【感想・ネタバレ】あの空の下でのレビュー

あらすじ

初めて乗った飛行機で、少年は兄の無事を一心に祈っていた。空は神様に近いぶん、願いが叶う気がして――。機上で、田舎の駅で、恋人が住んでいた町で。ささやかな、けれど忘れられない記憶を描いた12の短編と、東南アジアから北米まで、6つの町での出会いをつづったエッセイの詰め合わせ。ANAグループ機内誌『翼の王国』人気連載をまとめた、懐かしくいとおしい、旅情を誘う作品集。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

実際に旅行にいけなくてもちょっと違う景色を覗けるような短編集。
モダンタイムスという話の中で、飛行機に乗って知らない街へ行き、帰ってくることで「スッとする」という言う話があるが、この本を読むことが、正にそんな感じ。

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2013年06月08日

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吉田修一(1968年~)氏は、長崎市生まれ、法大経営学部卒の小説家。芥川龍之介賞(2002年/『パーク・ライフ』)のほか、山本周五郎賞、大佛次郎賞、柴田錬三郎賞等の文学賞を受賞している。
本書は、初出はANAの機内誌「翼の王国」への2007年4月号~2008年9月号の連載(短編小説12篇+エッセイ6篇)で、2008年に単行本で出版、2011年に文庫化された。尚、同連載は、2016年9月までのものが、本書、『空の冒険』、『作家と一日』、『泣きたくなるような青空』、『最後に手にしたいもの』の計5冊で書籍化(文庫化)されている。
私は、本書を含む3冊目までを2019年にまとめて購入し(4、5冊目は文庫化された昨年購入)、それは、当時、ビジネスの関係で海外の短距離フライトに乗る機会が急激に増え、その時に読もうと思ってのことだったのだが(非日系キャリアの短距離便ではすることがなく、とにかく退屈である)、その直後にコロナ感染症が発生し、全く飛行機に乗る機会が無くなってしまったため、書棚の隅で眠っていた。
4、5冊目は、帯に書かれた「今年こそは旅に出たい!まずは“読む旅”をお楽しみください」というフレーズを見て、買ってすぐに読んでしまったのだが、今年も春めいてきて、身も心もうずうずしてきて、本書を引っ張り出してきて開いてみた。
短編小説については、よくもこんな巧妙で洒脱なストーリーを考えつくものだと感心する一方で、少しクサ過ぎないかとも思うのだが、まあ、非日常の空の上で読むには、これくらいの方がテンションも上がっていいのかも知れない。
後半のエッセイの舞台は、バンコク、ルアンパバン(ラオス)、オスロ、台北、ホーチミン、スイスである。
コロナ禍があったからこそ、我々は、旅のできる日常が当たり前のものではないことを知り得たのだが、今はただ、一日も早く、心置きなく旅ができる日々が戻ってくることを祈るばかりである。
(2022年3月了)

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2022年03月10日

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文庫本で10ページ程度、テーマとしては旅に関連するものといったところか。青の航空会社の機内誌に掲載された小説とエッセイ集はちょっと読んで旅先に想いを馳せるきっかけとなる。作者の小説は人間的に不思議な魅力があるものが多いが、短編小説の巧さが心地よい。

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2020年09月28日

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外国に今すぐ行きたくなった。ヨーロッパでもアジアでもアメリカでもいい。
飛行機に今すぐ乗りたくなった。ANAでもJALでもエールフランスでもタイ航空でもいい。
コロナのバカやろうーっ!

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2020年07月12日

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短篇(の中でもさらに短い方)なのに、ここまで「まだ終わらないでほしい」「続きが読みたい」と思うほど心の琴線に触れたのは初めての感覚でした。短い文章でもしっかりと細やかな描写を盛り込む、筆者の技術は他のプロの作家とも一線を画するすごい才能だと思いました。
ヒット作「悪人」の重厚なイメージから入ったからか、このような作品を書く方だとは全く想像していませんでした。(だから飛行機に乗った時も読んでいませんでしたごめんなさい。次からは絶対読もう!)

