吉田修一のレビュー一覧
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吉田修一作品というと、そこはかとなくおしゃれですっきりサラサラしていて、そしてフェミニンなかおり漂うというイメージなんだけど、それを気持ちよく裏切るような泥臭い話。何しろ、やくざ稼業の一家で大人になっていく少年の話なんだから。
はなれのおばけを信じていた駿少年が青年へと育ち、アルバイトで金をためて女と街を出ようする。そして……。半生記かというと、実は一代記ではないだろうか。駿は若くして生ききってしまったような気さえする。やくざ稼業の一家のなかでは浮いたような、どこか一家を客観的に見ていた彼は、没落していく家から最後の最後でのみ込まれてしまった。
「乱楽坂」という坂が長崎あたりにあるのだろうか。 -
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新規開拓を銘打って読んだことのない小説家を探していたところ、表現が綺麗だという評価を見て吉田さんに出逢う。
本作はANAの機内に設置されてる雑誌に連載された短編集らしい。旅行好きで飛行機によく乗る機会は多いが、雑誌なんか見たこともなく試しに読んでみた。
まず、プロローグから惹き込まれる。日記というのはわたしも時々つけていて、その時の感情や小さな出来事も自身の文字により表現されているため、後々に見ると面白い。この本編とは関係ないことプロローグから吉田さんの魅力に取り憑かれた気がする。
短編12作とエッセイが含まれており、1つは非常に短いためすぐ読み終わる。短編は短いながらも引き込まれる分か -
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内容(「BOOK」データベースより)
初恋の女性と結婚した男。がむしゃらに働いて成功するが、夫婦で温泉に出かける前日、妻から離婚を切り出される。幸せにするために頑張ってきたのに、なぜ―表題作ほか、不倫を重ねる元同級生や、親に内緒で初めて外泊する高校生カップルなど、温泉を訪れる五組の男女の心情を細やかにすくいあげる。日常を離れた場所で気づく、本当の気持ち。切なく、あたたかく、ほろ苦い恋愛小説集。
温泉で見つめなおすか・・・
走りすぎているというか普段気づかないことを気づかせてくれるというのはやはり心にゆとりがないと難しいものなんでしょうね。。。
僕は大丈夫だね!?? -
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出版社/著者からの内容紹介
最高傑作長篇小説
村上龍氏絶賛!
「倒壊の陰にある希望、裏切りと同意語の救済。閉塞と共存する解放、虚構に身を隠す現実。」
関東平野のど真ん中、開発途上の大宮の地にそびえ立つ、地上35階建ての巨大スパイラルビル。設計士・犬飼と鉄筋工・隼人の運命が交差するその建設現場で、積み重ねられた不安定なねじれがやがて臨界点を超えるとき。鮮烈なイメージと比類ない構想、圧倒的な筆力で<現代>のクライシスを描く芥川賞・山本賞作家の傑作長篇小説!
それぞれにそれぞれの物語があるんだなぁ・・・
と感じてしまいます。
きっと何も取り柄がないような僕にも物語にしようと思えばそうなるのかな -
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良かった。じわじわ余韻が残る作品。
人生のある期間、大好きだった人と共有した時間や思いや景色の記憶は、永遠に色褪せない宝物。
ラストのオレンジ、尾崎が大切にしていた記憶と久遠の記憶が重なる瞬間、なんて尊い時間の経過なのだろうと泣けた。
その他、彼らを取り巻く温かな人間関係に心打たれた。
チャンプがロッカールームに久遠からの年賀状を大事にしまっていたこと、そのロッカーに貼り付けてあった名前。誠司が沖縄の2人の様子を見に行くが、声を掛けず引き戻るシーン。月夜の卓球台でのそれぞれの追憶。
最後に、彼らが初めてひとつになったシーンが描かれていて、その構成も素晴らしかった。
箸が転がっても笑い合ってた2 -
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読んだ本 おかえり横道世之介 吉田修一 20260614
シリーズ連投で読みました。
ちょっと世之介の世界が小さくなった気がするけど、周りの人たちの関わる世界に間接的に触れることで、無力感を感じさせない何もできない様子がなんかいいですね。
こういう幸せの中で納めてあげたくなる気もするんだけど、そうはいかないんですかね。
隼人さんの最後が、すごく感じ入りました。当たり前のようにしていたことからの解放。自分が何なのかを取り戻すようなラストシーン。これを最後に持ってくるなんて、やっぱり良いお話でした。
三作目もあるって気づきました。
少し余韻に浸ってから読みますかね。 -
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映画からの本で入りました。
映画は非常に素晴らしくて、普通は「この映画観たな〜」位しか記憶に残りませんが、国宝は歌舞伎の歴史、喜久雄と俊介という2人の人間の一生が描かれており、とても印象が強く、歌舞伎とはこういうものなのか...!と衝撃を受けたのを覚えています。
ただ、小説は上下巻あることから3時間の映画では全てを描き切れていないだろうと思っていました。今回本を読んで想定通り、映画よりも物語が奥深く登場人物の心情が丁寧に書かれていたり、映画を1回観ただけでは分からないことも「あの場面はそういうことだったのか」と謎が解けたり、読んで良かったです。
星4にしたのは、私自身の歌舞伎の知識が乏しく
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ネタバレ高校生の頃に、燃えるような恋をしている二人。
それぞれ別の人と結婚し、社会人になって偶然再開する。
・尾崎颯は建築事務所で働く中年。妻と小学生男児の子がいる。
・久遠愛は広告代理店で働く。植物学者の旦那とは同居しているが離婚が成立している。
共通の友達の見延一真はゲイで男性パートナーと一緒に伊豆で子供を育てる。
それぞれの今を再生しながら、過去も明かされていく。
颯は母子家庭だったが、高校生の時に母親が県会議員と不倫のすえ事故で2人とも死んで天涯孤独になる。引き取られた叔母の家では、その娘に好かれる。が、久遠一筋で振ると自殺未遂されて、家を追い出される。その頃に、2人で駆け落ちして