吉田修一のレビュー一覧

  • 永遠と横道世之介 上

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    代わり映えのない毎日のなかで、ほのぼのとした展開の上巻。世之介さんを始め、取り巻く人達が温かく、複雑な人間関係のはずなのにのほほんとした気分になってくる。悲しみを乗り越えながらやり過ごす毎日のなかで、些細な幸せを見つけて楽しく生きている姿がとても微笑ましい。今後の顛末に向かって突き進んでいくのはとても辛いが後編もほんわかした物語であって欲しい。

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    2024年07月17日
  • 横道世之介

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    すごくいい作品でした。世之介の立ち振る舞いはもちろんのこと、大学生活とか状況生活のそれっぽさがにじみ出てきている。こういう作品が読みたかった。ところどころに描かれる未来の様子がラストを際立たせていた。

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    2024年07月15日
  • おかえり横道世之介

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    関わる全ての人の背中を無意識に後押しする主人公。読者の人生も勇気づけ後押しすることでしょう。みんな大好き!横道世之介!
    隼人の手紙では涙が抑えられません。

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    2024年07月15日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    何も考えず相手の思うように服従したい思い。それを感じ取り同じように佳代を自分の思うように扱う圭介。異常に感じる佳代と圭介の関係がとても不思議でお互い出会ってから直ぐに感じ取ったのだろう。言わば運命の出会い。
    その2人の周りで子供が殺人の関与している雰囲気が漂っている。そして何の罪のない人が疑われて精神を崩してしまう。実際にありそうだ。そんな世の中なんだと教えられた気がします。
    読み終えてスッキリとはしないが、スラスラ読めてしっかり余韻に浸れた作品でした。

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    2024年07月10日
  • おかえり横道世之介

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    前作を読んでから早1年。やっと続編が読めた。
    期待通りの内容だった。

    バブル崩壊後の就職難でフリーターとなった世之介。でも、彼は人生にあまり危機感を持ってない。なんかそこがいいんだよね。

    お人よしで頼りなく、責任感もないけど、なぜか憎めない善良な世之介。彼の周りに集まる人たちはみんな人生の底辺にいるけど、最終的には人生の成功者となっていく。これって世之介と出会えたからかな。

    物語の最後を知っているだけに、彼のおバカな行動全てを許してしまう。

    完結編はなるべく早く読みたい。

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    2024年06月22日
  • 永遠と横道世之介 上

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    2023年初版。著者の作品、映像作品が好きです。後味の悪い・何とも気分の晴れない作品も書けば、横道世之介のような気持ちが穏やかになり善人ばかりが出てくる作品も書ける。著者の懐の深さを感じます。上巻も、心地よく読み終わりました。ただ、彼がどうなるのかがわかっているだけに複雑な気持ちにもなります。下巻が楽しみです。

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    2024年06月10日
  • 最後に手にしたいもの

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    世界の見え方がとても綺麗で、でもクスッと出来るエッセイ
    日常から旅の記憶、機械音痴あるある、ペットの猫のことまで様々な日常をここまで綺麗な文章に纏められるの素敵だなと

    確かに機内で読みたいなぁと

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    2024年05月16日
  • おかえり横道世之介

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    続編は劣るモノが多いと思うけど横道世之介は全く劣らなかったです

    絶対に彼氏や家族にしたくないタイプだけど友達になりたいタイプ
    本を読んで涙が出てる経験はあまりないけど今回はジーンときて涙がでました
    時代背景もJリーグが出来た頃の年代で、あの頃何してたっけなぁ…と思い巡らすのも楽しみの一つでした

    こんなにも出会えて良かったと思えた本は間違いなく横道世之介です

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    2024年05月16日
  • 永遠と横道世之介 上

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    ネタバレ

    「横道世之介シリーズ」39歳の世之介。「ドーミー吉祥寺の南」で下宿を営むあけみちゃんと暮らす、カメラマン。下宿人の面々と、引きこもりの一歩くんと、亡くなってしまった二千花さんと、先輩カメラマンの南郷さんと、世之介の周囲の人とのお話。

    よのすけわーるど全開で、面白い上巻。爆笑。
    懐かしくて温かい。大好き。
    今回は、周囲の人の人生が特にクローズアップされてたな、という印象。

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    2024年05月01日
  • おかえり横道世之介

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    良かった とても。

    これは主人公 世之介の話しだけれど同じ時代を世之介の周りで一生懸命生きた人達の話しでもあると改めて思う。

    皆それぞれ違うけど皆イイ。

    浜ちゃんの辛抱は書いてある以上のものだったろうし 隼人さんに至っては簡単には言い表せない。 2人とも本当にスゴイ。

    世之介の人生にとって濃い1年間であったように読み手にとっても濃い内容だった。

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    2024年04月14日
  • おかえり横道世之介

