吉田修一のレビュー一覧

  • 国宝 下 花道篇

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    ネタバレ

    徳ちゃんとの篤い友情(同志?)に胸熱。
    映画ではサラッとしか出てこないけれど、徳ちゃんの台詞を他の登場人物が言っていたり、喜久雄に贈られる数少ないお花の中には必ず名前があったり…と、ところどころに片鱗が。

    映画とは異なるラストに胸を締めつけられた。
    映画はあの最後で良かったと思うし、原作はこの最後で良かったと思う。
    ただ、少なくとも1週間は引きずった。笑
    それくらい重い「余韻」だった。

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    2026年01月03日
  • 国宝 上 青春篇

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    映画→小説→映画→映画
    歌舞伎座や南座も

    映画を観て「これは原作も読まなければ」と手に取った。
    当時は歌舞伎を観たことすらなかったので、先に映画を観てイメージを持つことができ良かった。

    まだ映画を観ていない段階では「3時間長い」と思われるかもしれないが、「泣く泣く削っての3時間だったんだな」と思わせられるほどの大作。
    映画では語られなかった箇所がひしひしと伝わってきて、一段と深みを感じることができる。

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    2026年01月03日
  • 国宝 下 花道篇

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     人生は長いようで短く、芸術は世代を越えて延々と続く。
    人というのは、世の変遷に合わせながら与えられた人生の役回りを演じる存在に過ぎないのかもしれません。

     下巻では、バブル期とその崩壊など、日本の移り変わりを背景に、梨園を支えるようになった二人の宿命のライバル同士の人生の岐路が描かれます。(よく下巻一冊でおさまったなぁ、と思います)

     きっと作者は歌舞伎をとても愛しているかたなのでしょうね。
    二人の主人公の人生を描くことによって、歌舞伎という芸能の存在の大きさが浮き彫りにされているような気がします。

     ここへきて、この作品のタイトルがなぜ「国宝」なのか? ということを考えざるを得ません

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    2026年01月04日
  • 国宝 上 青春篇

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     「~であります」「~でございます」という語りが狂言回しになって物語を進め、その途中で登場人物がセリフを語ることによって、読む者に臨場感を与えています。
    [これは、歌舞伎の太夫の語りと同じ手法なんですね。本作品そのものが歌舞伎作品のようになっているかのようです♡]
     ご丁寧にも、登場人物の動作を説明し、そのあとにセリフを言わせるという段取りの良さです。
     (どこでもよいのですが)例えば、107ページの地の文とセリフの流れを抜粋してみますと、

     ~前略~ いつの間にか徳次も目を覚ましておりまして、
    「三味線の音やね?」
    と耳を澄まします。
    「坊ら、おはようさん!」
     とつぜん枕元の襖が開いた

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    2026年01月02日
  • 国宝 上 青春篇

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    映画が人気だったから読み始めた。読んでいて胸糞悪い仕打ちを受けていても這いあがろうと自分を奮い立たせるのがかっこよかった。感情移入しやすい話だったと思う。

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    2026年01月01日
  • 国宝 下 花道篇

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    ネタバレ

    上巻は青春小説かな、と受け取ったが下巻はさらに目まぐるしい展開で、芸に生きた男と女たちの大河ドラマだった。下巻は喜久雄と俊介の確執になるかと思われたが、そうはならなかった。俊介には過酷な運命が待ち受ける。息子の一豊を喜久雄は託されるが、一豊も痛恨のスキャンダル。丹波屋のピンチ。娘の綾乃の自宅の家事…。栄光と挫折の繰り返しに、通底するのは喜久雄の芸に対する執念。まだまだ続きが見たい思い。
    久々にすばらしい読書体験だった。

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    2026年01月01日
  • 国宝 下 花道篇

