あさのあつこのレビュー一覧

  • テレパシー少女「蘭」(8)

    購入済み

    原作ファンでした

    原作のいいところがきっちり残っていたと思います。
    特にコミカルな表現はしっかり残っていてテンション上がりました。
    ただ漫画表現だからシリアスな表現はもう一声ほしかったかも…
    いずれにせよ大好きな原作だったので楽しく拝読できました。

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    2020年01月19日
  • たまゆら(新潮文庫)

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    人の踏み込めない領域で起こること。
    ファンタジーと括って良いものなのか、神々の仕業か、はたまたその領域で起こる自然現象なのか。
    自分に理解できないことを脳内補完しがちだが、「わからない」とする方が潔い。
    理屈ではない。
    人の力、意思でどうにもならないことはいくらでも存在する。
    科学者が立ち向かうのなら兎も角、只人が無意味に抵抗したところで事実が捻曲がる。
    山で起こることも人の中で起こる恋愛感情も、根底では同じなのかもしれない。
    世界観を丁寧に丁寧に綴られた一冊。
    素敵な本だった。

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    2019年12月06日
  • 敗者たちの季節

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    2019.11.18~11.24
    「遠い閃光」が一番好き。監督の「好きだから野球をやっている。勝手なことを言ってくれるな」ということば。そうだよね。でも、人間って勝手だから、そんな風に思っちゃうんだよね。「がんばれ!彼らの分も!」みたいに。ダメだよね。
    ラスト、本当は違うのを期待していたのに。ま、仕方ないか。「敗者」だもんね。

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    2019年12月01日
  • あかね色の風/ラブ・レター

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     小学生の少女の心の揺れをテーマとした2作品を収録。どちらも明るい作品で、テンポよく読み進めることができる。読んでいるとなんとなく「こうだったよな」と懐かしい気分になる。
     どちらも高学年の少女を主人公にしているが、なぜか「ラブレター」は幼く見えてしまう。「あかね色の風」の主人公のほうがしっかりした感じがするからかもしれない。

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    2019年11月23日
  • X-01 エックスゼロワン [壱]

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     「No.6」以来のこの文庫での作品なので、わーどうなるんだろーって思ってたのを今更ながら読み始め。
     戦のために生まれたと言っても過言ではない、どこかの世界のラタ。そして日本の田舎町に住む由宇の2人が主人公?2人の物語が重なるキーワードは「X-01」ぽい。由宇の両親がいろいろ事情を抱えてそう、特にお父さん。「No.6」の時も、え?どうなるの感があったけど、今回もどうなるのー?ってまだまだ分からないことだらけ。由宇サイドは次あたりから分かってくることが多くなるかな?

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    2019年10月05日
  • ガールズ・ブルー

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    2006年発行の落ちこぼれ高校の若者たちの青春群像を描いた文庫本。その時に書いた書評を今さっき見返して、我ながら感心したので載せてみる。

    文庫解説の金原端人が「80年代、ヤングアダルト小説は振るわなかった。なぜならそれに代わるものとしてマンガがあったからだ。」という意味のことを言って大島弓子、岡崎京子、吉田秋生、山岸涼子、岡野玲子、吉野朔実、川原泉、水野英子、内田善美の名をあげている。どうしてこれらの名の中に萩尾望都、清原なつみ、三原順の名が無いのか、疑問ではあるが、確かに昔の少女漫画には輝きがあった。(どのようにあったのかはここでは立ち入らない。)一方、ヤングアダルト小説なるものを私は読ま

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    2019年10月05日
  • バッテリーVI

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    毎年夏の時期になると無性に読み返したくなるのがこのシリーズ。
    今年も漏れなく読み返し完了しました。
    初めて読んだのは中学生の頃。
    あの頃理解できなかった少年たちの心情やそれを繊細な自然の描写に乗せて描かれた景色も、ようやくわかってきた気がします。
    登場人物ひとりひとりの野球に対する想いは、きっと周りの人間や彼ら本人にも容易に理解してそれを嚥下して受け止められるほど簡単なものではきっとないのでしょう。
    思春期にぶち当たった彼らが言葉にできない思いを抱え、ぐちゃぐちゃになりながらどう在りたいか模索していく様は、醜くも、とても美しく思えてしまいます。

    児童書なだけに普段本を読まないかたでもするする

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    2019年08月25日
  • 一年四組の窓から

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    カーテンが風をはらんで揺れる光景と、暖かくてやわらかな春の陽光。夏のギラギラした日差しと、太陽に照らされて汗がにじむ健康的な肌。朝の冷え切った空気に溶けていく白い息と、澄み切った青い空。同じ町の出来事なのに、季節の移り変わりとその情景が目に浮かんでくる。
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    友達との距離感、恋愛、葛藤、決心…心に自然と湧き上がるいろんな感情と自分自身に、14歳の男女が向き合って、選択して、迷ったり後悔したりしながら、道を切り開いていく。青春に恋愛は絡まりがちだけど、これはすごくあっさりしていて、青春=恋愛じゃないところがいい。結果を出さなくてもハッピー感が伝わる終末も魅力的。
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    窓、すき。
    窓を考えた人、作

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    2019年08月23日
  • 晩夏のプレイボール

