あさのあつこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ復讐を勧める大人もいるのは、私にとって大きな発見だった。
虐待やいじめ、性被害にパワハラなど、色んな被害に遭ってきた。
死ぬのはだめだと皆言う。
けれども、誰も解決策は提示してくれなかった。
そんな中、あさの氏は復讐という新しい手段をくれた。
被害に遭ってもなお生きる上で、この方法はとても大きい。
ノートに書いて、脳内でズタズタにするだけで、今日をやり過ごせる。
勿論、書いている間にフラッシュバックして、取り乱す時もある。
だけれど、やり過ごせる日もあるのだ。
彼女が与えてくれた生きる術。
そして、復讐ノートだけでなく、白ノートもセットというのがミソである。
復讐ノートだけでは、深沢くんのように、自分の黒い部分を目の当たりにして怖くなる人も多い。
そこで、この白ノートの出番だ。
これは、サラサラな部分を見つけられるというのは勿論、悪いことばかりでないという現実も客観視できる。
辛いことがあった時、人間は悪いことばかりに着目してしまうが、白ノートを読み返せば、そんなことばかりでないと視覚的に分かる。
そうすることで、今ある現実をより客観視できる。
上手いシステムを思いつくもんだ。
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Posted by ブクログ
ネタバレこの巻ではイヌカシの揺れ動く心情が細かく描かれており、とても読み応えがあった。
人狩りが終わって破壊された市場で目ぼしいものがないか探しているイヌカシ、人狩りから逃れ生き残ったことに歓喜していたが、それも初めだけ。
紫苑やネズミはどうしているか、今までならもう終わりだろうと思うのだけど、戻ってくるのではないか、そんなことを思うほど、イヌカシの中で紫苑やネズミの存在が大きくなっている。
何かが変わるかもしれないと思わせてくれる、そんなことを思う自分自身にも驚くイヌカシ。
紫苑に託された赤ちゃんにシオンと名付け、紫苑が戻ってくるのを待っている、今までの人生の中で初めて希望を持ったそんなイヌカシの心の動きが丁寧に描かれており、好きなパートだった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「NO.6」文庫版の全9巻のうちの#8です。
前巻でも感じたことと同じく、私は紫苑とネズミが生きて幸せになることを強く望んでしまう。だからと言って、それ以外の登場人物はもちろん、名もなきキャラたちだってどうなってもいいわけじゃない。視点や思い入れゆえに傾きをつけてしまう傲慢さが自分にあるなと思って嫌な気持ちになっています。
そしてここからネタバレかな?と思い、一応ネタバレフラグをつけます。
本巻のテーマに、尊厳と生死というものが分かりやすくありました。脳だけを抜き取り利用される沙布。優秀なのに聖都市にハマりきれず、天涯孤独の身となって、紫苑というたった一人心惹かれる人を想って待ち続ける。逢いたかったのに、やっと逢っても抱きしめ合うことすらできない。人間どころか生き物として歪な姿に陥れられたことは、祖母の手編みのマフラーやセーターを大切に使う素朴で美しい彼女の感性との対比でグロテスクでした。どうしてこんなことができるんだ。でもこれと形は違えど、より複雑で分かりにくくなっていようと、本質の似たようなことって現代にいっぱいありますよね。事実は小説よりグロいって一番しんどい。今日もニュースを見て、手元の本から発せられるメッセージとの響き合いに頭が痛くなりそうです。 -
Posted by ブクログ
作者のファンなので、ひいき目の5点満点である事は否めないけど、幼い頃からあさの先生の作品を読んで育ってきた私は、自分を大切にしたいと言う潜在的な願望を育ててもらっていたんだろうなと実感した。お子さんの結婚式のところをはじめ、なぜか涙が止まらなくなった箇所がいくつか。。
冒頭は日々のドタバタを面白おかしく書いているだけだったので油断していたが、3章以降は、あさの先生がこれまでどんなふうに生きてきたか、その中でどんな価値観を育んできたか、短いながらも、先生の言葉で書かれていて、何度かお会いしたことがあるからこそ、生のあさの先生の言葉としてとても親身に感じられた。
そして「自分の声をちゃんと聞いて、素直に生きたらいいよ」「自分の生きてきた道を肯定したらいいよ」と軽い調子で芯を食ったアドバイスをくれる美作のおばちゃん先生を、作家としても人生の先輩としても尊敬して止まない。