あさのあつこのレビュー一覧
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購入済み
原作ファンでした
原作のいいところがきっちり残っていたと思います。
特にコミカルな表現はしっかり残っていてテンション上がりました。
ただ漫画表現だからシリアスな表現はもう一声ほしかったかも…
いずれにせよ大好きな原作だったので楽しく拝読できました。 -
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Posted by ブクログ
2006年発行の落ちこぼれ高校の若者たちの青春群像を描いた文庫本。その時に書いた書評を今さっき見返して、我ながら感心したので載せてみる。
文庫解説の金原端人が「80年代、ヤングアダルト小説は振るわなかった。なぜならそれに代わるものとしてマンガがあったからだ。」という意味のことを言って大島弓子、岡崎京子、吉田秋生、山岸涼子、岡野玲子、吉野朔実、川原泉、水野英子、内田善美の名をあげている。どうしてこれらの名の中に萩尾望都、清原なつみ、三原順の名が無いのか、疑問ではあるが、確かに昔の少女漫画には輝きがあった。(どのようにあったのかはここでは立ち入らない。)一方、ヤングアダルト小説なるものを私は読ま -
Posted by ブクログ
毎年夏の時期になると無性に読み返したくなるのがこのシリーズ。
今年も漏れなく読み返し完了しました。
初めて読んだのは中学生の頃。
あの頃理解できなかった少年たちの心情やそれを繊細な自然の描写に乗せて描かれた景色も、ようやくわかってきた気がします。
登場人物ひとりひとりの野球に対する想いは、きっと周りの人間や彼ら本人にも容易に理解してそれを嚥下して受け止められるほど簡単なものではきっとないのでしょう。
思春期にぶち当たった彼らが言葉にできない思いを抱え、ぐちゃぐちゃになりながらどう在りたいか模索していく様は、醜くも、とても美しく思えてしまいます。
児童書なだけに普段本を読まないかたでもするする -
Posted by ブクログ
カーテンが風をはらんで揺れる光景と、暖かくてやわらかな春の陽光。夏のギラギラした日差しと、太陽に照らされて汗がにじむ健康的な肌。朝の冷え切った空気に溶けていく白い息と、澄み切った青い空。同じ町の出来事なのに、季節の移り変わりとその情景が目に浮かんでくる。
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友達との距離感、恋愛、葛藤、決心…心に自然と湧き上がるいろんな感情と自分自身に、14歳の男女が向き合って、選択して、迷ったり後悔したりしながら、道を切り開いていく。青春に恋愛は絡まりがちだけど、これはすごくあっさりしていて、青春=恋愛じゃないところがいい。結果を出さなくてもハッピー感が伝わる終末も魅力的。
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窓、すき。
窓を考えた人、作 -
Posted by ブクログ
同作者の「敗者達の季節」を読み終えた後、本屋で手にした一冊。
野球というスポーツを通じて、これだけの人間ドラマが書けるのだということを証明してくれていて、とても励みになる。こうなってくるともう、可能性なんて無限にあるのだと言われているような気さえする。
野球で盛り上がるシーンってのは大体相場が決まってしまっていて、例えば大事な試合の九回裏、ツーアウト満塁……なんて、野球関連の作品でこれまで幾度となく描写されてきたシーンだと思うけど、それでも一つとして全く同じ物語はないのだろう。グラウンドに立つ一人一人に生きてきた人生があり、そんな選手達を見守る家族や恋人、先生といった親しい立場の人達にもまた積 -
Posted by ブクログ
表紙のイラストが明らかに高校球児×作者があさのあつこさん=即買い、の方程式
この小説を読み終えて、「甲子園出場を果たすこと」という出来事の周りに、それはもうたくさんの人と、その人達を取り巻くドラマ……なんて安直な言い方はしたくないんだけど、喜びや悲しみといった感情、歴史なんてものも含めて、多くの人生が絡み合って存在するんだってことを、あらためて分からされた。最初は出場校の選手達だけの話で進むとばかり思っていたから、視点が多岐に渡っていけばいくほど「でもそうか、そうだよな……」って気持ちになった。
自分も高校まで野球やってたので、今でもこの季節になるとついついチャンネルを野球中継に合わせてしまう