あらすじ
「きやぁぁっ」老舗の油問屋で悲鳴が上がる。大店で知られる東海屋の主が変死した。内儀は、夫の口から牡丹の花弁が零れているのを見て失神し、女中と手代は幽霊を見たと証言した。北町奉行所の切れ者同心、木暮信次郎は探索を始めるが、事件はまたも“仇敵”遠野屋清之介に繋がっていく……。肌を焦がす緊張感が全編に溢れる、人気シリーズ待望の第七弾。
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信次郎、清之介、伊佐治のさんすくみの関係は、巻を増すごとに好調さを増してくる。
不可解な幽霊に絡んだ殺人と伊佐治の息子の嫁、おけいの苦しみが中心の話だが、だんだん収斂していき、見事に解決に向かう。新たにお常という強敵も現れ、物語は3人に変化をきたす局面に向かうかも⁈
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今回も面白かった。
読み終わって、あとがきも読んで、本を閉じて一言。
面白い。
信次郎、実は優しくない??
ちゃんとお仙さんに簪買ってあげるし、おけいの身も案じてるし、清之介に絡むけどそれは優しさからじゃない?
まーた刀抜いて清之介に斬りかかろうとしてるけど、構って欲しいだけでしょ。
太助とおけいのラブラブぶりにあてられたわ。
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後から振り返ると、実はいろいろ伏線が仕込まれていたことが分かるのにようやく気がついた。
今度からは信次郎がどこに反応したのかを予想しながら読んでみよう。
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牡丹と幽霊騒動と強かな女の話。
家を飛び出したおけいが危険なことに巻き込まれたり、信次郎が風邪をひいたり、伊佐冶と清之介の息がぴったりになってきたり……盛りだくさんの1作。
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弥勒シリーズ第7弾。
優しかった腹違いの兄。兄がいなければ、今の自分はいない。兄のおかげで一歩踏み出せたのに、その兄はある事をきっかけに変わってしまった。今やその兄は暗殺者であった宮原清弥を求めている。
恩義がある兄の望みを拒み続けることは出来るのか?
歪な心の持ち主の信次郎でさえ、「殺してやりてぇ」「殺されるのなら遠野屋だ」と思わせる程の剣の達人の清之介。
清之介も信次郎の鋭いよみと何でもお見通しのこの男を「おもしろいお方です。実におもしろい…」と関係を断ち切ることが出来ず、血生臭い事件に関わっていく。
登場人物が前作と繋がりがあって、読み手を飽きさせない。
どの時代も金の亡者や悪どい輩は結局は殺されちゃうんだな(笑)
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主が口に牡丹の花をつっこまれ、女に取り殺されたと大騒ぎになり、店をたたむことになった東海屋の事件を端緒に物語は始まる。そこへ清之助の兄が絡んできたり、伊佐治親分の息子の嫁(おせい)がいなくなってしまったりして、まさかまさかと一気に読んでしまった。清之助が商人として生を全うできるのかが心配になってきた巻でもある。お常はまた登場するのか?
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牡丹の花びらを口の中に押し込まれた奇怪な事件から始まる物語。それは何を意味するのか。何時もの事ながら、呆れるほど性根の捻じ曲がった信次郎ではあるが、神がかり的推理力で犯人を割り出す。今回の作品は、中盤当たりでほぼ先が見えた内容で些か残念なストーリー。だが、終盤にあの女が黒幕で出てきたのには「ここに繋げたのかー!」と思わず唸ってしまった。やはり、読者を魅了する素晴らしい作家である。
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我が家に咲く牡丹は薄桃色と桃色。そして、牡丹から連想するのは楊貴妃。楊貴妃と名付けられた牡丹もあり、少々濃いめの桃色。
死を連想させる紅の花と言えば、私にとっては椿。雪の上に落ちた鮮血は雪の中に咲く寒椿にお似合い。
だからというわけではないが、牡丹という文字を確認しているのに、脳内では椿に変換されていることに気付き、その度に変換し直していました。
前作までと比して、今回はひりひりするような感覚は少なめだったと思います。ちょっと信次郎が普通の人に近くなっていただろうか。決してそういうわけでもないのだろうが、梅屋での捜査会議(?)では「人」っぽかったかな、という印象でした。
終末ではホームズを上回るような鮮やかな謎解きがあり、これも雰囲気が少し変わったかな、と思ったところです。この度の事件は新たなモリアーティ教授の登場なのでしょうか。
こうして、「雲の果」に手を伸ばすことになるのですね。
そうそう、今の時節に読んだからだと思いますが、「世間」について考えます。「人間失格」で「世間ではなくあなたでしょう」という趣旨のことが語られていましたが、ここにも「世間」の正体のないつかみどころのない怖さを見たように思います。それがうつつの世間だろうが仮想の世間だろうが、世間というものはあやかしのものとしか思えませんでした。
それにしても、
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内容紹介
疼く、痺れる、突き刺さる、「弥勒シリーズ」最新刊! !
どうにもならぬほど縺れ、おぞましいほど歪な、思わず息を潜めてしまう、因縁の二人。心に虚空を抱える同心、木暮信次郎。深い闇を抱える商人、遠野屋清之介。深紅の牡丹を口から溢れさせ、妾に怨み殺されたと噂される怪異に挑む。累計46万部の人気シリーズ最新刊!
令和2年3月19日~21日
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あの2人の関係が危うくて。
信次郎の危険な性が、商人となって生きる清之介をなぶる
様子にハラハラする。
今回起こったのは幽霊騒動。
口に椿をあふれさせた死体。。。
まっとうな岡っ引き伊佐治にほっとする。
もっともそんな伊佐治も信次郎に苦言を呈しながらも惹か
れるところがあるのだけど・・・。
なんにしろ、彼らの関係が不幸な方向に進まないことを
願ってやまない。
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呪いの殺人? 捜査するのは、同心 小暮信次郎と岡っ引 伊佐治に遠野屋清之介がからむ。この3人の場面は緊張する、いや信次郎がいる場面が緊張するのか。
それに対して梅屋の場面は本当に普通の人たちでホッとする。
伊佐治さん、気疲れで倒れないでね。ちょっと歳の行ったおとっつあんぶりがお気に入りですから。
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シリーズ7作目。
直接遠野屋とは関連しないけど、さすが大店。
もはやどんな事件にも絡むね。
兄上の危篤に、今後劇的な心情の変化が訪れるのか、ますます見逃せない。
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今回も面白かった。
小暮様は今回は割合普通の同心で、遠野屋に絡みつく異常なまでの執着はあまり感じなかったなー。
伊佐治はやっぱりとても良く、伊佐治一家がまた良かった。
そして女って怖いなぁと。
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幽霊事件からの〇〇事件。
信次郎の天才ぶりと強烈な個性が光る。次に何を言うのか目が離せない。
遠野屋がたまに元暗殺者なところを発揮するのが格好いい。親分より先に尾行に気づくとか。
親分のフォローにも磨きがかかる。もうこの人いないと破綻するんじゃないか。
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第七弾
牡丹の花を口に突っ込まれた死体、奉公人たちの証言から妾の幽霊の仕業?
疑われる内儀、一方遠野屋の主の実兄の病気から治療に阿片を使用している疑惑が、また伊佐治の義理娘おけいの家出から一気に解明に
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時代小説「弥勒の月」シリーズ。
現代で言えば警察ものですかね。
人間性がどうであれ(笑)、毎回冴え渡る推理が快感。
まさかあれが伏線だったとは!
次巻も楽しみです。