吉田修一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ映画が良かったので原作小説も、と読み始めましたが、上巻と同じく映画版とは雰囲気が全然違っていて、さらに下巻には映画にはなかった部分が多数ありとても楽しめました。
映画で私が辛く思ったのは市駒や彰子の扱いで、特に映画の彰子は騙された上に顧みられないのですが、小説の方は喜久雄が白状した後も彰子の意思で一緒にいるし最終的には彰子の父親・千五郎にも許しを得るという違いがあって、私は大いに救われました。
私がもっと知りたい読ませてくれと思っていた映画の行間、出奔中の俊ぼんに何があったのか知れたのも良かったです。想像以上に様々な経験をしてましたね。
細かい部分の感想をもっとつらつらと述べたいところで -
Posted by ブクログ
ネタバレ横道世之介
田舎者、妙にずうずうしくて、お人好し。
昭和の良き時代に、田舎から東京に出て来た世之介の青春。
なんとなく恋をして、サンバを踊って、バイトに明け暮れる。
そんな普通の世之介がだんだん好きになってくる。そしていつのまにか、世之介と一緒にはらはらしたり、わくわくしたり、ちょっと憤ったりしている自分を見つけます。
世之介のまわりの人たちのその後をカットバックする構成も見事。そして、最後で思わず泣かされてしまいました。
みんながゆったりしていて、適度にお人好しで、ちょっとだけ夢があった昭和の末。ノスタルジーではなく、あの時代の気持ちに帰るようにしたいな、いや、しなければ。
そこに小さな確 -
Posted by ブクログ
台湾に日本の新幹線が走る、それを実現させるまでのお仕事小説かな、と思い購入
単純に、新幹線を開通させるまでの苦労話に留まらず、そこに関わるいろんな人(日本人や台湾人)の目線で、物語が展開されていきます
主人公は台湾に新幹線を開通させるプロジェクトに取り組む若手女性社員の春香。春香が、この仕事に携わるきっかけを与えてくれたのが、彼女が学生時代に旅行で台湾に訪れた時に出会った現地の男性、エリックとの出会い。
メインはこの2人が軸に展開されますが、そこに絡んでくる登場人物の人生、生き方、出会い、
台湾そのものの自然、食べ物や街の雰囲気も詳しく描かれていて、想像しながら読んでいると、とても楽し -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作があまりにも衝撃的な終わり方をしたもので、続編なんて全く考えられなかったけれど、読んでみたらあまりにも世之介が変わっていなくて、泣けてきそう。
世之介は変わらず頼りなくて押しが弱くて、どこか鈍くてピント外れで、優しくてポジティブで、ちょっといい加減でせこい。
でも、善良。
例えば知り合いの女の子が頭を五分刈りにした時、「なんで?」って聞かない。
言いたければ自分で言うでしょ、というスタンス。
自分のことばで理由を話せるようになった時、問題は乗り越えられていたり、答えが本人の心の中に生まれていたりする。
世之介は決して人を否定しないので、緩やかに背中を押してもらえた気がするだろう。
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