吉田修一のレビュー一覧

  • 愛に乱暴(下)(新潮文庫)

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    狂気を含む読み物を、私は好きだったんだぁ…と再認識した小説でした☺山本文緒さん、湊かなえさんに並ぶ大好きな作家さんになりそうな予感

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    2024年08月14日
  • 横道世之介

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    最新刊読んだあとで、改めて最初の世之介さんを読みたい衝動がおさえられなかった。
    晩年の彼を知ってからの物語はこうも大きく膨らんでくるのかと、感慨深く。ひとつひとつのエピソードをかみしめるように読み進めた。登場人物たちのその後もちりばめながら時系列が前後しているのがとても心地好く、懐かしいアルバムを紐解くような気持ちだった。







    以下 2017/1/24の感想。

    とある大学生の日常をほんわかとのんびしとした雰囲気が描かれていて。
    結構投げやりであったり、行き当たりばったりで
    とりたてて特別なことも起こったりしないのに
    面白ろおかしく読めてしまう。

    後半になるにつれ、主人公のその後が描かれていくあたりがとても切なくなってくるのけれども
    彼の言動のひとつひとつが心に残って
    映画をみているような余韻。

    読後感もとてもよかった。

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    2024年07月30日
  • 春、バーニーズで

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    精密な文章。

    都会の車窓から流れゆく景色のように、流れゆく思考にトドメを刺さず、ダダ漏れさせていく。あっかもしれない世界線に思いを馳せながら、今を生きてしまう

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    2025年12月16日
  • 横道世之介

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    すごくいい作品でした。世之介の立ち振る舞いはもちろんのこと、大学生活とか状況生活のそれっぽさがにじみ出てきている。こういう作品が読みたかった。ところどころに描かれる未来の様子がラストを際立たせていた。

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    2024年07月15日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    何も考えず相手の思うように服従したい思い。それを感じ取り同じように佳代を自分の思うように扱う圭介。異常に感じる佳代と圭介の関係がとても不思議でお互い出会ってから直ぐに感じ取ったのだろう。言わば運命の出会い。
    その2人の周りで子供が殺人の関与している雰囲気が漂っている。そして何の罪のない人が疑われて精神を崩してしまう。実際にありそうだ。そんな世の中なんだと教えられた気がします。
    読み終えてスッキリとはしないが、スラスラ読めてしっかり余韻に浸れた作品でした。

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    2024年07月10日
  • 最後に手にしたいもの

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    世界の見え方がとても綺麗で、でもクスッと出来るエッセイ
    日常から旅の記憶、機械音痴あるある、ペットの猫のことまで様々な日常をここまで綺麗な文章に纏められるの素敵だなと

    確かに機内で読みたいなぁと

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    2024年05月16日
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

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    とてもとても良かった、今まで読んだ猫にまつわる本の中で1番良かった。最後の養老孟司のパートの1番最後の節が本当に好き。

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    2024年02月18日
  • 素晴らしき世界 ~もう一度旅へ

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    機内誌「翼の王国」完結。

    「ファインプレーに酔う」
    吉田さんが買い物に訪れたスーパーで
    老婦人を手助けする客たちを目にする。
    読んでいる私もほっこりといい気分。

    吉田修一さんの本をずっと読んできた。
    わたせせいぞう氏の『ハートカクテル』も
    映画の話も、もちろんわかる。
    P45
    〈静けさというものが最高の贅沢だと思うようになったのは、いつ頃からだろうか〉
    こういうところも(あー、わかるな)

    旅に出たくなる、そんな一冊。

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    2024年02月02日
  • 悪人 新装版

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    この方の作品は強烈な没入感を与えてくれる。「怒り」が大好きだが、この作品も並びました。男性作家なのに光代の心理描写がすごいです。終わり方もたまりません。

    読み終わった後に感じたこと、
    悪に利用されない為に、強くあり、賢くあらないといけない。自分を軽視する人間とは関わるべきではない。必死に生きている人を見下し、馬鹿にする人間にだけはならないように生きていきたい。そして誰かから語られる様々な自分はどれもちょっとずつ自分なのだということ。

