【感想・ネタバレ】アンジュと頭獅王のレビュー

あらすじ

声に出して読みたくなる、圧巻の大冒険!

吉田修一の新境地ともいえる本書は、誰かのために生きる時代を模索する今だからこそ蘇る、二十一世紀版山椒太夫。古典の名作『山椒太夫』をベースに、上古も今も末代も、慈悲の心の尊さとはいかに、を現代に問う問題作だ。
あの安寿と厨子王が千年の時空を超えて繰り広げる、善の執着と悪の執着を描く大冒険は、文字を追うごとに、思わず声に出して読みたくなる圧巻の言葉とリズムにあふれている。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

そういえばこんな話だったな。古典に出てくる悪人はほんとに悪人で心底嫌な感じ。古文読んでる感じで面白かったです。

0
2020年02月19日

Posted by ブクログ

『安寿と厨子王丸』の吉田さん版。令和版?
現代風にアレンジしてなかなかの内容でした。最後の方はもう独特の世界、そこまでいっちゃいますかと言ったところ、長い旅だねえ。元々のとセットで残したい作品。滞りなく読み進めて、おもしかったあ。いろんなもの描ける人だね、素晴らしい。

0
2020年01月19日

Posted by ブクログ

山椒太夫をベースに、中世から令和までの時代をまたいで語られる、アンジュと頭獅王の物語。

山椒太夫の現代語訳かと思いつつ、二人の非情な運命をしみじみとたどって読んでいたら、一気に時が流れGoogleやらAppleも登場する現代へ。
じつに小気味よいテンポの語り口調で、いつの時代も変わらない慈悲の心を、適度な遊び心を交えながら伝えている。

もともとの「安寿」と「厨子王」の表記をあえて変えたのは、オリジナルストーリーであることを強調するためなのか。
ヒグチユウコの装画が素晴らしく、これだけでも見惚れてしまった。

0
2019年11月16日

Posted by ブクログ

一気に読めました。
でも、ちょっとよく分からなかった‥
いきなり令和とか出てきて現代になったりと、めまぐるしかった。

でも、やっぱりかわいそうな話し。

0
2019年11月11日

Posted by ブクログ

「人の幸せに隔てがあってはならぬ。慈悲の心を失っては人ではないぞ」 古典の名作「山椒太夫」をベースに、安寿と厨子王が時空を超えて繰り広げる大冒険。誰かのために生きる時代を模索する今、慈悲の心の尊さを問う。

森鴎外の「山椒大夫」は読んだ記憶がない。「安寿と厨子王」の話はむかし童話で読んはずなのだけれどすっかり忘れていた。だから本作の前半を読んで「こんな話だったか」と思った。ところが中盤以降は……!!
…吉田修一の才気煥発に圧倒された感じだった。
(B)

0
2019年10月27日

Posted by ブクログ

昔話の安寿と厨子王、好きだったな。
何でだろう。2人の名前が不思議でカッコよかったからかな。それともお母さんと厨子王に救いがあったからかな。
久しぶりに見た懐かしいけどちょっと様子の変わった名前と外観。読後、の悲壮感はない。ご都合の良いままで終わる。

0
2025年10月02日

Posted by ブクログ

「安寿と厨子王」から派生した異世界ロックファンタジーという感じのお話。口語調というのか文章にリズムがあって、たいへん読み心地が良かった。
それにしても日本の昔話って身も蓋もない感じのものが多いよなぁ…良い行いをした人も悪い行いをした人も相応に報われるのだけれど、悪い人への報復があっけらかんとえげつない。因果応報とはいうけれど、寛容は特に必要ないのかな。この単純さがいっそ不思議というか面白いというか…現代人の私は戸惑ってしまう。
吉田修一さんは何故このお話を書こうと思ったのだろう?

0
2023年03月24日

Posted by ブクログ

安寿と厨子王の日本の童話を時空を超えてのお話。

父を訪ね求めて母とアンジュと頭獅王の姉弟は旅に出るものの、人買いに売られ、母と別れ、姉弟は非道な主に無理な仕事を手伝われてる日々を送る。

一度の脱出に失敗し、二度目はアンジュがその身を犠牲にして頭獅王がお寺に助けられながらも乞食とサーカスに拾われ、六条院夫婦の養子となり
再び姉アンジュと母と再会するまで。

意外(?) と読めて、面白かった。

0
2023年03月15日

Posted by ブクログ

あの安寿と厨子王が。。
古典が大冒険になってる感じ。
途中から何歳?何百年生きてる?不思議だった。
さくっと読める。

0
2022年12月17日

Posted by ブクログ

「安寿と厨子王」「山椒大夫」が現代に現れた!

