吉田修一のレビュー一覧

  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    二つの事件は解明はされず、絡み合うこともなかった。
    それを軸にした人間ドラマ。支配された方が楽な人もいる、それを求める人もいるんだな。幼い正義感は暴走しがちで、人の命を簡単に殺せる人が自然を愛しているのもなんか分かる気がした。

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    2026年08月24日
  • 路

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    台湾新幹線建設を中心に、関わる周辺の人々の想い・生き方を描いている。

    春香と人豪
    結ばれる終わり方を期待していたけれど、そうはならなかった。私はまだまだ青いのか。お互いが言葉を飲み込まず、本心をさらけ出してもよかったのではないか、それで崩れるような関係性ではないはずなのにと、もどかしくなってしまった。
    せめて、これからも親友中の親友として支え合っていくことを願う。

    葉山勝一郎と中野赳夫
    年月を要したが、勝一郎と中野のわだかまりが氷解し、さらに晩年を心穏やかに過ごせたことはよかった。

    他の面々の今後もやわらかな明るさをもって想像できる。
    ただ、春香と人豪が…(まだ言ってる…)。

    私が中学1年の時、母が台湾工場の技術指導のため、1か月ほど高雄市に滞在していた。
    帰国後、台湾の高齢者は日本語が話せるんだよと言っていた。
    葉山勝一郎と中野赳夫の時代の話だったのかと、中学1年の夏を思い出した。

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    2026年08月23日
  • 罪名、一万年愛す

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    軽〜いタッチの王道ミステリー・・・・と理解し、
    サァ〜っと流し読み・・・・、
    途中から深刻な感じが伝わってくるが、戻る気になれず読み進め、
    そして・・・・・、ラストはファンタジー?
    機会があれば・・・再読。

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    2026年08月22日
  • ミス・サンシャイン

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    『国宝』の吉田せんせ、最近では日経夕刊に連載されてましたね。あれはもっとエロが欲しかったですね、残念でした。

    とは言え、クズ系ばかり読んでいた私には今回の物語は一服の清涼剤と申せばよろしいのでしょうか、素敵な純愛物語で私のクズ臭が後半の涙と共に一掃されて、ここ最近では一番の涙活ではかったかと。誠にありがとうございます。

    女優・和楽京子と親友佳乃子との別れは辛かった。原爆症による早世。ここから物語が一気に進む。悲しい歴史、みんな人には言いたくない辛い思い出はあるはず。

    20代と80代の純愛物語です。もちろんエロはありませんが、この伝説の映画女優と言われる80代の和楽京子さんには読んでいてエロスを感じました。吉田せんせウマイ!

    ただお願いがあります。実写だけはおやめになっていただければと存じます。いや、まじで。

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    2026年08月20日
  • おかえり横道世之介

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    大好きな映画「横道世之介」に続編があったなんて知らなかった!

    正社員にもなれず、パチンコ台目がけて走る世之介がいた。世之介24才から25才の話。
    世之介は周囲の人に、いつも優しい。優しすぎる。
    「人生の谷間に伴走してくれる人」。

    どこから読んでもニヤニヤするし、心が温かくなる。世之介のピンチに駆けつけた人とのやりとりが心に沁みる。亮太への世之介の接し方が重なり胸がギュウっとなる。

    「横道世之介」を読んでから「永遠と横道世之介」を読もう。だって、永遠と、で終わっちゃうんでしょう?

    世之介のことを思うと心がチクッとするから★4つ

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    2026年08月18日
  • 国宝 上 青春篇

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     この作品の映画も観ておらず、歌舞伎の世界も任侠の世界も全く知らない私だが、物語の世界に惹かれっぱなしだった。

     歌舞伎の家に生まれた俊介、極道の家に生まれ、歌舞伎に魅了された喜久雄。
     それぞれが、それぞれの立場に苦しみながらも、歌舞伎を愛する気持ちは同じ。
    歌舞伎に向かう気迫が凄まじくて圧倒された。
     少々血の気が多い喜久雄を上手に支える徳次にも惹かれた。

     語り口が、古い日本のお芝居のようで、この作品自体が壮大な舞台で、客席からそれを観ているような錯覚にも陥った。
     
     下巻が楽しみ。

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    2026年08月18日
  • 罪名、一万年愛す

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    いやはや、もうやられたのなんのって、戦後のこの国に犠牲になった子供たちの痛み苦しみ、そして未来への喪失感に胸が詰まる思いのあとに待ち受ける
    ラストの奇想天外の結末には、なんども言いますがやられたの一言。一気読みでした^_^

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    2026年08月14日
  • 永遠と横道世之介 下

