あさのあつこのレビュー一覧
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購入済み
薦められて
某サイトでオススメ作品として紹介されていて、読んでみました。
のってきたところでto be contenudeになりました。
まだまだこれこれから長い長い物語の序章らしく、2巻、3巻と進んでいきたいと思います。 -
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ネタバレ本所深川の長屋で町医者をしている養父を手伝いながら女医を目指している主人公・いち。長崎遊学から帰った実兄も養父の元で医者の修行を続けることになり、自身は長崎帰りの女医・石渡明乃の元で医術を学べることになる。そんな中、おいちがみた患者が失踪、行方をさがしていたが大川に浮かんでいるのが見つかる。他にも突然行方が分らなくなっている人がいることを知り、長崎での不審死との繋がりに行き着く。自身の不思議な能力もあり、事件に関わっていくおいち。その当時、女が外に出て働く、ましてや医者を目指すことの難しさ、今で言う薬の治験、目的を達成する使命は理解できるがやり方を間違えてしまった人の犯した罪。ラストの犯人と
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作者の歴史物を読むのは本作が初めて。期待通りの完成度ではあったが、それを越えてくる衝撃はなかったというのが正直な感想。
同心・信次郎は破天荒で人としてはどうかと思えるが仕事への意欲は高く、頭のキレも良く、見ていて気持ちが良い。語り手の伊佐治も対照的に人がよく正直な人物でこのコンビはワクワクするシーンが多かった。謎解きも序盤の伏線を丁寧に回収し驚きと納得で終盤はあっという間に読み終えるに至った。
ただ、本作のキーパーソンの遠野屋の描かれ方には少し納得がいかない点が多々あった。妻を失い再びダークサイドに落ちかけている中で味方であるはずの同心たちに反抗的な態度なのは分かるが、ミスリードを誘うよう -
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我が家に咲く牡丹は薄桃色と桃色。そして、牡丹から連想するのは楊貴妃。楊貴妃と名付けられた牡丹もあり、少々濃いめの桃色。
死を連想させる紅の花と言えば、私にとっては椿。雪の上に落ちた鮮血は雪の中に咲く寒椿にお似合い。
だからというわけではないが、牡丹という文字を確認しているのに、脳内では椿に変換されていることに気付き、その度に変換し直していました。
前作までと比して、今回はひりひりするような感覚は少なめだったと思います。ちょっと信次郎が普通の人に近くなっていただろうか。決してそういうわけでもないのだろうが、梅屋での捜査会議(?)では「人」っぽかったかな、という印象でした。
終末ではホームズを上回 -
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初出 2019〜20年「文蔵」
「おいち不思議がたり」シリーズ第5作
長屋住まいの町医者松庵の娘おいちは、父の往診中、荷車にはねられた老婆の手当をしたが、後日様子を見に行くと行方不明になっていた。おいちには助けを求める老婆の映像が見えた、目明かしの仙五郎親分の話だと3人の御薦さんも行方不明だという。そして、老婆は毒殺死体で見つかった。
似たような事件は長崎でも起きていた。ちょうどおいちが女医を育てようとする長崎帰りの医師の未亡人が油問屋の「新海屋」の離れで開く塾に入ろうとしており、老女も自分をはねた荷車の「新海屋」へ向かっていたことがわかり、仙五郎とおいちは「新海屋」に乗り込むが監禁され -
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不思議な能力を持った娘おいちが、岡っ引きの仙五朗とともに、江戸の下町で起きた事件を解決するシリーズの第4弾。
今回は、いわくあり気な女性を助けたことにより、その女が産み落とした赤児を巡って、お家騒動に巻き込まれる。
事件解決後、おいちは、女たちのための療養所を作りたいと明かす。
お市の夢が叶うか、今後も見守って行きたい。
本筋ももちろん面白いが、それに加えて毎回楽しませてくれるのが、おいちの父松庵と、おいちの伯母おうた(松庵の姉)との掛け合い。
今回も、おうたが松庵に次々と難癖をつける。
「立て付けの悪い雨戸みたいな顔」
「考えなしの極致の松庵さん」
「潰れた梟みたいなご面相」
「風邪を引いた -
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ネタバレ「白兎」シリーズ、最終巻。生と死の狭間に生きる白兎は、不思議な存在だと認識されてもなお、自然と受け入れられていきます。
結局、思考をさらしてしまうことは野暮だから、彼自身の思いが語られることはなかったんですが、役目についてどう思っているのか知りたかった気持ちはあります。言葉の端々には出てきているけど、歯がゆい思いをしつつも、何故その役目を果たそうとしているのかとか。なぜ少年の姿なのかとか。
> 生きることが希望だと思わないけれど、死もまた救済にはならない
40代にもなると、生まれた意味を問い続ける時間は終わって、ずいぶん前から、生きた証を残していくことに時間を費やすことが必要になり -
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ネタバレ少年の名前が白兎だったので、主人公は騙されて滑稽な感じで終わるのかなと思いましたが、違いました。因幡の白兎ではなかった。
人でないものの扱いが斬新で面白かったです。少しづつ増えていく謎が、いろいろな登場人物の過去と混ざり合っていて、それが繋がっていく展開にドキドキしました。過去の事実と出会うたびに揺さぶられていく主人公が、不審に思いながらも、女の子を大切に扱っているところが虚しさを誘ってきます。妄想だと言われた時の絶望感を一緒に味わいました。
背負った罪は消えないと言いつつも、最後は、捕らわれた過去と決別できそうな希望で終わります。過ちや罪は、その過程で希望があるからこそ、重さを知ることに