【感想・ネタバレ】愛に乱暴(下)(新潮文庫)のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年12月04日

真守の罪、奈央の罪、照子の罪、そして桃子の罪。歪な人間関係や生活環境がそれらを産んだのだろうか? 母屋と離れという、近いのに遠い距離感がそうさせたのだろうか? 鞄が底なしになって、引っ張られないように畳をひっくり返したのはその罪に精神を引き摺り込まれないようにするためだっか? 全ての出来事が写真のフ...続きを読むレームのようになって連続してさまざまな想像が掻き立てられた。なんだかんだと8年も結婚生活を続けてきたのだから、ことはそう簡単ではない。ただ急転直下でもなければ不満のちりつもでもなくて、一つの因果関係で物語れないところにこの著作の肝がある気がする。

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Posted by ブクログ 2018年02月12日

吉田修一って本当に女のことを心底理解していて毎回びっくりさせられる
特に女がカーッと起こったときの表現には脱帽
後半にかけてわかってくる仕掛けも面白かった
ラストの切なさには少し救われる

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Posted by ブクログ 2024年04月16日

倦怠気味の夫婦の日常を描きつつ、並行して不倫相手の日記によって、旦那の不倫が描かれている?
上巻から下巻にかけて一変する展開に驚き!

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Posted by ブクログ 2023年05月27日

不倫もの。軽くさらっと読んでいたが実は構成がこっていてもっとじっくり読めば良かったと少し後悔。良かった。

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Posted by ブクログ 2023年01月07日

作者の吉田修一に、騙す気なんてないかもしれないけど騙された(日記の部分)。騙されたことに、読み終わるまでというか読み終わってもなお気づかかなった。登場人物の誰も好きにはなれないけど、日記部分の仕掛けに唸ってます。そこに感心したので★4つにしたけど、内容としては★3つ。
李という青年、神出鬼没のピーち...続きを読むゃん、時枝おばさん、床下の穴、連続放火事件・・・。怪しさ満載で気を持たせすぎ。

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Posted by ブクログ 2022年02月12日

ミスサンシャインという著者の新作へのインタビュー記事の「人はどんどん優しくなってきていると思う。」というコメントを読んで、なんだか好きな予感がして読んでみたらやはりとても面白くハマりました。
男性作家が書く女性像はなんとなく違和感を覚えるものが多いのだけど、この本に出てくる女性達の描写は細部までリア...続きを読むルで鼻白むところがなく、とても女性のことを理解している方なんだろうなあと著者の人としての深さを感じました。
自分の子供を宿したと思われる女性にふらふらと移ろっていく真守もまた「こんな人いそう」とリアルで、本気で始まった愛が乱暴に終わっていく様が悲しい。最後に救いがあったのも、人生悪いことばかりじゃないと思えてよかった。他の作品も読んでみたい!

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Posted by ブクログ 2019年04月07日

桃子が追い詰められていくストーリーなのだがあくまでも一人称の視点で書かれている。そのギャップをしても守は「悪い」と読者へ確かに思わせつつ、女の落ち度をふんわりと匂わせていくのが肝。あんな行動やこんな行動、「それってどういうことですか(笑)」っていう感情が、最終的な読者の評決に関わってくる面白さ。間に...続きを読む挟まれる手記がなかなか良い味出してて、切なくも非常にドラマチック。

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Posted by ブクログ 2018年10月23日

一言の感想なら「因果応報」。 淡々としていながらも、不穏な雰囲気が漂う作品だ。 主人公桃子の夫の真守が最低なのは大前提なのだが、桃子も可哀そうだけど、うすら怖い... 途中、ちょっとした仕掛けのような展開には「そうきたか」と思った。 吉田修一は「悪人」以外あまり読んだことがなかったが、結構面白かった...続きを読む。(上下巻ともの感想)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年09月11日

最初、2人の視点で語られていると思った。不倫して獲得した夫を、不倫で取られるという皮肉な話。男が優柔不断で一番悪いのだけど、その本質を見抜きながらも、おかしくなっていく主人公が哀れすぎる。

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Posted by ブクログ 2018年06月04日

夫の不倫に納得できない桃子の精神は、徐々に周囲との軋轢を呼び起こす。予期せぬ結末に呆然、そして感涙する愛のドラマ。
チェーンソーが登場した時はバイオレンス一直線かと思った。それほど展開の予測不可能なストーリーである。捨てる神あれば拾う神ありという言葉がピタリと当てはまる。

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Posted by ブクログ 2018年02月21日

上手いなあ。日常を表現するのが上手いよね。その中に、少しずつ交わってくる非日常。吉田修一の真骨頂では。

登場人物の誰も好感をもてなかったのだけど、、。桃子の気持ちも分かるようで分からなかったり、真守も同。
距離の近い人より少しい遠い人のさりげない一言で救われるのか。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年02月06日

真守、このクソ野郎が!!
読んでる間中イライラして、こいつへの怒りで
ページを捲る手が止まらず超速で読んだ。

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Posted by ブクログ 2022年09月30日

リアル。

義父母の住む母屋の離れに夫・真守と暮らす桃子。

真守は不貞を働いており、不倫相手の日記部分を読むことで、読者はその不貞を桃子より先に知ることになります。
また、桃子の日記も途中途中現れるので、桃子の気持ちも読み手は知ることができます。

が、この日記。途中で役割がガラリと変わります。
...続きを読む
夫の気持ちが離れていく事に気付く妻の気持ち。妻帯者を愛してしまい、幸福と不信感の間に置かれる愛人の気持ち。子供を授かった女性の気持ち。
よくここまで描写できるものだと思います。

