吉田修一のレビュー一覧

  • 初恋温泉

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    彼は一人坊っちになった。己れに足りて人に待つ事なき呑気な一人坊っちではない。同情に餓え、人間に渇して遣瀬なき一人坊っちである。中野君は病気と云う。われも病気と思う。

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    2017年10月14日
  • 春、バーニーズで

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    最後の息子の続編とは知らず(忘れてた)
    だいぶブランクが……

    そうか、彼は相変わらずだったんだなぁ。
    あれもこれもってすぐに飽きちゃう。
    じっとしていられないというか。

    楽園はぞっとした。
    きっと彼女はヨットに乗っているだろうよ。

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    2017年04月28日
  • 日曜日たち

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    こういう地味で苦味があってでも涙がきらっと光るような希望がある話は大好きだ。
    「日曜日の新郎たち」が特に好きである。
    健吾と幸喜ののんびりした会話など特に。

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    2017年04月13日
  • 女たちは二度遊ぶ

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    様々な女性との出会いとわかれを描いた短編集。一つ一つがもう少し長くてもよいかなと思う。こんな人もいたなー的な書き方がさらっとしている。

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    2017年02月21日
  • 平成猿蟹合戦図

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    ネタバレ

    キョンキョンが書評を書いていて、面白そうで読んでみた。猿蟹合戦という題名から最後の終わり方が気になったのと、登場人物がそれぞれ魅力的だった(サワおばあちゃんと美姫が好き)のとで、読み進められたけど、ちょっと長かったかな。ページをめくる指が止まらないってなったのは後半100ページくらいだった。もう少し短くかけたのではという気も…。
    後味はよい本だけど、個人的には毒がもう少し欲しい。
    吉田修一は2作目。パレードのほうが好きだな。

    読んだ後、キョンキョンの書評、なんて書いてあったんだったっけと思って、読み直したら、自分が気になったセリフをキョンキョンも書いてあって嬉しかった。

    好きなシーン
    サワ

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    2017年02月18日
  • 熱帯魚

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    表題作、ほか3編。いずれも、幼稚で身勝手な若い男性が主人公。

    一見普通に見えて、じつは心の奥底に凶器を隠し持っているような、精神的に不安定な男たちを主人公にするのがうまい、といつも思う。おそらくは肉親の愛情だろうけれど、彼らには大事な何かが欠落しているため、ふとした瞬間に突然牙をむき、破壊的になる。当人は無自覚なのだろうが、破滅願望すらうかがえる。
    だから、周囲の人間、とくに側にいる女たちはいつも振り回され傷つけられることになるため、読後感もよくはない。設定こそ違うけれど、3編に共通するこういう種類の男には、近づかないに限る。

    最近は、わかりやすいストーリー性のある作品も増えてきたが、初期

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    2017年01月20日
  • 7月24日通り

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    わかるようで、わからない話だった。自分で外国の名前を付けていることに後の方で気づいた。なんか説明がないとわからない。でも、それが狙いなんだろうなぁ。

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    2016年12月24日
  • あの空の下で

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    ANAの機内誌の連載をまとめた本。
    機内誌らしくそれぞれ飛行機や旅行などに関連したテーマ。
    とりたててぐっとくる物語の中はないが、飛行機にのってどこかに行きたくなる。

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    2016年12月17日
  • 女たちは二度遊ぶ

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    定職に就かず借金でパチンコ打ったり、生活や女にだらしがない残念な男性像ばかり。そんな男に依存して甘えたり尽くしたり、自立できない女性像ばかり。…と書くと本当に下らない小説に見えてくるけれど、これが案外面白いのです。昭和感満載な懐かしい情景に、自由すぎる若い男女が妙に似合う不思議。こんな不安定な人間たちなのに悲壮感が漂わないのは、全体的に過去を振り返るような書き方だからでしょうか。確かにそんな怠惰な時代があったけど、今はまぁそこそこちゃんとやってますから大丈夫ですよ、的な。面白いです。

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    2016年12月06日
  • 熱帯魚

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    誰からも必要とされていたい、頼られたい、好かれたい

    そういう大輔の気持ちが、ぐるぐる渦巻いて
    加速して溢れ出て周りを巻き込んで一人になってしまう様が、悲しかった。

    プールの底に沈んだ100円ライター。やるせない。

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    2016年11月22日
  • 春、バーニーズで

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    『最後の息子』の主人公のその後を描いた短編集。
    ヒモ状態で同棲していたオカマバーのママを裏切り、部屋を飛び出した主人公は、子持ち女性と結婚して父親になっていた。

    偶然オカマのママと再開する最初の一編は、とくに切ない。
    一見まともな社会人生活を送っているようだが、やはり主人公の本質は変わっていない。まともな生活は息苦しく、いつも逃げ道を探している。相手の女性は出来すぎで、ダメ男を増長させる。でも、しっかり者ほどそういう男に頼られて、また惹かれてしまうんだろうな。どう考えても、幸せになれるとは思えないのに。