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    パッとしない生活を送っている横道世之介 
    浜ちゃんや桜子 亮太や隼人 友人のコロモン出てくる人達も面白い。色んな人達と関わって行くうちにダメダメ世之介が生き生きしていく。読みながら私の気持ちも生き生きしていく^ ^。
    ドライブのシーン 桜子のファミリー達とのご対面 世之介らしさがでてて面白い。亮太への声かけも素敵です。隼人と光司くんの友情。アパートの隣人。ニューヨークでの世之介ならではのアンビリバボーな経験。大人になった亮太。
    終盤涙が潤むシーンもあり。善良世之介の人生その後がとても気になります。

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    2024年04月03日
  • おかえり横道世之介

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    ※いわた書店さん「一万円選書」より
    ダメダメなんだけど、善良なヤツ。世之介。
    すごく努力をしているわけじゃないんどけど、
    ただただ良い人間で愛されるキャラ。
    「悪意や嫌味がみじんもない」ひとって、貴重。
    彼の愛情表現なんだろうな。

    登場人物それぞれもみんな良いんだよね。
    毎日を生きのに一生懸命で。

    タイトルに”おかえり”ってついてるけど、初めて飲む世之介シリーズ。吉田修一さん作品の振れ幅、すごいな。作家さんってこうなんだな。

    ハードな日常生活の箸休め的な一昨日でした。

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    2024年03月17日
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

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    とてもとても良かった、今まで読んだ猫にまつわる本の中で1番良かった。最後の養老孟司のパートの1番最後の節が本当に好き。

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    2024年02月18日
  • 素晴らしき世界 ~もう一度旅へ

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    機内誌「翼の王国」完結。

    「ファインプレーに酔う」
    吉田さんが買い物に訪れたスーパーで
    老婦人を手助けする客たちを目にする。
    読んでいる私もほっこりといい気分。

    吉田修一さんの本をずっと読んできた。
    わたせせいぞう氏の『ハートカクテル』も
    映画の話も、もちろんわかる。
    P45
    〈静けさというものが最高の贅沢だと思うようになったのは、いつ頃からだろうか〉
    こういうところも(あー、わかるな)

    旅に出たくなる、そんな一冊。

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    2024年02月02日
  • 悪人 新装版

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    この方の作品は強烈な没入感を与えてくれる。「怒り」が大好きだが、この作品も並びました。男性作家なのに光代の心理描写がすごいです。終わり方もたまりません。

    読み終わった後に感じたこと、
    悪に利用されない為に、強くあり、賢くあらないといけない。自分を軽視する人間とは関わるべきではない。必死に生きている人を見下し、馬鹿にする人間にだけはならないように生きていきたい。そして誰かから語られる様々な自分はどれもちょっとずつ自分なのだということ。

    「悪人」は誰か?
    私にとっては、彼は優しすぎたのだと思いたい。衝動的に殺人を犯してしまった彼は悪でなければならない。なぜなら、殺人を許してはいけないから。でも

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    2024年01月26日
  • 横道世之介

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    なんでもっと早く読まなかったんだ⁉︎と後悔。
    あの頃の時代の空気を思い出し、友だちの友だちの友だちくらいに世之介の知り合いがいたような気がしてきた。
    純粋に愉快な青春小説を楽しんでいたのに、最後がわかるといちいち鼻の奥がツンとしてきて辛かった。

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    2024年01月25日
  • 東京湾景(新潮文庫)

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    人生で一度くらいは、自分の体が傷を負うことも躊躇しないくらい、好きな人のために体を張れるぐらい相手を好きになりたいと思った。

    これ読んでから品川埠頭の倉庫街やレインボーブリッジの景色を眺めると胸がじーんとしました

    りんかい線の開通でお台場から品川へ行くのは便利になったけど、便利になる前の「目の前に見えてるのになかなか辿り着けないもどかしさ」みたいなのも、涼子と亮介の距離感とリンクしてるのかと思った。

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    2024年01月16日
  • 泣きたくなるような青空

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    電車の移動中、しかも仕事帰りに読むのに最適な時間でした。あー旅がしたい。 仕事で出張でも旅する気持ちを持とうと思えた一冊でした

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    2024年01月08日
  • 最後に手にしたいもの

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    電車の移動中に薄い文庫本をとこちらを手にしてみましたが、いやいや、旅がしたくなりますね。一期一会での体験を日常に入れて行こうかと思う一冊でした。

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    2024年01月08日
  • 最後の息子

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    初めて著者の作品を読みましたが、とにかく文章が上手いと感じました。
    収録している3つの短編、いずれも分かりやすい起承転結があるわけでもなく、登場人物たちがもつ背景や性格に沿ってごくごく自然な態度・行動を取るだけの話で、オチというよりはストーリーの過程での感情の隆起や変化そのものを楽しむものなのかな、と思います。
    起こった事象をどう認識し解釈するか、それは個々人の持っている情報や考え方によって大きく変わります。本作はそこに至るまでの背景の説明とその際に湧き起こる感情について、そのまま書き出すというよりは、目の前で起こっている事象を登場人物がどのように捉えているか、という結果となる部分を五感で立体

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    2023年12月29日