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静かに静かに敵を追い込んでいく。信次郎の凄みが発揮された6巻。清之助も伊佐治も自分の中に巣食う闇に向き合う。しかし信次郎はそれを凌駕する牙を隠し持つ。
このシリーズの最高傑作かもしれない。これからの3人の男たちの生き様から目が離せない。
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やられてしまった。やはりなかなか手強い作家の作品である。今回は最後の最後まで先が読めなかった。ページを繰るごとに、これでもか!どうだ!犯人を割り出せたか!と読者を煽るような見事な筋書きには脱帽。版を重ねる毎に深みにハマってしまうシリーズ。誠に持って素晴らしい作品である。お見事!
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なかなか面白かった。お馴染みのシツコイ心理描写があまり気にならない。いや、相変わらずクドいのだが、メインに絞られているし、それなりに面白い描写なので気にならない。
展開は早くダレずにグイグイ読める。
信次郎の頭の良さ理詰めさ故のヒトデナシ感は何か楽しい。いわゆるホームズ。てか言われてるほど酷い人じゃ無いと思うけど。
遠野屋さん、もしやキャラ定まってなくない?強くて商才あって穏やかでヒトタラシで…ってどんな人だよ!!!
親分さんがいないと話が進まない。適度に優秀、ワトソン役をこなしつつ啖呵もきれるよ!
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あたしは遠野屋に刀を握らせたい信次郎の気持ちが結構よくわかるのです。
見たいよねぇ。。。
今回の事件はなかなか興味深い内容でした
2022.9.29
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信次郎のが腹を刺された。襲った男は遺体で大川に上がる。探っていくうちに信次郎の父親の過去が見えてくる。信次郎はそれを暴いていこうとするが、伊佐治には耐えられない。
「おもしれえからだよ」「人の本性を露にする。後生大事に被っていた仮面を引き剥がす。化粧を剥ぎ取って素顔をさらけ出させる。おもしれえじゃないか」
それが信次郎である。この男にとって父親などどうでもいいのだ。見知らぬ他人と何らかわりはしない。引き剥がすべき皮を被っているかいないのか。それだけが、人を量る基なのだと、清之助は思い知る。
「だからよ、遠野屋」「おれは、おぬしが許せねえんだ。嫌でたまんねえんだよ。厚くて滑々した皮を被ったままの男がどうにも我慢できねえ」
それが、信次郎が清之助に興味をもつ理由なのだろうか。
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内容(「BOOK」データベースより)
北町奉行所定町廻り同心、木暮信次郎が腹を刺された。信次郎から手札を預かる岡っ引の伊佐治、信次郎と旧知の小間物問屋・遠野屋清之介に衝撃が走る。襲った男は遺体で大川に上がる。背後で糸を引く黒幕は何者なのか。深まる謎のなかで見えてきたのは、信次郎の父親・右衛門の衝撃の「過去」だった―。あさのあつこの代表時代小説シリーズ、衝撃の第六弾!
令和2年3月16日~19日
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弥勒シリーズ6作目。
とうとう遠野屋さんが、剣を握ってしまう。
自身の腹を刺され遠野屋を事件に巻き込もうとする信次郎と、関わってはいけないと分かってはいても、心の奥底では捨てきれない遠野屋。
その遠野屋さんの心の揺れが、キモ。
これから益々信次郎は彼の皮を剥がそうとする、どうするのか、どうなって行くのか。
それにしても、遠野屋さんの剣さばき、ギャップがたまらん。苦悩する姿もたまらん。
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してやられた!!
