吉田修一のレビュー一覧

  • あの空の下で

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    短篇(の中でもさらに短い方)なのに、ここまで「まだ終わらないでほしい」「続きが読みたい」と思うほど心の琴線に触れたのは初めての感覚でした。短い文章でもしっかりと細やかな描写を盛り込む、筆者の技術は他のプロの作家とも一線を画するすごい才能だと思いました。
    ヒット作「悪人」の重厚なイメージから入ったからか、このような作品を書く方だとは全く想像していませんでした。(だから飛行機に乗った時も読んでいませんでしたごめんなさい。次からは絶対読もう!)

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    2020年05月01日
  • 日曜日たち

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    話のつながりは弱いけど、それぞれの話は吉田修一らしさが出てて良かった。人間の弱いところを書くのが上手。

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    2020年04月05日
  • 最後の息子

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    おそらく再読なのだろうけど,ほとんど忘れていた.あらためて読み直してみたら,なんともまぁ吉田修一が初々しい.

    「最後の息子」 芥川賞の候補になったんだっけ?まあ,そういう感じ.オカマの閻魔ちゃんを上っ面では小馬鹿に思いながらも,閻魔ちゃんに気に入られるように努力してヒモ暮らしをしている自分に嫌気がさしている自意識過剰な自分ってなに?ってことを考えているバイの青年の一人語り.彼がビデオの撮影に執着しているのは疎外感の現れか.たぶんこれが吉田修一の原点なんだろうな.

    「破片」 幼い頃,自分たちの軽率な行いのせいで母親を失ってしまった過去を持つ兄弟.その原因となってしまった弟と,弟の手を離してし

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    2020年03月25日
  • 初恋温泉

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    海外旅行よりも温泉派。温泉旅館の独特な雰囲気と非日常感、そして何より心と身体の底からリラックスできるあの感覚が身体にありありと蘇ってくるような素敵な短編集でした。特に最後の、高校生カップルのお話が甘酸っぱくて懐かしくて、素敵でした。

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    2020年03月20日
  • 東京湾景(新潮文庫)

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    吉田修一の初期の代表作をまだ読んでいなかったので、あらためて読む。

    本作は男女のヒリヒリするような感情描写が素晴らしい。東京湾の光と影とも言えるお台場と品川埠頭をコントラストとしながら、本来交わるはずがない男女の、心の深い部分をお互い貪るようなそんな恋愛描写に心が動かされる。

    後日談とも言える短編が書き下ろしで新たに書き加えられたのも、例え時代が令和の現代に変わっても、男女の気落ちが思わず溢れ出すような感情の交信は不変なんだと思わせて貰えて、余韻を楽しめた。

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    2020年03月04日
  • 森は知っている

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    シリーズ第2段。今回は前作の主人公「鷹野」の学生時代の話。前回は「スパイ」感が強かったけど、今回は「アクション」感が強かった一冊。鷹野の生い立ちやAN通信のバックボーンなどなど補完的な意味合いが強いのかな。まぁ面白かったから良いや、満足。しかし、著者の本は裏のあらすじだとそんなに惹かれないのに、読んでみるとずっぽりはまるの本多いな。

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    2020年03月01日
  • アンジュと頭獅王

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    そういえばこんな話だったな。古典に出てくる悪人はほんとに悪人で心底嫌な感じ。古文読んでる感じで面白かったです。

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    2020年02月19日
  • 女たちは二度遊ぶ

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    ネタバレ

    男が持つ恋愛の記憶と女が持つ恋愛の記憶って、まったく違うんだろうなあ。男はどちらかというと、いつまでも引きずっていたりしがみついていたりする。それはどれほどどうしようもない恋愛でも、だ。
    吉田修一は切り取りがやはり上手い。いろいろな(どうしようもない)恋愛を覗き見た感じがする。
    「最初の妻」でこの本が終わったのがよかった。

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    2020年02月06日
  • アンジュと頭獅王

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    『安寿と厨子王丸』の吉田さん版。令和版?
    現代風にアレンジしてなかなかの内容でした。最後の方はもう独特の世界、そこまでいっちゃいますかと言ったところ、長い旅だねえ。元々のとセットで残したい作品。滞りなく読み進めて、おもしかったあ。いろんなもの描ける人だね、素晴らしい。

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    2020年01月19日
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