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2020年05月01日

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読み終えた後にふらりと旅に出たくなる昭和の名曲・山口百恵さんの「いい日旅立ち」がピタリと来る気分爽快な作品集です。旅と人生の一コマを切り取ったかの様な掌編小説12編と海外旅行記エッセイ6編には本当の意味での悲しみは一切なく辛い過去があってもそれを乗り越えたからこその今の自分がいるみたいなひたすらポジティヴな考えの主人公達が描かれていて前へ進む事を恐れない一歩踏み出す事の希望と勇気をもらえましたね。これらの作品達を読むと過去を悔やんでも仕方ない事で自分の選んだ道を信じて生きる事が大切だと改めて感じましたね。

『願い事』飛行機内で神さまに願う。『自転車泥棒』最悪の気分を救ってくれた届け先間違いの手紙。『モダンタイムス』さり気ない人生の恩人。『男と女』別れても好きな人。『小さな恋のメロディ』後輩男子との久々の再会。『踊る大紐育』米国旅行で世話になった女。『東京画』裏切りを許し合えるのが親友。『恋する惑星』年下男との恋。『恋恋風塵』台湾で別れた女。『好奇心』大学生の息子と母親。『ベスト・フレンズ・ウェディング』一人旅も良い。『流されて』苦しむより楽しむ恋愛。『エッセイ6編』日本人が遥か昔に忘れ去った自由さと純朴さ。

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2019年01月17日

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短編は気の抜けた炭酸水みたいなものと思っていたけど、そうではなかった。エッセイも短編ぽい。それも悪くはない。

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2018年10月09日

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飛行機会社の機内雑誌に掲載された短編集。多分、全て映画の題名で、内容に全て旅を絡めている。現在の生活に満足はしていないが、前向きに頑張ってみようって話ばかりで、良かった。映画を見てたら、なるほどと感じるところも多かったかもしれないが、残念ながら1本しか見ていない。エッセイを含めて読んでいると、飛行機に乗ってどこかに行きたくなった。

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2018年04月30日

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旅、というか飛行機の中で読むのに最適な本。
ほっこりする。一話完結型の短い小説とエッセイだから気軽に読める。
思わず旅をしたくなりますね。


初めて読む吉田修一の本だが、印象としては、割と静かな人なのかなと。あと自由な旅が好きな方、と。

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2016年01月16日

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ANAの機内誌に連載された短編とエッセイ集。
機内誌の連載ですから普通の短編より短く、200ページほどの文庫本に18作品が収められています。
短くてさらりと読める内容ですが、一言でいうなら小粋。
短いながらも月並みでは無く、上手さを感じさせる作品です。

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2016年05月15日

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ANAの機内誌に載っていた短編小説12編と、作者による旅行にまつわるエッセイ。
短編小説は1話が約10ページで気楽に読める。
飛行機に乗って旅をすることの特別感や非日常感が、人に与えてくれるものは様々という印象。
エッセイまで読むと、旅行っていいね、って言いたくなってしまう。
流されて、という物語がよかった。うまく言えないけど人の中で生きるってのはこういうことなのかなって思った。

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2014年11月03日

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ANA機内誌 翼の王国の中に掲載された短編小説集。飛行機好きなので、楽しく読めた。最後のエッセイ集はなくてもよかったかも、短く多すぎ。
でも面白かった!★

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2013年10月20日

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ネタバレ

ANAの「翼の王国」に連載されていた短編12編とエッセイ6編。ANAに乗ると毎回必ず読んでいた。

特にエッセイを読見終わった後は、あれだけ海外出張行ってるのに、海外旅行に出かけたくなっちゃいました。

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2013年01月14日

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ストーリーに引き込まれて深く考え込んだり、続きが気になって眠れなくなるほどではない軽い短編集で、翼の王国に連載されていたというのが肯ける。
だからといって内容が薄いのではなく、到着地で待っている何かが楽しみになるような、さわやかで心地よい作品です。
「パークライフ」に通じる作風で、これぞ吉田修一氏の真骨頂だと思う。「悪人」系ではなく、こんな作品をもっと書いて欲しいなあ。

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2012年10月15日

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昔を懐かしんで、ほっこりするようなお話が12編と、旅にまつわるエッセイが載せられていた。

孤独や不安を携えながら過ごす旅先では、出会った人たちの温もりを、より深く感じるものなのだろう。
作者の人柄が垣間見られるような、素敵なエッセイでした。

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2013年04月06日

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「400字詰め原稿用紙10枚程度で、エッセイを書いてください」と頼まれれば、誰でも、とまでは言わないが、まあそこそこ文章を書いた経験のある人なら何とか書けるのではないだろうか。
最近起こった事件とか、身の回りの出来事とか、友人と交わした何気ない会話などを題材にして、自分の思いを語ればいいのだから。
ところが、同じ分量で「小説を書いてください」と頼まれれば、話は別だ。

