吉田修一のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
血
今回も一気読みしてしまいました。市駒と彰子の一途さ、けなげさがいじらしいです。反対に、春江だけはどうにも嫌いです。映画で高畑充希さんが春江役をやってましたが、あのものほしげな上目遣いの顔を思い出してしまい嫌悪感があります。
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この事件の『悪人』とは一体誰なのか…。
元々気になっていた本作ですが、上下巻がセットになり新装版が出たタイミングで購入(そこから積読でしたが笑)。
内容としては保険外交員の女性が殺害かれ、その女性を巡る周りの人たちの物語。愛する娘を失った親、親友、バーで好意を持たれた男、出合い系サイトで出会った男などなど。ひとつの事件を境に色々な人の人生があらゆる方向に。
視点がコロコロ変わる本作では、とにかく感情移入の対象が変わりまくります。ある人の話に耳を傾けていたら横から聞こえてくる話にも共感みたいな。とにかく共感と嫌悪を繰り返しました。
そしてタイトルの『悪人』。今回の事件を通しての『悪人』とは一体誰なのか。社会通念上の考えでいけば犯人ですが、今回ばかりはそうも言えないような…。きっとこの誰とも言えない、そして、誰でもなりうる関係をひとつの事件を通して表現したのかなと思ったり、、
吉田修一さんの作品は初めてでしたが、『国宝』や『横道世之介』など有名作品を始めとする多くの名作がありそうなので、こっからさらに読んで行きたいと思います! -
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横道世之介の1作目を読んでからだいぶ立つが、その時から感じていたのは知り合いからこんな奴いるんだよって言う話を聞いてる感覚。
そんな世之介の話を久しぶりにあった友人から聞かされて、あー相変わらずだな世之介は、でもなんだかんだ色々経験してるんだな、自分もこの10年とかで色々あったなと振り替えさせられるような感覚。
人生で一番大切なことはリラックスすること、と本の帯にも書いてあった。帯を見たときは違和感があったが、世之介がどういう思いで誰に言ったのかを知ると、あー世之介はこういう奴なんだな、と思わされる。
人って変わってないようで少しずつ変わっていく、それが良いことどうかはわからないけど。
後になって思い出せる一日が自分にはどれだけあるだろうか。 -
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過去に関わりのあった女性をふと思い出した、みたいな話が何本もまとまってる短編集。
恋愛関係、肉体関係、バイト先や会社の同僚など関係性はそれぞれ。
僕も普段生活している中で、何がきっかけになったのかはわからないくらい急に、ふと誰かを思い出すことがある。昔付き合ってた人とかはもちろんだけど、辞めた会社の元同僚とか、ワンナイトした人とか、飲みに行った店でその場限りの話し相手になってくれた人とか。特別なエピソードがあったり、僕の人生に大きな影響を与えたわけでもない人たちだったとしても、思い出すとなんだか心が疼くというか懐かしくてたまらない気持ちになる。いま何してるのかな、あれからどんな人生を歩んでいるのかな、くらいには思う。そんなふうに、一瞬だけ人生が交わった人たちが存在していて、そんな瞬間がたくさん詰まっている短編集だった。 -
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今まで読んできた吉田修一作品とはまた違う雰囲気ではあったけど、改めて彼の文章が好きだなあと思った。
各章で性別も年齢も異なる人物の目線で語られる構成で、文章の書き方を変えている。本当に別の人が書いたみたいに違う。
5章の短編で、東京に生きる5人の男女を描いている。それぞれが人生の分岐点にいて、でもそれは劇的なものでもなく誰にでも訪れる日常の1ページ。東京には華やかな人生を生きる人もいるけど、ほとんどは"その他大勢"なわけで、しかし彼らにも決してドラマチックではないドラマがある。
