吉田修一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ遅くなりましたが、吉田修一さんの「ミスサンシャイン」のレビュー書きます。
読む前から、みん読のみんなの感想が面白くて笑っちゃって、話題に出てきていたみんなの言う、「格がちがう」いっくんと素敵な鈴さんはどんな人達なんだろうとワクワクしながら読み進めました。
いっくんの大失恋、大女優だった鈴さんの映画や親友の話、その親友と鈴さんの被曝体験、いっくんが失恋から立ち直ったころに抱く鈴さんへの恋心、そしていっくんと鈴さんの共通点である、若くして亡くなった大切な人への気持ちを心の奥深くにしまっているからこその2人の心の共鳴。色々な要素が混じりながら素敵なハーモニーでした。
でもやっぱり心に深く響いて -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画を見てから間を空けずに小説を読み始めたことで、両者の違いを意識しながら楽しむことができた。これまで「小説→映画」は経験があったが、「映画→小説」は初めてであり、3時間の映像作品に対して、どの部分が採用され、どのように改変されているのかを追う読み方は非常に新鮮だった。
その上で、最終的には小説の方がより深く心に残った。音や映像に頼らない分、登場人物の内面が徹底して描き込まれており、その繊細さに強く惹かれた。本作においても、映画では捉えきれなかった感情の揺れや背景が、小説では鮮明に浮かび上がってくると感じた。
本作は慣れ親しみのない文体で書かれており、読み進めるのに時間を要したが、その分、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画を見てから間を空けずに小説を読み始めたことで、両者の違いを意識しながら楽しむことができた。これまで「小説→映画」は経験があったが、「映画→小説」は初めてであり、3時間の映像作品に対して、どの部分が採用され、どのように改変されているのかを追う読み方は非常に新鮮だった。
その上で、最終的には小説の方がより深く心に残った。音や映像に頼らない分、登場人物の内面が徹底して描き込まれており、その繊細さに強く惹かれた。本作においても、映画では捉えきれなかった感情の揺れや背景が、小説では鮮明に浮かび上がってくると感じた。
本作は慣れ親しみのない文体で書かれており、読み進めるのに時間を要したが、その分、 -
Posted by ブクログ
一人の歌舞伎役者の生涯を凝縮した圧巻の作品でした。
主人公だけでなく、取り巻く登場人物すべてが強かな信念と覚悟をもって生きる様、ぎりぎりの選択肢の中で芸道を追究する姿勢からは、安穏と生きる自分とおなじ日本という社会で生きる人間なのかという衝撃とともに、痛いほどの感銘をうけました。
ストーリーやエピソードひとつひとつがどれをとっても重厚で、また方言を使い分けることでシーンごとの雰囲気を一転させるところがまた巧妙で印象的でした。メインが大阪弁なこともあり重苦しいシーンでも軽快でテンポがよく、吐き出す言葉の潔さ、深さに心の底から賞賛せずにはいられませんでした。
クライマックスでは物語の最高潮を迎 -
Posted by ブクログ
若いときの苦難を乗り越えて下巻を読み進み、いつまで経っても喜久雄が嬉しそうにする場面に辿り着かない。ずっと喜久雄とその周辺の人物たちの人生を追ってきた読者が待ち望む、喜久雄のこれまでの人生が報われるような、喜久雄が大喜びしているような場面。
振り返ると、きくちゃんが喜びを表に出している描写が少ない、歳を取ればとるほど減っていく。“愛想笑い一つできない”という喜久雄の人物像が際立っていく所以でもある。
きっと喜久雄の喜びとか感情は、舞台を観ている観客の表情や歓声が代弁しているのかと。
ラスト舞台、涙出ました。
あと軽く再読したら、俊ぼんの『隅田川』の舞台にもまた泣いた。舟に乗せてくれ -
Posted by ブクログ
極道と歌舞伎。生い立ちも才能も違う若き二人の役者が、芸の道に青春を捧げていく物語の前編。(オーディブル)
映画に魅せられ、その後原作を読んで、さらにこの作品の魅力を存分に味わうことができ、やはり原作を読んで(聴いて)良かったです。
映画は3時間の大作でしたが、それでも原作のすべてを描き切れてはいなかったことがよくわかりました。
主人公二人の他の登場人物にもそれぞれの物語が描かれており、映画のストーリーの裏にはこんな出来事もあったのかと、もう一度映画を観直したくなりました。
前編の物語は、高度経済成長期からスタートし、まさに昭和の時代背景が色濃く反映され、自分も懐かしく感じる場 -
Posted by ブクログ
映画を見てから小説を読んだ口です。
映画が余りにも良かったから。
また友人に映画と小説ではずいぶん彰子の扱いに差があるって聞いたので気になりました。
確かに全然違いました。
国宝になるまで夫婦です。添い遂げるのかと思えばそうでもなさそうな伏線もあります。
ラストは人間国宝になった喜久雄の役者を超越した演技で終わり。
すっごく映像的な終わり方。
最初から映画狙いにしては描写が複雑過ぎるから、吉田修一も狙って描いたわけでは無い?と思う。
よく此の小説を映画化したなって思う。
小説読んでから映画を見たら物足りないって思うかも。逆は感心するんちゃうかな。
喜久ちゃんと俊ぼんの深い交わりや、孤高に登り詰 -
Posted by ブクログ
都内の2LDKマンションに暮らす男女4人(良介、琴ちゃん、未来、直樹)と新たに加わったサトルの群像劇。
章が進むごとにそれぞれの心のうちに抱えた闇や葛藤、気持ちが明らかになっていきました。
それと同時に、他の章での共同生活での装いと語り手であった時の本心とのギャップが全員にあるように感じました。心地よい共同生活を続けるために一定の距離感を保つ5人の姿に少し共感してしまった…。
生きていると誰にでもあるよね、こういうとき
解説で川上弘美さんがこわい小説だと書いていました。ラストが急展開で驚き!
そして、ラストを知った上で最初から読み返したくなりました!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画から小説に触れて、改めて映画の場面構成チャレンジングすぎるけど読んだ結果だらだら心情描写するぐらいならと、キーとなる場面構成をかなりガッツリ取り出して順序変えているとこに脚本の妙を感じた。
(最後に彼の原風景となる雪の情景を引き出してくるところなど)
ただ映画が優れているということではなく、幼馴染や知人、家族、義理の家族という子供から大人に上がり関係性や心情の変化を各人丁寧に描写することで、
情景描写に偏っていた映画とはまた違う当人の異常性が浮き彫りになっていて、別軸で作品に触れられてとてもよかった。たまたま映画放映前に襲名披露公演を見ていたので余計辛くなった。
人間の本性って生まれに深く