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    「NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。」で紹介された、
    作家たちと猫の関わりを、たっぷり盛り込んだ猫愛溢れる本。
    1 はじめての猫・・・角田光代、吉田修一
    2 いつでも猫・・・村山由佳、柚月裕子
    3 これからも猫・・・保坂和志、養老孟司
    猫対談、猫写真、猫作品(小説、エッセイ、短編)での構成。
    「NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。」紹介有り。
    PROFILEは作者と猫たちを紹介。
    インタビューでは、著作に関する話と飼い猫の話。
    あ、飼い・・・じゃなくて相棒とか家族っていった感じですね~。
    それらと小説、エッセイ、短編には、猫に対する眼差しと
    愛を感じる言葉が迸っています。そして作家と彼ら

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    2019年12月24日
  • 最後の息子

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    暑い、熱い作品

    横道世之介への道のりのようで、もう既にのほほんとした雰囲気が滲み出てる

    Waterをドラマ化してほしい

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    2019年11月30日
  • アンジュと頭獅王

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    山椒太夫をベースに、中世から令和までの時代をまたいで語られる、アンジュと頭獅王の物語。

    山椒太夫の現代語訳かと思いつつ、二人の非情な運命をしみじみとたどって読んでいたら、一気に時が流れGoogleやらAppleも登場する現代へ。
    じつに小気味よいテンポの語り口調で、いつの時代も変わらない慈悲の心を、適度な遊び心を交えながら伝えている。

    もともとの「安寿」と「厨子王」の表記をあえて変えたのは、オリジナルストーリーであることを強調するためなのか。
    ヒグチユウコの装画が素晴らしく、これだけでも見惚れてしまった。

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    2019年11月16日
  • 泣きたくなるような青空

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    夜明けを初めて見た記憶、大自然の中の無音の時間を過ごした記憶、色んな街の朝の風景。
    自分も感動した覚えがあるけど、すっかり忘れてしまっていたその時の感情を、吉田さんが書き起こしてくれたような気がした。
    読んでいて、どこか懐かしくなるエッセイ集。

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    2019年11月13日
  • アンジュと頭獅王

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    一気に読めました。
    でも、ちょっとよく分からなかった‥
    いきなり令和とか出てきて現代になったりと、めまぐるしかった。

    でも、やっぱりかわいそうな話し。

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    2019年11月11日
  • 東京湾景(新潮文庫)

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    著者の作品で恋愛物は初めて読んだかも?
    気持ちが通いそうで通わないもどかしい2人のお話。
    恋心など無縁で忘れつつあるけれど面白かった!
    こんな風に惹かれ合うのもいいな〜私もお台場周辺を舞台に恋してみたいw

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    2019年10月31日
  • アンジュと頭獅王

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    「人の幸せに隔てがあってはならぬ。慈悲の心を失っては人ではないぞ」 古典の名作「山椒太夫」をベースに、安寿と厨子王が時空を超えて繰り広げる大冒険。誰かのために生きる時代を模索する今、慈悲の心の尊さを問う。

    森鴎外の「山椒大夫」は読んだ記憶がない。「安寿と厨子王」の話はむかし童話で読んはずなのだけれどすっかり忘れていた。だから本作の前半を読んで「こんな話だったか」と思った。ところが中盤以降は……!!
    …吉田修一の才気煥発に圧倒された感じだった。
    (B)

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    2019年10月27日
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

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    文筆業の方々と一緒に暮らす猫たちのドキュメント。

    それぞれの方と猫サマにそれぞれの深いストーリーがある。
    その猫に対する目線が書き手により変わるのだが、深い愛情がある事だけは変わらない。

    最後の養老孟司さんの「まる」のエッセイが気に入っている。明け方、飼い猫に起こされてしまうところが、養老先生も私と一緒なんだなぁ…とほっこりした。2019.10.26

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    2019年10月26日
  • 初恋温泉

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    テンポの良い5つの話から出来ている短編集。
    それぞれの登場人物が温泉に対して違った見方や考え方が展開されており、温泉ひとつでこんなにも違うのかと最後まで読んでわかりました。
    個人的には2話目が好きです。

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    2019年10月19日
  • 森は知っている

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    面白かった。
    吉田さんの本でハラハラする感じの話は初めて読んだ。

    色んなタイプの話を書くんやなぁと思った。

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    2019年10月06日
  • 初恋温泉

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    4.0 吉田修一は、男女の関係の変化や心情を描くのがうまいね。最初と最後の話が好き。男女の考えることは、同じ場所、同じ風景の中でも違っている。

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    2019年10月04日