吉田修一のレビュー一覧

  • 女たちは二度遊ぶ

    Posted by ブクログ

    様々な女性との出会いとわかれを描いた短編集。一つ一つがもう少し長くてもよいかなと思う。こんな人もいたなー的な書き方がさらっとしている。

    0
    2017年02月21日
  • 熱帯魚

    Posted by ブクログ

    表題作、ほか3編。いずれも、幼稚で身勝手な若い男性が主人公。

    一見普通に見えて、じつは心の奥底に凶器を隠し持っているような、精神的に不安定な男たちを主人公にするのがうまい、といつも思う。おそらくは肉親の愛情だろうけれど、彼らには大事な何かが欠落しているため、ふとした瞬間に突然牙をむき、破壊的になる。当人は無自覚なのだろうが、破滅願望すらうかがえる。
    だから、周囲の人間、とくに側にいる女たちはいつも振り回され傷つけられることになるため、読後感もよくはない。設定こそ違うけれど、3編に共通するこういう種類の男には、近づかないに限る。

    最近は、わかりやすいストーリー性のある作品も増えてきたが、初期の頃はなるほど芥川賞作家、という雰囲気のものが多い。これもそんな1冊。
    今年から芥川賞の選考委員にもなり、ベテラン感も増している。今後も不条理で重みのある作品を楽しみにしたい。

    0
    2017年01月20日
  • 7月24日通り

    Posted by ブクログ

    わかるようで、わからない話だった。自分で外国の名前を付けていることに後の方で気づいた。なんか説明がないとわからない。でも、それが狙いなんだろうなぁ。

    0
    2016年12月24日
  • あの空の下で

    Posted by ブクログ

    ANAの機内誌の連載をまとめた本。
    機内誌らしくそれぞれ飛行機や旅行などに関連したテーマ。
    とりたててぐっとくる物語の中はないが、飛行機にのってどこかに行きたくなる。

    0
    2016年12月17日
  • 女たちは二度遊ぶ

    Posted by ブクログ

    定職に就かず借金でパチンコ打ったり、生活や女にだらしがない残念な男性像ばかり。そんな男に依存して甘えたり尽くしたり、自立できない女性像ばかり。…と書くと本当に下らない小説に見えてくるけれど、これが案外面白いのです。昭和感満載な懐かしい情景に、自由すぎる若い男女が妙に似合う不思議。こんな不安定な人間たちなのに悲壮感が漂わないのは、全体的に過去を振り返るような書き方だからでしょうか。確かにそんな怠惰な時代があったけど、今はまぁそこそこちゃんとやってますから大丈夫ですよ、的な。面白いです。

    0
    2016年12月06日
  • 熱帯魚

    Posted by ブクログ

    誰からも必要とされていたい、頼られたい、好かれたい

    そういう大輔の気持ちが、ぐるぐる渦巻いて
    加速して溢れ出て周りを巻き込んで一人になってしまう様が、悲しかった。

    プールの底に沈んだ100円ライター。やるせない。

    0
    2016年11月22日
  • 春、バーニーズで

    Posted by ブクログ

    『最後の息子』の主人公のその後を描いた短編集。
    ヒモ状態で同棲していたオカマバーのママを裏切り、部屋を飛び出した主人公は、子持ち女性と結婚して父親になっていた。

    偶然オカマのママと再開する最初の一編は、とくに切ない。
    一見まともな社会人生活を送っているようだが、やはり主人公の本質は変わっていない。まともな生活は息苦しく、いつも逃げ道を探している。相手の女性は出来すぎで、ダメ男を増長させる。でも、しっかり者ほどそういう男に頼られて、また惹かれてしまうんだろうな。どう考えても、幸せになれるとは思えないのに。

    最近、読み終えるそばから次の本を開いてしまい、レビューを何冊分か溜め込む状態が続いている。印象の弱まらないうちに書かねば……。

    0
    2016年11月11日
  • 熱帯魚

    Posted by ブクログ

    吉田修一の描く男をみていると なぜか ささくれ立つ。
    なんとも言えないほどの頼りなさ。
    そして、自分中心なのだ。それに愛想を尽かすオンナ。
    いつの間にか ドロドロの関係になって、すすめなくなり
    結果として 別れるしかないみたいだ。
    この三つの短編も、底流は 似ている。

    「熱帯魚」
    大工さん。大輔。ある程度任せられるけど、任せきれないところがある。
    吉田修一の男主人公としては、めずらしく 高給取り。
    大工さんに、ボーナスで プーケットに4人が行けるほど出るのだろうか?
    大輔は、ちょっと、おせっかい。『オレについてこい』系。
    大家は 時先生で いつもむつかしいことを考えている先生。
    歳をとっているが、ちょっとゲイっぽい。
    大家から借りたマンションに、真実とその子供 麦子と一緒に住む。
    真実は 天真爛漫系。何となくイメージがわく。
    大輔の親はつれ子同志の結婚で、義理の弟 光男がいるが、
    これは、箸にも棒にもかからない感じ。吉田修一が好きなタイプ。
    ちょっとのろまで、しかし 羅生門の演劇をしたいと思っている。
    熱帯魚を 見つめて ぶらぶらしていて、熱帯魚の顔のちがいまで分かるようになった。
    光男も 転がり込んで居候となる。
    4人の疑似家族ができ上がる。
    大輔のついてこい系で、まわりは、それをどちらかと言うと 迷惑がっているが、
    気がついているようで、気がつかない。