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    凄いものを読んだの一言に尽きる。波瀾万丈とはまさにこのこと、苦難ばかりの彼の人生。それでも歯を食いしばって続けてこられたのは、やはり芸への情熱ゆえだったのだと思う。芸に生き、芸に捧げた一生。圧巻の終幕に観客のごとく息を呑み、万感の思いが込み上げる。今年を締めくくる作品がこれで佳かった。
    また、語り口が明瞭で非常に読みやすく、かといって単調ではなく、要所要所で血の通った生きた表現が立ち上ってくるのがまた秀逸だった。苦しい場面が多いけれど小説は笑いどころもあって、緩急のバランスが良い。
    映画の方を先に観たけれど、小説が映画を補い、映画が小説を洗練させていて、良い相乗効果になっていると思う。映画を観

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    2025年12月31日
  • 国宝 下 花道篇

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    上下巻通しての感想。
    歌舞伎役者の家に生まれた俊介と、極道の家に生まれて縁あって歌舞伎の世界に入った喜久雄の、友情と芸にかける思いが爆発する様子は良かった。
    最後、徳次と喜久雄が再会する場面も読みたかった。
    綾乃が幸せになってよかった。
    登場人物それぞれ細かく描かれて、感情移入できる。面白かった。

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    2025年12月31日
  • 国宝 下 花道篇

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    映画を観たことをきっかけに、この小説を読みましたが、圧巻の映画の一方で、原作ではまた違った力強い物語が展開されていました。
    歌舞伎の演目に対しての詳細な描写から作者の熱意が伝わってきて、一作一作をぜひ見てみたいと思いました。

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    2025年12月28日
  • 国宝 下 花道篇

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    ネタバレ

    圧倒的な熱量で描かれる「芸」の物語だが、読み終えて心に残ったのは、華やかさよりも「哀しさ」や「人間の弱さ」だった。

    ​1. 「美」からの解放(万菊の死)
    大役者・万菊が最期に選んだのは、美しいものが何一つない山谷のドヤ街だった。「ここにゃ美しいもんが一つもないだろ。(中略)もういいんだよって、誰かに、やっと言ってもらえたみたいでさ」という言葉が胸に刺さる。
    生涯をかけて美を追求し、演じ続けることの凄まじい緊張感。そこから離れ、汚れた天井を見上げることでようやく自分自身を取り戻せたのだとしたら、これほど切なく、また人間らしい最期はないと感じた。

    ​2. 成功の影にある「屍」(喜久雄の業)

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    2025年12月26日
  • 犯罪小説集

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    ネタバレ

    犯罪は意外と自分と遠い存在ではない。
    実際の事件をもとにしている。短編集。結末が明確に書かれていない作品も多く、読者自身が考える必要のある、深みのある一冊だった。
    個人的おすすめは、万屋善次郎、百家楽餓鬼、白球白蛇伝!

    《青田Y字路》
    街や風景の描写が丁寧で、情景がすぐに浮かんで一気に話に入り込めた。圧倒される感じとか恐怖がリアルで、読後はやるせない気持ちになる現実感のある怖さを感じる。
    村社会の怖さや差別、誰もがトラウマから犯罪者にもなりうるし、誰もが犯罪に巻き込まれるかもだし、逆に誰かを犯人に仕立ててしまう側にもなるかもしれない。同情する気持ちと「もしかしてお前が犯人か?」って疑う気持ち

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    2025年12月25日
  • 国宝 下 花道篇

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    下巻をカフェで読み終えたんですが、危なく泣きそうになりました。

    荒筋はだいたい皆様ご存知のとおりだと思いますが、任侠の家に生まれた喜久雄が歌舞伎の女形として大成するまでの物語。先に映画を観てから原作を読みましたが、これが大当たりでした。

    不勉強で歌舞伎の事はズブの素人ですが、映画を観ていたことで歌舞伎の演目の描写の場面では鮮明にその映像が蘇り、また映画には登場しない演目も沢山出てきますが、観ているといないとでは脳内イメージの精度が全然違うもので、なんとなくではあるものの舞台の情景が目に浮かんできました。

    映画では語られなかった部分、異なるストーリー展開、登場しなかった人物の活躍など、全く

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    2025年12月24日
  • 国宝 下 花道篇

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    映画を観たあとに読みました。

    上下巻合わせると結構なボリュームがありますが、面白くてどんどん引き込まれてしまいました。

    はじめの料亭での立花組VS宮地組の抗争など、映像だと刺激が強すぎて
    観ていて辛くなるシーンがありましたが、
    本だと文章表現の美しさが一番に感じられて、とても良かったです。

