【感想・ネタバレ】愛に乱暴(下)(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

不倫を清算できない真守。そんな折、婚家の祖父が離れに住まわせていた時枝という女の不遇の生涯を聞く。桃子は、離れの床下に異常な興味が湧き、思わぬ衝動買いに走る。一方、身重の不倫相手・三宅奈央との再婚を望み帰宅を拒む真守に桃子は呆れ、遂に奈央に直談判を試みるが、出産の決意は固く、義母までもが桃子の様子が変だと態度を変えてきた。予期せぬ結末へと疾走する愛のドラマ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

真守の罪、奈央の罪、照子の罪、そして桃子の罪。歪な人間関係や生活環境がそれらを産んだのだろうか? 母屋と離れという、近いのに遠い距離感がそうさせたのだろうか? 鞄が底なしになって、引っ張られないように畳をひっくり返したのはその罪に精神を引き摺り込まれないようにするためだっか? 全ての出来事が写真のフレームのようになって連続してさまざまな想像が掻き立てられた。なんだかんだと8年も結婚生活を続けてきたのだから、ことはそう簡単ではない。ただ急転直下でもなければ不満のちりつもでもなくて、一つの因果関係で物語れないところにこの著作の肝がある気がする。

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2023年12月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画観てから上下巻読み終わり
映画だと分かりにくかった、不倫相手の日記かと思いきや桃子自身の日記だったり
桃子と真守と義母の細かいやりとりとか、描写とか、凄く想像しながら読めて面白かった

桃子はきっと他所から見たら、良いお嫁さんで、働いてた時は凄く仕事も出来て、旦那さんとも義理親とも上手くやっていて、とても幸せに見えてたんだろうな

でもみんな自分だけの地獄があるんだなと思い知らされる

鰐淵さんに、裏でめんどくせ〜って言われるとことか
義母と真守に騙されたようなもんだって言われるとことか
リアルだな〜

誰でも桃子のようになる可能性がある
自分が自分でいられなくなる時がある

最後は仕事だって、家だって、桃子自身の気持ちだって吹っ切れて本当によかった

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2024年10月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初、2人の視点で語られていると思った。不倫して獲得した夫を、不倫で取られるという皮肉な話。男が優柔不断で一番悪いのだけど、その本質を見抜きながらも、おかしくなっていく主人公が哀れすぎる。

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2018年09月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上手いなあ。日常を表現するのが上手いよね。その中に、少しずつ交わってくる非日常。吉田修一の真骨頂では。

登場人物の誰も好感をもてなかったのだけど、、。桃子の気持ちも分かるようで分からなかったり、真守も同。
距離の近い人より少しい遠い人のさりげない一言で救われるのか。

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2018年02月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

真守、このクソ野郎が!!
読んでる間中イライラして、こいつへの怒りで
ページを捲る手が止まらず超速で読んだ。

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2018年02月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

桃子は誰かに認めて欲しくて、誰かから必要とされる自分の居場所が欲しかったんだろうなと思いました。吉田修一さん、桃子の精神が狂っていく様をとても自然に描いていた…
あと、旦那の初瀬がかなり腹立つというか、昔付き合ってた人を思い出して気分悪い笑

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2022年03月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

サクッと読める本が読みたいなーと思い、購入◎

なんの疑問も持たずに読みすすめて、まんまと騙されました。

チェーンソーや穴、火という不気味な描写で、桃子はこれから先生きてゆけるのかと心配になりながら読んでいったけれど、ラスト、ああ、この人は生きてゆける、そう思いました。
この作品の心理描写、桃子を追い詰める周囲の人物や出来事の描写は、読者をどんどん作品の世界へと引きずり込んでゆく。

けれど、個人的にはなくはない不倫をされた女性の心理描写に、日記のトリックが加わったもの。
せっかく、という言い方がふさわしいかわからないけれど、せっかく上下巻に別れているのなら、真守の目線もあってよかったんじゃないかな…真守は、ああいう人なんだろうけれど、でもどういうタイミングで、律子から桃子へ、桃子から奈央にしようと思ったのか、そんなに理由はなく、ただ他の女を好きになっただけなのか。
親の様子から、真守のダメ男っぷりは察することはできるけれど、せめて、もう少し真守の生い立ちの描写とかがあると、もっとよかったかな。
ただ、この作品はとにかく桃子のみの目線であったことが大きいわけで…でも…というもやもや。

結局「不倫はダメ、ぜったい!」と、いうことかしら( ・ω・)

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2018年08月09日

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