感情タグBEST3
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たまにどこか投げやりになりながら何かを諦めたりしながらも東京で生きてる若者たちの東京讃歌だった。
そんな何気ない日常の中でどこか記憶の片隅に残っていたある出来事。
母親を探してた兄弟は本当に存在するのかな?夢なんじゃないか?と思ったりしたけど。
どんどん繋がるかんじがおもしろかったです。
投げ捨てたくなるような日々の中でもそれぞれの大切な人や、思い出があって。
"東京で生きることはそんなに悪いことばかりじゃない。"
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読んでてすごく幸せな気分になるわけではないのに、むしろちょっと切ないような気持ちがあふれそうになるのに、途中で本を閉じると早くあの物語のなかに戻りたいと思わされる、吉田修一のそんなところが好きだ。
この本も。
それぞれの短編の中に共通して出てくる男の子の兄弟。
最後の話で、うぅぅ・・・と涙が出る。
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こちらもそうだし、世之介もそうで、「人間を読む」吉田作品が好き。
心にできるささくれによく効く、家にひとつ置いてあると安心するオロナインてきな作家さん。
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産後初めての小説だからなのか。
兄弟の描写が、あまりにも切なかった。
物語では、兄弟に関わる大人たちの
背景は描かれているものの、
兄弟についてや両親については
多くは触れられていないのに、
それぞれの登場人物と交わる兄弟の様子が
強く印象に残った。
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再読。東京で暮らす20〜30代男女5人と彼らの前に現れる小学生兄弟のとある日曜日を切り取った短編集。生き辛そうな彼らにどこか自分を投影してしまう。都会で暮らす息子と上京した男やもめな父親の不器用な交流を描いた「日曜日の新郎たち」は秀逸だが、やはり涙無しに読めない表題作がベスト。積み重なる小さな優しさはやがて大きな優しさへ変わる。
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それぞれの人生に思うところあるが、
最終的に思ってもないハッピーエンド。
嬉しかった。
どのストーリーもじんわりきて
それぞれよかったなぁ。
日曜日の被害者は、
たぶん時折思い出してしまう
心に残る痛さがあった。
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吉田修一さんの本は8冊目。
表紙には連作短編集と書かれていますが、連作の意味がじわじわとわかってきます。
後半になればなるほど、じわじわ良い感じ。
特に、最後の表題作でもある「日曜日たち」はホロリとします。
『日なた』や『7月24日通り』と同様の読み心地。
吉田さんのこういう感じの本、好みです。
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内容(「BOOK」データベースより)
ありふれた「日曜日」。だが、5人の若者にとっては、特別な日曜日だった。都会の喧騒と鬱屈した毎日のなかで、疲れながら、もがきながらも生きていく男女の姿を描いた5つのストーリー。そしてそれぞれの過去をつなぐ不思議な小学生の兄弟。ふたりに秘められた真実とは。絡みあい交錯しあう、連作短編集の傑作。
短編より連作の方が集中力が途切れなくて好きです。どの話も風合いが違っていて硬軟取り揃えた中で、同じ差し色として小学生の幼気な2人が出てくるのですが、その存在感が絶妙。皆悩みが有って自分の事ばかり考えているようでいて、少年たちが気になってしまうあたりでとても親近感が沸いて一気に感情移入させられます。感情移入が読書の全てではないけれど、重要なファクターで有るのは確かですからね。
吉田修一氏はとても人間を描くのが上手いと思っています。どの人間にも善と悪、優しさと卑しさが同居していることを描くのに長けています。明るいだけでも暗いだけでも無く、薄暮の寂しさと優しさに似ているような気がします。
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最後の「日曜日たち」とくによかったです。
数年後の偶然の再会で、東京に住むお互いの顔を見る。
ことばは少なくても、ちゃんと気持ちが伝わってくるような描写が素敵でした。
◻︎
この子たち、たったのふたりで、それもこの東京で、自分さえどうにもならなかったこの街で、いったい誰が、何をしてくれるというのか。
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とびきり幸せでも、とびきり不幸でもない普通の男と女たちの何気ない日常を切り取った5つの短編。
5つの短編の主人公それぞれの人生は交差しないものの、すべての物語に、九州から家出してきた小学生の兄弟がかかわり最後に掲載された表題作へと連なっていく。
それぞれの物語を味わいながらも、兄弟の行く末が気になる。
そして、ラストでは心が温かいもので満たされ、この作品の本当の主人公はこの兄弟だったのでは…と思う。
