あらすじ
これだから、人間はやっかいだ。深く関わりあえばあうほど、枷は重くなる。自分のためだけに生きるのが困難になる。火藍から沙布が治安局に連行されたことを告げるメモを受け取ったネズミはそれをひた隠すが、事実を知った紫苑は救出に向かう決心をする。成功率は限りなく0に近い――物語は疾走する!
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「NO.6」文庫版の全9巻のうちの#3です。物語が少しずつ危険で恐ろしい方に動き出すような巻でした。
私は10年ほど前に本作を読みましたが、大まかな設定や登場人物を除き、かなりの部分を忘れてしまっていました。それが今回、後半のある描写を読んで「あぁここ!読んだことある!」と急に蘇りました。何なら、ページを捲る前に、この後は重要なシーンな気がする……と予感させられました。読まされる、引き込まれるって楽しいなと思いながら、さらに続きを読もうと思います。
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西地区でのネズミと紫苑の生活。
紫苑はイヌカイから犬洗いの仕事を依頼される。
わんこかわいい。
そして、ネズミの仕事や過去のイヌカイとの事情が語られる。ネズミはまだまだ謎だらけだなー。
NO.6では殺人バチの被害が現れ始め、また、紫苑の友人沙布が管理局に囚われてしまう…
紫苑はみんなから可愛がられてるなー
天然だからかな
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進展がないと言われる3巻ですが、私は1番好きです。
心の動きとしては1番進展がある巻なのではないでしょつか。
おやすみ(別れ)のキスなど、紫苑とネズミの甘く、それでいて恋愛とも友情ともとれない関係性。
こんな関係を描くあさのあつこ先生には尊敬の眼差ししかありません。
うっとりするような美しい物語です。
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あさのあつこ氏のSF小説『NO.6』第三巻。ネズミを使って近くて遠い未来都市に住んでいる母親と連絡を取り始める紫苑。そのカ 彼を理解できない謎の少年『ネズミ』との共同生活がスリリングに動き出す。クライマックスでは紫苑に恋焦がれる少女沙布が治安局に攫われる。かなり面白くなってきました。
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紫苑の真っ直ぐな意思、感情に影響されてか、ネズミもイヌカシも力河も感情に変化が見られる巻。どこがどう変化してきたとか上手く説明出来ないが、読んでいるとその変化が感じられると思う。そして沙布がどうなってしまったのか心配である。これからどう物語が展開していくか、気になるところである。
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いろんな登場人物の視点で書かれており、大きな物語の動きはないけれど
これからの物語の伏線になるのかな?という印象。
紫苑はおやすみのキスと言い、ネズミは紫苑を嘘つきと言った。
あれはおやすみのキスなんかじゃない、さよならのキスだった。
友達でも家族でも恋人でもない、この二人だけの関係性がたまらなく好きです。
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ネズミ、イヌカシ、力河、イヌに子ネズミと、なんにでも愛される紫苑だなぁ~。
この巻で強制施設に乗り込むんだと思っていたので、次巻持越しに、ちょびっとビックリ感はありますが、イヌカシの登場が多かったので満足!!
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世界観が固まり、キャラひとりひとりの特徴もでてきて、さあここから物語が大きく動くぞ…!という予感を与える巻。
NO.6で一体何が起ころうとしているのか、黒幕は一体なんなのか、どきどきしながら読み進めています。またいいところで終わるんだなこれが…!
そして、紫苑くんとネズミさんの絆がまた一段と固くなりました。
お互いにいい影響を与えていて、こうゆうパートナーを見てるととても幸せな気持ちになります。
ネズミさんの心を震わせるのは紫苑くんだけなんですね。素敵です。
彼らには幸せになって欲しいです…
Posted by ブクログ
再読。
どんなに思ってても言葉じゃ伝えきれなくて、最後に勇気を出して紫苑は別れのキスをしたんだろうな。
紫苑の決意がちょっぴり切なくて、ネズミの怒りに胸が痛かった。
多分、思ってる以上に相手に依存してるんだろう。
もう後戻りは出来ないとこまで。
このふたりの関係ってなんだろう。
友達?親友?家族?それとも戦友?
でも紫苑のネズミに対するそれは、限りなく恋に近いような気もする。
恋愛には繋がらない淡い恋心みたいな。
血なまぐさい殺伐とした環境にいる彼等に、時折漂う空気がそんな感じ。それゆえそんなふたりが引き立って見える。
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沙布、いったい何をされているのか?
