吉田修一のレビュー一覧

  • 怒り (上)

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    三つの場所のストーリーがどれも力強い。それぞれ不条理の中でもがきながら生き、身元不詳の男に対して心を開いていく過程の描写が飽きさせない。下巻が楽しみ。

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    2024年06月25日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    ネタバレ

    吉田修一を誰かに薦めるとしたら、私はこの本は選びません。もっと面白く、大好きな作品がたくさんありますので...。

    なぜそうなった?や、結局なんだった?といった疑問がほとんど解決されないので、読後、あの話はなんだったんだろうというエピソードがいくつも残ります。
    さらに、共感できる人物もいないので...なんか全員気味悪いなぁ、と感じてしまいました。
    主人公2人の支配・被支配の描写や(それが途中で逆転しているように見えるところも)、旧満州での話など、引き込まれるところもありましたが、結局なんだった?と思う終わり方です。

    「どうせ死ぬのだから、何をしてもいい」と人間を非道な実験に利用して虐殺してい

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    2024年06月23日
  • 永遠と横道世之介 上

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    ネタバレ

    横道世之介の第三弾。

    15年前の第一作目が大学生、5年前の第二作目が24歳だったので、30前後を描くと思っていましたが、晩年が描かれるようです。
    内容は前二作同様、世之介がいいやつで世間にほんろうされつつも日常が営まれるという感じです。
    下巻の最後では突然の喪失感に号泣しちゃうのかな・・・。

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    2024年06月10日
  • パーク・ライフ

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     表題の「パーク・ライフ」と「flowers」を収録。吉田修一の作品は初めて読むが、他の作品は「パーク・ライフ」みたいなのか、それとも「flowers」みたいなのか、もっと読んでみないと分からない。
     大きく劇的な展開はなく何処か淡い色彩感で全体を描いたような作品と思えたが、あえてそういう風な設定にしたのであろう。
     主人公の日比谷公園でのことの方より、大学先輩夫婦から頼まれて過ごしているマンションの方がよくよく考えたらおかしくあり、どこか物憂げさのない儚げさが作品全体通して見え隠れする。   
     しかし名前の知らない(あえて聞かない)女性と、ふとしたことから出会い、公園で所謂逢瀬とまでは行か

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    2024年05月31日
  • 犯罪小説集

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    5話。どの話も以前、世間を賑わせたような事件を彷彿させる。
    踏みとどまるチャンスは何度もあったのに、悲しいかな抗えぬ人間の業によって落ちていく主人公たち。
    この主人公たちから学ぶ点があるとしたら、自分を常に客観視すること、欲望に身を任せない、他人に依存せず自力で道を歩く根性が必要、ってことかな。

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    2024年05月22日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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     一体何を読まされていたのか。その手の性癖を持つ人が読めば共感できるのだろうか。佳代の心情を読んでいると、自ら望んで圭介の元へ行っているが、強要と合意の境界線は非常に曖昧で他者からは判断できないように思う。マジョリティの感覚で言うと、圭介のような警官は到底容認できない。731部隊などは確かに端折っても良かったような気はするが、琵琶湖やハルビンの湖など「湖」に囚われた人たちの澱んだ物語だったと解釈すればいいのか。吉田さんの作品らしく、重苦しくじめっとした湿気と水分を始終感じられる文章だった。

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    2024年05月18日
  • 素晴らしき世界 ~もう一度旅へ

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    吉田修一さんのエッセイは面白い。
    猫ちゃんたちの様子もよくわかるし、【悪人】や【国宝】のようなハードな小説を書く方とは思えないほど、柔らかなエッセイ。
    次も楽しみ

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    2024年05月12日
  • 永遠と横道世之介 上

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    幸せな気持ちになれるなー。ドーミーの大福さん、あけみちゃん、室田さん、ブータンからきたタシさん、程よいスパイスの一歩くん、そんなに好きな人が現れてたんだ、二千花さん。おいしそうな食事。今回は、周辺の人の未来ではなく過去も織り交ぜられてる。

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    2024年05月09日
  • 逃亡小説集

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    2024.05.06
    良いの作品もあったが、なんだろうこれはという浅いものを感じるものもあり、珠玉の作品集とまではいえない。

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    2024年05月06日
  • おかえり横道世之介

