吉田修一のレビュー一覧

  • 横道世之介

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    昭和?平成初期?の大学生横道世之介の1年間を描いた小説。
    映画観た記憶が薄らあるが、そんなにおもしろくはなかったし、世之介変なやつだなーとか思った気がするが。
    本は世之介そんなに変じゃないし、世之介が関わった人たちがほんとうに少しだけ影響を受けたり受けなかったり。世之介もすんなりいいやつってわけではないけど、どこか憎めない、愛される男。この男の見ている世界を切り取るカメラマンという職業もよかった。
    この本が、世之介が、とても大切だと抱きしめられる人もいる、響く人には響く作品。

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    2026年05月10日
  • 国宝 下 花道篇

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    映画は見ていないので小説だけの感想を。

    芸を追い求める喜久雄も、その彼の1番は“芸”であって自分は1番にはなれないと悟って離れる春江も、一時は“芸に選ばれなかった側”として共感し支えた俊介も結局“芸”に生きる人で……とても美しく少し哀しかった。

    徳次と弁天が好きだな。特に弁天の「三日もテレビに出ないと世間から忘れられると恐ろしくて仕方ない」という感覚はたまらない気持ちになった。

    あと、昔の贔屓文化とか読んでて今の推し活ブームみたいなものは継続性がないなと感じてしまった。そりゃ消費されなきゃ大衆娯楽にはならないけれども、、皆が皆、最低金額だけ払って客側として権利を主張するのはどうなのか…

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    2026年05月10日
  • パレード

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    若者の群像劇と思いきや、予想外の結末に読後は呆然としてしまいました。
    悩みを相談したり、ご飯を食べに行ったり、一見仲が良さそうな4人ですが、『本来の自分』と『同居を成立させるための自分』の違いがそれぞれの視点で描かれています。サトルという人物が登場することで、4人をより客観的にみる視点が加わり、この関係性の違和感に気付かされていきます。特に印象的だったのは、直輝の章で、「相手に思いやりを示さないことで、いつの間にか俺は、彼らの良き兄貴分に祭り上げられている」という一文がありますが、それはあくまで主観であったことを結末で知らされるところです。
    仲が良さそうに見えて、誰も本来の自分をださないし、誰

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    2026年05月09日
  • 横道世之介

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    子供が大人になること、
    子が親になること。
    これは違うと感じた。

    自立、自律との関係はどうだろうか。

    人生は個人の物語だ。
    主体は自分にしかないけど、全てに影響を受けるし与える。流れがある、偶然がある、人との関係がある。

    でもどうにかはなる。
    ならないことなんてない。

    だから因果は自分の意思と行動にある。
    コントロール出来るのも自分、他は期待しない。

    何にすがって生きるのか。
    人生はそれさえも偶然であり選択なようで運命めいたものでもある。
    死んでしまえばきっと何も分からない。
    後悔したか納得したかも。
    長生きは得なのかもしれない。健康は最重要。

    やっぱり「今」だ。
    シンプルに今を生

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    2026年05月08日
  • 国宝 上 青春篇

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    ネタバレ

    喜久雄はもちろん、徳次も弁天もマツも、波瀾万丈。でも皆たくましく、カラッとしたものさえ感じさせる。そして肝っ玉の据わった女性の多いこと。マツも春江も市駒も。
    文体に最初は慣れなかったが、楽しく読めた。ナレーションを聞いているかのような語り口がむしろ良かった。これが一人称視点だと、ドロドロで読みづらかったかもしれない。
    青春篇は喜久雄がどん底のような状態で終わるので、これからどうなるのか…映画は観ているけど早く続きが読みたい。

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    2026年05月06日
  • 東京湾景(新潮文庫)