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    横道世之介、39歳、カメラマン。

    二千花との2年間が明らかになってくる。
    だからか、あけみちゃんと結婚しないのは…
    なら2番目でもわかるよ、世之介…
    待ってるんだな、二千花とまた会えることを。
    トナカイになってた?
    サンタになったの?
    あけみちゃんがいうように、本当にみんなの世之介だった。
    ごくごく普通の人間なのに。
    とんでもなくあくが強い人間でもないのに。
    みんなが世之介に引き込まれていく。
    『大丈夫』って、世之介に言われているようで。
    本当に世之介といるとホッとするんだろうな。

    ありがとう、世之介。

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    2026年08月14日
  • 永遠と横道世之介 上

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    シリーズ3弾!カメラマンになった世之介、20代から30代であり40手前、それでも世之介は世之介なんだぁ。そして序盤に著者の説明(ボケ?)が秀逸!さぁ下巻だ!

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    2026年08月13日
  • 横道世之介

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    吉田修一さんの作品は初めて。
    『国宝』をはじめ映画の原作となる作品がたくさんある作家さんなのですごく楽しみにしていました。

    この作品は東京の大学に入学した横道世之介の1年間のお話。
    何とも言いがたい魅力溢れる世之介に惹きつけられ、ほんわかした気持ちで読み進めていましたが、後半はそれこそ何とも言えない儚さで胸がいっぱいになってしまいました。
    圧倒的な儚さ、だからこそ.....っていうところがたまらなかったです。
    ありがとうございましたm(_ _)m

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    2026年08月13日
  • 永遠と横道世之介 下

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    世之介シリーズの完結編。
    他の方も書いておられるのだが、読み進めるにつれて、「ああ、もうすぐ終わってしまう」と切なくなるのだ。本シリーズは1年を12章で分割して、1章で1か月が経過するスタイルだから、「あと1年、あと半年、あと3か月」と残りの月数を数えてしまう。 

    世之介シリーズの読者であれば、世之介が電車事故で亡くなることは周知のこと。正確な年月や、世之介の享年は覚えていなくても、なんとなくそろそろではないかと、残りの章が少なくなるにしたがって焦りが増してくる。
    加えて、先だった恋人・二千花の亡くなる直前のエピソードや、これから生まれてくる子(後輩・ニコの子供)など、後半は生と死が入り乱れて、読んでいるこちらの心も乱される。でもそんな中でも、世之介はしっかりと、普通に生きて、生活しているのだ。

    線路に落ちた女性を救うために、躊躇なくホームから飛び降りることができるのはこんな人だろうなと納得できました。これまでの横道世之介シリーズ2作品も充分楽しませていただきましたが、世之介を理解するに3作目が必要不可欠だと感じました。ありがとうございました。

    雑記
    長崎の「精霊流し」って、さだまさしさんのしんみりしたイメージしかなかったんですが、あんな爆音と花火の行事だったんですね。同じ行事でも語る人によって印象がこうも変わるんだなと思いました。さださんのは大騒ぎした後の寂寥感でしょうか。一度、お盆の長崎を訪れてみたいと思います。

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    2026年08月12日
  • 永遠と横道世之介 上

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    『横道世之介』シリーズ第3弾。

    39歳となった横道世之介。カメラマンとして細々と生活しながら、『ドーミー吉祥寺の南』で暮らしている。祖母からドーミーを引き継いだあけみちゃんとは、未だ籍は入れずに同棲中。元芸人のサラリーマン・礼二さん、書店員の大福さん、大学生の谷尻くん、中学教師ムーさんの引きこもりの息子・一歩、の『ドーミー吉祥寺の南』の住人たちとの日々を送っている。

    なんとなく、生きる世之介。ふわふわと中に浮いているように。
    変わらない、本当にずっとこどものままだ。
    亡くなった恋人・二千花を忘れられないために、あけみちゃんとの関係も…
    あけみちゃんにも、『2番目』と言ってしまう始末で。
    本当に小学生かと…
    誰からも愛される世之介。
    世之介の周りにはほんわかとした雰囲気が生まれる。たとえ、南條さんであっても。
    なんなんだろうな。

    このまま世之介はどうなるんだろう。
    あけみちゃんとは⁇

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    2026年08月11日
  • ミス・サンシャイン

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    ハリウッドで活躍した伝説の大女優、和楽京子。(本名、石田鈴) 80歳を超え 女優業は引退してもなお美しくスカッとした粋な人柄と、戦後の銀幕を彩った彼女の映画に魅了されていく大学院生の一心。

