あらすじ
小間物問屋『遠野屋』の紅餅を積んだ船が消息を絶ち、遠野屋の奉公人となったおちやにも騒動が。一方、弥勒寺裏で刺殺された男の骸が発見されるが、懸命の探索にも男の正体は割れない。謎の骸と船の消失、奉公人おちやを巡る動きが一つの線になったとき、衝撃の真相が浮かぶ! ニヒルな北町奉行所同心・木暮信次郎、元刺客の商人・遠野屋清之介。ヒリヒリした男たちのやりとりが展開される、120万部突破「弥勒シリーズ」第12弾。
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Posted by ブクログ
シリーズの転換点に来ているのでしょう。
これまで信次郎は私の中では天知茂がベストでした。
ニヒルな感じ、知的なものを備えながらなによりも酷薄な感じ。今回は悪い役の阿部寛もありかな、というイメージでした。酷薄、極悪度が薄まったように思います。
あのひりひりした痛みを伴うような、そんな空気が少なくなって、呼吸しやすくなりました。
ぐーっと謎解きミステリーに近寄ってきた感じ。
登場人物を集めておいて謎解きをするのは、本格ミステリーですよねえ。
しかも、あんなに使い手の信次郎が、ほとんど安楽椅子探偵。これはシリーズの転換点と思えてしようがありません。
女性の魅力がおのおの増してます。今回はちょっとしか登場しない人たちも、ぐーんと魅力アップ。その少ない一言からサイドストーリーが描けそうな成長振りと、書かれていない生活が十分に想像されるところがとてもお見事です。
ラストシーンは不穏といえば不穏。
しかし、信次郎は遠野屋が苦しんでいる・困っているのを見るのが好きなんですよね。それも、他人に苦しめられているのを見るのが好き。決して自分で苦しませるのが好きなわけではないと思います。よって、遠野屋が滅びるようなことは、しますまい。遠野屋が他人に、それも大きな敵に苦しめられるのを見続けるためには遠野屋が存続しませんと。だから、力も出すのでしょう。信次郎の笑顔の種はそこにあると読み終えたところです。
どんなに悪ぶったことを言っても、しても、登場シーンが格好良く決まる者は、とびきりのヒーローだと、今回確信しました。
次回作の冒頭が実に楽しみです。
Posted by ブクログ
怖い怖い(꒪⌓︎꒪)
信次郎の恐ろしさに磨きがかかったわ!
そんな信次郎が益々好きになりました♡
今作は遠野屋に事件が相次ぎ清之介が窮地に。
女中の拐かし、荷船の行方不明…
ほんのちょっとの綻びを信次郎が見過ごすはずがない。追い詰め方にも容赦ない。ここに来て更にパワーアップしてます(꒪⌓︎꒪)
親分がこの作品のお約束どうり、最初から最後まで新次郎の恐ろしさを心の内で語ってくれてます笑
清之介も背筋が寒くなるほどでした。
ラストで信次郎が不穏な動きを…
気になるとこで次巻に続く!!
Posted by ブクログ
僕は、この「弥勒」シリーズが一番好きかもしれない⁉️なんか、ワクワクする。登場人物がみんな魅力的だ。特に、木暮信次郎は、いまだに正体が知れないので、今後、凄く楽しみだ‼️
Posted by ブクログ
うーん!すごい展開でした。
よくこんな風に頭がまわるものです。
最初に 遠野屋の紅餅(口紅の材料)を積んだ船が帰ってこない。
積荷 乗組員はどうした?
どこを調べてもわからない。
路地で男が死んでいる。
日焼けし 素足 町人のなりだが 侍のよう
おまけに 手のたこからすると 凄腕のよう
八千代屋の養女だったおちやが 今は遠野屋で働いている。
道を歩いていたおちやが 連れ去られそうになる。
相手は八千代屋
遠野屋は 何が起きてるのかがわからなくなる。
木暮進次郎に意見を聞く
すると この3つの事件が繋がっていることがわかる。
おくみとおちやが 町で用事を足していると 人相の悪い男たちに おちやが連れ去られる。
止めようとしたおくみは 大怪我をさせられる。
おちやは 八千代屋の寮に連れ込まれ 八千代の主人 長太郎に手篭めにされるところだった。
そこへ木暮進次郎が現れ 助けられる。
こんな若い娘を助けるなんて かっこいいことを
木暮の旦那がするのは 初めて!
八千代屋 船を扱う川田屋 嵯波の城内のお家騒動
がからみあった事件だった。
もう 最初の闇の中みたいな話しから
どんどんと解決していく話しになる。
よくこんな ややこしい話しを練ったものです。
話しが進むにつれ 遠野屋が 人として磨かれていく感じがいいですね!
Posted by ブクログ
信次郎の推測が神がかってます。考えるだけでほぼ動かず、高みの見物と決め込んでるのが粋で、薄情さに磨きがかかってます。遠野屋さんには、穏やかに商いをしていってもらいたいのに、いつも不穏で不憫です(笑)。
梅屋の料理が食べたいなぁ。おくみちゃんいいこだなぁ。
Posted by ブクログ
弥勒シリーズ12冊目。今回は遠野屋の清之介も伊佐治親分の活躍は薄め。木暮同心の名推理のみが光る展開。
遠野屋の紅餅を積んだ船が消息を断ち、清之介が必死に手配し捜すも、行方は知れず。ここで木暮同心が違うトラブルから真相に迫って行く。同行している親分には皆目見当が付かず右往左往。
あまり木暮同心の切れ味が良すぎて引いてしまいそう。清之介の剣での闘いも無く残念。最後の場面も次回に含みを持たせるダークな終わり方。黒幕との闘いが続きそうな予感。
追記(2025/2/18)
八代屋の殺人事件が思い出せなくて、1年前の事件ということで前作、前々作と読み返し、その3作前にやっと辿り着いた。その時の因縁が、今作に繋がったとは。まだまだ続きそう。
Posted by ブクログ
シリーズとしては相変わらず面白い。奉公人おちやが攫われ、遠野屋の積荷を乗せた船が行方を消す。そして、それらは信次郎が追う死体とも結びついていく。
信次郎の謎解きは冴え渡っている。しかし清之介についての描写が残念に感じるようになってきた。というのもシリーズ初期にあった信次郎が清之介を意識していた程の清之介の鋭さが全く無くなっている。その平凡さを町人として馴染んできたからだ、とするのであれば、今までは方向性は違うが2人とも人なみはずれたもの(異常さ)があったからバランスがとれていたのに、清之介が凡庸になり伊佐冶のような共に謎とくような、読者に寄り添うような人柄が増えたがために、信次郎の異常性が押し付けられているような気がして、あまり爽快な気持ちになれなくなってきた。
信次郎に叱咤されることも増えてきたし、清之介推しとしてはシンプルに辛い……。
Posted by ブクログ
末尾の場面が象徴的だが、今回は全体的に小暮信次郎の動きが怪しい。
瑳波の状況も含めて、遠野屋の周囲の状況が変化してきているようだ。
今後の大きな動き、変化を感じさせる。この巻は、その始まりなのかも知れない。
この後どうなるのだろうか?どきどきする。