ぜひ読んでいただきたい・・・
信次郎、清之助、伊佐治が推理を楽しむように相手の心を読んでいくところは最高である。
どこに落ち着かか、わからない展開・・・
スクリーンになると、きっともっと素晴らしくなるかも・・・
少しだけ心に残ったところを引用します。
いつもの高揚が戻ってきた。次々に繰り出される指図を聞いていると心の芯が熱をはらんでくる。弾み脈打つ。本当のことが知りたい。この謎の裏に潜むものをみたい。
「・・・何が言いてえんだ」
「木暮さまの本心が知りたいのです。役目などと誤魔化さないでいただきたい。なぜここまでしてお父上の旧悪を暴かねばなりません?それで誰が救われるのでか。何がえられるのですか。木暮様が何のためにここまでやられるのか、わたしはそれが知りたいのです」
ふっ
信次郎が薄く笑んだ。
「おもしれえからだよ」
「おもしろい?何がです」
「人の本性をあらわにする、後生大事に被っていた仮面を引き剥がす。ただのつまらない小役人かと思っていたが、どうしてどうして、裏には別の顔を貼り付けていたわけだ。はは、笑えるぜ。実におもしれえが、腹立たしくもある」
薄笑いが消えた。何の感情も読み取れない面の中で、目だけが光っていた。
この男、誰に怒っている?父親にか?いや・・・
「この年まで、父親の本性を見抜けなかった。それが腹立たしくてたまんねえだよ」
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おもしろい!
おもしろいんだけど、木暮さまってこんなに闇のあるお人だったっけ?
遠野屋とのぞくぞくするやり取りが良いのだけど、どうか遠野屋が道を誤らないようにと思いながら読んでしまう。
伊佐治がいる場面だとほっとする。
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弥勒シリーズ、第六弾。
今回は信次郎が亡き父の過去を暴いていくのだが、私は個人的に気に入っている親分伊佐次の、心の揺れが特に印象に残った。
敬愛していた、信次郎の父右衛門の、罪を受け入れられない信じたくない気持ち。
そこから「猟犬に徹する」の境地までたどり着いた伊佐次が、とても良かった。
信次郎と遠野屋の、似て非なる闇とヒリヒリするやりとりは、毎度のことで少しお腹いっぱいのような気もする。
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一人ひとりの心情が細かく表現してあるためすごく臨場感がある本だった。
人は見かけによらないもので、だからこそ人の裏は面白い、という考えは、ミステリーや事件だからこそ興味をそられれるものがあるけど、現実問題あんまり知りたくないこともあるよなぁって、少し伊佐地にも共感した。
3人はなんだかんだ阿吽の呼吸で会話も行動も成り立っていて、何だか清々しい。
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第六弾
同心信次郎が島帰りに刺される、どうもしびれ薬を飲まされ、亡父への恨み?
最初は例によって寄り道するが、結局は父とある藩の抜けにに絡み、そして背後には遠野屋清之助、舞台となった料亭の女将、そして信次郎とそれぞれの父子関係が
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好きなシリーズだ。ひりひりするような会話の連続がよい。
また、登場人物の設定がよい。シリーズの中心となる3人のそれぞれの背負っているものはもちろんだが、今作だけの登場人物の背負っているものもなかなか面白い。ああ、そうか、そうなのだな、と首肯している自分がいる。
これまであまり語られることのなかった信次郎の家族について、3人それぞれのアプローチがあり、興味深い。
しかし、これほど面白い、興味深いとしたのに☆☆☆なのは、自分の体調のせいなのかもしれないが、どうもくどくてたまらないという気がしたからだ。3人の内面描写がしつこいというか、長い。
思い出したのは「巨人の星」で飛雄馬の投球がキャッチャーミットに収まるまでの心理描写だった。
描写している内容はわかるのだが、物理的に長く感じられたのは、読み切るだけでの体力を失ったからかもしれない。
もう少し、テンポよくページを繰ることができたら、非の打ちどころのない作品なのだがなあ、と思った。
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時代小説「弥勒」シリーズ第六弾。
同心・信次郎と商人・遠野屋の
好きでは決してなく、むしろ嫌いとも言えるのに、なぜか奇妙な付き合いが続いている。
興味が尽きない。面倒なことになるのはわかってるのに、諾と答えてしまう。
そんな遠野屋の揺れる心情が人間らしくて好き。