あらすじ
北町奉行所定町廻り同心の木暮信次郎の姿が消えた。奉行所はおろか屋敷からも姿を消し、信次郎から手札を預かる岡っ引きの伊佐治は、大番屋に連れていかれる。伊佐治の解き放ちに奔走した小間物問屋『遠野屋』主・清之介は伊佐治と二人で信次郎を捜し始める。一方、北町奉行所に不審な者の影が。最後に待っている衝撃のラスト! 100万部突破シリーズ、驚愕の第十一弾。
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伊佐治が大番屋に連れて行かれて、信次郎もいなくなるという、八方塞がりな状態から物語が始まり、一気に引き込まれます。
その後、清之介と戻ってきた伊佐治とで、信次郎の捜索が始まります。信次郎が不在なぶん、行動の筋道がはっきりしていて、彼のいない世界のほうが論理的でわかりやすい。そして、冷や冷やする感じもない。どっかにいるだろうと、読者には全然心配する要素が無いのもちょっと面白かったです。
ただ、2人が結構真剣に心配しているので、早く出てきてやってくれと思いました。
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久しぶりに 弥勒シリーズ読みました。
今回は なんと木暮進次郎がいなくなる。
それだけではなく 伊佐治が大番屋に引っ張られる。
そこに 遠野屋の清之介が現れる。
伊佐治の家族は みな心配している。
遠野屋も いろんな伝手を頼って 伊佐治の解き放ちに努める。
手に小さな火傷のあとのある男が 次々に殺される。
清之助の故郷から まれ吉という男がやってくる。
手品の名人
からの箱からうさぎを出して見せる。
それをみて 清之助は気づく
誰もいなくなった 見張りのついた 木暮の家
さて なぜ進次郎が狙われたのか
姿を隠さなくてはいけなかったのか?
乳飲み子おこまは 遠野屋で すくすく育っている。
伊佐治が遠野屋にいう。
おこまちゃんが嫁入りの時には
よくぞここまで って旦那を褒めさせていただきますよ。あっしも 花嫁姿見るまでは 頑張らなくっちゃ!
遠野屋の心にも伊佐治の心にも 明るい灯が見えた言葉
重苦しい話しが だんだん解き明かされていきます。
解き明かされると 急に現実的な気分に戻りました。
弥勒シリーズは 相変わらず ビターチョコレートみたいな作品です。
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今までとは異なり木暮進次郎が失踪する話でした。
結末はいつもと同じで解決して終わるんだろうと分かっていましたが、それでもハラハラしながら楽しめました。
個人的には木暮進次郎のキャラクターが魅力的で登場シーンが好きなので、今回は失踪中ということもあり、登場が少なくて残念です。
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「序」のスピード感。お見事でした。一気に引き込まれました。そのスピード感のまま、一気に読み切りました。
一ページごとにぐいぐい引き込まれていく感じです。
信次郎が不在の分、ヒリヒリする感じとか、ン?と思って遡って読み直すとか、そういうことが少なかったこともスピード感に関係あったかな。
そして、梅屋の雰囲気がとてもステキで、梅屋だけで純粋に人情物語一冊は行けそうだと思うのです。この一家のやりとりを読んでいると、涙が落ちそうになる。
それから、「おこま」の話す言葉をはじめとして、遠野屋の中の描写が泣けてくるなあ。
梅屋も遠野屋もよい雰囲気が流れているということは、きっとそれだけ信次郎が異質の存在だということの証明なんでしょう。
いつにもまして気力が満ちている伊佐治親分、苛立ちもし腹立たしくもあるのに楽しんでいる清之介。そうみると、二人もすっかり毒されたものだと思う。
途中で現れた彼女は、今後の特異な活躍を期待したのだけれど、叶いませんでした。面白いキャラクターだと思ったのですが。
12冊目にいつ取り掛かりましょうか。
すぐに読むのはちょっともったいない気持ちでいます。
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弥勒シリーズ第11弾。
ある日、岡っ引の伊佐治が大番屋に連れて行かれた。どうやら北町奉公所定町廻り同心の信次郎が姿を消して行方がわからないとのこと。伊佐治にとっては寝耳に水だ。信次郎はどこに消えてしまったのか?
