吉田修一のレビュー一覧
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ネタバレ映画を観に行き、原作が気になっていたのでやーーっと読めました。
映画とお話が少し違うとは聞いてたけれども、思ってたより違った?というか、映画は原作とは違う世界線の国宝だったのかな、という印象。
本を読みながら、映画の二人を思い浮かべながら情景が蘇りました。
以下映画とのネタバレ含みます。
映画の喜久雄は、「役者」としてはすごいけれど、人としてはロクデナシというかダメ人間、という印象だったけれど、原作の喜久雄はちゃんとした「人間」で義理人情もあって、深みを感じられました。
映画で大好きだったシーンが原作にはなかったりして、ちょっと残念だったかなぁ。
あと、やっぱり「徳次」の存在感!
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Posted by ブクログ
吉田さんは今 映画で大ヒットしている「国宝」の作者でもあります。
伝説の映画女優・和楽京子と大学院生の岡田一心。
一心が京子(鈴さん)の自宅で、資料や書籍などの荷物整理を手伝う。
バイトを通じて鈴さんの人生の歴史と向き合う。
一心は小学五年生の夏に妹を亡くし、鈴さんは親友を原爆症で亡くしている。
年齢差のある二人が心を通してつながり合う。
大人の恋愛。
出演した映画のストーリーとも絡み合う人生。
とても良い作品でした。
この作品はaoi-soraさん、地球っこさん、松子さんとの一緒に読書を楽しむ「みんどく」。
今回の選書はaoi-soraさん。
とっても素晴らしい本を選んでくださり、ありがと -
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ネタバレ喜久雄さんも俊介さんも、なんて壮絶な人生…。
そして、殿方を支えた女性陣の強さにも圧倒されました。
歌舞伎を極め一生を捧げた喜久雄さんですが、私はどちらかと言うと、三代目よりかは喜久ちゃんが好き。
俊ぼんや徳ちゃんとのやり取り、綾乃さんにどう接するかオロオロしたり、孫娘を抱き抱え幸せを感じたり、大雷優勝でみんなと万歳したり…。
凡人の私には一生見れない景色をやっと見れたのかな…?と、何とも言えない気持ちです。
でも、徳ちゃんと再会する前に、自ら河を赤く染めないでくれよぉ……と、本気で感情ぐちゃぐちゃです。
教養を深めてから歌舞伎を見てみたいです。
今のままじゃ、絶対絶対お話についていけない( -
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ネタバレ(上下巻あわせての感想)
歌舞伎の世界を描くために用いられた独特の語り口や、比較的短い間隔で場面転換が行われる構成が印象的で、まるで舞台を観ているような感覚だった。
病気、出奔、いじめ、借金、疲労、スキャンダル、交通事故、火事……と、波乱続きの展開。私は感情移入しやすいタイプなので辛くなる場面も多かったが、前述の通り場面転換が早いため、気持ちを切り替えやすかった。それでも、俊介が亡くなる場面はやはり辛かった……。
喜久雄が綾乃の気持ちを利用する形で結婚する場面。倫理的には酷い行為だが、それほどまでに芸の道しかなかったということなのだろう。芸にかける凄まじさを強く感じた。
ラストシーンは -
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ネタバレ映画を見た。美しい映像に食い入るように見た。映像は一個の芸術作品で説得力に満ちていた。それでも熱がひけてくると、登場人物の行動にハテナが多くつき、それであればと原作小説を読むことにした。
この小説にはハテナはない。ガラスケースに閉じ込められた美術品、あるいは絵はがきのようなポートレートではなくて、においのする人間が生きている。この話は「ミミズク」たちと「山」たちの生き様かもしれないと思った。価値観も立場も違う皆それぞれに、幸福と不幸がある。何が正義でどれが悪なのか、一様に決められないのが人の生なのかと思わされる話だった。
喜久雄の歩む道は険しいけれど、小説は孤独でなくて救われた。
下巻も楽しみ -
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映画は見ることができなかったけど満を持してやっと読みました。
アカデミー賞ノミネートおめでとうございます!
できれば国際長編映画賞ノミネートされたかったですね。
読んでみての感想。
この時代の人は本当に『生きる』ということに素直に真っ直ぐですね。
『義理人情』という言葉をよくこの時代を表すのに聴くけど、正直よくわからないこの『義理人情』。『義理堅い』。
現代物ではどうしても感情の起伏に揺れがちで、それがリアルで良くもあるけど、この時代はその揺れがあってもとにかく進む。止まらない。
そういう描写がないというところもあるけど。
何よりすごいと思ったのが女性陣。
こういう物語は男性ばかりが前面に出て -
Posted by ブクログ
ネタバレ2025年に大ヒットした映画『国宝』を観る前に、原作を読んでおこうと上下巻の文庫を手に取った。歌舞伎についての知識はほとんどなかったが、その不安は読み始めてすぐに消える。語りかけるような地の文と巧みな描写が、読者を自然と物語の世界へ導いてくれるからだ。
物語は長崎・丸山町から始まり、歌舞伎という芸の世界と、そこに生きる人間たちの業を鮮烈に描き出していく。喜久雄という才能が見いだされる瞬間は、まさに圧巻。芸に選ばれてしまった人間の運命、その残酷さと同時に宿る美しさが、胸に深く刻まれる。
映画版も素晴らしい完成度だったが、原作を読むことで、徳次や弁天、そして綾乃といった人物たちの存在がいかに物