吉田修一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
同じ映画を2回観に行くほど(人生で初めてです)、あまりにも面白かったので、原作の方は⋯?と気になりました。
結論としては、まだ上巻しか読んでいませんが、面白すぎて、映画を観た時のように興奮冷めやらず、です。
大筋では一緒の流れになっていくのでしょうが、小説では細かい設定や解説もあり、一番の違いは、映画では長崎時代で出演が終わっていた徳次が、小説ではその後もずっと喜久雄の側にいた事でしょう。
確かに徳次が長崎の場面以降もこまめに出続けていたら、ただでさえ長めの上映時間が、とんでもない長さになっていたでしょうから、映画での取捨選択、何を際立たせるかという点で正しい選択だったのかも知れません。
映画 -
Posted by ブクログ
本当にホッとできる作品。そして泣けた、泣いた。最後の3章「七月 新しい命」、「八月 永遠と横道世之介」、「十五年後」の三章は感動、感涙の連続! なぜこのタイトルなのか?も後半アッと言わせる(「永遠」は「えいえん」と「とわ」)。
そして名言が多い。(ついノートに書き留めた。)
例)「…好きって気持ちに時間は関係ないよ。きっとさ、好きって気持ちは強さが大切なんだよ。俺はそう思う」(六月 夏越しの大祓」より)
「…人にはその人それぞれが持っている時間と世界があるんじゃないかって、最近思うんです。その時間が長くても短くても、世界を股にかけたような一生だったとしても、小さな町で終える一生だったとしても、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ遅くなりましたが、吉田修一さんの「ミスサンシャイン」のレビュー書きます。
読む前から、みん読のみんなの感想が面白くて笑っちゃって、話題に出てきていたみんなの言う、「格がちがう」いっくんと素敵な鈴さんはどんな人達なんだろうとワクワクしながら読み進めました。
いっくんの大失恋、大女優だった鈴さんの映画や親友の話、その親友と鈴さんの被曝体験、いっくんが失恋から立ち直ったころに抱く鈴さんへの恋心、そしていっくんと鈴さんの共通点である、若くして亡くなった大切な人への気持ちを心の奥深くにしまっているからこその2人の心の共鳴。色々な要素が混じりながら素敵なハーモニーでした。
でもやっぱり心に深く響いて -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画を見てから間を空けずに小説を読み始めたことで、両者の違いを意識しながら楽しむことができた。これまで「小説→映画」は経験があったが、「映画→小説」は初めてであり、3時間の映像作品に対して、どの部分が採用され、どのように改変されているのかを追う読み方は非常に新鮮だった。
その上で、最終的には小説の方がより深く心に残った。音や映像に頼らない分、登場人物の内面が徹底して描き込まれており、その繊細さに強く惹かれた。本作においても、映画では捉えきれなかった感情の揺れや背景が、小説では鮮明に浮かび上がってくると感じた。
本作は慣れ親しみのない文体で書かれており、読み進めるのに時間を要したが、その分、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画を見てから間を空けずに小説を読み始めたことで、両者の違いを意識しながら楽しむことができた。これまで「小説→映画」は経験があったが、「映画→小説」は初めてであり、3時間の映像作品に対して、どの部分が採用され、どのように改変されているのかを追う読み方は非常に新鮮だった。
その上で、最終的には小説の方がより深く心に残った。音や映像に頼らない分、登場人物の内面が徹底して描き込まれており、その繊細さに強く惹かれた。本作においても、映画では捉えきれなかった感情の揺れや背景が、小説では鮮明に浮かび上がってくると感じた。
本作は慣れ親しみのない文体で書かれており、読み進めるのに時間を要したが、その分、 -
Posted by ブクログ
一人の歌舞伎役者の生涯を凝縮した圧巻の作品でした。
主人公だけでなく、取り巻く登場人物すべてが強かな信念と覚悟をもって生きる様、ぎりぎりの選択肢の中で芸道を追究する姿勢からは、痛いほどの感銘をうけました。
ストーリーやエピソードひとつひとつがどれをとっても重厚で、また方言を使い分けることでシーンごとの雰囲気を一転させるところがまた巧妙で印象的でした。メインが大阪弁なこともあり重苦しいシーンでも軽快でテンポがよく、吐き出す言葉の潔さ、深さに心の底から賞賛せずにはいられませんでした。
クライマックスでは物語の最高潮を迎え、最高に美しく哀しい幕引きには、胸が熱くなりました。
-
Posted by ブクログ
若いときの苦難を乗り越えて下巻を読み進み、いつまで経っても喜久雄が嬉しそうにする場面に辿り着かない。ずっと喜久雄とその周辺の人物たちの人生を追ってきた読者が待ち望む、喜久雄のこれまでの人生が報われるような、喜久雄が大喜びしているような場面。
振り返ると、きくちゃんが喜びを表に出している描写が少ない、歳を取ればとるほど減っていく。“愛想笑い一つできない”という喜久雄の人物像が際立っていく所以でもある。
きっと喜久雄の喜びとか感情は、舞台を観ている観客の表情や歓声が代弁しているのかと。
ラスト舞台、涙出ました。
あと軽く再読したら、俊ぼんの『隅田川』の舞台にもまた泣いた。舟に乗せてくれ