あらすじ
これだから、人間はやっかいだ。深く関わりあえばあうほど、枷は重くなる。自分のためだけに生きるのが困難になる。火藍から沙布が治安局に連行されたことを告げるメモを受け取ったネズミはそれをひた隠すが、事実を知った紫苑は救出に向かう決心をする。成功率は限りなく0に近い――物語は疾走する!
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Posted by ブクログ
西地区でのネズミと紫苑の生活。
紫苑はイヌカイから犬洗いの仕事を依頼される。
わんこかわいい。
そして、ネズミの仕事や過去のイヌカイとの事情が語られる。ネズミはまだまだ謎だらけだなー。
NO.6では殺人バチの被害が現れ始め、また、紫苑の友人沙布が管理局に囚われてしまう…
紫苑はみんなから可愛がられてるなー
天然だからかな
Posted by ブクログ
進展がないと言われる3巻ですが、私は1番好きです。
心の動きとしては1番進展がある巻なのではないでしょつか。
おやすみ(別れ)のキスなど、紫苑とネズミの甘く、それでいて恋愛とも友情ともとれない関係性。
こんな関係を描くあさのあつこ先生には尊敬の眼差ししかありません。
うっとりするような美しい物語です。
Posted by ブクログ
いろんな登場人物の視点で書かれており、大きな物語の動きはないけれど
これからの物語の伏線になるのかな?という印象。
紫苑はおやすみのキスと言い、ネズミは紫苑を嘘つきと言った。
あれはおやすみのキスなんかじゃない、さよならのキスだった。
友達でも家族でも恋人でもない、この二人だけの関係性がたまらなく好きです。
Posted by ブクログ
ネズミ、イヌカシ、力河、イヌに子ネズミと、なんにでも愛される紫苑だなぁ~。
この巻で強制施設に乗り込むんだと思っていたので、次巻持越しに、ちょびっとビックリ感はありますが、イヌカシの登場が多かったので満足!!
Posted by ブクログ
再読。
どんなに思ってても言葉じゃ伝えきれなくて、最後に勇気を出して紫苑は別れのキスをしたんだろうな。
紫苑の決意がちょっぴり切なくて、ネズミの怒りに胸が痛かった。
多分、思ってる以上に相手に依存してるんだろう。
もう後戻りは出来ないとこまで。
このふたりの関係ってなんだろう。
友達?親友?家族?それとも戦友?
でも紫苑のネズミに対するそれは、限りなく恋に近いような気もする。
恋愛には繋がらない淡い恋心みたいな。
血なまぐさい殺伐とした環境にいる彼等に、時折漂う空気がそんな感じ。それゆえそんなふたりが引き立って見える。
Posted by ブクログ
沙布、いったい何をされているのか?
紫苑は沙布の事を知ってしまって…コートで分かるのが、幼なじみでよく知っているからなのが、紫苑らしい。
お別れのキス。。。あーーー。
ネズミもイヌカシも力河も、みんな紫苑だから助けてくれてる。
未知の領域に乗り込む。人狩り?
どうなっていくのか、続きが気になる。
Posted by ブクログ
紫苑が都市に住んでいた頃の、唯一の友だちと言っていい沙布が治安局に連行された。
それを目撃していた火藍は、メモをネズミに託すが、それが息子を窮地に追いやることになるのではと思うとじっとしてはいられなくなる。
しかしNO.6は、監視社会であり、密告社会でもあるのだ。
それを教えてくれた楊眠(ようみん)は、味方なのだろうか。
そして、油断をすると足を掬われるような社会が、平和で安全だと言えるのか、と火藍は考えるのだった。
沙布のことを知らせると、絶対に紫苑は後先も考えずに救出に飛びだしていくはずだと思うと、ネズミはそれを紫苑に知らせることもできず、とりあえず沙布が連れ去られたという矯正施設についての情報を集め始める。
一方紫苑は、古着屋で沙布のコートを見つけ、沙布に何かあったのではと思い、ひとりNO.6に潜入しようと家を出る。
そんな紫苑の前に現れたのが、ネズミ、イヌカシ、力河だった。
彼らはまず沙布に関係しそうな情報を集め、作戦を立ててから行動に出ることを決めた。
ところまで。
この巻で救出まで行っちゃうかと思っていたから、話の進みの遅さにちょっとがっかり。
でも作者によると、その先の彼らの行動を考えると、誰かの血が流される可能性が高い。
そのとき、彼らの若い魂の内が急激な変容を遂げざるを得ないとき、作者はその事実をどう受け止め、どう書くかを考えながらのこの巻の執筆だったらしい。
作者がそこまで考え、彼らに寄り添うように書いたその先のストーリーを楽しみに待つことにする。
Posted by ブクログ
2019/01/07 再読。
2023/02/27-28日。再再読。
・3巻好きだな~。ネズミと紫苑がこう、精神的に対等になろうとした第一歩。好き。
。ネズミとイヌカシの関係も良い。というかこのふたりの会話や駆け引き見てると、いかにネズミが紫苑の前でぐだぐだ(?)かがわかるな。イヌカシも言ってたけど。
・だから、おまえは自分で思ってるほど強くはない、ただのひとりの人間なんだと実践をもって教えたイヌカシはすごいな。犬のために自分のためにももちろんあると思うけど、ネズミのことをアッサリ死んじゃったらだめな人だと思ってくれてる。
・楊眠ってこの辺から出てきたっけね! 思ったより早いなと感じたけどこんなもんか。
・楊眠みたいな思想を持っている人がよく今まで無事に過ごしてるなと思ってたけど、さすがに思考の内部までは探れないもんな。楊眠サイドはたしかアニメで大胆にカットされてたから、どんなんだったか読むの楽しみ。
・紫苑、よく爆発するなー。NO.6にいるときはこんなに感情を揺さぶられるできごとが起こらなかったっていうことかもしれないけど、元々かなり感情的になりやすい性質なんだろうね。
・この期に及んで沙布のことを「恋慕とは異質の」「家族のように、親友のように、愛している」と評したのは、なんというか、紫苑だね…… となった。どうしても恋慕にはならないんだな。
・じゃあ(?)ネズミに対してのおやすみのキスはなんなのよ。「きみに出逢えてよかった」はわかる。キスはわからない。これ私が愚かなオタクだから、ウッホホーイ、となってしまうけど、なんでキスした?? こりゃ紫苑さんあんたファーストキスでしょうが(誰?)。
・あとそれで泣くネズミもなんなのよ。わからないよ私には。紫苑に嘘をつかれたこと、自分を巻き込まんとしてひとりで行くことを決めたこと、そして優しいキスがもう二度と会わないと決意したお別れのキスだったこと、いろいろ綯い交ぜになった涙だったのかな~。
・殴り合って(殴り合ってというほどでもないか)仲直りするところもTHE 青春って感じですごく良いよ! メロスかい! あとほんとにネズミは紫苑に対して甘いな。一発殴って一発蹴って、足を払っておしまいだもんな。
・それで力河はともかくイヌカシも紫苑に相当弱いのよ。なんだろうな、紫苑ってそういう人に好かれやすい魅力みたいのを持ってる人なのかな…… NO.6育ちの純粋培養エリートっていう異質さもあるだろうが、性質の為せる技だな、と感じるところも多くある。
・あとコンクかわいい。ニッコリ。間違いなく今巻の癒やし担当だった。