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    同作者の「敗者達の季節」を読み終えた後、本屋で手にした一冊。
    野球というスポーツを通じて、これだけの人間ドラマが書けるのだということを証明してくれていて、とても励みになる。こうなってくるともう、可能性なんて無限にあるのだと言われているような気さえする。
    野球で盛り上がるシーンってのは大体相場が決まってしまっていて、例えば大事な試合の九回裏、ツーアウト満塁……なんて、野球関連の作品でこれまで幾度となく描写されてきたシーンだと思うけど、それでも一つとして全く同じ物語はないのだろう。グラウンドに立つ一人一人に生きてきた人生があり、そんな選手達を見守る家族や恋人、先生といった親しい立場の人達にもまた積

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    2019年08月06日
  • 敗者たちの季節

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    表紙のイラストが明らかに高校球児×作者があさのあつこさん=即買い、の方程式
    この小説を読み終えて、「甲子園出場を果たすこと」という出来事の周りに、それはもうたくさんの人と、その人達を取り巻くドラマ……なんて安直な言い方はしたくないんだけど、喜びや悲しみといった感情、歴史なんてものも含めて、多くの人生が絡み合って存在するんだってことを、あらためて分からされた。最初は出場校の選手達だけの話で進むとばかり思っていたから、視点が多岐に渡っていけばいくほど「でもそうか、そうだよな……」って気持ちになった。
    自分も高校まで野球やってたので、今でもこの季節になるとついついチャンネルを野球中継に合わせてしまう

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    2019年07月15日
  • 薫風ただなか

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    時代もの
    青春
    藩お家騒動
    この3つが揃ったらあさのあつこの独壇場である。
    そして

    暗くて毒が強くなるのも、折り込み済み

    でもね読後はさわやか

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    2019年06月25日
  • 透き通った風が吹いて

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    ネタバレ

    熱い青春ものではないが、高校生らしい葛藤が見え隠れして、応援したい気持ちになる。もう少し、ここにいる人たちの交流を突っ込んで見てみたくなる。

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    2019年05月12日
  • ランナー

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    陸上競技の話を期待して読むと星2なんだが、家族愛としての形を問う話としては星4,
    杏樹が可愛く健気で読んでるこちらまで守ってあげたくなる。
    次作が楽しみ。

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    2019年05月05日
  • バッテリーVI

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    平成最後に読み終わる。
    ちょっと食傷気味になりかけていたところだったので程よく終了。
    もう、いちいちの考えや行動に理由付けがあって、こんなに頭回転させながら生きてられん!意の向くままにやっちゃってあーすりゃよかった、こんなはずでは、があるから人生であって、こんなにみんなが意を汲んで生きてられんのじゃ。
    といいつつ、面白く読んだのですけどね。
    周りにたくさん面白いキャラクターがいたので、彼らの行方も知りたいね。

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    2019年05月01日
  • 福音の少年

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    高校生のときの友人との会話、夏の独特の雰囲気を想起させる文書がとても良かった。単なる学生の青春物語ではなくて、殺人事件をメインとしているところが読むのをそそられると感じた。

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    2019年04月30日
  • 花を呑む

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    あの2人の関係が危うくて。
    信次郎の危険な性が、商人となって生きる清之介をなぶる
    様子にハラハラする。
    今回起こったのは幽霊騒動。
    口に椿をあふれさせた死体。。。
    まっとうな岡っ引き伊佐治にほっとする。
    もっともそんな伊佐治も信次郎に苦言を呈しながらも惹か
    れるところがあるのだけど・・・。
    なんにしろ、彼らの関係が不幸な方向に進まないことを
    願ってやまない。

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    2019年04月14日
  • 別冊NHK100分de名著 読書の学校 あさのあつこ 特別授業『マクベス』

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    受講した生徒さんたちには、素晴らしい体験だったと思う。羨ましい。『マクベス』の読みも深まったと思うが、それ以上に本がもたらすものについて体感できたのではないだろうか。

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    2019年04月10日
  • バッテリーIV

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    あさのあつこさんの周りの中学生はこんなに大人っぽかったんか。高校生くらいの意識と経験があるようだ。中学一年生なんて、ついさっきまで小学生だったじゃんという感覚があるから、彼らの言動の熟成さ加減にお見事!と思ってしまう。

    青波もいい味、欠かせない。彼は妖精か!

    「空を仰いで」もいいね。じーさんの現役時代も見てみたい。

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    2019年04月07日
  • 花を呑む

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    呪いの殺人? 捜査するのは、同心 小暮信次郎と岡っ引 伊佐治に遠野屋清之介がからむ。この3人の場面は緊張する、いや信次郎がいる場面が緊張するのか。
    それに対して梅屋の場面は本当に普通の人たちでホッとする。
    伊佐治さん、気疲れで倒れないでね。ちょっと歳の行ったおとっつあんぶりがお気に入りですから。

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    2019年03月30日
  • 闇医者おゑん秘録帖 花冷えて

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    江戸の女医者おゑん。子堕ろしをする医者だけど簡単には引き受けない。女が生きていける道を探そうとするのはなぜだろう。出来れば子を産んで共に幸せになってほしいと思っているのだろうか。

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    2019年03月30日