    二人の半年間の心の交流を、丁寧に静かに紡いでいきます。


    鈴は米国でミス・サンシャインと呼ばれ人気女優になりますが、実はそう呼ばれるのは嫌だったこと、愛する人がいたこと、長崎で被爆していること、自分よりもっと綺麗な幼なじみがいたこと‥徐々に彼女の華やかな半生の裏にある哀しみが明らかになっていきます。


    作者の吉田修一さんが『初めて長崎の原爆のことを書こうと思った』と言っています。でも、このストーリーの中に生々しい描写は一切なく、そうしないことで逆に哀しみを伝えていく手法を取っています。


    「世の道世之介」風の一心くんと80代の鈴の、静かな呼吸が聴こえてくるようなストーリーです。

    ・2022年 第29回島清恋愛文学賞

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    2026年08月08日
  • おかえり横道世之介

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    横道世之介シリーズの続編。あの独特の語り口が楽しめます。
    今回は世之介が24歳から25歳の1年間。前作が18歳だったので6年後かな。
    語り口もそうだけど、世之介もあまり変わっていない。ちょっと不器用だけど良い人。そしてスルリと心の中に潜り込んでくる不思議な男。でもちょっと物足りない男、世之介。
    そんなどうでも良い男の1年間を、なぜか熱心に読んでしまう。大きな事件や出来事が起こるわけではないのに、なぜかどんどん読まされてしまう。
    まるで作者の手のひらで転がされているよう。上手いです。

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    2026年08月04日
  • 横道世之介

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    ネタバレ

    東京の大学に進学するために長崎から来た世之介、サンバサークルに入ったり、同級生の友達が子供ができて退学したり、一見不釣り合いそうなお嬢様と付き合って意外と上手くいったり、飄々としてるけど人当たりが良くて割と愛されるタイプ。
    どうしてもって訳ではないけど、なんだか放っておけないタイプの世之介が気になるので、続編も読んでみようと思う。笑

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    2026年08月02日
  • おかえり横道世之介

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    シリーズ前作同様、主人公の優しさに溢れた作品。本作では「善良」という言葉で表現されていた。関わった人の未来(現在)を表すことで、深く短い関わりでも気付かぬうちに良い影響を与えた主人公の人の良さに心温まった。

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    2026年07月31日
  • 永遠と横道世之介 下

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    下巻まで読んでから評価すれば良かった。
    上巻では、なんだかはぐらかされているような表現が気になって、イマイチの感じでした。下巻まで読み終わって、あっ、やっぱり世之助さんだったなぁと思いました。こんなかたちで終わるのね。
    悲しいけれど、気持ちの良い作品でした。

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    2026年07月31日
  • 横道世之介

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    「国宝」からやってきました笑
    共通点は、男子の成長を描いていること!以上!笑
    ただ世界観も熱量もまるで違うのに、不思議と心に残るのは何なんだろう。

    世之助という青年は、爽やかなのか、天然なのか、スカタンなのか、おそらく全部なんだろう。
    東京での大学生活はスカタンの連続で、そこ踏む!?ってツッコミどころ満載。それでも周りに愛され、何とか生きていけるところが彼のすごいとこ!
    世之助は妬まないし卑屈にもならない。等身大の自分を受け入れている。そして何より人生のすべてにYESというすげー男だった!
    続編も読んでみます。

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    2026年07月25日
  • 横道世之介

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    再読

    章の最初の
    ーーーーーーー世之介である。
    が好き。

    祥子ちゃんが愛おしくて、このままずっと添い遂げて欲しかったなぁ・・・

    一番好きな青春小説かも

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    2026年07月23日
  • 横道世之介

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    『横道世之介』を読んでいて、一番惹かれるのは、やっぱり世之介という人物そのもの。

    大学にも、こういう人がいたなと思う。少し抜けていて、いつも誰かにいじられている。でも、決して嫌われることはなく、誰とでも自然に打ち解けてしまう。飛び抜けたエリートでも、キレ者でもないのに、不思議と人が集まってくる存在。

    人と距離を縮めるのに時間がかかる私にとって、こういうタイプの男子は話しかけやすくて、ずいぶん助けられた記憶がある。だから世之介を見ていると、懐かしさと少しの羨ましさが入り混じる。

    作中には思わずクスッと笑ってしまうような会話が散りばめられていて、その空気感も心地いい。大学時代の何気ない日々や、大勢の中の一人として過ごしていた頃の感覚が自然と思い出される。

    派手な出来事よりも、人と人との距離感や、ありふれた日常の愛おしさを丁寧に描く作品。読みながら、自分自身の学生時代の記憶まで静かに呼び起こされる、そんな小説だった。

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    2026年07月21日