紫苑は沙布の事を知ってしまって…コートで分かるのが、幼なじみでよく知っているからなのが、紫苑らしい。
お別れのキス。。。あーーー。
ネズミもイヌカシも力河も、みんな紫苑だから助けてくれてる。
未知の領域に乗り込む。人狩り?
どうなっていくのか、続きが気になる。
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次第にスリルとスピード感を増してゆく物語に、次の展開への期待が高まります。
恵まれた環境で何不自由なく暮らしてきた元エリート・紫苑がネズミら「西ブロック」で過酷なその日暮らしをしている面々と協力しながら、No.6へ反旗を翻そうとする、その予感がひしひしと伝わってくる第3巻でした。
囚われの身となった幼馴染を救うためにNo.6に潜入することを決める紫苑たち。彼らがどのような作戦を立てるのか、次巻が気になります。
Posted by ブクログ
紫苑が都市に住んでいた頃の、唯一の友だちと言っていい沙布が治安局に連行された。
それを目撃していた火藍は、メモをネズミに託すが、それが息子を窮地に追いやることになるのではと思うとじっとしてはいられなくなる。
しかしNO.6は、監視社会であり、密告社会でもあるのだ。
それを教えてくれた楊眠(ようみん)は、味方なのだろうか。
そして、油断をすると足を掬われるような社会が、平和で安全だと言えるのか、と火藍は考えるのだった。
沙布のことを知らせると、絶対に紫苑は後先も考えずに救出に飛びだしていくはずだと思うと、ネズミはそれを紫苑に知らせることもできず、とりあえず沙布が連れ去られたという矯正施設についての情報を集め始める。
一方紫苑は、古着屋で沙布のコートを見つけ、沙布に何かあったのではと思い、ひとりNO.6に潜入しようと家を出る。
そんな紫苑の前に現れたのが、ネズミ、イヌカシ、力河だった。
彼らはまず沙布に関係しそうな情報を集め、作戦を立ててから行動に出ることを決めた。
ところまで。
この巻で救出まで行っちゃうかと思っていたから、話の進みの遅さにちょっとがっかり。
でも作者によると、その先の彼らの行動を考えると、誰かの血が流される可能性が高い。
そのとき、彼らの若い魂の内が急激な変容を遂げざるを得ないとき、作者はその事実をどう受け止め、どう書くかを考えながらのこの巻の執筆だったらしい。
作者がそこまで考え、彼らに寄り添うように書いたその先のストーリーを楽しみに待つことにする。
Posted by ブクログ
理想郷とその闇を描いた作品で
舞台はSFながら
今現代のさまざまな課題が取り上げられた作品でした。
児童小説?になるのかな、文体も凝ったものでなくてとても読みやすくまた面白かった。
紫苑とネズミ、他登場人物も魅力あるキャラクターなので全9巻、最後まで読みたいと思います。
Posted by ブクログ
2019/01/07 再読。
2023/02/27-28日。再再読。
・3巻好きだな~。ネズミと紫苑がこう、精神的に対等になろうとした第一歩。好き。
。ネズミとイヌカシの関係も良い。というかこのふたりの会話や駆け引き見てると、いかにネズミが紫苑の前でぐだぐだ(?)かがわかるな。イヌカシも言ってたけど。
・だから、おまえは自分で思ってるほど強くはない、ただのひとりの人間なんだと実践をもって教えたイヌカシはすごいな。犬のために自分のためにももちろんあると思うけど、ネズミのことをアッサリ死んじゃったらだめな人だと思ってくれてる。
・楊眠ってこの辺から出てきたっけね! 思ったより早いなと感じたけどこんなもんか。
・楊眠みたいな思想を持っている人がよく今まで無事に過ごしてるなと思ってたけど、さすがに思考の内部までは探れないもんな。楊眠サイドはたしかアニメで大胆にカットされてたから、どんなんだったか読むの楽しみ。
・紫苑、よく爆発するなー。NO.6にいるときはこんなに感情を揺さぶられるできごとが起こらなかったっていうことかもしれないけど、元々かなり感情的になりやすい性質なんだろうね。
・この期に及んで沙布のことを「恋慕とは異質の」「家族のように、親友のように、愛している」と評したのは、なんというか、紫苑だね…… となった。どうしても恋慕にはならないんだな。
・じゃあ(?)ネズミに対してのおやすみのキスはなんなのよ。「きみに出逢えてよかった」はわかる。キスはわからない。これ私が愚かなオタクだから、ウッホホーイ、となってしまうけど、なんでキスした?? こりゃ紫苑さんあんたファーストキスでしょうが(誰?)。