    その光男が プーケットの代金と真実の貯めた50万円を盗んで 逃げた。
    大輔は 家をつくっている家主の娘14歳とねんごろとなり、ぼやを起こす。
    これは、完全に 淫行条例違反 ですね。ロリコンですまされない。
    大輔は、棟梁に ボコボコにされるだけで、まわりは 簡単に受け止めている。
    普通は クビ でしょう。
    なぜか、読んでいると 気分がささくれ立ってくる。
    余っている エネルギーと その扱い方が分からない青年たち。
    吉田雄一の 男たちは なぜか そのような雰囲気をまとっている。

    「グリンピース」
    僕と千里。鷹野と椿。
    カップル同士のつきあいで、鷹野と椿は マジメ。
    千里は 冗談の分かる女。
    僕は 失業中。千里が すきだけど、どうも気に食わない。
    千里がカレーを作っているときに グリーンピースをぶつけ始める。
    それで、千里が 家出する。そこから 物語は 奇妙になる。
    吉田修一の『どろどろ』が始まる。
    『許す』ことは、分かるが、『許さない』とは どうすればいいのか?
    本来ならば 別れるという方向に行くはずだが、別れないで許さないを考える。
    真っ白な雪が 降って すべてを覆い隠す。

    「突風」
    新田は どうも いい会社に勤めているが、休暇で 海辺の民宿でアルバイト。
    民宿の 奥さん すみれさん。ふわふわと浮かんでいる女。
    それに、ちょっかいを出す 新田。
    吉田修一的ワールド。不安定な状態での不安定な感情。

    0
    2016年10月10日
  • 女たちは二度遊ぶ

    Posted by ブクログ

    11人のオンナの デッサン。
    そのオンナの断面を切り取る うまさがある。
    それなりに、存在感がある。
    そのオンナたちを見ているオトコの
    不確かさ。不安定性が 目につく。
    下流のオトコたち。

    『どしゃぶりの女』
    頼りないオトコなのに、オンナを試す。
    何もしないオンナが、食事を待っている。
    だから、待っているのを どれだけ待てるか 試す。
    この こころ意地の悪さ。
    それでいなくなった。
    それは、オンナではなく ペットの猫の扱い。

    『殺したい女』
    あかねにつきあい、居着いてしまうあかねの工場。
    母親が蒸発し、娘 あかねも蒸発してしまう。
    お母さんのところにいったんだ。
    それで納得する オトコたち。これも、ペットのたぐい。
    ちゃんと、探せよ。

