あさのあつこのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
なぜこのシリーズが「弥勒」しりーずなのかということを確認した一冊。
もう一度、あの時点を振り返ることで新しい展開へと進む一冊になるのだろうか。多分、大団円に向かうきっかけとなる一冊なのだろうと思うが、ここで一区切りという感じはしない。信次郎・伊佐治・清之介の関係性が新たに進んだようで、さらに強固に確定されたようでもあり、この後の3人の揺らめきを次回作に大いに期待している。
カバーの紅花が印象的だ。
そして、今回の展開が実に見事であった。
これ以上展開のしようがないのではないかと思えそうな市井の事件、伊佐治のひっかかり、信次郎の追い込み。
結びつきそうにもないものが、何の不自然も違和感もなく濃密 -
Posted by ブクログ
六巻を前にして、
読みたい、ああでも読みたくない、
読みたい、やだ終わっちゃう、別れたくない、
こんなに夢中になったシリーズは
初めて?久しぶり?
巧と豪が大好きすぎて。
最終巻なんて切なすぎる。
なんとかして続編書いてほしい。
巧がまたまた丸くなっていた。
豪に気持ちを伝えなきゃと頑張るシーン、
木登りのシーン、好きだ。
海音寺の、バッテリー陽動というか
豪に打たせようとする、あのシーン、
巧が恐れるというのも、あれも良かった。
こんな心情を描けるというのもすごいよね。
やっぱり、青春っていいなぁ。
夢中になれるものがあるって、いいなぁ。
私には何もなかったから、本当に憧れる
-
Posted by ブクログ
アラフォーの雑誌記者・明海和は、独自に子ども狩と人身売買の取材を続けていた。
カササギと名乗る人物と会う約束の日に手の甲に刻まれた刺青が目印だと告げられていたが、その男が産業廃棄物の集積場で死体となって発見された情報をデスク・肥川が告げる。
司法解剖の結果、胃の中からカプセルに入った紙片が見つかり、明海和の名前とラダンの壺の走り書きが…。
警察が来る前に待ち合わせ場所に行く明海和。
そこで会った男に取材を続けると殺されることになると警告され…。
次第に明かされてくる両親の事故死の原因。
父親が何を追いかけていたのか?
なぜ新聞社を退職したのか?
母は何に怯えていたのか?
両親と同乗していた姉 -
Posted by ブクログ
ネタバレずっと前から気になっていた本。
いつか息子に読ませたいだろうなと
その前に自分が読んでおかなきゃなと
読んでみた。
児童文学という扱いになるのだろうし
平易で読みやすく
主人公の一人称視点ではなく
三人称視点でそれぞれの登場人物の心情まで描かれているから
私には逆に読みにくいけど
小中学生にはきっと読みやすいんだろうなと思った。
小学校卒業後の春休みという、
たったそれだけの期間の物語。
今後の話も読みたくてたまらなくなる。
ときどき目頭が熱く、胸がつまる。
いいなぁ青春だなぁ。
親には一番に自分のこと分かってほしいよなぁ
くどくど言われてうっとおしいよなぁ
弟に辛く当たってしまっ -
Posted by ブクログ
前作で見せ場が殆どなかった木暮信次郎を中心に物語が進む。清之助の過去は重く感じるが、信次郎が登場すると軽快さが増すように感じてしまう。
始まりは前作で登場した品川の旅籠の女将、お仙。この時は38歳だが、10年前に一大事が起こっている、お仙も過去を持っていた。それと同じことが信次郎の周りで起きた。
これまで以上にミステリーの要素が大きいと感じる。単純な動機ではなく、少し複雑に入り繰ったところに信次郎の推理が冴える。
人の気持ちや描写の仕方が美しく奏でられる文体は、あさのあつこさんの特有のものだ。表現に豊かさを感じる。起こった事件の壮絶さを、登場人物の描き方や表現力で、柔らかくしているために、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ端垣ーーーーーー!!!!!
ってなります。序盤から最後まで本当に。
豪は真面目なんだよなーとつくづく思ってしまいます。見て見ぬふり、わかったふりをすればいいところをできない。物分りがよすぎるのか、悪いのか。真面目でやっぱりまだ中学1年生なんだよなと。
端垣の言われた言葉がこんなに豪に重くのしかかるとは……。でも遅かれ早かれな気もしました。
そして巧は本当に不器用!!!!お前は!なんでそんな不器用なんだ!とずーーーーっとはらはらしてしまいました。
端垣によって崩されたバッテリーがどう復活をとげ進化していくのかが楽しみですね。
端垣も門脇の傍にいることでいろいろと抱えていたものがあるからこ