そして、同じ時、同じ街に生きていても交わることのない彼らの人生に現れる2人の幼い兄弟。各章の主人公たちには点にしか見えていないその兄弟が、線になって繋がっていく。もしかしたら、そんなふうにして僕たちの人生も成り立っているのかもしれない。見えない繋がりがあって、回り回ってどこかで全く知らない人の人生と影響しあって生きている。 -
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「劇的なことは起こらないのが人生」「その人のいた世界と始めからいなかった世界は違う、それが生きるということ」「永遠を感じる瞬間を撮る」「リラックスして生きる」 これらの言葉が心に残った。
他の小説に記憶がないほど、普通の、ありきたりの、忘れてしまいそうな会話が続く。その一つ一つの積み重ねで人生が成り立っていること、人との関係ができあがっていくことを、いつのまにか感じ入る。時折顔を出す軽妙な、講談を聞いているような語り口も味わい深い。
実は自分の周りにも「世之介」はたくさんいるのかもしれない。日々普通に生きていること、他者が周りにいてくれること、その人達が生きてくれていることの意味を考えさせてくれた。おそらく心に残り続けるであろう読書体験だった。
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ネタバレドラマも良かったけど、著者の構成力と描写力が味わえる原作の方に惹かれた。
台湾新幹線の建設という時間の流れを軸にしながら、隠されていた多田春香と劉人豪の人生の交差が次第に明かされて行く。
また、葉山勝一郎と呂のもうひとつの時間の流れ、人生の交差が加わることで、物語の構成に厚みを感じた。
作品の中の高音パートと低音パートがハーモニーを奏でているようだ。
春香や人豪を含めた登場人物たち、繁之や安西、ユキや林芳慧。彼らも人間くさく魅力的だ。
台湾には旅行で数回訪れた程度だが、台湾の風景が原色で甦ってくるような描写力に驚かされる。同時に風土の描写が台湾の人々の描写にもなっていることに感服させらた。
ドラマ版で春香を演じた波瑠さんも良かったが、原作から私が感じた春香のイメージは長澤まさみさんだった。
追記
時間の流れを把握するために年表式のメモを書きながら読んだ。
ドラマでカットされていた淡水のエピソードは、とても美しい。
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ネタバレ遂に読み終わりました三部作の最終巻。
読んでる途中で「国宝」の原作者と知って吃驚しながら読んだ「横道世之介」
続編があると知ってオチが決まってるのに何を書くんやと思いながら読んだ第二作「おかえり横道世之介」。登場人物がほぼ一新して、なるほどこーゆー描き方するんだーと感心して遂に最終作「永遠と横道世之介」。今までの集大成かと思いきや、前2作以上に話があちらこちらに飛び回り集中力が途切れそうな描き方。でも二千花さんが出てきたり、終生のパートナーっぽいあけみさんが出てきたり、永遠や一歩やエバや咲子ちゃんは、人生の終焉に相応しい賑やかな顔ぶれでしたね。
大円団でした。
最後の一瞬はとうとう描かれず仕舞いで、それはそれで良かったのかも。
15年後に皆が懐かしむシーンも嬉しい。
最後の最後はやっぱり手紙。しかも横道世之介からの手紙でエンディング。
最初はこんな日常を描いた小説が面白いか?と訝りながら読みましたが、最後は夢中になって読み終えました。オススメです。 -
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映画より面白い
映画が面白かったので、原作を読んでみた。
大筋は原作通りだけど...やっぱり映画は別物。
なんと言っても徳ちゃん、漢前です。かっこいい。
結局喜久雄は『ぼんぼん』なので徳ちゃんが居なくなると叱ってくれる人も居なくて、喜久雄の孤高感が加速したのかとも思うし、その分芸に磨きが掛かった気もする。最後は社長になっても喜久雄の国宝受賞に飛んでくる所は徳次の義理堅さが出てて良かったです。
あっと言う間に読み終え、何故か脳内で柄本時生さん版徳次が躍動しておりました。
柄本時生さんの徳次.....観たっかなぁ。