武士に変わって商人が台頭した江戸時代。財政が逼迫した武士は金策のために良からぬことを考える。身分が高いものが悪さをするのが一番厄介だ。
毎回、殺したがりの悪人が出てくるが、遠野屋清之介の強さは圧巻でスカッとする。源庵の弟子達がこれからも良くも悪くも話の鍵を握る人物になりそうな予感がする。
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信次郎がいなくなり、伊佐治も捕らわれるという
不穏な始まりから引き込まれました。
鴉のエピソード、切ない。
清之介と私の好きな伊佐治との、信次郎捜索は
信次郎がいないので、ヒリヒリしていなくて読みやすい。
でも…やはり信次郎がいないと、物足りない。
最後は、金や政治の話が出てきて、
何だか現代社会と重ねて読んでしまった…。
この弥勒シリーズ、かなり間が空いたけれど
読み始めると一気に物語の中に入り込めて
やっぱり好きだなぁと実感しました。
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キーワードは金。人の世というのは、ルールこそあれど、金で融通が効くようになる。ジョジョのストーンオーシャンみたいな場面がちょいちょいあった笑
小暮家、遠野屋、梅屋、それぞれの屋敷にいる登場人物が勢揃いで内容が濃かった。ただ、話の内容が政にも発展していて、難しい。
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伊佐治が大番屋に連れて行かれるところから物語らはまじまる。
同時に木暮さまが行方不明になる。
何がどうなってるのかまるでわからず、物語に引き込まれる。
木暮様とは違った剣呑さの、平倉が登場してますます気になる展開へ。
ラストはちょっと尻つぼみな気がするけど、それはそれでよし。
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弥勒シリーズ11冊目。後ろの解説で過去の内容を1冊ずつ簡略化して説明があったので、懐かしく思い出す。
今回は冒頭から木暮同心が失踪し、岡っ引きの伊佐治が大番屋に引っ張られるという波乱の展開。清之介は伝手を頼って伊佐治を釈放させるが、二人とも理由が分からず。伊佐治は過去を振り返り、幾つかの事件を追い始める。二人の細い糸を繋ぎ合わせ、何とか不明ながらも本筋に近づいてくる。
あっという場所に潜伏していた木暮同心に会えたのは最後の六章。怒涛の謎解きが始まる。
清之介の推測も含めて全てが解明されるが、最後の解決は幕閣も絡むので有耶無耶に・・
あさのさんの作品は青春物も含めて、心理描写、心象風景が非常に多い。印象として3割ぐらい。このシリーズは死体が幾つも出てくるので、非常に暗く感じる。今作では「鴉」が、その象徴として何度も出てくる。
Posted by ブクログ
シリーズ11作目
巻末に理流さんの解説がある
解説に1作から11作まめの荒筋が記載されている
それは読んでから、本作を読み始めた方が良いと思う
ただし、解説の後半は本作の解説になっているので、読後の楽しみに
ほんさくもミステリーだが、少し無理を感じた結果、この評価とした
Posted by ブクログ
うーん、3.4くらいかな。
前の巻と比べて何か嫌なことがあるとかではないのだが、木暮信次郎の行方が分からなくなり、伊佐冶もしょっぴかれて……と面白そうな土台があっただけに、スケールは大きいが、これといった爽快な解決がなかった今回の全体像に少し拍子抜けをした。
乱鴉の空と言うだけあってサブタイトルや物語の中で鳥についての描写が多かったのは印象的だった。
また、今回は清之介の人柄について多く描写されているので、柔らかい気持ちで見れるページが多かった
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「木暮信次郎が居ない」勿論今までに無いスタートと展開、解らない事がしっかり?と伏線になっている事に違いはない、前半懐古から糸口を見つけようとする流れが良くも悪くも少しヤキモキ、しかし二人揃うと流石に人気の弥勒シリーズというべき展開が広がる、後半の醍醐味や展開の早さ伏線の回収は自作を楽しみになること間違い無し!また清之介が前半義母に投げかけられる大きな課題もこれからの展開が楽しみとなる!
Posted by ブクログ
久しぶりの「弥勒」シリーズ、ということで、気負って飲み始めた。いつも通りのスピィーディな展開に、ハラハラしながら読み進めたが、話が大きくなり過ぎて、最後は消化不足のような感じがした。1冊には収まらない内容だった、ように思う。
Posted by ブクログ
木暮信次郎が雲隠れし、岡引きの伊佐治が大番屋に連れて行かれる所から始まり、乱鴉の空「鴉の群れか激しく鳴き交わしながら、西へと飛び去って行く。紅い空に幾つもの黒い影が飛び、乱れ、蠢き、次第に遠く消えていった。鳴き声だけが尾を引いて、残る。」で終わる、
黒い影は、信次郎が巻き込まれた事件を、鳴き声は事件の影響や残滓を指しているのだろうか?
次巻以降どの様な影響が出てくるのか楽しみ。