吉田修一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
-「初めて誰かを好きになった時に自分が何をしたか、それを人生のどこかで思い出した時にね、私、後悔したくない。未来の自分に胸を張りたい。私は、取り返しのつかない間違いをした。でも、大切な人のそばからは離れなかったって。」-
今回読んだのは吉田修一『タイム・アフター・タイム』です。吉田修一といえば、私が『横道世之介』ですっかり魅了された作家。映画『国宝』のヒット以来初の新作ですから、期待感が高くなったのはおそらく私だけではないはずです。しかもジャンルは私の好物、恋愛小説。正直、ここまで発売日を心待ちにした小説は生まれて初めてでした。今回の書評については新作であり注目作であることも考慮して、ネ -
Posted by ブクログ
ネタバレ前半はよくいるOLの話。仲が良いようで心の中ではほくそ笑んだりしている、女の汚い部分が描かれていた。被害者はまさに"イヤな女"だし、加害者は苦労人で初め同情したが結局感情で人を殺めたし、で、登場人物の誰にも共感できない、むしろ胸糞な内容。だが後半、どうしようもない登場人物の家族側にスポットライトが当てられ、感情移入をし、泣いてしまった。自分の大切な子・孫がどんな悪行を働いたとしても、愛おしいし、それを馬鹿にする人の気持ちがわからない。普段では考えられない行動も発作的に起こす。亡き娘の背中を蹴り飛ばした男の元へ行くも結局もできず帰ってきてしまう父の切なさ。自分を脅迫する男の元
-
Posted by ブクログ
ネタバレ青い世代の…だけど大人の恋愛小説でした。
とても爽やかで少しすっばい柑橘系の果物を食べた後みたいな読後感。
社会人としてバリバリに働く今の二人(多分三十代後半)と、思い出の中の高校生の二人の話が交互に展開される。
こういう過去を経ての今の彼らなのだな…。
歩んできたことには何一つ無駄なことはなかった。
『別れてよかった』
『好きになってよかった』
そんな風に言い合えるってとてもいい時間を過ごしてこれたのだなって思ます。
大人になって再び出会ってしまった二人はどうなっていくのでしょうか?
そんなことを考えてしまうのは、野暮というものなのかもしれないですね。 -
Posted by ブクログ
読んだ本 おかえり横道世之介 吉田修一 20260614
シリーズ連投で読みました。
ちょっと世之介の世界が小さくなった気がするけど、周りの人たちの関わる世界に間接的に触れることで、無力感を感じさせない何もできない様子がなんかいいですね。
こういう幸せの中で納めてあげたくなる気もするんだけど、そうはいかないんですかね。
隼人さんの最後が、すごく感じ入りました。当たり前のようにしていたことからの解放。自分が何なのかを取り戻すようなラストシーン。これを最後に持ってくるなんて、やっぱり良いお話でした。
三作目もあるって気づきました。
少し余韻に浸ってから読みますかね。 -
Posted by ブクログ
映画からの本で入りました。
映画は非常に素晴らしくて、普通は「この映画観たな〜」位しか記憶に残りませんが、国宝は歌舞伎の歴史、喜久雄と俊介という2人の人間の一生が描かれており、とても印象が強く、歌舞伎とはこういうものなのか...!と衝撃を受けたのを覚えています。
ただ、小説は上下巻あることから3時間の映画では全てを描き切れていないだろうと思っていました。今回本を読んで想定通り、映画よりも物語が奥深く登場人物の心情が丁寧に書かれていたり、映画を1回観ただけでは分からないことも「あの場面はそういうことだったのか」と謎が解けたり、読んで良かったです。
星4にしたのは、私自身の歌舞伎の知識が乏しく