吉田修一のレビュー一覧

  • 最後に手にしたいもの

    Posted by ブクログ

    何のために生きてるのか、考える時間がたっぷりある今のタイミングからこそ、沁みる内容だった。東京で何かに焦りながら暮らした直近4年間も、それはそれで悪くなかったと感じさせてくれた。旅はこれから続ける。本当に心を癒してくれるのは綺麗な空とか人の優しさとかいつかの思い出なのかなあ、とか考えた。
    著者吉田修一さんが映画「怒り」原作者とは知らなかった。とてもいい映画だったのでまた見たい。

    0
    2023年09月21日
  • 犯罪小説集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    有名映画の原作が多くあるので、大衆寄りの作風かなと想像しちゃうけど文学的な仕上がりがこの著者にはあるし、そこにまんまと魅了される。

    主人公たちは想像の範囲内で一癖二癖あり、生きていく環境に翻弄されてまさに罪への陥穽に知らず知らずに嵌まる。決して根っからの悪人ではなく、ただボタンの掛け違いが修復不可能なまでに加速しもう後戻りできない最後の一線を超えていってしまう。

    特に「百家楽餓鬼」と「白球白蛇伝」がシビれる。
    原因は違えどどちらもお金に関係し、堕落していく。しかし、主人公二人とも最初は真っ当な人間といて歩んでいるはずなのに、周りの環境からの外的影響から歯車が徐々に狂い出し堕落していく。そこ

    0
    2023年09月15日
  • 永遠と横道世之介 下

    Posted by ブクログ

     飄々とかつ一生懸命に人生を楽しむ男、横道世之介。
     現在は東京郊外にある下宿屋「ドーミー吉祥寺の南」で、家主のあけみや4人の店子たちと共同生活を送っている。
     暮らし向きが豊かでないのは相変わらずだけれど、やはり毎日が楽しそうだ。

     世之介不惑の歳までの約1年間を描くシリーズ最終作。下巻は、後半の半年間の物語。
              ◇
    世之介は39歳を迎えた。カメラマンをしながら東京郊外での下宿屋暮らし。大家で妻のあけみと、気心の知れた3人の店子たち。そんな平和な空間にやってきたのは引きこもり男子高校生。名を一歩という。

     一歩は世之介が仕事で知り合った中学教師の一人息子で、誰とも

    0
    2025年06月25日
  • 永遠と横道世之介 上

    Posted by ブクログ

     飄々と、そして一生懸命に、人生を楽しむ男、横道世之介。
     現在はカメラマンとして生計を立てつつ、「ドーミー吉祥寺の南」という東京郊外の下宿屋で、家主のあけみや3人の店子たちと共同生活を送っている。相変わらず暮らし向きは豊かでないけれど、やはり毎日が楽しそうだ。

     世之介不惑の歳までの約1年間を描くシリーズ最終作。上巻は、前半の半年間の物語。
              ◇
    前巻から14年ほどが過ぎ、世之介39歳を迎える年。カメラマンとして (かろうじて) 身を立てられるようになっている。

     現在の住居は東京郊外の下宿屋。でも店子というわけではなく、寝起きするのは家主のあけみの居住スペース

    0
    2023年09月03日
  • 泣きたくなるような青空

    Posted by ブクログ

    日曜の夜に一気読みしてしまった。
    エッセイなのに横道世之介を読んでいるかのようだった。世之介は著者そのものなのか!?
    何だかキャンプとか屋外で夜風に当たりながらランプの灯りで読みたい本だった。
    あまり旅行をできないが、本で旅をした。
    いつか行ってみたいと思いを馳せながら…

    修学旅行で行った長崎、もう一度行きたいな。

    0
    2023年07月24日
  • 路

    Posted by ブクログ

    少し読みづらい展開でしたが、読み終えてみると人間の感情がよく描かれているストーリーでした。新しい読み物に一歩入ったかな。

    0
    2023年07月20日
  • 新装版 静かな爆弾

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・とりあえず読んでみてよかった!!最後はよく分からないけど鳥肌が立った。こうして文章にまとめることにも意味があるんだと思った。
    ・「音のない世界」って、たぶん想像できない。怖い。
    ・〝情報というのは、不思議なものだ……〟(P.54L2〜)取材の人も必死なのがよくわかる。情報の価値の違いとか、考えたことなかった。
    ・アパートで起きたいざこざ、よく分からなかった。誰が悪いんだろう……?
    ・とにかく、気付かされることが多い!実体験なのかな。
    ・読んでるとき「これは記憶しておけばいいか」って思ってメモしなかったこともあるけど、きっと忘れちゃうんだろうな、人間って。だからこそ覚えようとするんだろうか。