    「悪人」は誰か?
    私にとっては、彼は優しすぎたのだと思いたい。衝動的に殺人を犯してしまった彼は悪でなければならない。なぜなら、殺人を許してはいけないから。でも人として、あの大学生や傲慢さを撒き散らす被害者女性より、思いやりと情のある人間でもあると思う。登場人物を善と悪のどちらかに分類することは私にはできないが、好きと嫌いに分類するならば、間違いなくあの大学生だけは嫌いだ。

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    2024年01月26日
  • 横道世之介

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    なんでもっと早く読まなかったんだ⁉︎と後悔。
    あの頃の時代の空気を思い出し、友だちの友だちの友だちくらいに世之介の知り合いがいたような気がしてきた。
    純粋に愉快な青春小説を楽しんでいたのに、最後がわかるといちいち鼻の奥がツンとしてきて辛かった。

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    2024年01月25日
  • 東京湾景(新潮文庫)

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    人生で一度くらいは、自分の体が傷を負うことも躊躇しないくらい、好きな人のために体を張れるぐらい相手を好きになりたいと思った。

    これ読んでから品川埠頭の倉庫街やレインボーブリッジの景色を眺めると胸がじーんとしました

    りんかい線の開通でお台場から品川へ行くのは便利になったけど、便利になる前の「目の前に見えてるのになかなか辿り着けないもどかしさ」みたいなのも、涼子と亮介の距離感とリンクしてるのかと思った。

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    2024年01月16日
  • 泣きたくなるような青空

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    電車の移動中、しかも仕事帰りに読むのに最適な時間でした。あー旅がしたい。 仕事で出張でも旅する気持ちを持とうと思えた一冊でした

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    2024年01月08日
  • 最後に手にしたいもの

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    電車の移動中に薄い文庫本をとこちらを手にしてみましたが、いやいや、旅がしたくなりますね。一期一会での体験を日常に入れて行こうかと思う一冊でした。

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    2024年01月08日
  • 最後の息子

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    初めて著者の作品を読みましたが、とにかく文章が上手いと感じました。
    収録している3つの短編、いずれも分かりやすい起承転結があるわけでもなく、登場人物たちがもつ背景や性格に沿ってごくごく自然な態度・行動を取るだけの話で、オチというよりはストーリーの過程での感情の隆起や変化そのものを楽しむものなのかな、と思います。
    起こった事象をどう認識し解釈するか、それは個々人の持っている情報や考え方によって大きく変わります。本作はそこに至るまでの背景の説明とその際に湧き起こる感情について、そのまま書き出すというよりは、目の前で起こっている事象を登場人物がどのように捉えているか、という結果となる部分を五感で立体的に表しているため登場人物への共感を強めることができ、物語の中に引き込まれるような感覚を味わえます。
    そういった意味合いでいうと、登場人物が現状をハッピーに捉えているかどうかで各編の読後感が違ってきます。最後に掲載されている「water」が爽やか要素が多いこともあって一冊の印象としてはさっぱりした本だったな、となりますが前2篇はどちらかというと陰鬱というか諦念に近いものを感じました。どれくらい感情を変化させられたか、というのは自分の中で小説を評価する評価基準の1つになっているような気がするのですが、この項目で本作は非常に優れていると感じました。
    こんな文章書けるようになりたーい。

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    2023年12月29日
  • 森は知っている

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    いや、コレはなんだかスゴい作品ですぞ。
    リアリティが無さすぎるだけに、逆に本当にありそうな世界。
    上手いなあと思う。
    無事に34歳まで勤め上げて平穏な人生を送らせてあげたい。

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    2023年12月29日
  • 愛に乱暴(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    真守の罪、奈央の罪、照子の罪、そして桃子の罪。歪な人間関係や生活環境がそれらを産んだのだろうか? 母屋と離れという、近いのに遠い距離感がそうさせたのだろうか? 鞄が底なしになって、引っ張られないように畳をひっくり返したのはその罪に精神を引き摺り込まれないようにするためだっか? 全ての出来事が写真のフレームのようになって連続してさまざまな想像が掻き立てられた。なんだかんだと8年も結婚生活を続けてきたのだから、ことはそう簡単ではない。ただ急転直下でもなければ不満のちりつもでもなくて、一つの因果関係で物語れないところにこの著作の肝がある気がする。