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    吉田修一さんの恋愛小説。
    どんな愛にも終わりは来るとうそぶく亮介と、愛の力を疑いながら、でもどこかで信じたい美緒。身体を重ねるふたりは、身体の関係の「その先」に向き合うことに。心をさらけ出す恐さや、素直になれないモヤモヤした思いが、二人の何気ない言葉や行動で感じられる描写がたまらなく良かったです。
    二人の関係性は、美緒の友人・佳乃の「始まるのが恐くて、お互いに目をつぶったまま抱き合ってただけじゃない!」という言葉そのもの。そんな二人のラストシーンは、最高にドラマティックでした。

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    2026年05月05日
  • 国宝 上 青春篇

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    まだ上しか読めてませんが今の率直な気持ちとして早く読み進めたいということだけです。
    映画の情報も入れずに誰がどの役柄なのかも分からないまま読み進めまだ半分といったところです。
    歌舞伎の口調と表現していいのかわかりませんが語り手口調で物語が進むためこの喜久雄と俊介の物語が一つの大きな舞台のようにイメージしながら読み進めています。
    歌舞伎の知識もろくにないままなので入り込めるかなと思っていましたが思ったより読みやすくこのボリュームを感じさせない展開です。
    心情描写がうまく表現されていてその時々の喜久雄の心境がものすごく伝わってきます。
    続きが気になるので下巻へGO。

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    2026年05月02日
  • ミス・サンシャイン

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    こんなふうに歳を重ねれたらいいなぁと思う。
    現実的に50も歳が離れていて恋愛感情が湧くのかどうかはわからないけど、人間的に惹かれるというのはわかる。
    同じように大切な人を亡くして心に傷を隠したままの二人が心の交流によって癒されていく。
    人は人によってしか癒されないのかな。

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    2026年05月01日
  • ミス・サンシャイン

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    ネタバレ

    タイトルと装丁に惹かれてほぼジャケ買いの一冊でしたが、
    タイトルにそんな意味があったとは…。

    ひょんなことから昭和の大女優・和楽京子こと石田鈴の自宅整理を手伝うことになった岡田一心。
    回想での女優としての和楽京子の描写はまるで本当に映画を見ているような熱感で、
    一方で現在の鈴さんは穏やかな時間のなかで生きていて。
    片付けを通して鈴さんの歴史に触れ、読み終わる頃には一心とともにすっかり鈴さんの虜になってしまいました。

    幼馴染の佳乃子を原爆で亡くした経験を持つ鈴さんと、わずか9歳の妹・一愛を亡くした経験を持つ一心。
    鈴さんのかつての恋と、一心の恋心。
    ふたりの共通点が見えてくるうちに、だんだん

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    2026年05月01日
  • 国宝 下 花道篇

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    歌舞伎の世界にも神様はいるのだろうか。歌舞伎の神様に選ばれた喜久雄と連綿と続く歌舞伎の家に生まれた俊介の一代記を読み終えた。「国宝」のストーリーが歌舞伎そのものであるように描かれており、語り手によって読者は歌舞伎の世界に誘われていく。解説もぜひ読んでほしい。歌舞伎の名場面と「国宝」の重要なシーンがリンクしていることを知り、歌舞伎を見てみたくなった。

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    2026年04月30日
  • 横道世之介

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    朝井リョウさんのエッセイに登場したので読んだ。
    世之介の、空気や時間の流れに身を任せるようなゆるやかな生き方が羨ましく、魅力的だった。確かに「隙」というのは心の余裕やただ今を生きるという気持ちなのかな。

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    2026年04月27日
  • 国宝 下 花道篇

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    青春篇と比較すると、苦悩だったり逃れられない性みたいなシーンが多くて読んでて辛いシーンも多かったが、これが歌舞伎という伝統芸能が背負わせる十字架みたいなものなのか。自世代たけでなく連鎖していく。それでも狂気と隣り合わせで芸を追い求めていくのだと思った。

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    2026年04月26日
  • 日曜日たち

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    特に何も起こらないけど短編5つを通して最後に兄弟は幸せそうだった。
    「日曜日の被害者」の遊んでる若者の雰囲気、平成感が好き。結構キツいことされるけど。
    「日曜日の運勢」の優柔不断なモテ男の憂鬱も面白い。男女のやり取りがやっぱり好きなんだなって気づく。あと吉田修一が好みって気づいてきた。

