あさのあつこのレビュー一覧

  • にゃん! 鈴江藩江戸屋敷見聞帳

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    初出 2014年「てのひら猫語り」、2015〜17年「WEB招き猫文庫」

    鈴江藩の奥勤めに上がった本所深川随一の呉服屋の娘お糸は、不思議なものを察知する能力で正室珠子の正体が猫であることに気づく。しかも、上臈三島をはじめお付きの女中たちの多くが実は鈴江に棲む猫族だとわかるるが、お糸は珠子に惹かれすんなり受け入れ、信頼を得る。
    鈴江には人の姿になれる狐族も棲んでいて、藩の権力争いの形を取って猫族と狐族の戦いが始まる!

    なんという、むちゃくちゃな時代小説めいたファンタジー小説。弥勒シリーズのシリアスな時代小説を書いているあさのあつこが息抜きで素で書いたのか?(笑)。でも最後はうるうるきてしまっ

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    2018年06月10日
  • 待ってる 橘屋草子

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    あさのあつこさんの時代小説を始めて読んだ。
    時代物は宮部みゆきさんの物ばかりで、あまり他の作家さんのは読んだことがなかった。
    宮部さんはのは、悲しい事件があったとしても、そこにほんわかとした人情面が前面に出されている感じがするが、あさのさんのは、江戸に生きる底辺層の人々の生活の厳しさや零落していく様がキッチリと描かれている気がする。
    江戸時代は人情が溢れていていいなぁ、という単純な思いより、厳しくも逞しく生きる人々への尊敬の念を抱かせられる、そんな作品だ。
    2018.6

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    2018年06月10日
  • 13歳のシーズン

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    波乱の展開や、ものすごく大きな出来事は無いのだけど、それぞれに思いや家庭の問題を抱えた13歳、中一の4人の男女の1年間を描く物語。

    確かに普通の中学生に、それほど大きな事件が起こる訳はなく、でも、いろいろな出来事が彼らにとっては大きな意味を持ち、心を揺らし、成長して行く、、、そんな様子がリアルに感じられました。

    今まさに中一の子供は、これを読んでどう感じるのでしょうね。

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    2018年06月02日
  • 燦 8 鷹の刃

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    最終巻と知らずに読んでどうなるかと思っていたら、怒濤の展開!
    息つく間もありませんでした。

    もっともっと読みたかったけれど、無駄なことがなくて良かったのかも。
    面白かった。

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    2018年05月19日
  • 地に巣くう

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    弥勒シリーズ6作目。
    とうとう遠野屋さんが、剣を握ってしまう。
    自身の腹を刺され遠野屋を事件に巻き込もうとする信次郎と、関わってはいけないと分かってはいても、心の奥底では捨てきれない遠野屋。
    その遠野屋さんの心の揺れが、キモ。
    これから益々信次郎は彼の皮を剥がそうとする、どうするのか、どうなって行くのか。

    それにしても、遠野屋さんの剣さばき、ギャップがたまらん。苦悩する姿もたまらん。

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    2018年05月17日
  • かんかん橋の向こう側

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    あさのあつこさんの作品を初めて読みました。

    ユーモアに富んだストーリーで、飽きることなく最後まで読むことができました。

    ただ主人公が高校生ということと、設定(舞台となっている街やストーリー展開)が架空と現実の間くらいに感じられるということで、年食ってる自分には感情移入はあまりできなかったですが(^_^;)

    前作や続編もぜひ読みたいです。


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    2018年05月06日
  • 燦 6 花の刃

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    どんどん面白くなる。
    圭寿の戯作ではないけれど、個人個人の思惑と自由な動きがたまらない。

    今回はお吉が良かったです。

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    2018年04月10日
  • 福音の少年

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    バッテリーを読み終わり、あさのあつこが読みたいと思って、手に取った1冊!
    きれいにクールな青春ものを想像していた私にはそれはまさに衝撃www
    なんとはなく、本棚の奥にいらっしゃいます……

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    2018年04月06日
  • 冬天の昴

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    ネタバレ

    今作のおもしろさは、江戸の世を生きる女性の姿にあると思う。
    おうの、お仙、お登勢など、各々が紆余曲折を苦悩して、もがいて、乗り越えてきた過去があって、それでもまだ何かに悩んでいる姿がある。
    色っぽくて魅力的な女性たちだと思った。
    メインは、信次郎、伊佐冶、遠野屋だけど、毎回スポットライトの色や、当たる角度が少しずつ違うので、読んでいて飽きが来ないのかもしれない。

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    2018年03月13日
  • 東雲(しののめ)の途(みち)

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    ネタバレ

    相変わらず登場人物の表現が卓越していて、惹き付けられている。
    個人的には、伊佐冶は、普通の人間なら知らずとも生きていける井戸の底のような暗闇を怖々と覗いている最もまともな一般人。
    遠野屋は、伊佐次がのぞき込む暗闇の真っ只にながらも、たった一筋、細く差し込む光に向かって、必死で足掻いている非凡人。
    私には、この2人が対極のように感じられる。
    そして、もう1人のキーパーソン、信次郎は数学で言うとX軸、Y軸に対するZ軸のような存在。そもそも次元が異なるのだ。
    三者が互いを異なものと認め、どうしても分からない、混ざりあわない部分を持っているのに、どこかで期待し、信頼し、ひとつひとつの事件を通して関わり