吉田さんらしい、冷めた目線に隠れた他者への温かさが心地よい。特に、「日曜日の新郎たち」は秀逸。
みんな頑張って生きている。みんな、幸せになって欲しい。そんなことを素直に思えた作品だった。
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連作短篇集。これは大変面白かった。
それぞれの主人公が抱える想いも、短篇集ならではの切なさを感じさせる。どんな人にも必ず自分の人生に対する想いがあるのだと感じさせる。そしてその主人公が出会う兄弟。少しずつこの兄弟に関する話が繋がっていき、最後の主人公との関わりの中で彼らの話も結末を迎える。
あの兄弟の未来が明るいものであるのだろうと、希望を持たせる終わり方だったのは良かった。
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どの話もどことなく親近感が持てる話。
パレードや静かな爆弾のような余韻は
持てなかったけれど、それぞれにいい話ではあると思う。
日曜日の新郎たちの
「忘れようとすればするほど忘れられん。人間っちゅうのは、忘れたらいかんものを、こうやって覚えたおくもんなのやろなぁ」
っていう科白がすき。最後の一説もすき。
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これも結構好き。
短編だけど、どの話にも登場する幼い兄弟によってリンクするスタイル。
フリーターだったり、人に流されまくったり、ダメじゃんって人間たちの生活がしみる…。
感想には全く関係ないけど、過去のレイプのトラウマを語る女が「許す」とか言った男とその夜に結ばれる小説のストーリーに「そんなだから、レイプなんかされるんだよ」(P.40)ってツッコミみは、今のケータイ小説世代に読ませたいね。
最後の最後、「嫌なことばっかりだったわけではないと乃里子は思う。そう嫌なことばっかりだったわけではないと。」ってセリフ、なんかいい。
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短編集。何気ない日常を切り取るのが上手い吉田さん。
これは〝重松清〟風のテイストだった。
現在(今)を決して活き活きとは生きていない男女が過去の出来事を回想しながら、今日を生きる話。
単独ストーリーですが、過去に共通して登場する子どもが重松氏っぽい。
幸不幸を決めるのは他人ではないけれど、それでも明日は誰にもやってくる。
別に日曜日にこだわらずともよいけど、人生には日曜日は必要だね。
すれ違いのカップル。恋人に先立たれた男。
女に振り回されて職さえ捨ててしまう男。
友情が破たんする女友達。
先が見えず年齢だけ重ねる派遣社員。
どこにでもありそうな悩み、誰にでもありそうなエピソード、其処彼処にありそなシチュエーション…そんな何気ない毎日を繰り返しながら生きている。
結局、今の自分ってものは、過去の自分の積み重ねでしかない。今とあの日は繋がって、繋がって…そしてこれからもずっと。
そうやって、毎日を生きていかなくちゃならない。
だからどうした?と云うのがない。
だけど、なんかいい!
生きるって多分そゆことなのかな。
2016.05.16今年の17冊目
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東京に住む5人の生活を描写した短編集だが、それぞれを幼い兄弟がキーパーソンとしてつないでいる。
すごくダメじゃないけど、ちょっとダメな人たちをリアルに描いており、身に覚えがあろうとなかろうとなんだか切ない感じになる。
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人生の夏休み。
そこまでの特別な日ではなくても、惰性で過ごしているつまらん毎日の中で、次の一歩を踏み出すための、ちょっとした息継ぎの日が、人生には何回かある。
それは、人生の日曜日なのかもしれない。
前に進めなかったり、現実を変えていく勇気が持てなかったり。
変わらなければいけないことはわかっている。
でも。
少し休んで、遠回りするかもしれないけど、心を平らかにして、また次のつまらん毎日たちへ向かって歩く準備をする。
そんな日が、人生には何回かある。
そんな「日曜日たち」
職務怠慢で仕事を首になり、現在無職の男、渡辺。(日曜日のエレベーター)
強盗被害に遭った友達の話を聞き、自分に置き換えておびえる女、夏生。(日曜日の被害者)
母が亡くなりひとり暮らしをしていた父が訪ねてくる、健吾。(日曜日の新郎たち)
流されるように生きることでしか女性に愛を伝えられない男、田端。(日曜日の運勢)
同棲中の男から暴力を受け続けていたことをきっかけに自立支援センターで働くことになった乃里子。(日曜日たち)
5つの短編を繋いでいるのは、小学生の兄弟ふたり。
うんと幸せな話も、うんと不幸な話もそこにはない。
“これから十年住んだアパートの鍵を不動産屋に返し、十五年暮らしたこの街をあとにする。嫌なことばっかりだったわけではないと乃里子は思う。そう、嫌なことばっかりだったわけではないと。”
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すっと終わるがリアルな短編。
それぞれが繋がるかと思いきや、
小学生の兄弟が繋がっているのみ。
降りたことある駅名が次々出るのもリアル。
