あらすじ
中谷美紀主演の映画「7月24日通りのクリスマス」の原作。普通の女には、平凡な未来しかないのかな?? でも、一度くらいはドラマみたいな恋をしてみたい――。平凡なOL・小百合に差し伸べられたのは、高校時代、誰もが憧れていた先輩の逞しい腕だった。不幸な恋の結末を予感しながらも、自分の気持ちに正直に生きようとする小百合の「いま」。最も注目される作家が紡ぐ、恋の奇跡!
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Posted by ブクログ
読んでる間中、主人公の小百合と自分を重ねてしまって切ない想いだった。
項目のほとんどが当てはまるんだもの…
ラスト、良い意味で裏切られて気持ちよかった。乗ってよかった。
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主人公はどこにでもいる地味で平凡なOL
彼女の唯一のプライドは、誰もが認める容姿端麗な弟の存在
自分のことが好きじゃない、というか半分あきらめているけど、
心のどこかでは光の当たる人と対等になれるかも、
という期待がいつになっても捨てられず、
自分に良く似た平凡な弟の彼女を認められない・・
巻末のあとがきが私の感想そのもの!
そして、この文章は結構納得してしまったなぁ
「どの幼稚園にも、必ず王子様役に選ばれる男の子がいて、
同じように必ずお姫様役しか考えられない女の子がいる。
たかが生まれてから三,四年の人生経験で、彼らが
王子様やお姫様にふさわしい魅力を得るはずがない。
そう考えれば、人間の晴れやかな魅力というのは、決して
人生経験などからではなく、生まれた瞬間に与えられるか、
与えられないかの違いなのだろうと思う。」
章のタイトルが最後に効いてくるところや、
寂れた地元をリスボンの街に重ね合わせるという発想など
この人の凝った作りはいつも通り
嫌いじゃないです
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女性作家の小説に免疫がないからかもしれないけど、吉田修一と知らなければ女性が書いた小説だと言われても疑わなかったかな。でも、めぐみとの会話の中に現れる目次のタイトルの使い方は男っぽいような気もする、理屈っぽくて。本田が自分の住む街をポルトガルのリスボンに置き換えた発想が面白かった。確かにそんな風に考えると毎日が旅行者みたいで楽しそうだ。
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イケメンの弟を持つ、地味な姉の話。各章が面白いサブタイトル付いてると思ったら、イケメンの弟に地味な彼女が出来、その子が自己分析したものである。姉は自分の街をリスボンに例えて、通りの名前や建物を読んでいる。姉も地味な性格だから、勇気を出して、最後、間違えたことをしてみる!と東京へ向かう。昔のドラマを見てるような気持ちになった。
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生まれた日にちのタイトルだった。
という理由だけで読み始めたけど、そんなの関係なしに
面白かった!!
リスボンの7月24日通りをイメージし、自分の想像のからを
破ることのできない女性を描く物語。
「間違えたくない。」そんな誰もが思い悩むことだけど。
間違ったことにも時には挑戦しなくちゃいけないんだなと思わせる本でした。
Posted by ブクログ
身につまされるというか、そんな感じで読み終わった。
誰かを好きになるのは、切ない。
そして、その人に手が届くはずもないと思いながら好きでいるのは
本当に切ない。
どういうわけか、なんとなく好きになってしまうと分かっているのに、
きっとうまくいかない人だと分かってしまうことがある。
そんな思いを抱き続けるのは本当に切ない。
けれども、思い切って間違ってみるのも、いいじゃないかとしみじみ思った。
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続きが気になり、あっというまに読んだ。
主人公が住んでいる街をリスボンに見立て
実際の店名や道の名などを変えて話が進んでいくのだが、
現実に知る街がそうされているわけではないからか、
読みにくいということがなかった。
実際にありそうな話のなかで、ドキッとするうまい表現や言い当て妙な重なる気持ちが
いくつも。
ここまで読んだ吉田作品のなかで一番好きな一冊。
Posted by ブクログ
つづきがきになりますー!!
主人公はともかく、まわりのひとがいやーなかんじ。
同窓会とかいやですわー
名も知らぬ本屋の君、むくわれたらいいなぁ。
わたしは何色かしら?
Posted by ブクログ
まず、目次を開いて面白そうだと思った。
1.モテる男が好き!