    映画を観た後なのでどうしても登場人物は俳優の顔で置き換えられますが、置き換えても全く違和感がありません。
    改めて、表方裏方関係なく、映画に携わる人全員が本気で作った作品だったんだなと感じました。

    映画では全ては描かれていないディテールの部分も
    本で読むことができたので良かったです。

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    2025年12月24日
  • 国宝 4

    購入済み

    ここから

    ドロドロの展開へ。ここからが真骨頂という感じ。
    才能を求めた男と、血を求める男、どこかで念が昇華させうるのか。

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    2025年12月19日
  • 最後に手にしたいもの

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    吉田修一さんの旅に対する身構え方として、その地や暮らす人々への敬意に溢れていて、旅を愛しているところが感じられて良かった。色んな作品を生み出す合間に、あらゆる経験の中で人々や自然に触れ合うことを楽しみ、優しいエッセイを書いていて、このように日々を堪能することを真似したいと思った。

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    2025年12月18日
  • おかえり横道世之介

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    大好きな横道世之介シリーズ。本作でもほんわかしてがんばりすぎない人の良い世之介がいた。みんなの思い出のなかにいる世之介。
    あとがきで完結編のことを知り調べたらもう出てるんですね…!こちらも読まなきゃ。

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    2025年12月15日
  • 国宝 4

    ネタバレ 購入済み

    今回も一気読みしてしまいました。市駒と彰子の一途さ、けなげさがいじらしいです。反対に、春江だけはどうにも嫌いです。映画で高畑充希さんが春江役をやってましたが、あのものほしげな上目遣いの顔を思い出してしまい嫌悪感があります。

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    2025年12月14日
  • 国宝 下 花道篇

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    ネタバレ

    「白河集団公司」!!!(嗚咽)
    徳ちゃんって最後の最後まで本っっ当に義理堅くてなんていい奴なの!!!

    私は映画が先、原作が後になったけど、結果的に正解だったと思う!
    歌舞伎の繊細な大胆な美しさとか、俳優陣の演技の上手さを堪能するために映画がすごく良かったんだけど、映画化で省かれたたくさんの部分があまりにも良すぎるため、「映画に反映されてなくて残念」の気持ちの方が上回ってしまうと思う。

    映画では、俊ぼんが逃げて、喜久雄の元カノと子供作って、結構ぬるっと実家と歌舞伎界に帰ってきたようなイメージだったんだけど、原作では戻ることを決めてから父親に許可もらうために踊るシーンもあったし、腕の中で第一

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    2025年12月07日
  • 怒り (下)

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    殺人事件を起こした犯人は誰なのか、そしてなぜそんな事件を起こしたのか。
    それが警察もののミステリーサスペンスの王道だけれど、「怒り」はその焦点が少し違う。
    容疑者のまわりで生活してる人が、彼を信じるのか。疑いをもってしまった時にどうするのか。
    それぞれすごく切なかった。
    「上」の時点ではそれぞれの話が繋がっていくと思っていた。
    でも八王子の事件に翻弄されるそれぞれのストーリーで、犯人捜しとともに犯人ではないと分かった時ハッとさせられた。
    自分だったらどうするだろう。と考えた。
    はぁ…面白かった

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    2025年12月07日
  • 悪人 新装版

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    この事件の『悪人』とは一体誰なのか…。

    元々気になっていた本作ですが、上下巻がセットになり新装版が出たタイミングで購入(そこから積読でしたが笑)。

    内容としては保険外交員の女性が殺害かれ、その女性を巡る周りの人たちの物語。愛する娘を失った親、親友、バーで好意を持たれた男、出合い系サイトで出会った男などなど。ひとつの事件を境に色々な人の人生があらゆる方向に。

    視点がコロコロ変わる本作では、とにかく感情移入の対象が変わりまくります。ある人の話に耳を傾けていたら横から聞こえてくる話にも共感みたいな。とにかく共感と嫌悪を繰り返しました。

    そしてタイトルの『悪人』。今回の事件を通しての

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    2025年11月30日