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    2023年12月04日
  • 横道世之介

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    以前吉田修一さんのパレードという作品を読みました。そして横道与之介が2作品目。
    うまく言語化できないのですが、この作品の中で迷子になってしまう自分がとても心地よい。最後の1ページを読んだ後にまだ小説の中から抜け出せない感覚味わえました。
    なんなんでしょうこの感覚は、続編も読んでみたいと思います。

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    2023年10月15日
  • 初恋温泉

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    温泉行きたいなぁ。
    コロナが流行り出してから 何年も行ってないな。
    これからだったら紅葉みながらの露天風呂とか
    いいなぁ。草津、伊香保、那須塩原…。いいなぁ。


    こちら、温泉旅館に泊まる男女5組の恋愛小説です。

    初恋の女性と結婚した男性。 突然 妻から離婚したいと告げられる。別れる理由も聞けないまま温泉へ訪れる。
    結婚を間近に控えたおしゃべり好きのカップル。義母から「脇役夫婦」と言われる。襖一枚隔てた隣の部屋には 物静かな男女が泊まる。(これ好き)
    お互いの配偶者に嘘をつき温泉に泊まりに来たダブル不倫の男女。
    初めての1泊旅行に来た高校生カップル。(これ男の子がザ・高校生男子でめちゃ可愛い!【この先ずっと一緒にいたい。星の瞬く露天風呂で、この気持ちがいつかなくなるなんて、いくら考えても想像できなかった】ってさ!てさ!!)
    訳ありそうな一人旅の女性に声をかける男。実は男の方が訳ありだった…。(これはラストがゾワッ)

    別れ話もイチャイチャも 会話の一つ一つは
    今 この世界のどこかしらで こんな会話をしている男女がいるだろうなって内容なのに、その場所が 「温泉旅館」っていうだけで 日常から離れた特別なもののように感じてしまう不思議。終わり方も余韻の残る感じ。あぁ、この2人はお風呂から上がった後、どんな顔でどんな会話するのかな…って。

    っていうかあれですよね。
    小説の中のセリフでもあったけど
    温泉ってなんかエロいよね。
    いや、全然そんな話ないけどね。

    全てのお話で 男女が泊まる旅館は実在する旅館のようで、気になったところはスマホ検索してみた。
    青荷温泉ランプの宿、気になるー。
    那須の二期倶楽部は行ける距離だわとおもったら 閉業して星野リゾートが買い取ったらしく 1泊6万6000円もするオサレホテルになってた ( ꒪⌓꒪)うへぇ

    温泉で温まりすぎた体が 外の空気にふれて一気に冷えるの気持ちいいよね。

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    2023年09月23日
  • 最後に手にしたいもの

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    何のために生きてるのか、考える時間がたっぷりある今のタイミングからこそ、沁みる内容だった。東京で何かに焦りながら暮らした直近4年間も、それはそれで悪くなかったと感じさせてくれた。旅はこれから続ける。本当に心を癒してくれるのは綺麗な空とか人の優しさとかいつかの思い出なのかなあ、とか考えた。
    著者吉田修一さんが映画「怒り」原作者とは知らなかった。とてもいい映画だったのでまた見たい。

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    2023年09月21日
  • 犯罪小説集

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    ネタバレ

    有名映画の原作が多くあるので、大衆寄りの作風かなと想像しちゃうけど文学的な仕上がりがこの著者にはあるし、そこにまんまと魅了される。

    主人公たちは想像の範囲内で一癖二癖あり、生きていく環境に翻弄されてまさに罪への陥穽に知らず知らずに嵌まる。決して根っからの悪人ではなく、ただボタンの掛け違いが修復不可能なまでに加速しもう後戻りできない最後の一線を超えていってしまう。

    特に「百家楽餓鬼」と「白球白蛇伝」がシビれる。
    原因は違えどどちらもお金に関係し、堕落していく。しかし、主人公二人とも最初は真っ当な人間といて歩んでいるはずなのに、周りの環境からの外的影響から歯車が徐々に狂い出し堕落していく。そこに劇画的なターニングポイントなんかなく、いつの間にか気づいたらがんじがらめの袋小路。人の破滅というのはいとも簡単に起こるんだなと戦々恐々です。

    他のレビューにもあるように、後味は決して良くない。でもそういった結末にこそ、そこに人間の根底にある感情的な、理性では制御できない本質があるのだと思う。ここまで本作品に引き込まれるのだから、一理あるだろう。

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    2023年09月15日