2.イヤな女にはなりたくない
3.どちらかといえば聞き役
4.家族関係は良好
5.初体験は十九歳
6.タイミングが悪い
7.ときどき少女漫画を読む
8.夜のバスが好き
9.アウトドアは苦手
10.間違えたくない
内容は、よくあるOLの日常。
平凡な毎日を楽しもうと、自分の街をリスボンの街と置き換えているところが非常に面白い。
先述のとおり、日常の話であることに変わりないのだが、
その中で出てくる登場人物の関わりや気持ちの変化など非常に面白く、成程!と思えるようなラストで一気読みしてしまった。
自分もなんだか一歩踏み出せるような温かくて大好きな作品となった。
著者の吉田修一氏は男性なのに、女性の心理をうまく表現されていて、女性よりも女性らしい主人公であったかもしれないと思った。
もっと読んでみたい。
Posted by ブクログ
・始めて行った整形外科の待合室に置いてあったのを読んだ。やたら待たせる病院だったので一気に読み終えた。
・なんだかこれは、凄く良かった。主人公の女の子の複雑なコンプレックスを直接それを語らせずに上手に描いてる。いいなー吉田修一。全体に漂う雰囲気がたまらなく好き。帰る街があるっていいなあ。
Posted by ブクログ
書評にも何回か掲載されたこともあるみたいで
吉田修一のなかでも代表作なのかな?
地方都市に住んでいる小百合
ちょっと美形の弟・耕治がいる
だけど弟の彼女・めぐみが平凡すぎて似合わないとイライラ
そんな時、同窓会があってそこであったのは
憧れの先輩・聡史
イライラしてる小百合に先輩からお誘いがあって
東京に向かおうとする小百合だけど
前に本屋であったある一人の青年がいて・・・
という話なんですが(大雑把すぎやわ)
個人的にめぐみと小百合が話してる時
めぐみが言ってたこと
”耕治と付き合う前の自分は燦々たる結果で
どうしてこんなに男の縁がないのか
自己分析したんです”
その分析結果が
何か自分にめっちゃ似てて笑ってしまった
ああ、そうだよね、Mayoもそういうタイプやわ
って・・・何かちょっとだけ勇気をもらいました
最後に小百合が言ったひと言
『私も1度くらい間違ったこと、してみる』
上手く伝えられないけど
恋愛に悩むヒトにはちょっといい薬かも?
Posted by ブクログ
吉田修一さんの本を始めて読みました。
男性作家さんが書く恋愛小説が苦手で、特に女性目線のものは何となく違和感が残って敬遠していたんですが、映画を観て気に入ったので原作も読んでみたいと思いチャレンジしてみました。
そしたら、すごく綺麗な文章で自然に読めたし、共感出来るところもあってとても気持ちよく読むことが出来ました。
映画の方がメルヘンで映像も可愛くて好きだけど、よりリアリティのある原作も面白かったです。
他の作品も是非読んでみたいと思いました。
Posted by ブクログ
会社の上司の奥さんが高校時代の知り合いの亜希子だった。
自分が中心にいないと気がすまない彼女は
私を観客に仕立て上げて高校時代は聡史と、
今は安藤さんとの仲を見せつける。
しかし同窓会をきっかけに亜希子と聡史が再燃。
聡史を好きだった私は今日も7月24日通りを歩く。
写真:畠山直哉 装丁:新潮社装丁室
自分の町がリスボンの造りと似ているって知ったら
いつもの景色が全然違った風に見えるんだろうなあ。
絶対絵描きの彼といた方が幸せになるのに、と思いつつも
彼がいたからこそ間違いに踏み出せたのかも。
章題がいまいちだと思ってたんだけど最後のリストとつながってて
うまい!と思った。そっくりだよ本当に。
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吉田さんの他作品とちょっと違う、せつないお話。でもすごく共感してしまった。カッコイイ弟にコンプレックスなのか大きな期待を寄せる、平凡な姉。自分が住む街をリスボンになぞらえる所が素敵。
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吉田さん初読。読みやすくてびっくり。
サユリの考え方、すごいわかるなーと思いつつ読んでました。先輩かっこいいですねー。
でも映画とは結構違うみたいですね。予告で使われていたようなシーンが本ではなかったように思うのですが。でも映画も面白そうです。キャスティングお見事!!
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異国の地図、ピンの刺さった蝶、バスにこもる雨の匂い、吉田修一によって配信される世界はまるで地図。彼の手にかかれば世界(風景)と人間(読者)の距離感は縮められ、情景描写という言葉を使うことさえためらわれる。だから私は吉田修一の小説は地図だと思う。人間模様を象った地図だ。これは女性が書いたものだと紹介しても誰も驚きはしないだろう。女性の心理を書くのが上手すぎる。
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長崎が舞台とのことで読んでみたけれど、あからさまな長崎の描写はない。
平凡な女性小百合が、亜希子先輩に利用されたり、その旦那さんに期待してちょっとショックを受けたり、聡史と再会して穴埋めに使われてるのが分かっても嬉しかったり、なぞの警備員が出てきたり弟の彼女と闘ったり。いろんな人の機敏が描かれていて一気に読んだ。間違ってる、分かってるけど、行ってくる、その清々しさに勇気づけられる。
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主人公の女の人の言動から、勝手に作者は女性だと思っていた。
途中で男性だとわかり、勝手に女性だと決めつけていた自分を笑えた。
モテない女性の思いが、よくわかると思った
私は、絶対に振られるとわかっているのに、わざわざ東京まで行こうと思わない!