・あとそれで泣くネズミもなんなのよ。わからないよ私には。紫苑に嘘をつかれたこと、自分を巻き込まんとしてひとりで行くことを決めたこと、そして優しいキスがもう二度と会わないと決意したお別れのキスだったこと、いろいろ綯い交ぜになった涙だったのかな~。
・殴り合って(殴り合ってというほどでもないか)仲直りするところもTHE 青春って感じですごく良いよ! メロスかい! あとほんとにネズミは紫苑に対して甘いな。一発殴って一発蹴って、足を払っておしまいだもんな。
・それで力河はともかくイヌカシも紫苑に相当弱いのよ。なんだろうな、紫苑ってそういう人に好かれやすい魅力みたいのを持ってる人なのかな…… NO.6育ちの純粋培養エリートっていう異質さもあるだろうが、性質の為せる技だな、と感じるところも多くある。
・あとコンクかわいい。ニッコリ。間違いなく今巻の癒やし担当だった。
Posted by ブクログ
とても読みやすい。内容は何に分類されるのかわからないけど、ネズミや紫苑の心の葛藤がよく描かれている。とりあえずはやく助けに行ってほしいのだけれど…
舞台は未来都市と外部の地区だけど、地球の縮図のようだ。富裕層の残飯を貧困層が売買したり、食したりする。同じ人間なのに…ありえないことが現実には起きている。富裕層(先進国)が想像できないような世界が貧困層(発展途上国)には広がっている。富裕層が汚いところや悲惨なところを排除し、見て見ぬ振りを続けた結果が今の世界情勢ということを感じずにはいられない。
今の段階ではネズミが貧困層代表、紫苑が富裕層代表として話が展開している。二人の間には3巻までで既にお互いに情が芽生えている。1対1で話し合ったり、知り合ったりするとうまく行くことも、地域と地域、国と国になるとうまく行かないことが多すぎるのは何故だろう。我々は誰のための世界を作ろうとしているのだろう。
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No.6の3作目。今回は大きな動きはなく、矯正施設への潜入への準備段階というか、動機づけの巻だった。だいぶキャラクターの輪郭がしっかりしてきて安心して読める内容になっている。続きも気になる。
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紫苑に母のメモを渡すかどうか悩み続けるネズミ。今までの教訓を捨てるか命取りになる事をちゃんと考えさせる紫苑は偉大です。あっさりと後悔していないと言ってのける紫苑がイケメンです。仲間を引き連れて準備が着々と進んでいくけれど果たしてこれで助けられるのかはらはらします。
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一緒にいる時間で、我知らず変化していくこと、意識して吸収していくこと。
何もできないと諦めることを、傲慢と語っていたところはすごいなと思った。
#3は人物を結びつけるところまでで、やっと次巻から話が大きく動くのかな?
Posted by ブクログ
#3は強制施設へ乗り込むための準備巻?
紫苑の人柄がネズミだけでなく、イヌカシや力河にも変化を与える。
(紫苑にはもう少し賢くなってほしいけど、そうなると魅力が減るのかな。)
No.6内でも少しずつ変化が起き始め、物語が動き出した。
いつもいつも続きが気になる終わり方で早く読み進めたくなる。
彼らの台詞が、作者のあとがきが、とても考えさせられる。
ネズミと紫苑の関係が少し怪しいから、もう少しノーマルに描いて欲しかったな。なんて思ってしまう。
Posted by ブクログ
紫苑がどんどんこっちの世界に馴染んでいくのを感じる場面が多くなってきた。
相変わらずネズミは優しいんだか、厳しいんだか…
こういう存在って学生の時、周りに1人はいたよなってすごく懐かしく思った。
Posted by ブクログ
イヌカシ、力河など紫苑の真っ直ぐさに惹かれる人物たちが集まり、いよいよ核心に迫っていく!と思ってたんですが、想像以上にストーリーがゆっくり展開するので、ちょっと退屈さを感じたのが正直な感想。とはいえ次回への引きは最高だったので早く4巻を読みたいですね。
※斜に構えた態度が若干鼻につくネズミですが、いよいよ紫苑への気持ちを隠しきれなくなってきましたね。2人のブロマンスな感じは嫌いじゃないので、こっち方面の展開も楽しみです。
Posted by ブクログ
物語はゆっくり進む。
新たな登場人物が加わり、味方なのか敵なのか。若干謎に迫っている感じがするが、今この時期を丁寧に読み込むことで次に繋がるのではないか、と思っている。
個人的には、イヌカシの純粋な一面が好き。