あさのあつこのレビュー一覧
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ネタバレNO.6で語られる【芸術】の定義が私はすごく好きだ。たとえば再会 以前の無印のNO.6で描写された、一食分のパンと引き換えにしてでも観たいというイヴの舞台のことだとか。ネズミというキャラクターのもっている奥深さや魅力が伝わるし、すごく芝居というもの、そのものを観たいという気持ちにさせられる。今回は「絵」が得意な意外なキャラクターについて語られる。意外だけど、彼女らしい特技だな、と微笑ましくなった。人をよく見て、関わっている彼女だからこそだろうなぁ。
あと芸術というところで言うと、再会シリーズは本の装丁も好きだ。毎回箔押しの色が違って、箔がややギザギザしていて不穏で、toi8さんのイラストも含めすごく気に入っている。次は何色かな?
そして、ついに、ついにネズミから紫苑へ、プロポーズ!?...かと思うような真剣な言葉が出てきて、目頭が熱くなった。そのあとの紫苑の「じぁあ引っ越してくるね」「いっしょに暮らすってことでしょ??(具体的にはどういうことだ、具体案を示せ)」と言わんばかりの豪速球の返答。側から見ると「愛してる」「じゃあここに教会を建てて挙式するってことだよね、明日」みたいな流れで面白かった。紫苑、性急すぎる。いや、二人の関係性は恋愛や友情と言い切れるものではないのだけど。
この本のはじまりが、ネズミのつくるスープのにおいで目をさます紫苑からなのだけど、ここがすごく好きだった。紫苑にとってネズミは、すべてを壊す嵐であり、野菜の切れ端でつくったあったかいスープでもあるんだなぁ。 -
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ネタバレ3巻ではNo.6を去ったネズミが何をしていたか、が語られる。
ネズミがNo.6に戻ってきたのは、旅の途中に紫苑の父親と出会い、不穏な様子を心配したからだと思っていたが、もっと大変なことが起こっていた。
やっと再建の目処が立ってきたところに、No.6がまた地獄のような状況になりかねない事態になっていた。
その状況を作り出している一人が紫苑の父親なのだ。
その事実を知ったネズミはこのことを紫苑に伝えるか迷い、それを知った紫苑はネズミに対して怒る。
紫苑はネズミと並んで立っていたいと願い、ネズミは自分の全てを紫苑に知られることを怖いと思っている。
紫苑とネズミの気持ちのぶつかり合いが読み応えがあった。
紫苑とネズミが砂漠に咲く白い花を二人で見ることができる日が来ることを願う。
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今回は ミステリーと花魁の恋のお話し
おゑんは 吉原の太夫 安芸の病を診ている。
そこへ 謎の死を遂げた遊女が3人いる。
みてほしい!
と吉原の惣名主と美濃屋 久五郎から頼まれる。
死んだ遊女は白髪になって死んだ。
今 おゑんのもころには 子をおろしてほしいと
武家から置いて行かれた由利がいる。
身体も心も弱っているので お春がつきっきりで面倒をみていた。
吉原からの使いは甲三郎という若い衆
武士であったらしく腕がたつ。
ある日 おゑんが甲三郎にお使いを頼んだら おゑんのうちにいた 由利と会ってしまう。兄弟だった。
そのご由利はなぜか自害
吉原の中で死んだ花魁たちと接触していたのは 占い師だった。
占いのあと きな粉のお菓子を渡していた。
その中に冬虫夏草が
薬にも毒にもなる。
事件が解決したあと
安芸は おゑんに 抱いてほしい と言っていた。
その約束を守る
たしか おゑんは ふたなり だったよなあ!
まあ 女同士の関係もあるけど
おゑんは 甲三郎からも 言い寄られていたし
どちらからみても 惹かれる人なんでしょう。
甲三郎もいい男でしたね!
ミステリーと色恋のお話しでした。
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姿形は クォーターだし 肌の色も白い 目と髪の色も黒じゃない おゑん
先生は子供を産める身体なんですか?
と聞かれ
私は ふたなり なんですよ。
と答える。
あーふたなり なんて言葉あったなあ!
いい言葉の使い方です。
竹が鳴く
お竹という女の 腹の子をおろしてくれ
とお江代という女将が やってくる。
お江代の亭主が孕ませたという。
お竹は 生まれて初めて おゑんから 自分の気持ちを聞かれる。
あんたは どうしたいんだい!
