吉田修一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
感慨深く読ませて頂きました
まずは、自分より少し上の設定であるのに、「ザ・昭和」が非常に楽しめた。昔心躍らせて観た映画を思い出す!「仁義なき戦い」「修羅の群れ」「麻雀放浪記」「ガキ帝国」あげていくとキリがない!著書(上巻)では若者のガラスの様にいつ壊れるかわからない精神状態、憤りや葛藤、矛盾に理不尽とにかく青春という蒼くて切ない、登場人物それぞれの想いが表現されており、ここから円熟味や成長、道を極めんとするプロの想いが下巻に続くとなると楽しみで仕方ない!
また、物語として正しい表現かわからないが、「くどくない」あっさりと読み進めることが出来る、これは小説であるのに、邪魔にならない女性の語り部 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画が良かったので原作も気になり購入。映画では前半部分をしっかり描写している印象だったので、喜久雄が歌舞伎界に返り咲いてから国宝と呼ばれるまでの期間をより肉厚に描いてくれてたら嬉しいなと期待している(上巻は俊ぼんが復帰するまでしか描かれてなかった。)。
上巻の感想としては、映画は原作の行間をかなり表現していたと思った。映画ですごく印象に残っていた「二人道成寺」や「曽根崎のお初」が、本では比較的さらりと数ページで終わったので、映画の評価が高いのも納得。ただ、本では演目のあらすじにもしっかりと説明がされているので歌舞伎に対する知識理解度は原作の方が高かったので、原作→映画の順で観た方が面白かったか -
Posted by ブクログ
映画がおもしろくて、どうやら原作があり映画とはだいぶ内容が違うらしいという話を耳にして買ってきた本。
なかなかイメージしづらい歌舞伎の世界。本を読んでても、映画で見た映像が頭の中に甦る。先に映画を見てて良かったなと思った。内容もかなり映画とは異なる。ま、確かにこのボリュームを全て映画で作るのは難しいだろうなと思った。欲を言えば三部作くらいで映画バージョンを改めて観たいが……。
まあそれはともかく、喜久雄の人生はまさに「悪魔と契約した」人生だなと思った。娘綾乃が言ったように、喜久雄が良い思いをするたびに周りが不幸になる…最終的には本人も夢と現がいっしょくたになっていくように思えた。もちろん喜久 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小学生くらいのときに歌舞伎を学校行事で見たことがあるような気がするけど、あまり面白かった印象はない。でも、映画がヒットしてるとのことで手にしたところ、一気に上下巻読むくらい面白かった。
話しかけるような文体・語り口も独特でこの作品らしいし、歌舞伎素人にも各演目(?)の説明や舞の様子が浮かんでくる描写がとても良い。
そして登場人物の幼い頃からの成長が頼もしくもあり、切なくもある。あとがきにあるように、人の人生は十人十色だと感じさせられる。喜久雄、俊介、徳次の3人だけでなく、それを支える妻や家族。全員の壮大な物語や生き方だと感じる。
映画もだけど、歌舞伎もいつか見てみたいと感じた。 -
Posted by ブクログ
映画みてからこっちにきた
吉田修一の本は高校生ぶり。
うーんなんというか、映画と小説はもう別物な気がする。映画が良くなかったとかはまったくなくて、原作もちゃんと描かれてるし、それよりも映像、目で見る凄さが伝わってきたのが映画。
小説は、その映画の理解がより深まる。というか映画には収めきれないいろいろな背景があった。長崎の幼少期、大阪の花井家の話、映画には出てきてない登場人物、喜久雄が継ぐとなったときの周囲、、、
これでもまだ浅いくらい、もっといろんなことが詰まってて、苦しいシーンももっとキツいし、圧巻の一言。
映画で先に内容が知ってるがゆえに、上巻のラストはなんとまぁ。。笑
下巻買ってきま -
Posted by ブクログ
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都内の2LDKに住む四人の若者と、そこに加わったサトル。
本音を偽り、優しくも怠惰な共同生活を送る彼らの日常に、
サトルが加わることで小さな波紋が広がり、歪みが生じる。
平穏な日常、抱える秘密、そして不可解な事件が絡み合う。
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ユーモア溢れる軽快で愉快な会話のテンポやトーンが
一見読みやすく若者達の青春群青劇を思わせる切り口。
シェアハウスに住む四人は、理想的な暮らしに見えた。
干渉し合わない、踏み込