吉田修一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
個人的にはダメでした。
ですから気に入らない方はこの先は読まないで下さい。
物語の前半は原作(森鴎外)に沿った形で進みます。変更点も有るのでしょうが、少なくとも粗筋や雰囲気はそのままです。ところが後半に入ると一気に「語り」が走り始めます。舞台も時空を飛び越えて、とはいえ勧善懲悪的な大筋は変更なく。
この「語り」をどう評価するか。「疾走感」「名調子」と肯定評価する人が多いのですが、私はついて行けず。そうなると「空回り」。走ってる感じは判りますが、刹那に走り去って残らないのです。もっとも文章そのものは流石で、ちゃんと読ませてはくれるのですが。
ま、私の好みの問題でもあるのでしょう、森見登美彦さん -
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Posted by ブクログ
吉田修一さんの本は、理由はわからないけどつい惹かれて読んでしまい、すとんとその世界に入れるものと、やっぱり自分とは合わないな、と思ってしまうものと両方ある。(それなのに読みたくなるのが不思議。)
今回は残念ながら後者で、それはおそらく「女たちは二度遊ぶ」と同じく、男性のダメっぷりが目立ちすぎてしまったからだと思う。わたしは閻魔ちゃんのように母性もなく、心広くもないので、ダメ男性に対して許しの気持ちをもてず、ただイライラや不潔感のみを覚えてしまう。
「Water」だけは違った。一見ダメ男子ばかりにみえるけれど、水泳に全力を注いでいる高校生たち。泳げないのに水泳部に入った後輩を励まし、友の記録更新