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    横道世之介続編。
    世之介がどういう結末を迎えるか、今回は最初から知った上で物語を辿っていくことになる。この経験が世之介を形作ってラストに繋がるのかな、とか考えながらの読書で、世之介のささやかな成長を素直に喜べなかったり‥。

    社会人編?ということでエピソードは素朴さを残しつつ、考えさせられる要素が増えた気がします。

    次が完結編かな?世之介の軌跡をキチンと見届けたいと思います。

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    2024年04月28日
  • パーク・ライフ

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    生徒が「ビブリオバトルで紹介してみたい」と言ってきたので読んでみました。
    『悪人』や『横道世之介』で有名な著者が、デビューから数年たったころに書いて芥川賞を受賞した作品です。

    文章はきれいで、(こう言っては失礼ですが)芥川賞作品としては読みやすい方だと思います。描かれている情景も、主人公の心情も違和感なく読んでゆくことができます。
    ただ、読後感としては「で、だからなに?」という印象が強く、私の中では印象深い読書体験にはなりませんでした。

    生徒がどのような紹介を考えているのか、聞いてみるのが楽しみでもあります。

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    2024年04月22日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    三分の一までの丁寧さで上下二巻くらいのボリュームで頑張って書いて欲しかった。
    満州の下りあたりから、作者によくある面倒くさい病が現れた様子。

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    2024年04月22日
  • ぼくたちがコロナを知らなかったころ

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    吉田修一のエッセイシリーズを初めて読んだ。
    勝手に抱いていた少し怖そうなイメージ(カバーの顔写真のせい。笑)とは違い、すごく親しみやすくて冒険心あふれるお茶目な人だと知れた。また更に好きになった

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    2024年04月12日
  • 東京湾景(新潮文庫)

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    東京湾の壮大な埋め立て地、わたしも、家具屋さんもあるし、豊洲市場ができれば一度は行ってみる。

    新橋からゆりかもめに乗ると、車窓の景色、タワーマンションの林立、倉庫群、潮溜まり、大規模催事場などが非現実的で、まるで遊園地で乗り物に乗っているような気がするのだ。

    そんな浮遊しているような街にも、ラヴストーリがあるというのが、この小説。聖地になっているのか?

    吉田修一作品は好きなのがあって、このところよく読んでいる。
    『悪人』と『湖の女たち』が特に印象深い。

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    2024年03月29日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    犯人?の動機が少しわかりづらかったけど
    こんな人もいてるんやなぁ ~みたいな感じで読み進めた。
    モヤモヤした終わり方だったなぁ。

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    2024年03月22日
  • 湖の女たち(新潮文庫)

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    幹となる話の結末が恐ろしく思えた。
    介護施設で働く人や警察官は過度のストレスを抱えるからこそ、作中描かれた様な暴挙を行ったのではないかと思う。

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    2024年03月20日
  • 怒り (上)

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    ネタバレ

    主に4人の登場人物の視点から展開されていて、今後事件にどう関わってくるのか。

    上巻の最後で田代が前に働いていたペンション「サザンロッジ」が検索してもでてこないところで終わっており非常に気になる。

    でも個人的には有馬と山神に特徴の共通点が多く怪しいなあとも思ってる。

    下巻が気になります!

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    2024年03月06日
  • パーク・ライフ

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    日常の中でモヤモヤとするけど、そんなに注視するわけでもないぼんやりとした心のささくれを丁寧に綴っていく。何も進まないし、解決しないが、ほのぼのと時間を潰したかのような満ち足りた退屈さがここにはあった。

    ラストにあった「よし決めた」の一言が、爽やかなワサビのような風味を生んでいる。

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    2024年02月18日
  • 女たちは二度遊ぶ

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    男性視点での恋愛?短編集。

    学生主観の話はノスタルジーを感じて良かったが、女性は勿論手に取ってもあまり共感はないし男性も人を選びそうな作品。テンポはすごく良い。

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    2024年02月01日
  • パーク・ライフ

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    芥川賞を受賞作ということで読んでみた。短い本だったので、これをもってこの読者を評するのはフェアではないとは思うが、読んだ限りよくも悪くもないといった印象。読みやすい文体かつ比喩表現のテクニックも高いが、心動くシーンは少なかったかな。

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    2024年01月28日