吉田修一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『横道世之介』を読んでいて、一番惹かれるのは、やっぱり世之介という人物そのもの。
大学にも、こういう人がいたなと思う。少し抜けていて、いつも誰かにいじられている。でも、決して嫌われることはなく、誰とでも自然に打ち解けてしまう。飛び抜けたエリートでも、キレ者でもないのに、不思議と人が集まってくる存在。
人と距離を縮めるのに時間がかかる私にとって、こういうタイプの男子は話しかけやすくて、ずいぶん助けられた記憶がある。だから世之介を見ていると、懐かしさと少しの羨ましさが入り混じる。
作中には思わずクスッと笑ってしまうような会話が散りばめられていて、その空気感も心地いい。大学時代の何気ない日々や、大勢の中の一人として過ごしていた頃の感覚が自然と思い出される。
派手な出来事よりも、人と人との距離感や、ありふれた日常の愛おしさを丁寧に描く作品。読みながら、自分自身の学生時代の記憶まで静かに呼び起こされる、そんな小説だった。 -
Posted by ブクログ
吉田修一さんの男女のリアルを描く短編集。
この作品は、人生の中のメインストーリーではなく、サブ中のサブ、「そういえばこんなこともあったなぁ」とふと思い出すような出来事が描かれています。
吉田さんの恋愛小説に登場する男性は、誠実とはかけ離れた人物が多いですが、『平日公休の女』のぼくもまた然り。このぼくは、『東京湾景』の亮介に近いものがあり、彼女に対して「一緒にいたい」ではなく「一緒にいられる」という状況で付き合っているところが憎たらしい。そういう些細だけれど、ちょっとわかってしまう感情を描くのが本当にお上手です。
こういう男性たちが苦手な方は、ぜひ『タイム・アフター・タイム』のオッソーに出会ってください。
まだまだ吉田修一さんブームは続きます!