吉田修一のレビュー一覧
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80年代の大学生、こんな感じだったなぁ。サークル活動、学祭、バイト、たまに勉強、友人アパートに泊まったり、と懐かしい。
長崎から東京の大学に出て来た横道世之介の1年間の物語。この1年間で出会った友人や恋人達の、凡そ20年後の姿のパートが途中差し込まれる。そこの彼等の中の世之介は、その後の彼等に大きな影響を与えているとか、強く記憶に残っている、とかいう事は全くなく、そう言えばそんな奴いたよな、程度の存在なのが、どこか物悲しくも、実際はそんなもの、長い人生の中での人との出会い、関わりなんてそんなもの、という無常感に浸った読後感だったが、全体に楽しく読めた。 -
Posted by ブクログ
芥川賞を受賞した吉田修一さんの作品。
「パーク・ライフ」
「flowers」
「パーク・ライフ」
うーん……。
なんと言えばいいのかしら?
優しい小説?
主人公の暮らしの中で起こったことを、淡々と説明してくれるの。結構具体的に…。
「えっ!そんなことあったの?」
でもなく…
「へぇ〜」とか「ふーーん」とか、たまにクスッとしたりして…みたいな…何にも起こらないお話。
わたしは嫌いじゃないけど。
あっ!そうだ!
弟の話をビール飲みながら、お菓子食べながら聞く感じが近いかも。
何にも起こらないんだけどね……。
「…………っで?」って感じ。弟だしね!!
ただ……
「flowers」こっちの方 -
Posted by ブクログ
ネタバレ6月の梅雨のじめじめした雰囲気に何ともまあピッタリ!タイミング加点あり。
湖という、海や川のように流れていくわけでもなく、ただそこにずっとある変わらないその鬱々しさと美しさが、二つの湖と惹きつける人たちを繋げた物語。
老人介護施設、警察、記者、家族でてくるどのコミュニティもなんだか湖と同じ、陰気臭く波も全て飲み込一方で、包み込む受け入れる性質も持っていた。
そんな湖の中の物語で唯一飛び立つ鳥のように、湖から出ようともがいた、もしくは湖の魚を捕獲する鳥のように、そんな陰湿さを壊そうとしたのが野鳥が好きなあの子だったなと思ってしまう。
そしてこの小説自体も中盤までじめじめと何も起こっていないけ