最後の派遣女性が一番生々しく響いてきた。
セリフ少なくおじぎだけの弟が不思議な余韻。
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兄弟のくだりは物語としてキーになっていたのかもしれないけど、個人的にはいらなかった むしろない方が良かったくらい 無理やり入れなくても それぞれの話がちゃんと面白いし、女性の心理描写えぐいなー
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吉田修一の連作短篇集『日曜日たち』を読みました。
ここのところ、国内の作家の作品が続いています。
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ありふれた「日曜日」。
だが、5人の若者にとっては、特別な日曜日だった。
都会の喧騒と鬱屈した毎日のなかで、疲れながら、もがきながらも生きていく男女の姿を描いた5つのストーリー。
そしてそれぞれの過去をつなぐ不思議な小学生の兄弟。
ふたりに秘められた真実とは。絡みあい交錯しあう、連作短編集の傑作。
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講談社発行の月刊小説誌『小説現代』に2002年(平成14年)から2003年(平成15年)に掲載され、2003年(平成15年)に刊行された作品です。
■日曜日のエレベーター
■日曜日の被害者
■日曜日の新郎たち
■日曜日の運勢
■日曜日たち
<東京>の地図の上で交差する、男と女の5ストーリーズ…… 最高の連作長篇小説!
きっといつかは忘れてしまう、なのに忘れようとするほど忘れられない…… ありふれていて特別な、それぞれの日曜日――。
東京ひとり暮らしの男女5人、それぞれの物語に同時代の<生=リアル>を映す、長篇最高傑作!
東京で暮らす5人の若者と家出中の兄弟の日曜日の物語を描いた連作短篇集…… 5つの独立した短篇で構成されており、各話は独立していますが、登場人物や出来事が微妙につながっていて、5篇すべてに謎めいた小学生の兄弟が登場し、仕事や恋愛で一段落した登場人物が、兄弟との出会いをきっかけに人生を見つめ直すという展開、、、
最後の表題作『日曜日たち』では、兄弟のその後が明らかになり、感動的なラストを迎えます…… リアルで淡々とした描写が特徴的で、登場人物の心情や背景が丁寧に描かれている印象ですね。
いつの間にか自分の日常や人生にも重ね合わせて読み進めていました…… 人と人との繋がりや優しさの大切さを感じることができる作品でした。
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東京と男女をテーマに、そこに謎の小学生2が縦軸で全編に絡んでいる短編集
東京という地に生きる若者たちの中にある言い表しようのない空虚を感じることができる。
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東京に暮らす、5人の男女がそれぞれ抱える日曜日の思い出を描いた短編集。
大事件ではないけど、平穏ではない思い出。
こういうものに対する心情を表現するのが本当に上手いと思います。
何の関係もない5人のお話に登場する兄弟が、各編の共通項。
5人の登場人物にハッピーが訪れるのかは分かりませんが、みんな大人だから良しとして最後にほっこりと暖かい気持ちになれる一冊でした。
2時間ほどで読み終えられます。
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それぞれの人生で悩んでいる5人の物語。
それぞれのお話の中で小学生の兄弟が関わっていて、ストーリーとしては独立しているが、世界観は繋がっている感じがして良かった。
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東京で生きる人たち、それぞれの日曜日。
母親を探している幼い兄弟との繋がりがあり、どのお話も特別な事はないけど、だからこそ共感出来る事が多かった。
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日曜日たちっていうタイトルの意味がよくわからなかった。確かに、プロットが短編ごとにあって少しだけつながるのですが、つながる意味はそんなになかったのかなって。もっと複雑に絡まるならいいんですけどね。
ただそれぞれの短編は面白くて、リアリティのある登場人物たちで、心情描写はなかなかに納得できるものでした。
Posted by ブクログ
こういう地味で苦味があってでも涙がきらっと光るような希望がある話は大好きだ。
「日曜日の新郎たち」が特に好きである。
健吾と幸喜ののんびりした会話など特に。
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吉田修一の初読み。
映画化された「悪人」の原作者だったなぁ、という程度のy予備知識のみで。
連作短編。
まあまあ面白かったかと。
共通して出てきていた“小学生の兄弟”のハナシがすっきりとまとまったという点は、好印象♪
2編目のヒロインの最後の台詞だけ……意味が分からなかった(苦笑)。
とりあえず、あらすじ見て面白そうだと思えるのがあれば、長編も読んでみようかとは思えた。
★3つ、7ポイント半。
2016.08.07.古。