あらすじ
地下から開かずの遮断扉を突破し、矯正施設へ潜り込んだ紫苑とネズミ。高度なセキュリティシステムをくぐり、兵士に銃口を向けナイフをかざしながら最上階へ駆け上がる。最上階には《NO.6》を支配するマザーコンピューターと、沙布が捕らわれている部屋があるはず――「やっと来たか。おまえを待っていた」 (講談社文庫)
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Posted by ブクログ
「NO.6」文庫版の全9巻のうちの#7です。
人の命は等しく重いと信じていたい私は、しかし物語の中の、名前も明かされず数行しか現れない人たちがどんな運命を辿ろうとも、紫苑とネズミの二人が果たしたいことを果たして欲しいと願ってしまい、矛盾で苦しい巻でした。
Posted by ブクログ
つらい。
ネズミと紫苑が最初と反対になっていく姿が苦しくなった。
生きるためには必要なことなのかもしれないけど。
この子達が笑って安心して過ごせる世界に早くなって欲しい。
Posted by ブクログ
紫苑とネズミの変化が大きく分かる。
大切なものを見つけて少し弱くなったネズミと、同じく大切なものを見つけて冷酷さが現れる紫苑。
紫苑にそのままできて欲しいネズミの気持ちが痛いほど分かります。
ネズミは紫苑に対し、「お前自体がNo.6だ」と物語の序盤に告げましたが、No.6とは全く違う紫苑に信じて縋っているのでしょう。
その紫苑が徐々にNo.6と、ネズミの敵と、同質のものになっていく。
自分が唯一信じたものが、信じられない憎むべき敵となっていく姿をどうすることもなく近くで見つめ続けなければならない。
おそらく、これほどネズミにとってこれほど怖いことはないのではないでしょうか。
物語の序盤、紫苑の敵になるかもしれないとネズミは紫苑に告げ、紫苑はそんなことは絶対にない、と発しましたが、ここにきて伏線回収ですね。
改めて読むと考察が楽しいです。
Posted by ブクログ
月薬さん・・・やっぱりダメでしたか。
紫苑とネズミの計画の為に犠牲になった人。
莉莉ちゃんと恋香のことを思うと、やるせない。
ネズミを守るため、初めて人を殺めた紫苑。
初めて見せるネズミの涙。
物語は、どんどん辛い道を辿っていく。
でも、この辛い道を乗り越えた先に、明るい未来があるのだと希望を持って、残り2巻+1を読みたいと思う。
あぁ、それにしてもイヌカシを見るとホッとするなぁ~
Posted by ブクログ
何度目かの再読7巻目。紫苑が静かに変化するシーンは何度読んでも印象的で、怖くもありちょっぴりゾクゾクもします。
そして、前巻から二人の関係性に少しずつ変化が現れていましたが、より顕著になった印象。紫苑がネズミに依存していたのではなく、ネズミが紫苑に依存していた。もしかしたら物語の最初からそうだったのかもしれません。
Posted by ブクログ
あさのあつこ著の近未来長編SFシリーズ。主人公・紫苑は矯正施設の最奥でおぞましい真実と直面。展開がスピーディに変化したと思ったら超気になるところで終わるから続巻を読まずにおられないす。巧いわー
Posted by ブクログ
2019/04/13 再読。
・2023/03/18-19 再再読。
・欲まるだしなんだけど、やっぱこの巻かなり好きだな…… 矯正施設の中に入って一気に緊張感が増して、お互いのことをもう一度見直したというか改めて認識しなおしたみたいな雰囲気感じる。
・イヌカシとシオンもなー…… なんか、イヌカシに対してやっぱり母性があるんだなあとかそういう…… 母としての役割をあんまり求めたくないと思ってしまうんだけど、イヌカシなりにシオンのことを大事に大事に育てようとしていて良い。赤子からの信頼にしっかりと応えようとしていて、良い保護者だよ。
・必ずシオンのもとに帰る、と決意するところもたまらんな、ネズミと紫苑を助け出して、しっかり自分も生きて帰ると信じている……
・倒した兵士のことを「仕方ない」と言った紫苑にたっぷり5ページ分「あの紫苑が…… 仕方ないって……」って悩んでるネズミ愛おしいな。紫苑が思っているより、ネズミは紫苑の言葉に影響されてんのたまらん。
・そのあと小型爆弾セットしたときに「この位置じゃきみがぼくの盾になってるみたいじゃないか」って言われて「この状況で位置関係なんかどうでもいい、ばか」と返すけど、内心(どんな状況下でも他者のことを忘れない…… 紫苑だ……)って安心してるのすごいよほんと。他者のことを忘れないというか、ネズミだからなんだよな。
