寧に
    描いています。

    文体も「であります」というような一大絵巻物の
    ような壮大な仕上がり感がある重厚な内容です。

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    2025年11月16日
  • 怒り (下)

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    ネタバレ

    とても引き込まれる話で終始読む手が止まらなかった。
    ラストに向けての展開がなんというかもう、胸が苦しくなった。
    家族といえど恋人といえど、自分以外の人間を信じると言うことは難しい事だと思う。
    田中の怒は、何に対してだったのだろう…

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    2025年11月12日
  • 横道世之介

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    どんな思い出かと言うと定かでないけど、忘れらない友人っていますよね。なんだろ憎めないと言うか、愛らしいと言うか、それが横道世之介の魅力的なところ。世之介のような人が身近にいたら人生が少しだけ明るくなるような気にさせてくれる青春の作品でした。出会った人に温かさをあたえれるそんな人物になりたいですね

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    2025年11月11日
  • 日曜日たち

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    今まで読んできた吉田修一作品とはまた違う雰囲気ではあったけど、改めて彼の文章が好きだなぁと思った。
    各章で性別も年齢も異なる人物の目線で語られる構成で、文章の書き方を変えている。本当に別の人が書いたみたいに違う。

    5章の短編で、東京に生きる5人の男女を描いている。それぞれが人生の分岐点にいて、でもそれは劇的なものでもなく誰にでも訪れる日常の1ページ。東京には華やかな人生を生きる人もいるけど、ほとんどは〝その他大勢〟なわけで、しかし彼らにも決してドラマチックではないドラマがある。
    同じ時、同じ街に生きていても交わることのない彼ら人生に現れる2人の幼い兄弟が線で繋がっていく。各章の主人公たちには

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    2025年11月08日
  • 悪人 新装版

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    とても不器用で、正直な生き方、愛し方が切ない。悪人って、人はなんとでも言うだろう。自分の言葉を信じてくれた人の幸せのために自分は悪人にもなれる。何とも深い愛。

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    2025年11月07日
  • 永遠と横道世之介 下

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    「劇的なことは起こらないのが人生」「その人のいた世界と始めからいなかった世界は違う、それが生きるということ」「永遠を感じる瞬間を撮る」「リラックスして生きる」 これらの言葉が心に残った。

    他の小説に記憶がないほど、普通の、ありきたりの、忘れてしまいそうな会話が続く。その一つ一つの積み重ねで人生が成り立っていること、人との関係ができあがっていくことを、いつのまにか感じ入る。時折顔を出す軽妙な、講談を聞いているような語り口も味わい深い。

    実は自分の周りにも「世之介」はたくさんいるのかもしれない。日々普通に生きていること、他者が周りにいてくれること、その人達が生きてくれていることの意味を考

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    2025年11月07日
  • 路

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    ネタバレ

    ドラマも良かったけど、著者の構成力と描写力が味わえる原作の方に惹かれた。

    台湾新幹線の建設という時間の流れを軸にしながら、隠されていた多田春香と劉人豪の人生の交差が次第に明かされて行く。

    また、葉山勝一郎と呂のもうひとつの時間の流れ、人生の交差が加わることで、物語の構成に厚みを感じた。

    作品の中の高音パートと低音パートがハーモニーを奏でているようだ。

    春香や人豪を含めた登場人物たち、繁之や安西、ユキや林芳慧。彼らも人間くさく魅力的だ。

    台湾には旅行で数回訪れた程度だが、台湾の風景が原色で甦ってくるような描写力に驚かされる。同時に風土の描写が台湾の人々の描写にもなっていることに感服させ

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    2025年11月08日
  • 横道世之介

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    横道世之介は愛すべき男である。
    完璧な人間ではないし際立った個性があるわけでもない。けれど彼と出会った人の記憶には、柔らかく、そして確かに残る。人によって思い出のなかで彼が占める割合はそれぞれだが、世之介に出会った人生とそうでない人生では前者の方が少しだけ幸せに思える。
    他人との出会いは自分を構成する大切な要素だ。もう会うことのない過去の人たちから受けた影響や思い出は、今も自分のなかに価値観として息づいている。人はみんな互いに影響し合い、さまざまな色を焼き付け合いながら生きていくのだと思う。
    自分が通っている自転車置き場には、整理整頓をしてくれるおじさんが何人かいる。数年前の自分は忙しく、

