吉田修一のレビュー一覧

  • 日曜日たち

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    今まで読んできた吉田修一作品とはまた違う雰囲気ではあったけど、改めて彼の文章が好きだなあと思った。
    各章で性別も年齢も異なる人物の目線で語られる構成で、文章の書き方を変えている。本当に別の人が書いたみたいに違う。

    5章の短編で、東京に生きる5人の男女を描いている。それぞれが人生の分岐点にいて、でもそれは劇的なものでもなく誰にでも訪れる日常の1ページ。東京には華やかな人生を生きる人もいるけど、ほとんどは"その他大勢"なわけで、しかし彼らにも決してドラマチックではないドラマがある。
    そして、同じ時、同じ街に生きていても交わることのない彼らの人生に現れる2人の幼い兄弟。各章の主

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    2025年11月08日
  • 悪人 新装版

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    とても不器用で、正直な生き方、愛し方が切ない。悪人って、人はなんとでも言うだろう。自分の言葉を信じてくれた人の幸せのために自分は悪人にもなれる。何とも深い愛。

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    2025年11月07日
  • 永遠と横道世之介 下

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    「劇的なことは起こらないのが人生」「その人のいた世界と始めからいなかった世界は違う、それが生きるということ」「永遠を感じる瞬間を撮る」「リラックスして生きる」 これらの言葉が心に残った。

    他の小説に記憶がないほど、普通の、ありきたりの、忘れてしまいそうな会話が続く。その一つ一つの積み重ねで人生が成り立っていること、人との関係ができあがっていくことを、いつのまにか感じ入る。時折顔を出す軽妙な、講談を聞いているような語り口も味わい深い。

    実は自分の周りにも「世之介」はたくさんいるのかもしれない。日々普通に生きていること、他者が周りにいてくれること、その人達が生きてくれていることの意味を考

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    2025年11月07日
  • 路

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    ネタバレ

    ドラマも良かったけど、著者の構成力と描写力が味わえる原作の方に惹かれた。

    台湾新幹線の建設という時間の流れを軸にしながら、隠されていた多田春香と劉人豪の人生の交差が次第に明かされて行く。

    また、葉山勝一郎と呂のもうひとつの時間の流れ、人生の交差が加わることで、物語の構成に厚みを感じた。

    作品の中の高音パートと低音パートがハーモニーを奏でているようだ。

    春香や人豪を含めた登場人物たち、繁之や安西、ユキや林芳慧。彼らも人間くさく魅力的だ。

    台湾には旅行で数回訪れた程度だが、台湾の風景が原色で甦ってくるような描写力に驚かされる。同時に風土の描写が台湾の人々の描写にもなっていることに感服させ

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    2025年11月08日
  • 横道世之介

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    横道世之介は愛すべき男である。
    完璧な人間ではないし際立った個性があるわけでもない。けれど彼と出会った人の記憶には、柔らかく、そして確かに残る。人によって思い出のなかで彼が占める割合はそれぞれだが、世之介に出会った人生とそうでない人生では前者の方が少しだけ幸せに思える。
    他人との出会いは自分を構成する大切な要素だ。もう会うことのない過去の人たちから受けた影響や思い出は、今も自分のなかに価値観として息づいている。人はみんな互いに影響し合い、さまざまな色を焼き付け合いながら生きていくのだと思う。
    自分が通っている自転車置き場には、整理整頓をしてくれるおじさんが何人かいる。数年前の自分は忙しく、

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    2025年11月02日
  • 横道世之介

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    長崎から大学進学のため上京してきた横道世之介くんの大学1年生の日々 自分の学生時代の記憶が刺激されつつ懐かしく楽しく読みました 寝てばかりの学生時代だけどこの時期に知り合った人、経験した出来事は確実にその人の芯の部分を作っているのだなと感じた 明日私は大学時代の友人に会う予定 10年くらいぶりかな この本を読んで更に再会が楽しみになった
    友人と私の第一子は偶然にも同じ日に生まれた
    そして明日は彼らのハタチの誕生日

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    2025年11月01日
  • 永遠と横道世之介 下

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    ネタバレ

    遂に読み終わりました三部作の最終巻。
    読んでる途中で「国宝」の原作者と知って吃驚しながら読んだ「横道世之介」
    続編があると知ってオチが決まってるのに何を書くんやと思いながら読んだ第二作「おかえり横道世之介」。登場人物がほぼ一新して、なるほどこーゆー描き方するんだーと感心して遂に最終作「永遠と横道世之介」。今までの集大成かと思いきや、前2作以上に話があちらこちらに飛び回り集中力が途切れそうな描き方。でも二千花さんが出てきたり、終生のパートナーっぽいあけみさんが出てきたり、永遠や一歩やエバや咲子ちゃんは、人生の終焉に相応しい賑やかな顔ぶれでしたね。
    大円団でした。
    最後の一瞬はとうとう描かれず仕舞

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    2025年10月15日
  • おかえり横道世之介

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    シリーズものを読んでしまう。出逢った人たちがまた更につながって、嬉しくなってしまった。世之介の存在が隣人の外国の方にも繋がり、普通に日常を送る我々以上に存在意義、存在意義を満タンにして去って行った、そんなふうに感じた。
    もう、これで世之介のシリーズはいいかな、ご馳走様でした。

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    2025年10月14日
  • 永遠と横道世之介 下

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    あの列車事故のカメラマンの方を題材にしてたとは上巻では知らず、最後に知った次第。何気ない大切な人との触れ合いを異常な程大切に生きる世之介のスタイル、今の日本には居ないんじゃ無いかと羨ましい生き方。色々な伏線が走りながら、人が結びついて、世之介の周りの方は皆それぞれ幸せにつながってるみたい。 楽しかった。いつ終わるかも分からな人生を味わいたいもの。