・羅史に撃たれて紫苑の腕の中で「やっぱりあんたと死ぬんだな」と受け入れるネズミ、たまらんたまらん。紫苑が反撃すると思ってなかったんだな、ほんとに。ネズミの中で紫苑がどれだけ清らかなもので、聖なるもので、汚れを知らないものであった/あってほしかったのかがここで強く感じられる。
・失意のままに羅史を撃って自責の念に駆られていた紫苑が、ネズミを捉えた途端「瞳の中に歓喜が閃く。笑みが大きく広がる。安堵の吐息がもれる。」と描写されててきぱきネズミの手当に戻るの、すごく、良い…… ネズミに自分がしたことを暗に示されて錯乱するけど、ネズミの涙で正気に戻るところもすごい。紫苑の中でネズミという人間の存在のデカさ。
・ネズミの涙たまらんなあ。この作品の中でさ、ネズミの涙って全部紫苑のために流れてんだよなあ。
・エレベータの中で、祈りのために組み合わされるかと思った指がそのままこぶしになった、とネズミが紫苑を見てるところ、すごくいい。今まであんまり印象に残ってなかったシーンだったんだけど、ここすごくいいな。この期に及んで、紫苑に「他者に慈悲をかけるやさしさ」みたいなものを無意識に望んでしまってるような気がする。
・月薬さ!!?ほんと死なないでよかったよね!!?!? 必要な犠牲とかそんなんじゃなくてほんとに死なないでよかったよね……
・つらすぎる。
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ネズミの涙…みたくなかったような安心したような……
紫苑が人を殺してすぐ己の命も放り出そうとしたとき、甘えたやつだ!と罵った反面、これが人間の弱さであり優しさなんだと考えさせられた。
早く続きが読みたい。
Posted by ブクログ
決して開くはずのない強制施設の扉が、ついに開かれた。目ざすは、サフが囚われている最上階。シオンたちは、センサーを掻い潜り、施設の最奥部へ。壮絶な戦いを経て、たどり着いた場所で二人が目にしたものとは。
あまりの光景に、吐き気がした。やっとサフにあえたのに、サフのために、戦ってきたのに…。そこにいたのは、かつての姿のサフではなかった。サフはシオンに、ここを破壊して、私を解放してほしい、と頼む。それは、サフとの、永遠の別れを意味する。「手遅れだ」と、ネズミはいう。頭でわかっていても、サフを失いたくないシオン。シオンの心はどうなってしまうのか?
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いよいよ最深部へ。ようやく最深部へ。
だが待て次巻。
紫苑の心の暗部覚醒。
でもそれが間違っているかどうかは分からない。
正しいけど、正しくなくて、強いけれど、弱い。きれいはきたない、きたないはきれい。
マクベス。
「きみが泣くのを…初めて見た」
Posted by ブクログ
#1から#7まで1週間一気読み。権力に飲み込まれ疑問も持たずに生きていく人々と、そこから弾かれ、あるいは収まりきれずにはみ出した人間との対比が面白いSFファンタジー。何よりも主人公の少年二人が魅力的。先へ先へと読みたくなる物語。早く続きを!2013.2
Posted by ブクログ
面白いけど刊行ペース遅い上に展開もゆっくりでしかも1冊1冊が薄い・・・
ネズミと紫苑の心境の変化を感じさせる巻だった。
さぁ、いよいよ沙布とのご対面か!?
Posted by ブクログ
やっとスピード感が出てきた感じかな。それでもなかなか話が進まない。
紫苑に対する想いはネズミに非常に共感。
沙布との再会は意外だったな。
月薬さんのくだりがやるせなさすぎる。
Posted by ブクログ
前作読んでから時間があいていたので話が繋がるか不安でしたが、うーん。シオンとネズミが大好きな事に変わりはなかった・・・
今回はNo.6に潜入成功し、サフの囚われているだろう最上部までへのみちのりの1冊でした
ネズミがシオンのサポートをしていたはずが、今となってはネズミの中でシオンは大きく、いなくてはいけない存在に。
シオンがネズミを救おうと引き金を引いた後のネズミの葛藤に震えました
かわいいネズミ!!!
次回はサフのもとに辿り着けるかな。
Posted by ブクログ
なんだか間隔が空きすぎて「前はどうだったかなぁ…」と思い出しながらの本書。
紫苑がどんどん成長していく姿にネズミが戸惑う姿がなんとなく可愛いなぁと。勿論紫苑の行動全てに賛同することはできなくなってきてしまったけれど、それだけ強く生きる事が大切だと言う事を教えてもらった気がしました。
Posted by ブクログ
追い詰められた主人公二人のそれぞれの行動に驚きつつも納得するのはここまでの書き方が丁寧だったから?ラストに向けて山場をひとつ超えた感でした。次の巻を待つまでにまた一巻から読み返そうっと。
Posted by ブクログ
やっと新刊が出ましたね!
