吉田修一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレあらすじ 極道の家に生まれながら、芸道の世界へと飛び込んだ喜久雄。そして、歌舞伎界のサラブレッドとして生まれた俊介(俊ぼん)。対照的な生い立ちを持つ二人の若者が、血と汗の滲む激しい芸の精進を経て、時に高め合い、時に嫉妬し合いながら歌舞伎の最高峰「国宝」へと登りつめていく一代記。上巻では俊介の出奔や喜久雄の台頭、俊介を陰で支える徳次たちの絆と葛藤が描かれ、下巻では病魔や事故という過酷な運命に翻弄されながらも、命を削って狂気と美の境地へと挑み続ける二人の凄絶な生き様が描かれる。
所感・深掘り 映画の映像美やシーンを頭の中で反芻しながら、原作小説の文字世界と対比させて読むという、贅沢で深い読書体験が -
Posted by ブクログ
著者は読者に対する共感を目的として書いているようではないし、実際自信を持って書評を書いている人たちも見当たらない。私自身、著者が何を伝えたかったかを断定することはできないが、この世界に関する違和感を塗りつけたような印象を受けた。もちろん、これは私がこの本に理解しきれないところがあることを反射した感想であるとは思うが、人の多面性や、表面の下に潜むアノマリーを撫でるように書いている点にそう思わされるという理由がある。
数は少ないが、著者の他の作品を読んだ限り、書こうと思えばもっとはっきりした輪郭で、エンターテイメント性があるものを書けただろうと思う。このような作風にした理由を正確に理解はできないが