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    2025年11月02日
  • 横道世之介

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    長崎から大学進学のため上京してきた横道世之介くんの大学1年生の日々 自分の学生時代の記憶が刺激されつつ懐かしく楽しく読みました 寝てばかりの学生時代だけどこの時期に知り合った人、経験した出来事は確実にその人の芯の部分を作っているのだなと感じた 明日私は大学時代の友人に会う予定 10年くらいぶりかな この本を読んで更に再会が楽しみになった
    友人と私の第一子は偶然にも同じ日に生まれた
    そして明日は彼らのハタチの誕生日

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    2025年11月01日
  • 怒り (下)

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    誰?誰?と気になって一気読み
    中盤から終始ドキドキ
    この人じゃありませんようにって願いながら読んでいた

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    2025年10月16日
  • 永遠と横道世之介 下

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    ネタバレ

    遂に読み終わりました三部作の最終巻。
    読んでる途中で「国宝」の原作者と知って吃驚しながら読んだ「横道世之介」
    続編があると知ってオチが決まってるのに何を書くんやと思いながら読んだ第二作「おかえり横道世之介」。登場人物がほぼ一新して、なるほどこーゆー描き方するんだーと感心して遂に最終作「永遠と横道世之介」。今までの集大成かと思いきや、前2作以上に話があちらこちらに飛び回り集中力が途切れそうな描き方。でも二千花さんが出てきたり、終生のパートナーっぽいあけみさんが出てきたり、永遠や一歩やエバや咲子ちゃんは、人生の終焉に相応しい賑やかな顔ぶれでしたね。
    大円団でした。
    最後の一瞬はとうとう描かれず仕舞

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    2025年10月15日
  • おかえり横道世之介

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    シリーズものを読んでしまう。出逢った人たちがまた更につながって、嬉しくなってしまった。世之介の存在が隣人の外国の方にも繋がり、普通に日常を送る我々以上に存在意義、存在意義を満タンにして去って行った、そんなふうに感じた。
    もう、これで世之介のシリーズはいいかな、ご馳走様でした。

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    2025年10月14日
  • 永遠と横道世之介 下

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    あの列車事故のカメラマンの方を題材にしてたとは上巻では知らず、最後に知った次第。何気ない大切な人との触れ合いを異常な程大切に生きる世之介のスタイル、今の日本には居ないんじゃ無いかと羨ましい生き方。色々な伏線が走りながら、人が結びついて、世之介の周りの方は皆それぞれ幸せにつながってるみたい。 楽しかった。いつ終わるかも分からな人生を味わいたいもの。

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    2025年10月14日
  • 永遠と横道世之介 上

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    ネタバレ

    小説というもの最近読んでなかったんだけど、これはよめた!場面展開が段落ごとに時空が変わり、後からこれが繋がってたんだと頁を戻すら何度もやりながら世之介の生き様を味わいました。

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    2025年10月14日
  • ミス・サンシャイン

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    ちょうど最近日本映画にハマっているところで読んだので、すごく心に沁みる。伝説の映画女優、和楽京子が出演したとされる小説上の映画作品は架空のものなのに実在していそうな感覚。桃ちゃんにも幸せになってほしい。

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    2025年10月13日
  • 横道世之介

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    どこにでも居そうな、どこか抜けている大学生。サークルやバイトの日常生活を通じて、いろいろな人と出会い、楽しいことも辛いことも経験をしていく。とにかく普通の大学生のストーリーだが、徐々に不思議とそのヒトとなりに惹かれてしまう。こうやって人は成長し、人生を生きていく。

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    2025年10月12日
  • パレード

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    この読後感よ……感情を咀嚼するまでに時間かかってしまった。みんなそれぞれがその場所にいられるような自分を演じてるから、居るけど居ない。居ないから居られる。会話劇がとにかくリアルで、うわ〜こんな共同生活良いなとか思って笑わせられるんだけど、絆っぽい関係が首の皮一枚で繋がってる危うさが見えてきて薄ら寒くもなる感じ。心の暗さのグラデーションが綺麗。本当に狂ってるのは誰なのか?下世話な事には興味あって、少しでも自分の領域が犯されそうになると見て見ぬふりしてしまうよなー…。個人的に平山夢明「他人事」と同じホラージャンルに区分したいと思う。

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    2025年10月09日