僅か4000文字程度の文章の中に、テーマ、人物構成、会話、エピソードなどを上手に散りばめ、起承転結のある一つの物語を構築しなければならない。
私は、それほど短編小説というのは好きではなかった。
というのは、先に書いたような素材や調味料を用いて、簡単に美味しい料理に仕上げてくれる「キューピー3分クッキング」のような短編になかなか出会わなかったせいだろう。
「で、なにが言いたいの?」「だからどうしたの?」
そんな読後感しか湧いてこない小説ばかりだった。
ところが。吉田修一、恐るべし。

著者との出会いは映画化され有名になった「悪人」が最初で、深い感銘を受け、彼の他の作品を読み漁ったのだが、短編が多い。意外だった。
が、彼の短編は珠玉の作品ばかり。
よくぞこの長さで心に響く物語を書けるものだと感心する。

なかでも、この短編集「あの空の下で」。
一編が僅か4000字程度の作品にもかかわらず、見事に余韻の残る、切なくもあり、ほのぼの感もある話ばかり。
ANAの機内誌『翼の王国』に連載されたものなので、舞台は海外であるとか、飛行機での旅に関する話とか制約を受けながらも、そのシチュエーションを活かし、一話一話が心に沁みる。
個人的には「自転車泥棒」が一番好きだ。
まさに彼の真骨頂を発揮した短編集で、単行本化に当たり書き加えた六篇のエッセイも秀逸。
現在も連載が続いているらしく、続編として「空の冒険」も発刊されている。
ANAに乗った時は、是非最新作を読んでみたくなる秀作です。

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2025年05月12日

Posted by ブクログ

ANA機内誌の連載されていた短編集らしいのでてっきり全部が飛行機に関連する話かと思ったんですが必ずしもそうじゃないです。割と自由に書いてるっぽいです。全部で12作が収録されています。たぶんどれも「旅」って設定なんでしょうがそういう縛りが感じられないぐらい自然です。吉田修一の短編はいろいろありますが、これが一番ほんわかって感じがしました。飛行機に乗ったら必ず神様に願い事をするというお話の「願い事」、いいですねーこういうの。吉田修一ってこういう大人の恋愛ものって上手ですよね。あと若者の恋愛を綴った「男と女」これは旅関係無い話ですけど好きです。あと、男の友情ってやっぱこうだよねって妙に納得してしまう「東京画」。別れた彼女が好きだった台湾に一人で来る「恋恋風塵」。どれも余韻がいいです。最後はエッセイが収録されているんですがなかなか面白いです。当然ですが吉田修一のエッセイです。このエッセイも旅に関するもので、どれも海外に旅行した時のちょっとうきうきした感じとちょっと不安な感じがうまく描けてていいです。メイド喫茶の話が妙に面白かったんですが、吉田修一のエッセイってすごくいいですね。

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2012年06月26日

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非常に読みやすい短編小説集でした。
吉田修一さんの作品は、読後、心にじんわりと染み入る良さがあるように思います。
「流されて」という最後の作品がそうでした。
良い読書体験になりました。

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2022年12月26日

Posted by ブクログ

旅にまつわる短編小説とエッセイ。

読解力のない自分は、「はて、何を伝えたかったのだ?」と思うストーリーもあったので、★3。
まあ、単純にわたしの読解力に原因があるんだろうな。。
あ、あと、たぶん、自分がその土地のことをあまりよく知らないから、想像ができないことも原因かも。
自分が想像できる都市や国のストーリーは理解できたから。

この中で好きだなーと思うのは、
願い事
モダンタイムス
小さな恋のメロディ
踊る大紐育
恋恋風塵
ベスト・フレンズ・ウェディング
かな。

でも、きっと。。
この本を何処かに向かう機内で読んだら、また違う感想なんだと思う。
いまは、旅に出たくても出られない状況。
それが、ストーリーを理解できない状況を作り出しているのもあるかもしれない。

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2021年05月29日

Posted by ブクログ

ANAの機内誌の連載をまとめた本。
機内誌らしくそれぞれ飛行機や旅行などに関連したテーマ。
とりたててぐっとくる物語の中はないが、飛行機にのってどこかに行きたくなる。

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2016年12月17日

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ANAの機内誌「翼の王国」に連載されていた短編とエッセイを収録したもの。初出が初出だけにサラッと読める。空の上で読むというイメージと吉田修一のイメージはわりとマッチしているかな。

