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ANAグループ機内誌『翼の王国』の人気連載、待望の文庫化! 二度目の失業でつらい思いをしていた時に、目に飛び込んできた憧れの人の姿。結婚も意識していた7年越しの恋人に別れを告げられ、ひとりで訪れた異国の街――。人生の大切な一場面をあざやかに切り取った短編12本と、作家が仕事でプライベートで訪れた、国内外の印象的な場所を描く11編のエッセイ。あたたかく心にしみる作品集。
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Posted by ブクログ
新規開拓を銘打って読んだことのない小説家を探していたところ、表現が綺麗だという評価を見て吉田さんに出逢う。 本作はANAの機内に設置されてる雑誌に連載された短編集らしい。旅行好きで飛行機によく乗る機会は多いが、雑誌なんか見たこともなく試しに読んでみた。 まず、プロローグから惹き込まれる。日記とい...続きを読むうのはわたしも時々つけていて、その時の感情や小さな出来事も自身の文字により表現されているため、後々に見ると面白い。この本編とは関係ないことプロローグから吉田さんの魅力に取り憑かれた気がする。 短編12作とエッセイが含まれており、1つは非常に短いためすぐ読み終わる。短編は短いながらも引き込まれる分かり易さと、場面の選択となっている。また情景も想像できるような表現が成されてる。タイトルの意味はよくわからないものが多いが、すぐ読んでしまう。 エッセイは海外に行ったときの日記みたいな形式だが、海外文化との小さな違いや感じた一瞬を取り上げており、旅行好きとしては引き込まれて共感する。 吉田さんという面白い人に出逢えてよかった、そんな作品。
旅とか空とかにまつわる短編&エッセイ集。 「あの空~」の続編ですな。 面白い小説を書くヒトは、総じてエッセイも巧みだ。
吉田さんの小説は、『横道世之介』しか読んだことがない。 本書は、短編+エッセイ集。 ANAの機内誌『翼の王国』が初出とのこと。 世之介とはまた違う側面が見えると期待して手に取る。 超短編小説なので、どうしても説明部分が目立って見える。 最初の二、三作は、そんな感じが否めなかったが、「居酒屋」あたり...続きを読むから、だんだん作品との波長が合ってくるのがわかる。 そうすると、やはり展開の鮮やかさに心を奪われる。 エッセイは… 以前NHKのネコメンタリーという番組で、吉田さんと飼い猫との日々が取り上げられていたのを見たことがある。 マンションの様子なども映り、作家の日常生活がほんの少し垣間見えたりする番組だ。 そこで見た印象は、ずいぶんスタイリッシュな生活をしている人、ということだった。 抑制的で、悪く言えばとっつきにくい感じさえあったのだ。 しかし、このエッセイから見える吉田さんは、ぎっくり腰に苦しみ、外国の映画館で、言葉もわからない映画に号泣する人物。 印象がだいぶ違って、自分にとっては面白かった。
「パーク・ライフ」を読んだ時に感じた、なんかいいな〜という感覚を確かめたくて読んだ。 前半はANAの機内誌に1年間連載された短編を集めたもの、後半は吉田修一さんのエッセイ集。 短編は、何か大きな出来事があるわけでもなく、様々な背景を持つ人物の日常の一片を描いている。 走馬灯どころかその日の日記にも...続きを読む出てこないであろうささやかな時間。 飛行機に乗りどこかに向かっている人に対して投げかける話として、「日常の祝福」をテーマにするのはかなり良いと思う。 視点を変えれば誰もが主人公になり得るというメッセージは機内で不安や期待や倦怠の中にいるひとにまっすぐ届いたことだろう。 それぞれの話に繋がりがあるわけではないが、なぜか脇役の名前や、家族構成や、仕事などが同じだったり、そうかと思えば少しだけ変えてあったりと、奇妙な交錯をする。 パラレルワールドの世界を神の視点から見ているようで、今まで味わったことのない体験だった。 吉田修一さんは格言めいたものをご自身ではたくさん持っているがそれを物語の中では言葉でスパッと言い切らないのがなんか、いいな…。
吉田修一の掌篇&エッセイ集。 ANAの機内誌に連載してたということで、 何かしら「旅」に関わる文章なんだけど、 こういうざっくりとしたテーマだけ縛ってあとは自由に、という文章がけっこう好き。 「あの空の下で」に続いて楽しめました。もっともっと読みたい。 海外旅行、行きたくなりました。
「あの空の下で」同様、さらっと読める。個人的にはこちらの方が好き。 性別・年代問わず色々な人が登場。共感する話もあれば、正直よくわからない話もあり^^; 旅行に行こうっと改めて心に誓った! とりあえず京都へ。
ANAの機内誌に連載中の短編小説とエッセイ集。 小説は、ふと人生を省みる瞬間や明日への一歩を踏み出す時が、さり気ない気持ちと行動で描かれたショートストーリー。 エッセイは、仕事とプライベートで訪れた場所や旅に関するもの。 どちらも、機内で読まれることを意識したことが伺われる、温かい作品集である。
吉田修一さんの“空”をテーマにした短編小説集&旅をテーマにしたエッセイ 吉田さんの小説はいつも途中を切り取ったような 特別な始まりも終わりもない、その潔さが好きです “空は、神様に近い分だけ、きっと願い事も叶いやすい” さすがオシャレ作家を気取っている(笑)だけあってずいぶんキザな言い回し 現実的...続きを読むで具体的な話を書くくせに“春樹チルドレン”な片鱗を見た気がします
本作は前半が短編小説、後半はエッセイという2部構成の作りになっている。エッセイが特に興味深かった。世界各国を訪れて感じた事が作者の作品に影響しており、作風の原点を垣間見るような新たな発見があった。
吉田修一さんのエッセイは初めてだったため、どんな人なのか人となりが少しだけ垣間見られたのがよかった。短編小説は短すぎるため、盛り上がってきたところで終わってしまうところに物足りなさを感じた。また月刊連載のため、小説によっておもしろさにばらつきがあると思った。
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