みんなそれぞれ、その瞬間、その瞬間では真面目に、誠意と愛情を持って、
いや、愛情がある時は、真面目に誠意を持って向き合おうとするものです。

愛情がなくなった時も、かつて誠意を持っていたという記憶は残っています。

だから愛情がなくなったり、自分に都合が悪くなったりすると、「自分は悪くない」「自分だけが悪いわけではない」と考え、そのように処理しようと、そう見えるように処理しようとするのでしょう。

そういう、人の浅はかさ(少なくとも、私は浅はかだと思います)を、リアルに描いた作品です。

所々と最後で、ほんの些細な事で、人の心は晴れるものだという点にも触れており、これが救いです。

リアルなので、読後は疲れます。
吉田修一氏は、やっぱりすごいです。

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Posted by ブクログ 2022年03月06日

桃子は誰かに認めて欲しくて、誰かから必要とされる自分の居場所が欲しかったんだろうなと思いました。吉田修一さん、桃子の精神が狂っていく様をとても自然に描いていた…
あと、旦那の初瀬がかなり腹立つというか、昔付き合ってた人を思い出して気分悪い笑

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Posted by ブクログ 2021年06月02日

あの人、ほんとに意気地ないし、ちょっとでも嫌なことがあったら、そこから逃げ出して、別の場所で1から楽しいことだけ始めちゃうんです。でもそこでも嫌なことは起こるでしょ?そしたらまた逃げ出して、そうやって生きていけばいいんですよ。

真守のことを、そう思った桃子だが、自分が浮気相手だった時にはきっと、こ...続きを読むの人を変えられるのは自分しかいないとか思ってたんだろうな。
身勝手な夫に見えるけれど、結局似た者同士な気がする。
流産は女性にとって、かなり辛く悲しい経験ではあるが、誰かの不幸の上にある幸せには共感出来ない。
愛情じゃなくて、ただの執着。
ラストは吹っ切れた感じで良かった。

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Posted by ブクログ 2020年11月07日

ちょっと滅入る感じで、途中で止めようかと思ったら、???の展開があって翻弄されたまま一気に読み終わった。しかし爽快感なし。ダメな夫に一矢報いたかった。
もともとは『愛の乱暴』というタイトルだったのが、『愛に乱暴』に改題されての刊行だそうで、愛に、の方が確かにしっくり。ハードカバーの赤い薔薇の装丁の方...続きを読むが好き。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年08月09日

サクッと読める本が読みたいなーと思い、購入◎

なんの疑問も持たずに読みすすめて、まんまと騙されました。

チェーンソーや穴、火という不気味な描写で、桃子はこれから先生きてゆけるのかと心配になりながら読んでいったけれど、ラスト、ああ、この人は生きてゆける、そう思いました。
この作品の心理描写、桃子を...続きを読む追い詰める周囲の人物や出来事の描写は、読者をどんどん作品の世界へと引きずり込んでゆく。

けれど、個人的にはなくはない不倫をされた女性の心理描写に、日記のトリックが加わったもの。
せっかく、という言い方がふさわしいかわからないけれど、せっかく上下巻に別れているのなら、真守の目線もあってよかったんじゃないかな…真守は、ああいう人なんだろうけれど、でもどういうタイミングで、律子から桃子へ、桃子から奈央にしようと思ったのか、そんなに理由はなく、ただ他の女を好きになっただけなのか。
親の様子から、真守のダメ男っぷりは察することはできるけれど、せめて、もう少し真守の生い立ちの描写とかがあると、もっとよかったかな。
ただ、この作品はとにかく桃子のみの目線であったことが大きいわけで…でも…というもやもや。

結局「不倫はダメ、ぜったい!」と、いうことかしら( ・ω・)

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Posted by ブクログ 2018年07月10日

どんどん追い詰められていく桃子が、さすがに気の毒になってきた。
とりあえずは、光の見える結末でホッとした。
最後の章「ありがとう」はもう、ジェットコースターのような展開で途中から息苦しくなったけど、李くんの「ありがとう」と浅尾くんからの電話とぴーちゃんで、やっと呼吸できるような感じがした。

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Posted by ブクログ 2018年01月15日

去年の1月は『魂萌え!』を読んだ。今年は『愛に乱暴』。
何の因果か、2年連続、年明け早々に不倫ものを読んでいる(笑)
よくある内容だとは思うのだが、吉田修一さんの文章力のなせる技なのか、どんどん読み進めることができた。

この本を読んで、最後に私の心に残ったのは「本音と建前」。
いったいどうやったら...続きを読む「本音と建前」を見分けることができるのだろう。
それを見誤った時、結果、人は傷つく。怖いな~と思った。
正直、この話に登場する人物の誰にも共感することは出来ない。
ただ、真守に最大級の鉄槌が落ちる事を祈るばかりである(笑)

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Posted by ブクログ 2018年01月02日

うーん…浮気して相手の女に子どもを妊娠させた夫が絶っ対悪いのに、この妻に恐怖を感じてしまう…。
しかし不倫のあげく結婚した女って、なんで自分も同じことされると思わないんだろう…。1回浮気した人間は、また必ずやるぞ?実はどちらも1人の女の話でしたー、っていう構成が、これを物語ってる。
桃子に非はないん...続きを読むだから、この先待ち受ける未来が明るいものだといいのだけど。

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