吉田修一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2026.04.22 ★4.6
上巻は静かに淡々と時間が流れ、下巻からは怒涛の展開。
3ヶ所に居る身元不詳の男は一体誰なのか
誰が誰を信じていて、誰が誰を信じられないのか
「怒り」は誰が誰に向けたものなのか
一気に色々なことが起こり、ページをめくる手が止められない。
正直、読み進めるのが辛く感じる展開もあったが、ほんの少しだけ光が見える終わり方だった。
↓↓↓内容↓↓↓
山神一也は整形手術を受け逃亡している、と警察が発表。
洋平は一緒に働く田代が偽名だと知り、
優馬は同居を始めた直人が女といるところを目撃し、
泉は気に掛けていた田中が住む無人島であるものを見てしまう。
日常をと -
Posted by ブクログ
吉田修一の描く群像劇はやはりピカイチだと思う。
とても素敵な作品だった。
台湾に日本の新幹線が走る。
商社の台湾支局に勤める春香と日本で働く建築家・人豪の巡り合い。
台湾で生まれ戦後引き揚げた老人・勝一郎の後悔。
「今」を謳歌する台湾人青年・威志の日常。
新幹線事業を背景に、
日台の人々の国を越え時間を越えて繋がる想いを色鮮やかに描く群像劇。
出てくる登場人物たちが皆何らかの形で台湾新幹線に関わっている。
これは非常に高等なテクニックだとも思った。
何気ない日常を描き、何でもない台湾人青年に至ってもそういう流れになる。
群像劇で一番難しい繋がりを、いとも簡単に描いている点は流石の一言。
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Posted by ブクログ
当初想像していたのとはだいぶ違う内容だった。それは勿論良い意味で。
心に傷を負った大学院生の岡田一心は、
伝説の映画女優である和楽京子こと石田鈴の自宅で荷物整理を手伝うことに。
引退した今なお美しい鈴さんの胸に秘められていた波瀾万丈な映画人生、
原爆が奪った運命と大切な人たち。
その過去に触れるうち、一心の胸にあたたかな光が灯る。
吉田修一作品で言ったら横道世之介に分類される読みやすさと温かさであった。
何より、鈴さんの生きた人生が本当に胸に刺さる内容であった。
ミス・サンシャインに込められた皮肉、
そんなことにも気付けなかった己の無知さ加減も含めて。
鈴さんという存在によって、
主人公 -
Posted by ブクログ
ネタバレ直樹の章の最後で、全くジャンルが異なる本になる。
共同アパートで暮らす5人を丁寧に描いた群像劇のように進んでいく。
サトルが新たに入居して不穏な空気になるがそれがミスリードのまま終わると思いきや、まさかのそれをオチに持ってくる衝撃の展開。
読んでいて全く予想できなかった、ただこの作品のジャンルがとても難しいと思った。
オチありきならミステリーになるのだが、それだとオチの衝撃が無くなってしまうだろう。
しかし、純文学と言われればオチによって全く異なる性質に変わるので純文学ではない、故に非常に難しい本の紹介になる。
紹介する人の技術が問われる小説なのかもしれない。
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Posted by ブクログ
やはり吉田修一作品すごいなあ。
いったい悪人とはなんなのか。見栄を張り平然と嘘をつくものなのか。殺しはしないが人の心を弄びなんとも思わないものなのか。追い詰められて人を殺すものなのか。愛を貫いて法を破るのが悪人なのか。知りもしないで外野から批判する者たちなのか。
2人にとっては逃避行だったけれども、孤独な者同士が初めて繋がる居場所だったんだろう。究極に切ない。
長崎弁で書かれているからか素朴さを感じながらもかえって剥き出しの感情が刺さってくる。
「その人の幸せな様子を思うだけで、自分までうれしくなってくるような人たい」という父親のセリフや「祐一、逃げたら駄目よ。怖かやろうけど、逃げたら駄目よ。