最近、NHKラジオで森鴎外「山椒大夫」の英語版をリスニングした。
子ども時代に童話を読んだきりだったので、懐かしく聞いていたところ、こういう本が出ていることを知り、興味深く拝読。

アンジュと頭獅王にとってはお母さんに会えてハッピーエンドだけど、物語の残酷さを再確認した。
山椒大夫と三郎、人でなしすぎるでしょ。
そして、慈悲をかけるふりして「黄泉の国」を贈る頭獅王の報復もこわい。処刑の仕方は「山椒大夫」(by森鴎外)通りかな。
オリジナルストーリーは加えられているものの、話の筋としては元の話の通り。

死んだはずのアンジュが現代の新宿で再登場した場面は、舞台のカーテンコールを見ているようだった(カーテンコールでは死んだ人も手に手を取って再登場する)。
GoogleとAppleとソフトバンクの株を…というくだりはちょっと笑えたな。

この本の、というより、安寿と厨子王の思い出が少しだけある。
小学校一年時の友達が、童話「安寿と厨子王」を「私の大好きなお話なの!」と言っていた。
当時「大好きな物語」と言えるようなものがまだなかった私は、安寿と厨子王をさぞ素敵な物語だと思っていた。ワクワクするプリンセスのお話かと思ったほどだ。
それを母に伝えたら、嫌な顔されて「私は嫌いよ。残酷だから。」と一蹴された。
その後も、20歳の頃に「安寿と厨子王」が好きだという友達に会った。
今となっては、彼女たち、若年にして「安寿と厨子王」好きだってのは変わってるなぁと、改めて思う。
おそらく、現代人にとって、この人身売買と虐待と報復の物語が、受け入れ難いと思う。
それくらい、すごく、かわいそうで残酷な話なんだよね。
もともとは浄瑠璃なんだとか。
子ども向け童話にしたのが「安寿と厨子王」らしい。これを子ども向け童話にしようと思った人、逆にすごいな。

0
2021年08月15日

Posted by ブクログ

山椒大夫の現代版&ハッピーエンド版

安寿はアンジュとして、歌舞伎町の遊郭に売られて、頭子王と再会し、
頭子王(厨子王)は、1000年経ってサーカスの大獅子の世話をしている所が目に留まり、
養子になり、
母親も目が見えるよになったり、

場所も現代の新宿になったり、

パロディとして楽しめた

山椒太夫と三郎の悪行は原作から引き続きキツかった!

0
2021年05月09日

Posted by ブクログ

安寿と厨子王のあらすじは知っていたけど、時代が1000年くらい進んで現代的なアイテムがたくさん出てきても確かに山椒大夫…となって面白い時間でした。
頭獅王や聖や母、太夫たちも当たり前のようにずっと生きてるけど、あの人たちずっと生きてる…ってならないのかな。。そこが不思議でした。
現代的なアイテムたくさん出てきても、話し言葉は古いのでちぐはぐさも面白かったです。
ヒグチユウコさんの挿絵がたくさんだと思っていたら表紙だけだったのでそこはちょっと寂しかった。。

0
2020年11月29日

Posted by ブクログ

吉田修一さん初めてかな?
元ネタの昔話を知らないので読みたい。

横道世之介を読みたかったんだけど、見つけられずにとりあえず前知識もなく読んだ作品。

0
2020年10月22日

Posted by ブクログ

 吉田修一の本、「パークライフ」しか読んだことない。この本はヒグチユウコの表紙だから手に取った。ライオンのクルクルのたてがみと凛々しい横顔、もう心を鷲摑みされた。

「安寿と厨子王」です。内容的には。それを「アンジュと頭獅王」にしたのは、何か考えがあったからでしょうね・・・ 文体も古典風。ファンでもないし、興味もないから深くは追求しません。音読してると、文章のリズムは面白いかな。

 アンジュと頭獅王、讒言で筑紫の国に流された父に会うため、母と旅に出ます。世間知らずのため、途中、人攫いに親子ともども騙されて、悲しいかな生き別れ。奴隷として売り飛ばされた先の山椒大夫に酷使され、宿願果たす機を奪われる。これじゃ、あかん! 
 頭獅王や、お前だけでも逃げ延びて、父に会い、父と共に私を救いに来ておくれ!と姉のアンジュ、必死の訴え。おとうと頭獅王、えっ、えっ、姉ちゃん、俺こわいよと、おどおど。うじうじ弟に姉、張り手!
 地蔵菩薩様がついていてくれるから、早く行きなさい!
 アンジュと頭獅王は果たして父と会えるのか、騙されて生き別れになった母との再会はかなうのか。知るは地蔵菩薩のみ。なぜならこれは仏教説話だから。

 これ読んだ後に森鴎外の「山椒大夫」も読んだけど、どっちが面白かった?と訊かれたら鴎外のほうって答える。
 
 ファンは違う読み方をするんでしょうね。
 ファンの方のレビューをお待ちしています。

0
2020年10月10日

Posted by ブクログ

古典の名作『山椒太夫』をベースにという事で、、、原本を読んだことなかったので魅力半減なのかも。
声に出して読みたくなるようとのふれこみ通り、言葉の並びは気持ち良かった。
超個人的な感想だけど、野田マップっぽい世界観だな。時空を越えてーとか。

0
2020年10月07日

Posted by ブクログ

山椒大夫の本を読んだことがあるのですが、それと違うところは、ちょっと時が流れすぎてないかな?

