吉田修一のレビュー一覧
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台湾に日本の新幹線が走る、それを実現させるまでのお仕事小説かな、と思い購入
単純に、新幹線を開通させるまでの苦労話に留まらず、そこに関わるいろんな人(日本人や台湾人)の目線で、物語が展開されていきます
主人公は台湾に新幹線を開通させるプロジェクトに取り組む若手女性社員の春香。春香が、この仕事に携わるきっかけを与えてくれたのが、彼女が学生時代に旅行で台湾に訪れた時に出会った現地の男性、エリックとの出会い。
メインはこの2人が軸に展開されますが、そこに絡んでくる登場人物の人生、生き方、出会い、
台湾そのものの自然、食べ物や街の雰囲気も詳しく描かれていて、想像しながら読んでいると、とても楽し -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作があまりにも衝撃的な終わり方をしたもので、続編なんて全く考えられなかったけれど、読んでみたらあまりにも世之介が変わっていなくて、泣けてきそう。
世之介は変わらず頼りなくて押しが弱くて、どこか鈍くてピント外れで、優しくてポジティブで、ちょっといい加減でせこい。
でも、善良。
例えば知り合いの女の子が頭を五分刈りにした時、「なんで?」って聞かない。
言いたければ自分で言うでしょ、というスタンス。
自分のことばで理由を話せるようになった時、問題は乗り越えられていたり、答えが本人の心の中に生まれていたりする。
世之介は決して人を否定しないので、緩やかに背中を押してもらえた気がするだろう。
人 -
Posted by ブクログ
やはり吉田修一さんの小説大好きです。
悪人でも思いましたが、男性なのに女性を描く天才ですね。
桃子が少しずつおかしくなっていく様子がリアル。ラストおかしな方向にいかなくて良かった。李くんありがとう。あのありがとうは救われる。見ててくれる人がいると人はちゃんとしようと思うのですよね。
離れの家を手放さない桃子は強い。笑
ある意味さっさともらうものもらってこっちからさよならよ、と真守よりいい男を見つける行動にすぐ動ける健全な女より強いです。笑
尽くしてきたからこそ、手放せないんでしょうね。
自分を見ててもらえること、相手を見ててあげること、そして認めあうことが夫婦には大事ですね。
映画も観る -
Posted by ブクログ
上下巻の感想です。
以下の順番らしいですが、またまたやってしまいました。
◯横道世之介→読んでない
◯続横道世之介→読んでない
(文庫本は おかえり横道世之介 らしい)
◯永遠と横道世之介(上下巻)→読んだ
作品順に読まなくても大丈夫と本文に書いてあり、充分良い話しでしたが、やっぱり 永遠と横道世之介 は最後に読んだ方が良いです。
著者が場面を説明しながら進むスタイルなので、何だかちびまる子ちゃんのような。
内容は良い人の楽しい日常で、悲しい出来事もあるけど、総じて気持ちが晴れるような作品、女性が描いたような優しい物語です。
(吉田さんイケメンなおじさん。)
年始にのんびり読むのに -
Posted by ブクログ
上下巻の感想です。
以下の順番らしいですが、またまたやってしまいました。
◯横道世之介→読んでない
◯続横道世之介→読んでない
(文庫本は おかえり横道世之介 らしい)
◯永遠と横道世之介(上下巻)→読んだ
作品順に読まなくても大丈夫と本文に書いてあり、充分良い話しでしたが、やっぱり 永遠と横道世之介 は最後に読んだ方が良いです。
著者が場面を説明しながら進むスタイルなので、何だかちびまる子ちゃんのような。
内容は良い人の楽しい日常で、悲しい出来事もあるけど、総じて気持ちが晴れるような作品、女性が描いたような優しい物語です。
(吉田さんイケメンなおじさん。)
年始にのんびり読むのに -
Posted by ブクログ
ネタバレ表題作「パークライフ」よりも、同収録「flowers」がとにかく圧巻。
「同じルートを廻っていると、ふっと外へ飛ばされるような気がする」
生活に「僕」を縛り付けるような地元のしがらみや仕事のルーティンが、墓石やビールケースなどやたらと重みを強調する仕事で表現される。
対比される元旦や鞠子の軽やかさ、自由さ。同僚の妻と堂々不倫をしたり、公衆の面前で金太郎の喜劇を演じてみたり。露悪的でありながら、どこか自由。
心を通わせていたはずの彼らや、また兄弟のように接してきた従兄弟と、どうしようもすれ違っていく瞬間。
壊れたシャワーを浴びながら元旦を殴り付けたあの日のように、鞠子ともいつか、壊滅的な出来