長かった…。もう完結しているのにもったいぶらずに文庫に早くしてほしい。
まさかイヌカシの協力者が月薬さんだったとは…
そして死んでしまって莉莉がかわいそう…
いよいよ沙布と会えるのでしょうか。どきどき。
今回はあまりNo.6内部の方が出てこなかったので時間はカランと楊眠にも期待します。
Posted by ブクログ
延々とモノローグで進められるストーリーがまどろっこしすぎて、うんざりしてきている。
残りあと2巻しかないのに、まだ沙布の捕らわれた本当の意味が解らない。
独裁者を狙う市長を陰で操っている人の正体もわからない。
紫苑の父だと面白くなるなとずっと思っていたのだけれど、今さらそうなったとしても残り巻数が少なすぎて、書き込み不足になりかねないから、もういいや。
多分私は、作者が必要以上に登場人物にのめり込みすぎると、却って冷めてしまうのだ。
『グイン・サーガ』もそれで脱落した。
『バッテリー』も後半はちょっと…だった。
あと2巻だから、これは頑張って読むけれど。
一つ納得いかないのは、「絶対にやぶられることのないセキュリティだから、旧式の鍵のままだった」とはならないと思う。
特別大切なところだから、そこだけ新式っていうのは当たり前だけど、特別大切ではないからそこだけ旧式には普通しない。
だって同じ鍵を大量購入する方がコスパがいいもの。
わざわざそこだけ旧式にするメリットがないならば、そこに手間も時間もかけるような設計を行政マンならしない。
そういう詰めの甘さが、ご都合主義という言葉を脳裏に呼び込むのだ。
Posted by ブクログ
矯正施設へサフを助けに侵入。目指せ最上階、ですが、なかなか厄介で、たどり着くまでに、紫苑が感情のままにひとを殺してしまい、ネズミが動揺。精神的に追い詰められ、口論になり、ネズミが初めて涙を流すというよっぽどな状況で、これ以上なにがあるのかというくらいまだまだNo.6の闇が明かされていきます。やっとの思いでサフに会えるところで続きがまたも気になるところ。
Posted by ブクログ
紫苑よりネズミのがまともに見えてくる巻。
無菌状態でまっすぐ育てられても
やっぱりどこか外から見えない部分で
歪んでくるんだろうかとか考えてしまった。
Posted by ブクログ
遂に矯正施設最上階へ到達。
あさのあつこの詩的な心情表現は好きなのだが、あまりに入れ込みすぎるのも如何なものかと最近思うようになった。そうでなくても展開が遅いのに、現実枠の時間経過より、回想場面の描写の方が多くなっているように思う。回想の中で更に回想、という場面もあり…とにかくなかなか進まない。
紫苑とネズミの立ち位置がいまだ安定しない。極限に追い込まれていけば、お互いに今まで知らなかった部分が表出してくることもあるだろうが、この薄い1冊の中だけでもフラフラとしていて、少しだけイラっとしてしまった。
新書版はもう最終巻まで発刊しているそうなので、文庫版もさっさと出して欲しいところなのだが、大人の事情でそうはしてくれないのだろうな。
Posted by ブクログ
やっと続編です。
思ったよりもすんなり中枢に辿り着けたなという印象。もっと激しい攻防があると思っていたので。月薬は死ぬだろうと思っていたので案の定だったけれど、そのあとのイヌカシは良かったな。力河は相変わらず憎みきれない三枚目(笑)
Posted by ブクログ
殺らなければ殺られる戦場へと足を踏み入れた二人。
初めて紫苑が手を下したその光景に、改めて背負わせたものの重さに気付く。
ネズミのその後悔が、知らぬ間に涙となって伝う。
もう今さら、引き返すことは出来ない。
一度は一緒に死ぬ覚悟をしたけど、やっぱり二人一緒だったから生き延びてここまで来られたのだから。
No.6の市民ですら都合が悪くなったら簡単に切り捨てる政府。一体何を企んでいるのか。
なかなか真相まではたどり着けない。
相変わらず展開が遅くて全然進まない。
Posted by ブクログ
前巻から1年経って№6の#7。こんな薄い本のシリーズ、次々出した方が売れると思うけど。まあ、いいや。
どこまで進んでいたか忘れていたけど、開かずの遮断扉を突破し、遂に矯正施設へ潜り込んだ紫苑とネズミ、ということね。
セキュリティシステムを掻い潜り最上階へと駆け上がる。まだまだウダウダあるけれど、今回はまあまあスピーディーな展開。
一方、№6の中ではバタバタと人が倒れる非常事態に、『もうすぐアレが覚醒する』と、相変わらずの思わせ振りも次巻への種は蒔かれる。
「やっと来たか、お前を待っていた」でto be continued… そろそろ佳境?