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    2025年10月14日
  • 永遠と横道世之介 上

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    ネタバレ

    小説というもの最近読んでなかったんだけど、これはよめた!場面展開が段落ごとに時空が変わり、後からこれが繋がってたんだと頁を戻すら何度もやりながら世之介の生き様を味わいました。

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    2025年10月14日
  • ミス・サンシャイン

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    ちょうど最近日本映画にハマっているところで読んだので、すごく心に沁みる。伝説の映画女優、和楽京子が出演したとされる小説上の映画作品は架空のものなのに実在していそうな感覚。桃ちゃんにも幸せになってほしい。

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    2025年10月13日
  • 横道世之介

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    どこにでも居そうな、どこか抜けている大学生。サークルやバイトの日常生活を通じて、いろいろな人と出会い、楽しいことも辛いことも経験をしていく。とにかく普通の大学生のストーリーだが、徐々に不思議とそのヒトとなりに惹かれてしまう。こうやって人は成長し、人生を生きていく。

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    2025年10月12日
  • パレード

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    この読後感よ……感情を咀嚼するまでに時間かかってしまった。みんなそれぞれがその場所にいられるような自分を演じてるから、居るけど居ない。居ないから居られる。会話劇がとにかくリアルで、うわ〜こんな共同生活良いなとか思って笑わせられるんだけど、絆っぽい関係が首の皮一枚で繋がってる危うさが見えてきて薄ら寒くもなる感じ。心の暗さのグラデーションが綺麗。本当に狂ってるのは誰なのか?下世話な事には興味あって、少しでも自分の領域が犯されそうになると見て見ぬふりしてしまうよなー…。個人的に平山夢明「他人事」と同じホラージャンルに区分したいと思う。

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    2025年10月09日
  • 永遠と横道世之介 下

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    ついに完結....

    この最後のシリーズは読みたかったような読みたくなかったような複雑な気持ちで読み進めた。大人になった世之介は1作目当初の世之介とはまた少し違ったように感じられたから。でも最後まで読み切った今思うのは、やっぱり本当に素敵なシリーズだということ。世之助の魅力を堪能できて幸せな読書時間であったということ。完走してよかったということ。

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    2025年10月04日
  • パーク・ライフ

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    「なんにも隠してることなんてないわよ。逆に、自分には隠すものもないってことを、必死になって隠してるんじゃないのかな」

    ビデオの時計は、電話をかけたときが「20:34」で、受話器を置いたときが「20:43」だった。あと一分でちょうど十分だったのだが、その一分で何が話せたというわけでもないのに、その一分で何かが話せたような気もした。

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    読んでいると、人は何か決定的なことを取りこぼしながら、それでも生きていかなければいけない、むしろそれが必要なんじゃないかとおもった。

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    2025年09月30日
  • 横道世之介

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    青春!
    とても面白かった!


    audibleにて読み直し

    紆余曲折しようとも
    楽しく誠実をモットーに
    人生を歩んだ世之助に僕もなりたい

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    2025年09月24日
  • 永遠と横道世之介 上

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    世之介が本当に好きだったので、また読めて嬉しいです。
    こんな人と出会えていたら、私も引越し手伝って欲しいし、色々飲みたいし遊びたいって心から思う。

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    2025年09月16日
  • 横道世之介

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    先日読んだ続編が素晴らしかったので、改めてこの大好きな作品を再読。実に15年ぶりくらい?

    特別なことはおこらなくて、ゆっくり、でも確実に大人に近づいていく。ささいなことがその後の人生を徐々に形作っていって。自分の大学時代もそう、そんな感じだった。もちろん、世之介と私の青春のエピソードは被らないのだけど。

    続編もそうだけど、世之介はここぞの時にその場凌ぎの耳障りのよい優しさを言わない。いおうと思えば言えた、と文中で言いつつもあえて言わない。ここが、この作品のミソなんだと思う。次の瞬間、フワリと交わされなかった相手方は少し大人びた表情を纏う

    世之介と並んでこの作品の祥子が大好きなんだけど(も

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    2025年09月15日
  • 国宝 下 花道篇

    aaa

    ネタバレ 購入済み

    映画より面白い

    映画が面白かったので、原作を読んでみた。
    大筋は原作通りだけど...やっぱり映画は別物。
    なんと言っても徳ちゃん、漢前です。かっこいい。
    結局喜久雄は『ぼんぼん』なので徳ちゃんが居なくなると叱ってくれる人も居なくて、喜久雄の孤高感が加速したのかとも思うし、その分芸に磨きが掛かった気もする。最後は社長になっても喜久雄の国宝受賞に飛んでくる所は徳次の義理堅さが出てて良かったです。
    あっと言う間に読み終え、何故か脳内で柄本時生さん版徳次が躍動しておりました。
    柄本時生さんの徳次.....観たっかなぁ。

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    2025年09月13日
  • 永遠と横道世之介 下

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    よかった。
    押し付けがましくなく、優しく爽やかに、生きることのすばらしさを教えてくれる小説でした。
    生きることや死ぬことは文学のテーマとしてあり続けるものだけど、こういう形で描くのはけっこう難しいことなんじゃないかなあ。
    生きることをポジティブに描いてもどこか説教臭くなることが多いけど、この小説は本当に爽やか。それがすごい。

    けど、シリーズ初代の『横道世之介』のほうが個人的には好きでした。

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    2025年09月12日