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2016年03月06日

Posted by ブクログ

ANAの機関誌に連載されていた、旅にまつわる短編小説とエッセイをまとめた本。
私が好きな吉田修一は、こういう感じ(暗くなく、複雑でもなく、ふわりと本質をつく)だったので、短編ということもあり、読みやすかった。
台北にすごく行きたくなった。

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2015年03月25日

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吉田さんらしい、ちょっと堅めのあっさりした文体。翼の王国での連載ということで、短い話ばかりで読みやすかった。媒体のせいかアジアの話が多め。

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2014年11月04日

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読んでいるだけでどこか爽やかな気持ちになる
まるで自分も旅をしているかのような心地よさ、リラックスしたいときにいいと思う。

ひとがなぜ旅をするのかそれぞれちがっていいと思うが、ひとと旅をするのもいいが、ひとの旅の様子をみるのもたのしい。

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2014年06月05日

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前に新聞で読んでた小説「悪人」が面白かったのと、飛行機に乗ったら読むANAの機内誌に連載されていたものをまとめたというこの本を読んでみることに。
小説よりエッセイの方が印象深かったかな…。
小説は、文体が好みでなく内容も薄いというか。
悪人の時は楽しく読めたんだけどね。

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2013年12月28日

Posted by ブクログ

短編+エッセイ集。
短くて、サクッと読める。ほろ苦、ほっこり、わくわく、さわやか・・・色々。
旅行にふらっと行きたくなる。行きたいっ!いや、行こうっ!

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2013年08月05日

Posted by ブクログ

軽い、と言っても軽薄という意味ではなく
軽やか、というほど青臭くもなく
そうだな〜
「ふうっ」と息を吹きかけられて、一つの荷を持って飛ぶタンポポの綿毛みたいなものがたりたちでした。

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2013年07月19日

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ANA機内誌「翼の王国」にて連載されていた「願い事」、「自転車泥棒」、「モダンタイムス」、「男と女」、「小さな恋のメロディ」、「踊る大紐育(ニューヨーク)」、「東京画」、「恋する惑星」、「恋恋風塵(れんれんふうじん)」、「好奇心」、「ベスト・フレンズ・ウェディング」、「流されて」の短編12編と「バンコク」、「ルアンパバン」、「オスロ」、「台北」、「ホーチミン」、「スイス」6編のエッセイからなる吉田修一さんの作品。

台北へ行く際、旅のお供に選んだ一作。

私の場合、旅のお供の条件は、あっさりした話で旅の気分を盛り上げ、現地の良さを知ることができる作品なのだが、この作品は吉田修一ファンであることを抜きにしても条件をすべて満たしているベストな一冊となった。

ただし、吉田修一さんの重たい話を望んで読むと拍子抜けすると思う。「初恋温泉」「7月24日通り」「春、バーニーズで」あたりが好きな人にはオススメできる。

ちなみに2013年4月末、飛行機に乗った際、ANA「翼の王国」では連載が掲載されていたので、第二弾が発売されるのも時間の問題ではないでしょうか。

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2013年05月09日

Posted by ブクログ

ANAグループ機内誌『翼の王国』での連載をまとめたもの。2007~2008年のものだから、もしかしたら当時読んだのかもなー。でも一つも覚えてなかった。
飛行機や空にまつわる小説12編と、著者が訪れた6つの町でのエッセイ。

機内誌の連載だからどれも短めだけど、移動中に読んだらほっこりするんだろうな。

「自転車泥棒…仕事でうまくいかない女性、上の部屋宛ての手紙」は泣いたなー。一人暮らしを心配したおばあちゃんからの手紙。

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2012年09月25日

Posted by ブクログ

ANA機内誌「翼の王国」に連載された短編集。

それぞれ台湾、タイ、ニューヨークなどを舞台にした雲の上で読むのにふさわしい、爽やかで気のきいた短編でした。
楽しさのなかにどこかさみしい感じもある一期一会の経験。別れだったり出会いだったり門出だったり、旅には色んな意味合いがあって味わい深い。

台湾に行きたいぞー!
ニューヨークにも行きたいぞー!

重たくなくてサラッとしてるけど、この短さでも質が落ちないってのが、吉田修一さんの凄さだなぁ。「悪人」で有名になったけど、本来サラッと描くのが上手い人だと思う。

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2012年08月28日

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