吉田修一のレビュー一覧
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ネタバレある夏の日。突然の夕立。通行人はほぼない。雨宿りできるところもない。片側三車線の道路を、車がびゅんびゅん通過していくような場所。仕事を終えた尾崎は同僚とともに、救いの神のように現れたタクシーを止める。と、同時に女性二名も同じようにそれに救いを求め、二組は相乗りをすることになる。そんな偶然の出会いをした女性の一人が、尾崎の高校の同級生だった久遠である。同僚には「何もない」と言った尾崎だが、後日、四人での会食が決まりそうになった時、敢えてそれを回避する行動をとる。その後、他の同級生などの目線で語られる高校時代、久遠の章などを通して二人の深すぎる関係が明らかになってゆく。
高校時代の語り手は、尾崎 -
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長いと感じていた時間は過ぎてしまえば
あっという間で、後悔した過去は未来では最高に変わっている。
高校生の頃は大切な人といればそれだけで幸せで、オチが無い話を永遠にしてても楽しかった。
『自由とは恐怖心がない事』
私の答えとしては、自由は小さなコミュニティの中で恐怖がなく、選択肢がある事だと思った。
簡単に言えば、教室に入る事に恐れがなくて、きちんと自分の意見が言える場所なのかという事。
読んでいて、懐かしさを感じると共に、波瀾万丈な展開ではありましたが、とても柔らかい人物が多かった印象。吉田修一先生の作品は初めてでしたが、文章がとても柔らかく穏やかだと感じました。
女性作家の恋愛小説を好んで -
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建築会社に勤める尾崎颯ことオッソーと広告代理店に勤める高校の同級生久遠。こんなことあるのかというほどの都合の良い偶然で再開するが、偶然の都合よさを超える作者のたくらみの見事さによって、気がつけば物語に引きずり込まれている。
パッチワークのような平面ではなくキューブ状に「今」と「あの時」と「その前」を行き来しながら描いていく。最初はのうちは一つ一つが見事な短編として描かれ、やがてキューブの中にも「今」と「あの時」と「その前」が複雑に交錯していく。
今時、これほど大人の純愛を貫く小説を読むことができると思わなかった。途中で投げ出す気にならず、最後まで読ませる作家の物語作りのすばらしさに拍手。 -
Posted by ブクログ
喜久雄が演じる、まさに国宝にふさわしい、息を吞むような演技を歌舞伎場で観覧しているような描写で、私は下巻の方が良かったです。
映画の主演のお二人の演技も非常に素晴らしかったとは聞いていますが、ここは歌舞伎場で、人間国宝と呼ばれる歌舞伎役者さんの舞台を見てみたいと思いました。これまで歌舞伎を見に行ったことはありますが、本書を読んでからでは、また違った心持ちで、鑑賞することができそうです。
本書では、主役の2人以外にも、印象深い登場人物が複数いますが、映画では存在しなかったり、設定が結構変更されているのだなと思いました。また、ラストも映画とは違うようで、映画の方が万人受けするでしょうが、小説のラ