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    2018年03月09日
  • 地に巣くう

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    してやられた!!
    ぜひ読んでいただきたい・・・

    信次郎、清之助、伊佐治が推理を楽しむように相手の心を読んでいくところは最高である。

    どこに落ち着かか、わからない展開・・・
    スクリーンになると、きっともっと素晴らしくなるかも・・・

    少しだけ心に残ったところを引用します。

     いつもの高揚が戻ってきた。次々に繰り出される指図を聞いていると心の芯が熱をはらんでくる。弾み脈打つ。本当のことが知りたい。この謎の裏に潜むものをみたい。

    「・・・何が言いてえんだ」
    「木暮さまの本心が知りたいのです。役目などと誤魔化さないでいただきたい。なぜここまでしてお父上の旧悪を暴かねばなりません?それで誰が救わ

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    2018年03月09日
  • かんかん橋を渡ったら

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    ほっと一息つけるかんかん橋のような場所が誰の心にもあるだろう。
    暖かい日も寒い日も、楽しい日も悲しい日も、周りのものすべてが自分の味方に見える日も逆にすべてが自分の敵に見える日も。
    何をしてくれるでもないけれど、いつだって自分のことを見ていてくれているような存在があったことを思い出せた。

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    2018年02月17日
  • 地に巣くう

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    おもしろい!
    おもしろいんだけど、木暮さまってこんなに闇のあるお人だったっけ?
    遠野屋とのぞくぞくするやり取りが良いのだけど、どうか遠野屋が道を誤らないようにと思いながら読んでしまう。
    伊佐治がいる場面だとほっとする。

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    2018年02月14日
  • X-01 エックスゼロワン [壱]

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    前から気になっていたあさのあつこさんの新作。

    2つの国で同時に進む物語がどうこのあと交わるのかが楽しみ。
    まだ、別々に話が進んでいるので全貌が見えないけど、No.6と同じようにわくわくする小説になると期待してます。

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    2018年02月14日
  • 燦 5 氷の刃

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    於ようの過去、良かったです。
    時間的にはほぼ進まない一冊だと思いますが、ストーリーの展開は目を見張るものがあります。
    あと、毒云々のやりとりが可愛い。こういうの入れてくるあさのさん、素敵。
    早く次が読みたい!

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    2018年01月15日
  • 東雲(しののめ)の途(みち)

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    あ~続きだ~。と入手。
    気づけば、その次も。
    このシリーズは好きですが、この人たちの後始末はどうするんだろう。
    尻切れなければいいんだけど…。

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    2018年01月06日
  • 福音の少年

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    (オーディオブックにて)
    焼死した女子に関わる謎、という形で冒頭が始まる。そもそもこの立ち上がり自体がよくわからない。登場人物の位置づけ自体が謎。
    そして過去に戻ると本来のストーリーが始まる。
    単純な高校生のラブストーリーかと思ったら...
    そして最後に先ほどの謎の部分に戻り、ストーリーが完結する。

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    2017年12月31日
  • かんかん橋を渡ったら

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    田舎町にある小さな食堂「ののや」の真子を主人公とする少女の成長の物語。子供が大人になっていく時に感じる自己嫌悪のような感情を率直な言葉で綴っていく。子供に読ませ感情の起伏の疑似体験をさせたくなる小説だ。圧巻なのは、92歳おばあちゃん菊がまどろみの中で振り返る独白。17の嫁入から4人の子供と夫を見送るまでの過酷な人生に、涙がこぼれそうになる。あさのあつこ作品が重松清と並んで中学受験の国語の試験に引用される理由がわかる。

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    2017年12月25日
  • 夜叉桜

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    ネタバレ

    遊女の首を裂く連続殺人が発生。誰がなぜー。
    小暮信次郎と伊佐治親分が捜査に乗り出す。
    一方、商人として商売に励み新しい試みをやろうとする遠野屋。その清之介にも再び過去の闇が手を伸ばす・・・。

    ってなお話で、前作「弥勒の月」はやはりシリーズのプロローグ的役割だった模様。こちらを読んでから読むとより味わいが深くなると思われます。
    伊佐治親分は相変わらず一服の清涼剤というか、しごく、しごくまっとうで、親分の奥方も息子さんもすごく生真面目でその生真面目が報われている人々でホっとします。
    ですが、信次郎さんはひねてますし、遠野屋さんはなかなか前向きにさせてもらえません。反目しながら目が離せない二人の同

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    2017年12月05日
  • ゆらやみ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    石見銀山に支えられた街の中で、女が入れない間歩の中で生まれた登枝と流れ掘りの伊夫、二人は出会ったときから惹かれあうが、犯した罪が二人を追い詰める…幕末の激動から遠くはなれたひとつの町の物語

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    2017年12月05日