    『自己破産の女』
    まったく、金の管理ができないオトコ。
    女のセイにするなよ。

    『泣く女』
    妊娠させて、堕胎を自分で言えないオトコ。
    友人に言ってもらう。情けない。

    『平日公休の女』
    アパートに残された別れた彼女の荷物といっしょに
    『手切れ金』と書いておくるオトコ。

    『公衆電話の女』
    公衆電話の話を盗み聞きしたと言って
    身体の関係を迫る オトコ。

    『11人めの女』
    別れたいと言われて 首を絞めてしまうオトコ。

    『夢の女』
    きれいだなと思って ストーカーまがいのことをして、
    彼女の家に 男の声がしたからと言って 
    石けんをぶつけるオトコ。

    『CMの女』
    マクラ営業で CMにでることができたのだろうな
    と 推測で 考えながら CMを見るオトコ。

    『ゴシップ記事の女』
    虚偽の履歴書を書いて、就職し、仕事もできずに、
    女に教えてもらう オトコ。

    『最初の妻』
    初恋以前のあわい想い出にしたるオトコ。

    掃いて捨てるような 下流のオトコたち。

    0
    2016年10月07日
  • 女たちは二度遊ぶ

    Posted by ブクログ

    短編で引き込まれるものとそうでないものがあった。
    掘り下げて読んでいきたいないようもあり。

    個人的には長編の方が好きみたいです。

    0
    2016年09月20日
  • 日曜日たち

    Posted by ブクログ

    吉田修一の初読み。
    映画化された「悪人」の原作者だったなぁ、という程度のy予備知識のみで。


    連作短編。
    まあまあ面白かったかと。
    共通して出てきていた“小学生の兄弟”のハナシがすっきりとまとまったという点は、好印象♪

    2編目のヒロインの最後の台詞だけ……意味が分からなかった(苦笑)。

    とりあえず、あらすじ見て面白そうだと思えるのがあれば、長編も読んでみようかとは思えた。



    ★3つ、7ポイント半。
    2016.08.07.古。

    0
    2017年12月05日
  • ランドマーク

    Posted by ブクログ

     生きているひとは、
    皆、
    どこか捻れていて、
    どこか不安定だ。

    隣の誰かが
    何を考えているかなんて
    知るよしもなく、
    それでも
    わかった気になって
    日々を過ごしている。

    捻れた日々の中で。

    0
    2016年08月02日
  • 長崎乱楽坂

    Posted by ブクログ

    吉田修一や石田衣良は若者の風俗を描いて支持を得たような印象があるのですが、そういう作家さん胡散臭くて結構嫌い。吉田修一もパレードが面白かったにも関わらず、結構胡散臭げに見ていてあまり読まなかったのだけれど、去年読んだ「さよなら渓谷」で見直したのです。
    さて、この本は多分昭和30年代位のやくざの家系の家で育った少年が大人になる道すがらを描いた連作長編で、予想通りろくな大人になって行かない姿がつらつらと書かれています。性的な描写も結構有りますが、個々の章が全て寸止めなので、すっきりしたいエンタメ好きの人には物足りないかも(僕がそうです)。でもそういうワカモノガーみたいな変なおもねりはなく、淡々とどうしようもない家庭のどうしようもない道を歩みそうな少年~青年を描いていて結構好印象。読んでいてぐったりはしましたが、そこは評価とは別の個人的な好みの部分になるか。

    0
    2016年05月18日
  • 女たちは二度遊ぶ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    男目線の恋愛小説。
    ーーー
    電車で遭遇した目を見張るように美しい女。電話ボックスで見かけた甘い香りを残した女。職場で一緒に働く世間に馴染めない女。友人の紹介でなんとなく付き合った怠惰な女。嬉しくても悲しくてもよく泣く女。居酒屋から連れ帰った泥酔する女。バイト先で知り合った芸能界志望の女。そして、中学の時に初めて淡い恋心を抱いた女……。人生の中で繰り返す、出会いと別れ。ときに苦く、哀しい現代の男女をリアルに描く短編集。

    0
    2016年05月18日
  • 春、バーニーズで

    Posted by ブクログ

    あの時、こちらの道を選んでいたら…。

    どちらが正解という事でなく、後悔するわけでもないけれど、ふと考える瞬間。
    特に明確な理由など、これといってないけれど、しばし逃避が必要なのだと、筒井の行動を見て、ぽわんと考えた。

    0
    2016年05月06日
  • 女たちは二度遊ぶ

    Posted by ブクログ

    ”出会わなかったような出会いをした女たち”との短編集。


    数年後に「あんなこともあったな・・・あの子どうしてるかな」ってふと思い出すような出会いをした女の子との思い出って朧儚くてどこか美しい。

    吉田修一って20代ないしは30代前半だと思ってた。
    感性が若い、というのか、共感しやすい。

    0
    2016年04月12日
  • 7月24日通り

    Posted by ブクログ

    わかるような、わからないような、懐かしいような。
    間違ってるとわかっているほうに進む。若いっていいなと思いながらサラリと読めました。
    映画化もされてたんですね。本田さんが中谷美紀ってびっくり。
    イケメンの弟に対して「お姉さんもさすがチョー綺麗~!」ってなっちゃうじゃん。亜希子になんて余裕で勝てちゃうじゃん(笑)
    内容が全然違うのかなぁ。

    0
    2016年04月06日
  • 空の冒険

    Posted by ブクログ

    ANA「翼の王国」での連載の第2集。前作「あの空の下で」については、毒にも薬にもならない程度の口当たりのよい短編集という印象だったんだけど、同じはずなのにこの本の作品の何作かには余韻の深さを感じた。機内で読むということは、閉じ込められた何時間かの間に、無目的的に読むことが多くの前提だと思われ、そういうときに短編ならではの「結」がはっきりしない終わり方というのは、なかなかよいものかも。閉じ込められた、空を飛んでいるという若干非日常の間を使って、読後に思いを巡らしたりできる。そういう読み方に合う短編たちという感じ。

    0
    2016年03月06日
  • あの空の下で

    Posted by ブクログ

    ANAの機内誌「翼の王国」に連載されていた短編とエッセイを収録したもの。初出が初出だけにサラッと読める。空の上で読むというイメージと吉田修一のイメージはわりとマッチしているかな。

    0
    2016年03月06日
  • 春、バーニーズで

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    歳を重ねるほど「選ばなかったもう一つの時間」が増えていく。ハンドルを45度切るのも、楽園のベンチを立ってしまうのも、それが自分の選んだ時間軸。挿入されている写真は「きれい」ではないが、その汚さ・硬さ・冷たさのような質感がリアル。

    0
    2016年02月12日