吉田修一のレビュー一覧
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「劇的なことは起こらないのが人生」「その人のいた世界と始めからいなかった世界は違う、それが生きるということ」「永遠を感じる瞬間を撮る」「リラックスして生きる」 これらの言葉が心に残った。
他の小説に記憶がないほど、普通の、ありきたりの、忘れてしまいそうな会話が続く。その一つ一つの積み重ねで人生が成り立っていること、人との関係ができあがっていくことを、いつのまにか感じ入る。時折顔を出す軽妙な、講談を聞いているような語り口も味わい深い。
実は自分の周りにも「世之介」はたくさんいるのかもしれない。日々普通に生きていること、他者が周りにいてくれること、その人達が生きてくれていることの意味を考えさせてくれた。おそらく心に残り続けるであろう読書体験だった。
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ネタバレドラマも良かったけど、著者の構成力と描写力が味わえる原作の方に惹かれた。
台湾新幹線の建設という時間の流れを軸にしながら、隠されていた多田春香と劉人豪の人生の交差が次第に明かされて行く。
また、葉山勝一郎と呂のもうひとつの時間の流れ、人生の交差が加わることで、物語の構成に厚みを感じた。
作品の中の高音パートと低音パートがハーモニーを奏でているようだ。
春香や人豪を含めた登場人物たち、繁之や安西、ユキや林芳慧。彼らも人間くさく魅力的だ。
台湾には旅行で数回訪れた程度だが、台湾の風景が原色で甦ってくるような描写力に驚かされる。同時に風土の描写が台湾の人々の描写にもなっていることに感服させらた。
ドラマ版で春香を演じた波瑠さんも良かったが、原作から私が感じた春香のイメージは長澤まさみさんだった。
追記
時間の流れを把握するために年表式のメモを書きながら読んだ。
ドラマでカットされていた淡水のエピソードは、とても美しい。
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ネタバレ遂に読み終わりました三部作の最終巻。
読んでる途中で「国宝」の原作者と知って吃驚しながら読んだ「横道世之介」
続編があると知ってオチが決まってるのに何を書くんやと思いながら読んだ第二作「おかえり横道世之介」。登場人物がほぼ一新して、なるほどこーゆー描き方するんだーと感心して遂に最終作「永遠と横道世之介」。今までの集大成かと思いきや、前2作以上に話があちらこちらに飛び回り集中力が途切れそうな描き方。でも二千花さんが出てきたり、終生のパートナーっぽいあけみさんが出てきたり、永遠や一歩やエバや咲子ちゃんは、人生の終焉に相応しい賑やかな顔ぶれでしたね。
大円団でした。
最後の一瞬はとうとう描かれず仕舞いで、それはそれで良かったのかも。
15年後に皆が懐かしむシーンも嬉しい。
最後の最後はやっぱり手紙。しかも横道世之介からの手紙でエンディング。
最初はこんな日常を描いた小説が面白いか?と訝りながら読みましたが、最後は夢中になって読み終えました。オススメです。 -
ネタバレ 購入済み
映画より面白い
映画が面白かったので、原作を読んでみた。
大筋は原作通りだけど...やっぱり映画は別物。
なんと言っても徳ちゃん、漢前です。かっこいい。
結局喜久雄は『ぼんぼん』なので徳ちゃんが居なくなると叱ってくれる人も居なくて、喜久雄の孤高感が加速したのかとも思うし、その分芸に磨きが掛かった気もする。最後は社長になっても喜久雄の国宝受賞に飛んでくる所は徳次の義理堅さが出てて良かったです。
あっと言う間に読み終え、何故か脳内で柄本時生さん版徳次が躍動しておりました。
柄本時生さんの徳次.....観たっかなぁ。
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Posted by ブクログ
横道世之介は私にとって特別に大好きな小説で、その後映画化されたけど、それもまた大大大好き。小説も映画も最高と思えた本当に大切にしている作品。
