吉田修一のレビュー一覧
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主に3人の登場人物目線の話が章ずつ進むというプロット自体は解説にも書かれている通り吉田修一お得意のもの。ただ、各章での展開がいまいちなように感じながら読み進めて、最後4章でどう絡めるのかと思ったら予想の斜め上の展開だった。賛否両論ありそうな展開だけど個人的には前半三章の展開的にこのまま普通に終わらせるだけだったらつまらないよな、と思っていたので予想外の展開なのは良かった。
この作品には現実に起こったニュースがいくつも登場する。登場する、というか前半三章においてはそれぞれの生活の中でけっこうなウェイトを占めていたり、事件の関係者だったりする。吉田修一には『犯罪小説集』という実際のニュースを元にして作った連作小説があるけれど、この『橋を渡る』はお話の中に都議会ヤジ問題とかips細胞とか実際にニュースを賑わせた話題が実際の出来事として出てくるせいかより居心地の悪いような感覚があって、その感覚やニュースに対する吉田修一的な問題提起なのかなと感じる部分もある。特に第4章でとある登場人物の口から語られる「ユートピア、ディストピア」にまつわる発言など。「ニュース」と私たちの日常の境を私たちがとう受け止めているのか、ということを問いかける提起とも感じるのですよね。 -
ネタバレ 購入済み
おもしろかった
おもしろかったけどよくわからなかった。
純文学も混じっているような作品なのでじっくり何度も読んだ方が味が出てくると思う。
ただ最後は少しゾッとする感じでしばらく引きずる作品だった。
二度目はもう少しいろんな箇所に気をつけて読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
吉田修一(1968年~)氏は、長崎市生まれ、法大経営学部卒の小説家。芥川龍之介賞(2002年/『パーク・ライフ』)のほか、山本周五郎賞、大佛次郎賞、柴田錬三郎賞等の文学賞を受賞している。
本書は、初出はANAの機内誌「翼の王国」への2012年9月号~2016年9月号の連載(25篇)で、2017年に単行本で出版、2021年2月に文庫化された。また、作者の「翼の王国」への連載は2007年4月から始まり、これまで『あの空の下で』、『空の冒険』、『作家と一日』の3冊が出版・文庫化されており、本書は4冊目(2021年1月)の『泣きたくなるような青空』と続けての文庫化である。
私は、既刊の3冊も所有しているが、実は本棚の片隅で積読状態である。というのは、2019年に、ビジネスの関係で海外の短距離フライトに乗る機会が急激に増え、その時に読もうと思って、2019年末に3冊まとめ買いしたのだ(短距離便には個人モニターが付いていないため、とにかく退屈である)が、昨年1年はコロナ禍のため全く飛行機に乗る機会が無くなってしまったのだ。
前作は、帯に書かれた「今年こそは旅に出たい!まずは“読む旅”をお楽しみください」というフレーズを見て我慢ができず、思わず自宅で読んでしまい、本作もやはり読んでしまったが、体の移動の自粛が続く中で、心は(わずかながらも)軽くなったように思う。
作者は「文庫版あとがき」でこんなことを書いている。「基本的に旅情をテーマとしたエッセイであるから、旅先のスケッチが多い。・・・そこには人や場所との出会いがあり、人や場所の匂いがあり、人や場所の声が聞こえ、人や場所の手触りがある。そして今回、なによりも驚かされたのが、そうやって日々の旅を続ける自分自身が、この旅が続くことに、なんの疑いも持っていないことであった。今回、改めて一編一編のエッセイを読み返しながら、台北や博多の屋台にいる自分や、沖縄やスイスの青空の下に立つ自分に、こう言ってやりたい気持ちにあふれる。「お前は奇跡の中にいるんだぞ」と。お前は日々、奇跡の上に立っているんだぞ。だからこそ、こんなに空は青く、風は清らかなんだぞ、と。」
コロナ禍があったからこそ、我々は、旅のできる日常が当たり前のものではないことを知った。そうした意味で、貴重な体験だったとも言えるのだが、今はただ、一日も早く、心置きなく旅ができる日々が戻ってくることを祈るばかりである。
(2021年4月了) -
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こちら
短編集だと
知らずに読んでいて
3作目に入って
ん?
いつ前の話しに戻るん?
って真剣に思っていた
バカ←
てっきり
最後は話し繋がるもんだと
ばかり笑
なる程ね
だから犯罪小説集
映画も
この中の2作を
映像化したのね
青田Y字路
だけの小説で
映画だと思っていた
"人はなせ、
殺めるのか''
表紙も見ず
帯も見ずに読むもんで
このキャッチコピー
読んだ後に
目にして
心に響く
短編集だから
重い事件が短く
まとめられていて
(そこが凄いのだけど)
もっと
読みたい!
と思ってしまった
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Posted by ブクログ
吉田修一(1968年~)氏は、長崎市生まれ、法大経営学部卒の小説家。芥川龍之介賞(2002年/『パーク・ライフ』)のほか、山本周五郎賞、大佛次郎賞、柴田錬三郎賞等の文学賞を受賞している。
本書は、初出はANAの機内誌「翼の王国」への2012年10月号~2016年10月号の連載(25篇)で、2017年に単行本で出版、2021年に文庫化された。また、作者の「翼の王国」への連載は2007年4月から始まり、これまで『あの空の下で』、『空の冒険』、『作家と一日』の3冊が出版・文庫化されており、本書は4冊目になる。(5冊目の『最後に手にしたいもの』も2021年2月に文庫化予定)
私は、既刊の3冊も所有しているが、実は本棚の片隅で積読状態である。というのは、2019年に、ビジネスの関係で海外の短距離フライトに乗る機会が急激に増え、その時に読もうと思って、2019年末に3冊まとめ買いしたのだ(短距離便には個人モニターが付いていないため、とにかく退屈である)が、昨年1年はコロナ禍のため全く飛行機に乗る機会が無くなってしまったのだ。
本書は、帯に書かれた「今年こそは旅に出たい!まずは“読む旅”をお楽しみください」というフレーズを見て我慢ができず、思わず自宅で読んでしまったのだが、体の移動の自粛が続く中で、心は(わずかながらも)軽くなったように思う。
作者は「文庫版あとがき」でこんなことを書いている。「基本的に旅情をテーマとしたエッセイであるから、旅先のスケッチが多い。・・・そこには人や場所との出会いがあり、人や場所の匂いがあり、人や場所の声が聞こえ、人や場所の手触りがある。そして今回、なによりも驚かされたのが、そうやって日々の旅を続ける自分自身が、この旅が続くことに、なんの疑いも持っていないことであった。今回、改めて一編一編のエッセイを読み返しながら、台北や博多の屋台にいる自分や、沖縄やスイスの青空の下に立つ自分に、こう言ってやりたい気持ちにあふれる。「お前は奇跡の中にいるんだぞ」と。お前は日々、奇跡の上に立っているんだぞ。だからこそ、こんなに空は青く、風は清らかなんだぞ、と。」
コロナ禍があったからこそ、我々は、旅のできる日常が当たり前のものではないことを知った。そうした意味で、貴重な体験だったとも言えるのだが、今はただ、一日も早く、心置きなく旅ができる日々が戻ってくることを祈るばかりである。
(2021年1月了)
(2021年1月了)