自分の住んでいる町を海外の都市になぞって呼んでいるのが、面白いと思った
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作者の女性視点の小説、初めて。30代で無ければ書けない内容だと思う。その時期に読んでいれば、違う感想かもしれない。
50過ぎて読むと、その時分が懐かしいばかりだった。
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わかるようで、わからない話だった。自分で外国の名前を付けていることに後の方で気づいた。なんか説明がないとわからない。でも、それが狙いなんだろうなぁ。
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わかるような、わからないような、懐かしいような。
間違ってるとわかっているほうに進む。若いっていいなと思いながらサラリと読めました。
映画化もされてたんですね。本田さんが中谷美紀ってびっくり。
イケメンの弟に対して「お姉さんもさすがチョー綺麗~!」ってなっちゃうじゃん。亜希子になんて余裕で勝てちゃうじゃん(笑)
内容が全然違うのかなぁ。
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こういう大人の男と女のはっきりしない話って好きになれない。
でも下品さもなく意外とさくさく読めたので
この本は好きです。
自分の住んでいる町をポルトガルの街になぞらえるとかそういうセンスも好みでした。
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間違ったことをするのが怖くて、動き出せずにいた主人公。
間違いを間違いと分かっていて、必ず後悔すると分かっていて、
間違えて泣いてもいいから動きだしてみようと、電車に飛び乗ったラストが印象的だった。
乗らないのかと思ったから。
間違える勇気。
Posted by ブクログ
「間違えたくない」
別に取り立てて魅力的なところもないけど、人に好かれないわけでもない。
かと言って、みんなの憧れの彼と付き合っても、きっと捨てられて、大きな傷を受ける。
そんな、ゆるやかにマイナス思考な主人公が愛しくて、人に優しくしたくなります。
「私も、間違ったことしてみるよ」
自己嫌悪の裏返しのように傷つけてしまった年下の女の子に、こんな風にまっすぐ宣言できるのは、素敵なことだと思う。
まっすぐ、自分と、周りの人に向き合うことは痛みも伴うかもしれないけれど、やっぱり見てて潔いし清々しい。
自慢の弟も、高校時代よ憧れの人も、気のいい上司も、みんな彼女が幸せになるための登場人物になる日が、きっといつか来ると思う。
脇役だって、舞台の外では、自分が主役の瞬間がきっとある。
そんなささやかな幸せを覗き見してくなる、優しい作品でした。
Posted by ブクログ
地味に毎日を過ごしている女性。
ふらっとどこかに旅する能力もなく…地元で自分の街をリスボンにみたてて過ごしている。
「間違えていると思った道にあえて進んでみる。」
Posted by ブクログ
港街に小さい頃から住んでいる本田小百合。
二枚目の弟が自慢で、自分の街をポルトガルの街と重ねて過ごす日々。
高校の同窓会をきっかけに、かつての憧れだった先輩と再会し、気持ちが揺らぐ。
そんな中誇りに思う弟の彼女が妊娠したり、上司が離婚してしまったりと、色々と動揺する。
自身の恋も揺らぐ中で、弟の彼女の言葉に勇気づけられて、前へ一歩踏み出した。
最初弟が自分の彼女じゃなくて、父と親しくしてる女性を妊娠させたのかと勘違いしてた(死
「自分は何色だと思います?」が印象的だけど、
話の中では深く突っ込んでこなかった。
目次が愉快な感じで内容も愉快なのかと思ったら
意外なところで目次が繋がってて納得。
なんとなく長島有/泣かない女はいないを思い出した)^o^(
Posted by ブクログ
ハッピーエンドを期待して読み進めていたのだけど、
結末にはちょっともやもやするような…。
でも「間違ったことをしてみたい」とする気持ちは私もわかります。
それが恋愛なんですかね。
Posted by ブクログ
実家住まいでフリーター女子の日々。
自分の街をポルトガルの街に例えて素敵な街に変換。
弟の彼女の十か条が小見出し。聡史に行くとは思わなかった。それ終わったら絵描きに行こうな。
Posted by ブクログ
とてもすらすらと読める文章。コバルト?と思ったが違った。この本の目次が後半で何のことかわかる。主人公を分析した結果。でもこの主人公ある意味一番男の人が好きなタイプなんじゃない。なんとなく何でも打ち明けれて誰かにそばにいてほしいときすぐ思い浮かぶ女の子。最後に彼女は間違ってもいいと動き出す。何を間違えたか。東京に行っても聡の心はもう自分ではなく亜希子というきらきらした過去の元カノに移っていることか。彼女がすきなのはずっと思い続けた彼なのか、今の彼なのか。どっちにしてもあまりいい結果にはならなそうだけど、「間違えて泣いてもいい」なんて思うこと大切だよ。彼女を色にたとえると、う〜ん暖かいパステルカラーのブルーかな。2006/ 1/20