吉田修一のレビュー一覧
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映画は見ていないので小説だけの感想を。
芸を追い求める喜久雄も、その彼の1番は“芸”であって自分は1番にはなれないと悟って離れる春江も、一時は“芸に選ばれなかった側”として共感し支えた俊介も結局“芸”に生きる人で……とても美しく少し哀しかった。
徳次と弁天が好きだな。特に弁天の「三日もテレビに出ないと世間から忘れられると恐ろしくて仕方ない」という感覚はたまらない気持ちになった。
あと、昔の贔屓文化とか読んでて今の推し活ブームみたいなものは継続性がないなと感じてしまった。そりゃ消費されなきゃ大衆娯楽にはならないけれども、、皆が皆、最低金額だけ払って客側として権利を主張するのはどうなのか… -
Posted by ブクログ
若者の群像劇と思いきや、予想外の結末に読後は呆然としてしまいました。
悩みを相談したり、ご飯を食べに行ったり、一見仲が良さそうな4人ですが、『本来の自分』と『同居を成立させるための自分』の違いがそれぞれの視点で描かれています。サトルという人物が登場することで、4人をより客観的にみる視点が加わり、この関係性の違和感に気付かされていきます。特に印象的だったのは、直輝の章で、「相手に思いやりを示さないことで、いつの間にか俺は、彼らの良き兄貴分に祭り上げられている」という一文がありますが、それはあくまで主観であったことを結末で知らされるところです。
仲が良さそうに見えて、誰も本来の自分をださないし、誰 -
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子供が大人になること、
子が親になること。
これは違うと感じた。
自立、自律との関係はどうだろうか。
人生は個人の物語だ。
主体は自分にしかないけど、全てに影響を受けるし与える。流れがある、偶然がある、人との関係がある。
でもどうにかはなる。
ならないことなんてない。
だから因果は自分の意思と行動にある。
コントロール出来るのも自分、他は期待しない。
何にすがって生きるのか。
人生はそれさえも偶然であり選択なようで運命めいたものでもある。
死んでしまえばきっと何も分からない。
後悔したか納得したかも。
長生きは得なのかもしれない。健康は最重要。
やっぱり「今」だ。
シンプルに今を生 -
Posted by ブクログ
まだ上しか読めてませんが今の率直な気持ちとして早く読み進めたいということだけです。
映画の情報も入れずに誰がどの役柄なのかも分からないまま読み進めまだ半分といったところです。
歌舞伎の口調と表現していいのかわかりませんが語り手口調で物語が進むためこの喜久雄と俊介の物語が一つの大きな舞台のようにイメージしながら読み進めています。
歌舞伎の知識もろくにないままなので入り込めるかなと思っていましたが思ったより読みやすくこのボリュームを感じさせない展開です。
心情描写がうまく表現されていてその時々の喜久雄の心境がものすごく伝わってきます。
続きが気になるので下巻へGO。 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルと装丁に惹かれてほぼジャケ買いの一冊でしたが、
タイトルにそんな意味があったとは…。
ひょんなことから昭和の大女優・和楽京子こと石田鈴の自宅整理を手伝うことになった岡田一心。
回想での女優としての和楽京子の描写はまるで本当に映画を見ているような熱感で、
一方で現在の鈴さんは穏やかな時間のなかで生きていて。
片付けを通して鈴さんの歴史に触れ、読み終わる頃には一心とともにすっかり鈴さんの虜になってしまいました。
幼馴染の佳乃子を原爆で亡くした経験を持つ鈴さんと、わずか9歳の妹・一愛を亡くした経験を持つ一心。
鈴さんのかつての恋と、一心の恋心。
ふたりの共通点が見えてくるうちに、だんだん -
Posted by ブクログ
2026.04.22 ★4.6
上巻は静かに淡々と時間が流れ、下巻からは怒涛の展開。
3ヶ所に居る身元不詳の男は一体誰なのか
誰が誰を信じていて、誰が誰を信じられないのか
「怒り」は誰が誰に向けたものなのか
一気に色々なことが起こり、ページをめくる手が止められない。
正直、読み進めるのが辛く感じる展開もあったが、ほんの少しだけ光が見える終わり方だった。
↓↓↓内容↓↓↓
山神一也は整形手術を受け逃亡している、と警察が発表。
洋平は一緒に働く田代が偽名だと知り、
優馬は同居を始めた直人が女といるところを目撃し、
泉は気に掛けていた田中が住む無人島であるものを見てしまう。
日常をと -
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全ては運命と言われれれば、そうだったのかもしれないと思わされる。
一方で全ては意志であり、意地であり、欲であり、怒りであり、
人の正負が混在した意識が濁流となってできたような展開に飲み込まれていく。
以下抜粋
- そう問いかける半二郎の、何も知らぬような目を見たとたん、ああ、旦那はまえから何もかも知ってはったんやな、と、今さら気づく喜久雄でございます。(P.195)
- 俊ぼん、アンタは生まれときから役者の子や。他の子らと野球するのも我慢して稽古してきはずや。何があっても、ちゃんとアンタの血ぃが守ってくれる。そいで喜久雄。アンタ、うちに来て何年や?五年になるやろ。そのあいだ、一日でも稽古休