いきなり1000年すぎます。私たちの聞きなれた地名なども出てくると、あれ?昔の話じゃなかったっけ?と、混乱します。

0
2020年09月20日

Posted by ブクログ

読み進めていくうちに、途中から何だか突飛な展開になって?となったけど、不思議な味わいのある作品だった。

0
2020年04月13日

Posted by ブクログ

途中までなんでこんな本出そうと思ったんだと思いながら読んだが、最後の方になってなるほどなーの一言。原作よりもハッピーエンド寄りで、これはこれで良き哉。表紙が素敵。

0
2020年01月30日

Posted by ブクログ

ふむ。

不思議な感じ。
読んで、よかった。
読み進めるの、迷ったもので。

改めて表紙を。
コレもいい。

現代版‼︎

0
2020年01月15日

Posted by ブクログ

まさに時空を超えた吉田修一ワールド全開‼️

森鴎外の「山椒大夫」のリメイクみたいですね。さらに森鴎外の「山椒大夫」も昔話の「安寿姫と厨子王」のリメイクなので、リメイクのリメイク(笑)

中盤までは安寿と厨子王ですが、当然歩き続けると、そこは新宿(゜ロ゜)800年も歩いてたのか‼️
展開はあくまでオリジナルに沿っていますが、GoogleやApple、SoftBankまで(笑)

0
2019年12月30日

Posted by ブクログ

題材を吉田修一なりにアレンジした作品。吉田修一っぽさは感じたかな、と。
現代要素を散りばめる着眼点が面白い。

0
2019年12月24日

Posted by ブクログ

基本は安寿と厨子王の時代を飛び越したバージョン.なんだかよくわからなかったが,表紙のヒグチユウコさんの絵がとても綺麗だ.

0
2019年12月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

うんうん、こんな話と思って読み進めていたら、途中で、ん?何の話?となるのだけど、そこに慣れてくると、楽しめてくる。そして、もう一度古典の山椒大夫を読みたくなる。

聖に背負われて、空間も時間もどんどんと旅をしていくシーンが好き。
朗読で聴きたい。

0
2019年12月01日

Posted by ブクログ

古典を題材に作者が独自にアレンジした作品。不思議なテイストで何とも感想を述べにくいのだが、作者の独特の感性と発想力が発揮された作品。短いのであっという間に読める。

0
2019年11月19日

Posted by ブクログ

始めは『安寿と厨子王』を現代訳風なのかと読み進めていくと、あれよあれよと幾千の年を超え、時代は令和に。
かと思うと、また過去に。

いつの時代も、善の執着と悪の執着は変わらないということか。

0
2019年11月10日

Posted by ブクログ

時代劇かと思って読んでたら、時間跳躍モノのSFだった。古代と近代がゴッチャになって、正直、よく分からなかった。原典も似た感じなんだろうか?

0
2019年11月04日

Posted by ブクログ

個人的にはダメでした。
ですから気に入らない方はこの先は読まないで下さい。

物語の前半は原作(森鴎外)に沿った形で進みます。変更点も有るのでしょうが、少なくとも粗筋や雰囲気はそのままです。ところが後半に入ると一気に「語り」が走り始めます。舞台も時空を飛び越えて、とはいえ勧善懲悪的な大筋は変更なく。
この「語り」をどう評価するか。「疾走感」「名調子」と肯定評価する人が多いのですが、私はついて行けず。そうなると「空回り」。走ってる感じは判りますが、刹那に走り去って残らないのです。もっとも文章そのものは流石で、ちゃんと読ませてはくれるのですが。
ま、私の好みの問題でもあるのでしょう、森見登美彦さんの『走れメロス』もダメだったし。

元々は神仏の縁起などを語った民衆芸能である説経節の『さんせう太夫』で金焼地蔵の縁起を語ったもの。それが浄瑠璃になり童話『安寿と厨子王丸』になり、さらに森鴎外によって『山椒大夫』として小説化される。
なんで「頭獅王」と思ってたら、そうか後半に大獅子に乗ってパレードするシーンがあるからなのか。

疑問に思ったのは、どういういきさつでこの本が書かれたのか?
調べたら開業25周年を迎えたパーク ハイアット 東京から執筆を依頼されたものなのですね。条件は「テーマは何でも良いのでうちのホテルで書いてくれ」というもの。このホテルのコンセプトが「タイムレス」で、それが古い物語を現代に繋ぐストーリーにつながったのでしょうね。

0
2019年10月29日

「小説」ランキング