    0
    2023年07月07日
  • 永遠と横道世之介 下

    Posted by ブクログ

    上巻とは打って変わって、お別れが近いからか、ほっこりエピソードも、悲しいエピソードも、すべて切なくなる。まるで、楽しい旅行の最終日のような。
    でも素敵な旅行のような、嫌な日常を全て忘れてはしゃぐような読書体験をさせてくれた世之介に感謝したい。
    自然体で生きること。長さや短さ、濃さや薄さに違いはあれど、人と比べることなく満足して一生を終えられることが素敵な人生なんだなと感じた。世之介や、二千花のように。 ★5.0

    0
    2024年09月07日
  • 最後に手にしたいもの

    Posted by ブクログ

    自分のことを目の前でTwitterにて呟いた大学生とのエピソード、最高でした。長崎ではなく、佐賀にこの人は欲しかった。

    0
    2023年06月28日
  • 永遠と横道世之介 上

    Posted by ブクログ

    横道世之介シリーズがついに完結。
    上巻からすでに名残惜しくて、1ページ、1ページ、大事に読ませていただきました。
    割とタイムリーに読んできた自分としては、いつの時代も、あぁ、これが世之介だよなぁと思わせてくれるキャラクターで、まるで実際に存在しているかのでは思わせる。小説なのにここまで生き生きと描ける吉田修一さんはやっぱり巧い。
    体温と同じくらいの温度で、浸かってんのか浸かってないのか、よく分かんないぬるいお湯のような世界観に浸かりながら、最後まで見届けたい。 ★5.0

    0
    2024年09月07日
  • 作家と一日

    Posted by ブクログ

    吉田修一さんのエッセイ、やっぱりとてもいい。
    さりげなく、結構高級そうなホテルやリゾートに行っていたり、ドンペリ飲んでたりするのだけど、マウント取ることもへりくだることもなく、フラットな目線をしているから全然嫌味じゃないのも、実はすごいと思う。
    あとは、出来事を脚色したり、変にオチをつけようとせず、本当に感動したことをそのまま書いている(もちろんそこは吉田修一だから素晴らしい表現だけど)のもいい。信頼できる感じがする。
    秋田の乳頭温泉、台湾、フィンランド…と行きたいところが増えた。

    0
    2023年06月09日
  • 犯罪小説集

    Posted by ブクログ

    解説にあるように、登場人物たちの人生、生きる空間が丹念に描かれていて、人が罪を犯すまでが、ものすごくリアルに、近所の噂話かのように感じられる。
    一人一人が身近に思えるので、事件が起こる瞬間には、ああもう取り返しがつかないと、とてつもないやるせなさに襲われる。
    矛盾だらけで、本当に言いたいことは伝えられない、人間の哀しさみたいなものを感じる。

    そんなずっしり重くてしんどい短編集だけれど、読むたびに発見があり、別の登場人物に共感できたりするので、何度も読み返している。
    特に印象的なのは『万屋善次郎』『白球白蛇伝』。

    0
    2023年06月04日
  • 悪人 新装版

    Posted by ブクログ

    決して明るい話ではない。
    だけど、自分はこっち側なんだと。どうしてか共感出来る部分多々あり。
    生きているなかでの社会での不条理さや不公平感、要領良い人やうまく立ち回れない自分。
    吉田氏、好きです。

    0
    2023年04月23日
  • 泣きたくなるような青空

    Posted by ブクログ

    吉田修一さんのエッセイ読むの、意外にも初めてかも。
    人間というものの切なさ、愛おしさが感じられる簡潔な文章はエッセイでも健在で、ああ吉田修一ってやっぱいいなあ、と思いながら読んだ。

    特に好きなのは『お盆・花火・長崎』。
    長崎ではお盆に墓場で花火したり、精霊流しで100本以上も爆竹を鳴らすのは初めて知った。故人を賑やかに送るの、楽しそうで、どうしようもなく切なくて、最高。

