吉田修一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
先日読んだ続編が素晴らしかったので、改めてこの大好きな作品を再読。実に15年ぶりくらい?
特別なことはおこらなくて、ゆっくり、でも確実に大人に近づいていく。ささいなことがその後の人生を徐々に形作っていって。自分の大学時代もそう、そんな感じだった。もちろん、世之介と私の青春のエピソードは被らないのだけど。
続編もそうだけど、世之介はここぞの時にその場凌ぎの耳障りのよい優しさを言わない。いおうと思えば言えた、と文中で言いつつもあえて言わない。ここが、この作品のミソなんだと思う。次の瞬間、フワリと交わされなかった相手方は少し大人びた表情を纏う
世之介と並んでこの作品の祥子が大好きなんだけど(も -
ネタバレ 購入済み
映画より面白い
映画が面白かったので、原作を読んでみた。
大筋は原作通りだけど...やっぱり映画は別物。
なんと言っても徳ちゃん、漢前です。かっこいい。
結局喜久雄は『ぼんぼん』なので徳ちゃんが居なくなると叱ってくれる人も居なくて、喜久雄の孤高感が加速したのかとも思うし、その分芸に磨きが掛かった気もする。最後は社長になっても喜久雄の国宝受賞に飛んでくる所は徳次の義理堅さが出てて良かったです。
あっと言う間に読み終え、何故か脳内で柄本時生さん版徳次が躍動しておりました。
柄本時生さんの徳次.....観たっかなぁ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ吉田修一さんは「悪人」、「パーク•ライフ」、「パレード」を読んだことがあります。
(パーク•ライフとパレードは後から実は読んでいたことに気づく)
「横道世之介」、語呂の良さから何となく聞いたことがあったのと、父の本棚にあったので読んでみることに。
吉田修一さんでは4作品目。
田舎から大学進学のため、上京してきた横道世之介が主人公のお話。
月ごとに区切られていたので合間合間に読みやすい。
今まで私が読んできた作品の主人公は事件に巻き込まれたり、逆に起こす側だったり、または複雑な生い立ちだったりすることが多かったが、ごく普通の大学1年生のお話でかえって新鮮でした。
世之介みたいにバイトに明け暮 -
Posted by ブクログ
横道世之介は私にとって特別に大好きな小説で、その後映画化されたけど、それもまた大大大好き。小説も映画も最高と思えた本当に大切にしている作品。
その続編は読むのが正直怖くもあったのだけど、もっと早くに読んでおけばよかった。時にくすり、時に目頭が熱く。自分の青春らしき日々の感情も呼び起こされて。とにかくこの作品が、シリーズが、世之介とその周りが私は好き。善良であるってどういうことだろうって改めて考えさせられる。そして、ただ寄り添う人がいるだけで、人生のタフな瞬間も乗り越えられるものだよねぇ。ほんと、そうなのだ。そして、有り難かったはずなのに、そのことを人はふっと忘れてしまったりする。そのあたりま -
Posted by ブクログ
『ミス・サンシャイン』
戦後を生き抜いた女優と、彼女の記憶を辿る青年の三ヶ月
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【はじめに】
読む理由は、吉田修一さんという作家の存在感です。
彼の作品には、いつも“人間の奥行き”があります。
2025年公開予定の映画『国宝』の原作者でもある吉田修一さんが描く、戦後を生きた一人の女優の物語です。
吉田さんは、長崎ご出身です。
文藝春秋のインタビューに長崎、そして被爆をテーマに執筆したとおっしゃっています。
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【登場人物】
栄華、名誉を極めた女優と、彼女の身辺記を整理することになった青年の物語です。
• 主人公は、社会人を辞めて大学院