吉田修一のレビュー一覧

  • 泣きたくなるような青空

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    朝の種類
    (P81より)
    朝の歌舞伎町というのはどこかぽかんと気が抜けている。
    街全体が大欠伸をしているような感じで、
    どういう思考の流れからなのかは自分でも説明できないが、「なんか人間っていいなー」と素直に思える。

    浪速の従姉妹漫才
    (P142より)
    こうやって大阪の親戚たちと会った時というのは、
    その代わりに誰かを亡くした時でもある。
    祖母、伯母、伯父・・・。
    そんな時、彼女たちといると、人間というのは可笑しいから笑うのではなく、
    悲しい時にも笑うことがあると教えられる。
    いや、本来、笑いというものが人生の可笑しみからではなく、悲しみの底から立ち上がろうとして生まれたものではないのかとさ

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    2018年04月19日
  • 最後に手にしたいもの

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    ネタバレ

    好きだ!
    (P105より)
    ぜひ自分が好きなものを「好きだ!」と堂々と口にしてみてほしい。
    大切なものを、「大切だ!」と叫んでみてほしい。
    新しい一年が始まる四月でもあることだし。

    (P106より)
    望みを手にするために、誰かの承認を求める必要なんてない。
    誰かを羨んだりせず、今の自分自身に満足する。
    ユニークで、レアで、大胆な自分自身に。

    『怒り』完成 
    (P167より)
    (映画『怒り』の話)今回、この映画のポスターを、
    篠山紀信さんが担当されている。
    森山未來さん、宮﨑あおいさん、妻夫木聡さんの三人は、笑っているように見えなくもない。
    だが、その顔をじっと見つめているうちに、
    泣いてい

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    2018年04月19日
  • 愛に乱暴(上)(新潮文庫)

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    続きは下巻へ。(←あたりまえか)

    しかし、この薄さで上下巻。
    あえてここでパカッと分けたい意図があるのかな?

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    2018年02月26日
  • 平成猿蟹合戦図

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    タイトルとか表紙の絵とかなんかグッと来なくて、まったく期待しないで読んだ。
    けっこうな長編だし挫折しないで最後まで読めるかなー?なんて思いながら読み始めたら、、もうめちゃくちゃおもしろかった!!
    登場人物全員のキャラが立ってて、方言混じりの心の声もイイ感じのアクセントになってて楽しく読めた。(個人的には美姫ママが好き。)
    最初はバラバラだったパズルのピースがどんどんはまっていく感じで読んでて気持ち良かったー。
    人生いろいろ、すっごいサクセスストーリーでした。
    サワおばあちゃん、かわいすぎ。


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    2018年02月23日
  • 愛に乱暴(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    上手いなあ。日常を表現するのが上手いよね。その中に、少しずつ交わってくる非日常。吉田修一の真骨頂では。

    登場人物の誰も好感をもてなかったのだけど、、。桃子の気持ちも分かるようで分からなかったり、真守も同。
    距離の近い人より少しい遠い人のさりげない一言で救われるのか。

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    2018年02月21日
  • 愛に乱暴(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    真守、このクソ野郎が!!
    読んでる間中イライラして、こいつへの怒りで
    ページを捲る手が止まらず超速で読んだ。

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    2018年02月06日
  • 長崎乱楽坂

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    ネタバレ

    長崎出身の吉田修一さんの描き出す長崎という場所は、なんとも魅力的な土地ですね。これぞ、ある意味、土着的、ということか。自分の中では「悪人」と、この「長崎乱楽坂」は、長崎という場所の魅力をしっかりと描いた小説、ということで、とても好きです。

    最後の「悠太と離れの男たち」の章で、東京から、おばあちゃんの法事で長崎に帰省した悠太が、映画の撮影している風景を見かけるやないですか。で、「映画でみる長崎は、ちょっと、よそよそしいよなあ」みたいな感想を、心の中で思うやないですか。あれとか、すっごく好きですね。吉田さんも、自分のまさに生活していた「リアルな」長崎と、映画で見る長崎と、「なーんか、ちゃうよなあ

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    2018年02月04日
  • 日曜日たち

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    吉田修一さんの本は8冊目。

    表紙には連作短編集と書かれていますが、連作の意味がじわじわとわかってきます。
    後半になればなるほど、じわじわ良い感じ。
    特に、最後の表題作でもある「日曜日たち」はホロリとします。
    『日なた』や『7月24日通り』と同様の読み心地。
    吉田さんのこういう感じの本、好みです。

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    2018年01月30日
  • 愛に乱暴(上)(新潮文庫)

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    いまのところ夫の不倫話だが、このまま不倫話で終わるのか、それとも何かが起こるのか。
    吉田修一だし....と何かを期待している自分がいる(笑)
    とにかく気になるので下巻へGO!