    吉田修一さんは、盛大な爆竹と共に精霊船を流し終えた後、宴会に向かって、高揚と虚しさが入り混じったような足取りで歩きながら、亡くなった家族や友人のことを話すのが好きだそうで、それもすごくいいなあと思った。

    0
    2023年04月20日
  • 犯罪小説集

    Posted by ブクログ

    随分前に『楽園』を見て読みたくなり購入。買ってから短編集と知るw

    じめ〜っとした嫌な蒸し暑さと全てを覆い隠してしまう重苦しい寒さといった温度が感じられる文章だったな。
    不快な温度の中にいると何も考えられなくなるのと同じように、各短編の登場人物達も考え方が一方通行すぎるし人って本当に自分の都合のいい方にしか考えられへんのやなと思った。
    それは悪夢を終わらせる希望でもあるのか。
    あいつが怪しい、あいつに決まってるって次々に言い出すの怖かった。

    0
    2023年02月04日
  • 逃亡小説集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    吉田修一の短編小説集で『逃げろ九州男児』『逃げろ純愛』『逃げろお嬢さん』『逃げろミスター・ポストマン』の4作が収録されている。
    どの話も実際にあった事件を彷彿とさせる内容で、個人的には『逃げろお嬢さん』がとても良かったと思う。夫が大麻取締法違反で捕まった舞子が逃亡し、その舞子をかつて推していた宿の経営者宮藤康太がひょんなことから舞子を助け「テレビのドッキリだな」という壮大な勘違いをしてしまい、その結果、大騒ぎになるというもの。
    クスッと笑ってしまう表現とハラハラする表現の塩梅が最高でのめり込むようにして読んでしまった。
    また、吉田修一は社会的弱者とされる立場の人たちの描写をこちらの心が痛くなる

    0
    2023年01月04日
  • おかえり横道世之介

    購入済み

    なるほど、そういうことか!

    世之介の人生において、前作には書かれなかった部分のお話。
    前作との繋がりは殆ど無いに等しいので、本作だけ読んでも充分楽しめます。もちろん、前作ファンの方は必読です。

    0
    2022年09月05日
  • おかえり横道世之介

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    文庫化で購入。
    バブル最後の売り手市場に乗り遅れ、バイトとパチンコで食いつなぐこの男。名を横道世之介という。いわゆる人生のダメな時期にあるのだが、なぜか彼の周りには笑顔が絶えない。鮨職人を目指す女友達、大学時代からの親友、美しきヤンママとその息子。そんな人々の思いが交錯する27年後。オリンピックに沸く東京で、小さな奇跡が生まれる。

    構成が素晴らしすぎる。
    未来の描写の時、ここに世之介がいたらどんな感じだったのかなぁと思わずにはいられない…。
    世之介は本当に優しい人。自然と人に寄り添う優しさで。
    線路に落ちた人を助けようとして亡くなるっていうのがまさにそう。
    “本当に不思議だった。世之介兄ちゃ

    0
    2025年06月02日
  • 初恋温泉

    Posted by ブクログ

    短篇集。
    前日に離婚を告げられた夫婦や、過ちを犯して1人で来た旦那や、不倫旅行や、カップル。合計5編。
    最初の初恋温泉と純情温泉が良かった。
    特に純情温泉。
    吉田さんってこんな高校生の恋愛の話を書くんだと少し意外に思った。まだまだ読み足りないな。

    部活でかいた汗や、女子たちのデオトライトや香水の匂いが混ざって、まるで夕方の教室みたいだった。

    この表現で一気に学生の頃、夕方教室に残って友達達と過ごした時間を思い出した。
    純情温泉、とてもよかったなー。
    また読みたい。

    0
    2022年06月13日
  • 女たちは二度遊ぶ

    Posted by ブクログ

    あらためて、クズでチャーミングで社不でセクシーな女性を描くのがうますぎるなと。。
    「遭ったことのある11人の女」を小説にしたそうだが、自分のことをこんなふうに描いてくれる人がいるなんて恐ろしいけれどすこし羨ましい。

    解説の田中敏恵氏
    「男が語る女は、女にとってリトマス試験紙のようだ」

    吉田修一さん、モテるんだろうなぁ。

    0
    2022年05月18日