その続編は読むのが正直怖くもあったのだけど、もっと早くに読んでおけばよかった。時にくすり、時に目頭が熱く。自分の青春らしき日々の感情も呼び起こされて。とにかくこの作品が、シリーズが、世之介とその周りが私は好き。善良であるってどういうことだろうって改めて考えさせられる。そして、ただ寄り添う人がいるだけで、人生のタフな瞬間も乗り越えられるものだよねぇ。ほんと、そうなのだ。そして、有り難かったはずなのに、そのことを人はふっと忘れてしまったりする。そのあたりまで含めて人生ってそうだよなぁって。決して重いタッチの作品ではないのに深いなぁ。 -
ネタバレ 購入済み
《歌舞伎》への底しれぬ愛情。
2025年7月読了。
話題に成っている映画の方を先に観て、映画は映画でとても素晴らしかったのだが、3時間の尺でも『何かのダイジェスト版を見されられている』様な気がして、速攻で原作を読んだ。
映画を先に観ていたお陰で、名前と顔が直ぐに浮かび、劇場で「喰い足りない感」が有ったのを、原作を読むことで本当に心から堪能した。
ただ、劇場版が笑いなしのシリアスタッチだったのに対し、原作は笑い有り涙ありの波瀾万丈な物語だった事が一番意外に感じた事だ。まぁこれだけの作品を映画化するには、ストーリーを相当にカットしなければ3時間どころでは済まないことに成ったのであろうから、致し方無かったのかもしれないが…。
本当に、吉田修一が此処まで《歌舞伎の素晴らしさ》を描き出せるとは思っていなかったので、その事も意外で有り、こうした伝統芸能について《がっぷり四つ》でぶつかった文芸作品は早々出会えないので最大の賛辞を送りたい。
又、映画の方も原作とは異なる解釈では有ったが大変素晴らしかったので、原作と映画、両方とも違う味合いで魅了された事が何よりの喜びだった。
映画はスゴい興収に成っているそうだが、原作ももっともっと多くの人に読んでいただきたい《大傑作》である。
映画を観て、原作を読んで、今また『映画』が観たいな…と思っている。つくづく《歌舞伎の世界》は素晴らしい…。 -
ネタバレ 購入済み
上下巻とも夢中に読みました。
既に映画は公開されていますが、上巻を読み、どこを切り取って映画化したのか、上巻だけでも色々切り取っても迫力ある映画になりそうで、下巻に進むと更に、幾らでも映画として切り取れるストーリーが幾つも展開していく本です。一体映画は何処を切り取り作ったのか、そう考えながら読んできました。そして思うのは主人公は、歌舞伎役者それとも歌舞伎役者を取り巻く多くの女性達どっちなのか、複雑にからみあう女性達の、なんたる不思議な信頼関係というか線引き潔さよさ、それを許しあう主人公を取り巻く歌舞伎の世界、この微妙な関係や繋がり、寄りかかり助け合う世界を表現する作家の本の構成の妙が素敵な本です。締めに向けては、女形、歌舞伎役者の目に見えぬ心、本人も理解していない境地の世界を表現していき、夢中にさせてくれる素晴らしい本でした。ありがとう。
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Posted by ブクログ
ネタバレ映画を読んでから上下巻を一気に拝読。
歌舞伎の道をただひたすらストイックに追っていき、究極の段階を追い求めた故の末路がなんとも衝撃的で、言葉に言い表せなかった。
本人からしたら本望で幸せなことかもしれない。すでにおかしくなっているのに止めずに支えてきた周りは(色々思うところはあれ)よくここまで辿り着いたと、讃えずにはいられない。でもその境地までいってない人間からしたら狂気だと感じ、畏れて戻ってこいと止めたくなる。「国宝」に認定されるほど芸を追求するとそういう境地にまで至るようになってしまうのかと、狂気と尊敬、畏怖を感じた。
凡人が至らない天才の境地を垣間見ることができた気がした。その一方で晩年は孤独感を感じて切なかった。
下巻を読むことで、登場人物の心情やその後の展開をより理解することができた。歌舞伎作品のストーリーや背景を知ることができたので、改めて映画にて歌舞伎シーンを見返したい。 -
無料版購入済み
吉沢亮さん、横浜流星さん主演で話題の映画
コミカライズされてたんだぁと思い読んでみた
映画はまだ未試聴
思ったより面白かった
ケレンも絵柄も題材に合っていると思う
そのうち映画も見てみよう