私は産みたいです。
そのお江代という女将は 家付き娘で 女だから跡をつげなかった。
亭主があちこちに女を作るのは 許せても
こんなやつが男だというだけで 家督を継いだのが 許せない
ときれる。婿を刺して 江戸から離れる前に なぜか
おゑんのところに 血の匂いをさせて やってくる。
そのお竹は 無事に男の子を産み
前に おゑんがお江代から脅し取った30両で
自立していく。
花冷えて
これも恵まれた薬種問屋の娘が
死んだ姉と比べて器量が悪い
と言われたトラウマで
娘コレラという ありもしない病気を作り出し
殺していく話し
世のお母さんがた
娘にブサイクだ!なんて口が裂けても言っちゃいけませんよ!下手に頭のいい子が こう言われて育つと
恐ろしい物語りがやってくる。
うちは娘が2人いるけど 私も毎朝 鏡は見るので
そんな恐ろしいことは言わなかった!
恵まれている環境で育つと 逆に足りないものが 気になるのかもしれませんね。 -
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ネタバレNo.6が倒れてから2年、紫苑を委員長とする再建委員会により、徐々に平穏な世の中になってきている。
特に西ブロックは明日があるかどうかの生活から人並みの生活ができるようになってきた。
落ち着いたきたからこそ、ほんの小さなことで不満が出てくるようになった。
人間とは愚かなものだ。
不穏のタネを撒く人が現れ、人々がまた飲み込まれていく。
今現在の世界もこのようなものだ。
火藍とネズミが話す場面は読み応えがあった。
火藍、ネズミそれぞれの心の葛藤が細かく描かれている。
紫苑がNo.6から解き放たれ、ネズミと共に人生を歩んでいくことを願って、続きを読み進めよう。 -
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闇医者 おゑん
産んではいけない子をおろす闇医者
ただ 子供をおろしにきた女の人が 弱いとは限らない
おゑんさんは その女たちに
しっかりしろ!
とお尻をたたいて 正気にかえらせ 人生を歩み直させている。
若旦那に孕まされ おまけに 子供を産む といったら 階段から落とされた春
若旦那は 自分が人殺しだ!
春も子供も殺したんだ!
おゑんは ふたつの盃を出し
ひとつには毒が入っている
もうひとつには 入っていない
そのどちらかを選ぶんだね
という
若旦那は 選んで 苦ーいのを飲んだ。
どちらも毒ではなかったけれど まあ飲んだだけ ましな男!
と 生きていたお春とおゑんは見送る。
お春はそれから おゑんを手伝う道を選んだ。
次は武家の奥様の話し
夜中に鬼に犯されて子供ができた
おろしてくれ
その奥様を落ち着かせ 話しをさせ 自信をとりもどさせ その鬼なるものを あぶりだす
3番目は おゑんの昔話と
好きな男のこを身籠ったのに おろしにつれてこられた娘の話し
もう お春は立派なスタッフになっている。
ただ酷い目にあっただけじゃない
それを乗り越えて 生きる女のひとたちの話しです。
ただ あさのあつこさん 子供を産んだ経験がないと書けなかっただろうなあ!
と思いました。 -
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甲子園が好きで、甲子園ロスで手に取った本。
児童文学は物足りないかなと思ったけど杞憂だった。
青波が可愛い。私も弟がいるので幼少の頃が懐かしい。豪ちゃんも大好き。
巧にはハラハラさせられるけど、巧の心情を見てると他者の意見を真摯に受け止めていたり豪や青波のことを認めていたり、外から見えるほど傲慢ではないんだよなー。もちっと器用になれると良いね。
神社での青波との一件からクライマックスにかけては涙出ながら一気読みした。1週間くらいの出来事なのに、巧の心の変化がわかるからすごい。
あまり再読はしないけど、軽いこともあって2周読んだ。
飯塚さんの甲子園解説中の名言「誰かがミスしても、みんなでカバーするのが野球」「チームスポーツを選んだ意味を、人生でも生かして欲しい」に通ずるものがあった。
巧の心の成長に期待!次巻も楽しみ。 -
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10年以上前、高校生の時に読んだであろう本を引っ張り出して再読した。
雨上がりのグラウンドの土の表現、雨が降りそうな空気の表現、試合後の疲れが混じった気だるさの表現、何気ない日常を鮮やかに切り取る表現。あさのあつこ先生のまるで自分がその場にいるような感覚になる描写に久しぶりに触れた。
32歳になった私が、今も甲子園の試合を見て、流れる汗一粒一粒の背後にある物語を想像して感動できるのも、自分が高校生だった時の日常と重ねることができるのも、母校の水泳部の後輩たちが頑張る姿を見て鮮明に自分が現役だった頃を思い出せるのも、あさのあつこ先生の小説を読み、何気ない日常を切り取ること、切り取った瞬間を言語化する語彙を学んだからこそなのかもしれない。
おかげで私は日常を何気ないとわかっていても、退屈だと思うことはない。