    最近、読み終えるそばから次の本を開いてしまい、レビューを何冊分か溜め込む状態が続いてい

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    2016年11月11日
  • 熱帯魚

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    吉田修一の描く男をみていると なぜか ささくれ立つ。
    なんとも言えないほどの頼りなさ。
    そして、自分中心なのだ。それに愛想を尽かすオンナ。
    いつの間にか ドロドロの関係になって、すすめなくなり
    結果として 別れるしかないみたいだ。
    この三つの短編も、底流は 似ている。

    「熱帯魚」
    大工さん。大輔。ある程度任せられるけど、任せきれないところがある。
    吉田修一の男主人公としては、めずらしく 高給取り。
    大工さんに、ボーナスで プーケットに4人が行けるほど出るのだろうか?
    大輔は、ちょっと、おせっかい。『オレについてこい』系。
    大家は 時先生で いつもむつかしいことを考えている先生。
    歳をとってい

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    2016年10月10日
  • 女たちは二度遊ぶ

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    11人のオンナの デッサン。
    そのオンナの断面を切り取る うまさがある。
    それなりに、存在感がある。
    そのオンナたちを見ているオトコの
    不確かさ。不安定性が 目につく。
    下流のオトコたち。

    『どしゃぶりの女』
    頼りないオトコなのに、オンナを試す。
    何もしないオンナが、食事を待っている。
    だから、待っているのを どれだけ待てるか 試す。
    この こころ意地の悪さ。
    それでいなくなった。
    それは、オンナではなく ペットの猫の扱い。

    『殺したい女』
    あかねにつきあい、居着いてしまうあかねの工場。
    母親が蒸発し、娘 あかねも蒸発してしまう。
    お母さんのところにいったんだ。
    それで納得する オトコたち

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    2016年10月07日
  • 女たちは二度遊ぶ

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    短編で引き込まれるものとそうでないものがあった。
    掘り下げて読んでいきたいないようもあり。

    個人的には長編の方が好きみたいです。

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    2016年09月20日
  • 日曜日たち

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    吉田修一の初読み。
    映画化された「悪人」の原作者だったなぁ、という程度のy予備知識のみで。


    連作短編。
    まあまあ面白かったかと。
    共通して出てきていた“小学生の兄弟”のハナシがすっきりとまとまったという点は、好印象♪

    2編目のヒロインの最後の台詞だけ……意味が分からなかった(苦笑)。

    とりあえず、あらすじ見て面白そうだと思えるのがあれば、長編も読んでみようかとは思えた。



    ★3つ、7ポイント半。
    2016.08.07.古。

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    2017年12月05日
  • ランドマーク

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     生きているひとは、
    皆、
    どこか捻れていて、
    どこか不安定だ。

    隣の誰かが
    何を考えているかなんて
    知るよしもなく、
    それでも
    わかった気になって
    日々を過ごしている。

    捻れた日々の中で。

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    2016年08月02日
  • 長崎乱楽坂

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    吉田修一や石田衣良は若者の風俗を描いて支持を得たような印象があるのですが、そういう作家さん胡散臭くて結構嫌い。吉田修一もパレードが面白かったにも関わらず、結構胡散臭げに見ていてあまり読まなかったのだけれど、去年読んだ「さよなら渓谷」で見直したのです。
    さて、この本は多分昭和30年代位のやくざの家系の家で育った少年が大人になる道すがらを描いた連作長編で、予想通りろくな大人になって行かない姿がつらつらと書かれています。性的な描写も結構有りますが、個々の章が全て寸止めなので、すっきりしたいエンタメ好きの人には物足りないかも(僕がそうです)。でもそういうワカモノガーみたいな変なおもねりはなく、淡々とど

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    2016年05月18日
  • 女たちは二度遊ぶ

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    ネタバレ

    男目線の恋愛小説。
    ーーー
    電車で遭遇した目を見張るように美しい女。電話ボックスで見かけた甘い香りを残した女。職場で一緒に働く世間に馴染めない女。友人の紹介でなんとなく付き合った怠惰な女。嬉しくても悲しくてもよく泣く女。居酒屋から連れ帰った泥酔する女。バイト先で知り合った芸能界志望の女。そして、中学の時に初めて淡い恋心を抱いた女……。人生の中で繰り返す、出会いと別れ。ときに苦く、哀しい現代の男女をリアルに描く短編集。

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    2016年05月18日
  • 春、バーニーズで

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    あの時、こちらの道を選んでいたら…。

    どちらが正解という事でなく、後悔するわけでもないけれど、ふと考える瞬間。
    特に明確な理由など、これといってないけれど、しばし逃避が必要なのだと、筒井の行動を見て、ぽわんと考えた。

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    2016年05月06日
  • 女たちは二度遊ぶ

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    ”出会わなかったような出会いをした女たち”との短編集。


    数年後に「あんなこともあったな・・・あの子どうしてるかな」ってふと思い出すような出会いをした女の子との思い出って朧儚くてどこか美しい。

    吉田修一って20代ないしは30代前半だと思ってた。
    感性が若い、というのか、共感しやすい。

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    2016年04月12日