あさのあつこのレビュー一覧
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信次郎と清之介の思いがクロスする。 あさのあつこさんの時代物。読みやすく後味がいい。
面白かった、江戸の町を背景に、少し台詞などに現代感覚の残るところも馴染みやすく読みやすい。
同心の信次郎と岡っ引きの伊佐治のコンビが事件担当、信次郎は父が亡くなった後、役目を引き継いではいるが、年相応の鬱屈した思いがある。
伊佐治は生一本で世話好きで頼りがいのある人物だが、一人で勝手に生きているような信次郎を、もて余すこともあり彼を理解できない部分がある。
しかし信次郎の勘の鋭さと変人ぶりに辟易しながらも、信頼して世話を焼かずにはいられない。
最近結婚したばかりで、気立てのいい、小間物屋「遠野屋」のおかみ -
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「弥勒の月」に続く二作目 「宵に咲く花」「木練柿」が特に情感にあふれ、三人の今が、過去につながる話に事件が絡んで面白い。
「木練柿」はシリーズの核になる三人を巡る、4編の短編から成っている。
「楓葉の客」
「遠野屋」でかんざしを盗んだ娘を、手代の信三が見つける。彼女は糸屋「春日屋」の一人娘で、親にすすめられた縁談がいやで、歩いているうちについふらふらと店に来て手が出たのだという。一方若い男が殺される。それがまた、女中の知り合だった。
これらが「遠野屋」に起きた事件の発端だった。
「海石榴」の道
「遠野屋」で清之介が始めようとした、今で言う着物から草履、小物までのコーディネイトをするとい -
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ネタバレ復讐を勧める大人もいるのは、私にとって大きな発見だった。
虐待やいじめ、性被害にパワハラなど、色んな被害に遭ってきた。
死ぬのはだめだと皆言う。
けれども、誰も解決策は提示してくれなかった。
そんな中、あさの氏は復讐という新しい手段をくれた。
被害に遭ってもなお生きる上で、この方法はとても大きい。
ノートに書いて、脳内でズタズタにするだけで、今日をやり過ごせる。
勿論、書いている間にフラッシュバックして、取り乱す時もある。
だけれど、やり過ごせる日もあるのだ。
彼女が与えてくれた生きる術。
そして、復讐ノートだけでなく、白ノートもセットというのがミソである。
復讐ノートだけでは、深 -
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ネタバレこの巻ではイヌカシの揺れ動く心情が細かく描かれており、とても読み応えがあった。
人狩りが終わって破壊された市場で目ぼしいものがないか探しているイヌカシ、人狩りから逃れ生き残ったことに歓喜していたが、それも初めだけ。
紫苑やネズミはどうしているか、今までならもう終わりだろうと思うのだけど、戻ってくるのではないか、そんなことを思うほど、イヌカシの中で紫苑やネズミの存在が大きくなっている。
何かが変わるかもしれないと思わせてくれる、そんなことを思う自分自身にも驚くイヌカシ。
紫苑に託された赤ちゃんにシオンと名付け、紫苑が戻ってくるのを待っている、今までの人生の中で初めて希望を持ったそんなイヌカシの心 -
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ネタバレ「NO.6」文庫版の全9巻のうちの#8です。
前巻でも感じたことと同じく、私は紫苑とネズミが生きて幸せになることを強く望んでしまう。だからと言って、それ以外の登場人物はもちろん、名もなきキャラたちだってどうなってもいいわけじゃない。視点や思い入れゆえに傾きをつけてしまう傲慢さが自分にあるなと思って嫌な気持ちになっています。
そしてここからネタバレかな?と思い、一応ネタバレフラグをつけます。
本巻のテーマに、尊厳と生死というものが分かりやすくありました。脳だけを抜き取り利用される沙布。優秀なのに聖都市にハマりきれず、天涯孤独の身となって、紫苑というたった一人心惹かれる人を想って待ち続け -
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作者のファンなので、ひいき目の5点満点である事は否めないけど、幼い頃からあさの先生の作品を読んで育ってきた私は、自分を大切にしたいと言う潜在的な願望を育ててもらっていたんだろうなと実感した。お子さんの結婚式のところをはじめ、なぜか涙が止まらなくなった箇所がいくつか。。
冒頭は日々のドタバタを面白おかしく書いているだけだったので油断していたが、3章以降は、あさの先生がこれまでどんなふうに生きてきたか、その中でどんな価値観を育んできたか、短いながらも、先生の言葉で書かれていて、何度かお会いしたことがあるからこそ、生のあさの先生の言葉としてとても親身に感じられた。
そして「自分の声をちゃんと聞いて、