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    2018年01月11日
  • 日曜日たち

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    内容(「BOOK」データベースより)
    ありふれた「日曜日」。だが、5人の若者にとっては、特別な日曜日だった。都会の喧騒と鬱屈した毎日のなかで、疲れながら、もがきながらも生きていく男女の姿を描いた5つのストーリー。そしてそれぞれの過去をつなぐ不思議な小学生の兄弟。ふたりに秘められた真実とは。絡みあい交錯しあう、連作短編集の傑作。

    短編より連作の方が集中力が途切れなくて好きです。どの話も風合いが違っていて硬軟取り揃えた中で、同じ差し色として小学生の幼気な2人が出てくるのですが、その存在感が絶妙。皆悩みが有って自分の事ばかり考えているようでいて、少年たちが気になってしまうあたりでとても親近感が沸

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    2017年12月05日
  • 最後に手にしたいもの

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    読むと旅行に行きたくなる。
    旅のお供にも最適で、どういう風に楽しめば「のんびりと旅ができるか」の参考にんあると思う。

    個人的には台湾に行きたくなった。

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    2017年11月01日
  • 日曜日たち

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    最後の「日曜日たち」とくによかったです。
    数年後の偶然の再会で、東京に住むお互いの顔を見る。
    ことばは少なくても、ちゃんと気持ちが伝わってくるような描写が素敵でした。

    ◻︎

    この子たち、たったのふたりで、それもこの東京で、自分さえどうにもならなかったこの街で、いったい誰が、何をしてくれるというのか。

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    2017年07月02日
  • 日曜日たち

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    ネタバレ

    とびきり幸せでも、とびきり不幸でもない普通の男と女たちの何気ない日常を切り取った5つの短編。
    5つの短編の主人公それぞれの人生は交差しないものの、すべての物語に、九州から家出してきた小学生の兄弟がかかわり最後に掲載された表題作へと連なっていく。
    それぞれの物語を味わいながらも、兄弟の行く末が気になる。
    そして、ラストでは心が温かいもので満たされ、この作品の本当の主人公はこの兄弟だったのでは…と思う。
    吉田さんらしい、冷めた目線に隠れた他者への温かさが心地よい。特に、「日曜日の新郎たち」は秀逸。
    みんな頑張って生きている。みんな、幸せになって欲しい。そんなことを素直に思えた作品だった。

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    2017年06月15日
  • 日曜日たち

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    連作短篇集。これは大変面白かった。
    それぞれの主人公が抱える想いも、短篇集ならではの切なさを感じさせる。どんな人にも必ず自分の人生に対する想いがあるのだと感じさせる。そしてその主人公が出会う兄弟。少しずつこの兄弟に関する話が繋がっていき、最後の主人公との関わりの中で彼らの話も結末を迎える。
    あの兄弟の未来が明るいものであるのだろうと、希望を持たせる終わり方だったのは良かった。

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    2021年08月03日
  • 春、バーニーズで

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    最後の息子の主人公のその後。ぬるい考えの主人公にちょっとイライラ。大人になりきれない人って、回りの人がほっておけないのかなぁ?
    WOWOW ドラマで見たときは好きな内容に感じたんだけど、小説では、なんか主人公に共感できなかった。

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    2017年03月21日
  • ランドマーク

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    ねじれた建造物で、人が崩壊していくって発想がすごい。無機質なものに囲まれていると、人が壊れていくのもわかる。人の心があっての、デザインだからね。暖かいものの中で暮らしたいよね。

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    2017年03月19日
  • 女たちは二度遊ぶ

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    登場人物に関しては、だれも友達になりたくはない人ばかり(笑)出来れば避けて通りたい人たち。
    だけど、不思議ともっと知りたくなる。

    大恋愛をしたわけではない、運命の人と思える相手でもない。それなのに、本当にふとした瞬間、どんな思い出があって、どんな言葉を交わして、どんな印象があるのかを思いだす。
    普段は思い出せないけど、ふと同じ匂いがしたときに当時のことが鮮明に思い出せる香りみたいな。
    自分の人生に何か大きな影響を与えた訳ではない、未練があるわけでもない、それなのに綺麗に忘れられず、思い出せば一日中彼女で頭がいっぱいになるような。

    私は、忘れられない人がいるだろうか。
    誰かにとって忘れられな

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    2016年10月03日
  • 熱帯魚

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    いってしまえばどの主人公も自立のできないダメ男なのだが、純粋でクリアな感覚を持っているので嫌悪感がわかない。わざと自分から目を背けている感じが伝わるからかも。
    なんだか表紙で損してる気がする。もっと軽い明るい感じの方があっているのでは。珍しくカバーが気になってしまった。

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    2016年09月30日
  • 平成猿蟹合戦図

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    BOOK」データベースより)
    新宿で起きた轢き逃げ事件。平凡な暮らしを踏みにじった者たちへの復讐が、すべての始まりだった。長崎から上京した子連れのホステス、事件現場を目撃するバーテン、冴えないホスト、政治家の秘書を志す女、世界的なチェロ奏者、韓国クラブのママ、無実の罪をかぶる元教員の娘、秋田県大館に一人住む老婆…心優しき八人の主人公が、少しの勇気と信じる力で、この国の未来を変える“戦い”に挑んでゆく。希望の見えない現在に一条の光をあてる傑作長編小説。

    勧善懲悪のような話かと思いきや、復讐するような流れでは無く、脇道に逸れて畜生道に落ちそうな面子が、お互いに手を差し伸べあって、陽の当たる道を歩

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    2016年08月12日
  • 平成猿蟹合戦図

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    九州の過疎の島から東京に出てきた若夫婦、歌舞伎町で働くホステスママとバーテンダー、有名なチェロ奏者とそのマネージャー、さらにチェロ奏者の兄家族。何の関係もない彼らがひき逃げ事件をきっかけに協力し合い、東北での国政選挙に挑む。カニがウスやハチ、フンの協力を得て、にくきサルに戦いを挑むようにそれぞれの長所を接点に団結する、これぞ現代の猿蟹合戦。

    人を騙す奴は悪い奴で、騙された者の復讐を受ける。そんなわかりやすい世の中が描かれるユートピア小説。

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    2016年06月21日