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竹林を背負った江戸の片隅で子堕ろしを行う闇医者おゑんの活躍を描くシリーズ第2弾(現段階では最終巻)。本書は表題作「花冷えて」と「竹が鳴く」の2編を収録した中編集。
子堕ろしを行うとしながらも堕ろすことのみに焦点を合わせず、やってきた患者たちにやさしく手を差しのべるといった印象が強い。「母は強し」を地で行くシリーズ感じる。ただ、表題作はシリーズの流れからすると謎解き要素もあり、やや異質な印象を受けるが、女性の再生をテーマにしているところでは最も色濃く印象付ける作品になっている。
「ものは捉え方次第で変わる」ということを改めて思うことのできるシリーズである。
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江戸の女医者おゑん。子堕ろしをする医者だけど簡単には引き受けない。女が生きていける道を探そうとするのはなぜだろう。出来れば子を産んで共に幸せになってほしいと思っているのだろうか。
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『弥勒の月』シリーズとともに見逃せない、『闇医者おゑん秘録帖』シリーズ。
『弥勒』が、男の心の闇を描いているのに対し、『おゑん』は女の心の深淵が対象となっている。
治療のためだけではなく、人の心自分の心を見つめるために、その稼業を営むおゑん。
シリーズ第二弾は、「竹が鳴く」と「花冷えて」の二作。
「竹が鳴く」では、難産の末産まれてくる赤ん坊に、おゑんは呼びかける。
「この世が極楽だなんて口が裂けても言えやしないさ。楽しさよりも辛さの方がはるかに勝っている。信じるより憎しみ合うことの方が多いだろうね。でも、生きてみる値打ちはあるんだよ。あるからこそ、産まれてくるんだからね」
かつては赤ん坊だった我々も、心に留め置く言葉だろう。
「花冷えて」は、一転ミステリータッチとなっている。
江戸市中で、若い娘が次々倒れ、眠ったまま死んでしまう出来事が起こる。病ではなく殺人だと見抜いたおゑんが、その謎を解き明かす。
第三弾が待ち遠しいシリーズ。