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    2026年04月26日
  • 横道世之介

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    世之助はいろんなことにYESと言ってるような人、そのせいでいっぱい失敗するけど、それでもNOじゃなくて、YESって言ってるような人。

    世之助と祥子ちゃんが特によかった。
    2人とも大人になって希望をもって生きていく。

    ネトフリの初恋を思い出す。
    人生という長い旅の中で、全ての出会いと別れは運命に導かれてる。

    大切に育てるということは、大切なものを与えてやるのではなく、その大切なものを失った時に、どうやってそれを乗り越えられるか、その強さを教えてやることなのではないか。難しい。

    時間の流れの作り方も秀逸だった。

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    2026年04月26日
  • 最後の息子

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    吉田修一さんのデビュー作品。
    『Water』は、高校の水泳部員たちを描いた青春小説で、とても清々しい作品。大会の最終日、メドレーリレーの前にケンカする4人がめちゃくちゃ尊い。
    個人的には『最後の息子』と『破片』がとても好きで、どちらも閉鎖的なコミュニティでの息苦しさや、昔ながらの男女の価値観が描かれていました。
    デビュー作でこんな作品を描いてしまう吉田修一さんはやはりすごい。
    別の作品も手に取ってみようと思います。

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    2026年04月25日
  • 路

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    日本の新幹線の台湾への輸出事業を背景に、両国の人たちの交わりや、すれ違い、その中に生まれる静かだけど深い思いのドラマ描写。
    人生におけるタイミングであったり、出会いの奇跡、必ずしも成就しないことだったりが、自分に優しい気持ちを与えてくれたように感じられた。

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    2026年04月25日
  • 怒り(下) 新装版

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    2026.04.22 ★4.6

    上巻は静かに淡々と時間が流れ、下巻からは怒涛の展開。

    3ヶ所に居る身元不詳の男は一体誰なのか
    誰が誰を信じていて、誰が誰を信じられないのか
    「怒り」は誰が誰に向けたものなのか

    一気に色々なことが起こり、ページをめくる手が止められない。

    正直、読み進めるのが辛く感じる展開もあったが、ほんの少しだけ光が見える終わり方だった。


    ↓↓↓内容↓↓↓

    山神一也は整形手術を受け逃亡している、と警察が発表。
    洋平は一緒に働く田代が偽名だと知り、
    優馬は同居を始めた直人が女といるところを目撃し、
    泉は気に掛けていた田中が住む無人島であるものを見てしまう。
    日常をと

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    2026年04月22日
  • 国宝 上 青春篇

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    全ては運命と言われれれば、そうだったのかもしれないと思わされる。
    一方で全ては意志であり、意地であり、欲であり、怒りであり、
    人の正負が混在した意識が濁流となってできたような展開に飲み込まれていく。

    以下抜粋

    - そう問いかける半二郎の、何も知らぬような目を見たとたん、ああ、旦那はまえから何もかも知ってはったんやな、と、今さら気づく喜久雄でございます。(P.195)
    - 俊ぼん、アンタは生まれときから役者の子や。他の子らと野球するのも我慢して稽古してきはずや。何があっても、ちゃんとアンタの血ぃが守ってくれる。そいで喜久雄。アンタ、うちに来て何年や?五年になるやろ。そのあいだ、一日でも稽古休

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    2026年04月21日
  • 国宝 上 青春篇

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    映画を先に見てから暫く経ってから原作を読んだ。映画と原作は似て非なるものと思ったが、先に映画を観たことで原作の解像度が高まり、原作を読むことで映画のシーンを振り返って、こういう事だったのか…と思うことができた。
    青春篇の方がより映画に近い内容で、任侠の世界から芸に没頭する疾走感が感じられた。

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    2026年04月20日
  • 横道世之介

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    3月の後半に読んだがいい時期であった。1990年頃、長崎から大学進学のために上京した横道世之介と彼を取り巻く周囲の人々のストーリー。

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    2026年04月20日