あさのあつこのレビュー一覧
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NO.6の続編が出て、本当に嬉しい。
当時の最終巻を読み終えた頃の自分はまだ中高生で、「#再会」が発刊されるまでの間にずいぶん歳をとってしまった。
大人になって、楽しい時間を過ごす手段がアニメや飲酒になっていて、楽しいような切ないような気持ちだった。
が、本作を読み始めて、読書の楽しさやわくわくを思い出した。心に染み込むような満足感がある。
若い頃に読書の楽しさを知っておいて、no.6を読んでいて、本当によかった。
本作でのネズミの登場は後半からということからも、本作がそれなりに長いシリーズでありそうな予感がしてわくわくした。
9月発刊の第二巻が待ちきれない。 -
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シリーズの転換点に来ているのでしょう。
これまで信次郎は私の中では天知茂がベストでした。
ニヒルな感じ、知的なものを備えながらなによりも酷薄な感じ。今回は悪い役の阿部寛もありかな、というイメージでした。酷薄、極悪度が薄まったように思います。
あのひりひりした痛みを伴うような、そんな空気が少なくなって、呼吸しやすくなりました。
ぐーっと謎解きミステリーに近寄ってきた感じ。
登場人物を集めておいて謎解きをするのは、本格ミステリーですよねえ。
しかも、あんなに使い手の信次郎が、ほとんど安楽椅子探偵。これはシリーズの転換点と思えてしようがありません。
女性の魅力がおのおの増してます。今回はちょっとしか -
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内容(ブックデータベースより)
「生きねばなりません。
そのお手伝い、
させていただきます」
切腹を命じられた武士を
お梅は療治できるのか?
読むと身も心もやわらぐ時代小説
【あらすじ】
五歳の時に光を失い、
揉み療治を生業としているお梅。
市井の人々に大評判で、一年先まで申し込みが
埋まっている。ところが今すぐ主の腕が動くよう
療治してほしいという武士が現れた。
お梅でなければ駄目なのだと。
武士から「張りつめた者」の気配を
感じ取ったお梅は、
三日後、主のものとへ向かう!
「人は、どこか緩めないと生きていけない」
令和7年7月7月18日~20日 -
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ネタバレ闇医者おゑんシリーズ第4作
前作で縁のできた吉原の惣名主川口屋から呼び出され、妊娠した遊女が身請けが決まったのに自殺未遂し、様子がおかしいので見てほしいと頼まれて診たところ、呆然としたり「生みたくない」と錯乱したりなので、おゑんは自分の診療所で静養させて様子を見ることにする。
おゑんがひっかかりを感じていると、身請けした薪炭商の備後屋の番頭が様子を見にくるものの違和感を感じて、監視役の甲三郎に跡をつけさせるが見つからず、翌日死体で発見される。皆目見当がつかないなか、何が出てくるかと薮(備後屋)をつつき、遊女の身元を調べようとすると、出てきた犯人は備後屋の番頭と川口屋の用心棒の一人。さらに -
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あさのあつこは、原始のドキドキとときめきを描く天才だ〜!!!
著者の作品はバッテリー(大好き!)やno.6などは読んだことあるがシリーズものじゃないのを読むのは初めてだった。
登場人物が魅力的で世界観に没入できる。スーサかっこいい。歩美みたいな、周りに馴染めなくて、物語の世界を信じてて、素直な子が不思議体験のチャンスを掴んでいると嬉しくなる。中学生の頃にこういう冒険にめちゃめちゃ憧れていたのを思い出した。くすぐったくて、嬉しくて、ドキドキソワソワした。
この感情になりたいがために物語を読んでいる。
「最初から定まっているものより、揺れた後に定まったものの方が何倍も強くなる。」 -
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ネタバレバッテリーを2週間ほどで読破してこのラスト・イニングまでたどり着いたけど、ちょっと、もう、この一冊が良すぎて…。正直バッテリーのラストがあっさりしていて納得いっていない部分もあったから、その後のみんな、特に横手メンバー中心で描かれていたのがすごく良かった…!!瑞垣と豪の対比が素晴らしすぎる。天才と共にいることを辞めた瑞垣と天才と共にマウンドに立つ覚悟を決めた豪、どちらの気持ちも痛いほどに分かるしどちらの選択も正しいんだよなぁ。瑞垣がややこしいキャラで大好きすぎる、自分の中でたくさん屈折して諦めてもがいて、でも他人からのレッテルに雁字搦めにあって、それでも最終的にまた野球に携わることを決めて、強
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おいち不思議がたりの2巻目。テーマはヘビーになるので、はらはらするのだけど、おいちの周りに気になる男の人が二人、全く別のタイプのが現れて、さぁどうなるのかな、というのも楽しみなストーリー。
素敵な台詞はいくつかあるけれど、まずは
「他人の言葉は、真摯に聞くべきものと聞こえぬふりをしてもいっこうに構わぬのがある。聞かずとも良い言葉に惑わされることはない。心を煩わせるだけ損ってもんだ」
女性が結婚せずに本当にやりたいことをやり通そうと思ったら、世間は決して優しくない。江戸時代は今より更に、そうだろう。だけど、おいちの医師になりたいという若々しい願いは本当にまばゆい。 -
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ネタバレ発売直後に一度読み、No.6再会を読んで懐かしくなって再読。紫苑、ネズミ、イヌカシのエピソードそれぞれに味があって楽しかった。
イヌカシのエピソードは、イヌカシがつらいときにも頼れるくらいの信頼関係が見えて微笑ましかった。
紫苑のエピソードでは、変わらないでくれとネズミに願われた紫苑がなかなか黒いことをしていて、この先きっとこの人はミイラ取りがミイラとばかりに闇堕ち独裁者か新理想都市の教祖様になってしまうのだろうな、ネズミとの再会は変わり果てた紫苑の断罪ないし介錯になってしまうのかもしれないな…と考えてしまうような不穏さがあった。
ネズミのエピソードは今後に繋がってくるのかなと思うとますます