あさのあつこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
進次郎のセクシーな魅力に溢れた回でした。
シリーズ5作目になり遠野屋とは冗談を言い合えるほどの仲良し?に。
2人の間の伊佐治の役割も定着してきた感があり、謎解きベースのお話自体を腰を据えて楽しめる段階になった感じです。
シリーズを通した事件で少しずつ確実に変化していく遠野屋清之介と、ブレずにサイコパスな木暮進次郎。そんなつもりないはずなのにいつの間にか進次郎ペースで事件解決に協力しちゃってる遠野屋清之介と、事件解決に利用するついでに遠野屋を刺激しあわよくばダークな素顔を引きずりだそうとする進次郎。
ちょっとずつ信頼感が醸成されていくなかで、2人のやりとりも濃さを増しており良いです。
伊佐治にお茶かけられる場面最高。
女性のキャラクターも個性的な魅力いっぱい。いつの間にか3歳になってたおこまちゃんの出番がちょっとだけで残念でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大満足。
以下、本文より
門脇秀吾には昔から、そういう所があった。真っ直ぐに、単純に他人を認められる。
こいつ(瑞垣)、すげえ。
そんなことは、とっくにわかっていた。今までの人生の大半を一緒に生きてきた。ずっと、一緒に野球をやってきた。こいつがどれほどのやつか、おれ(秀吾)が一番よく、わかってるじゃないか。
二度目はないですよ、瑞垣さん。
変わったのは原田やない。永倉の方や。
二度目はないですよ、瑞垣さん。
永倉か。そう、永倉だ。原田と秀吾の差は、永倉がいるかどうか。それなのか。
勝ち抜いていくことの妙味。 試合を潜る度に確実に加わっていく強靭な力。昆虫が羽化するように、脱皮するように育っていくチーム。指導者なら惹かれずにはおれまい。
「 うち、もうちょっとがんびってみて、どうしても嫌やったら、バレー止めて、バスケか陸上に入る。そう決めたんや。決めたら胸がすっとした。あのな、海音寺さんが逃げたらええって言うてくれたんよ、お兄ちゃん」
「嫌なところからはさっさと逃げたらえって。香夏 ちゃん、逃げられるんじゃろ。まだ余裕あるやんって。うち、それ聞いてあそうかって、逃げる余裕あるなって思うて、ちょっと涙出た。そいで、胸がすって軽うなった。ああいうことって、ほんまあるんやね。今まですごう重うてどうにもならへんって感じやったのに、たった一言でほんまに、すっと軽う
なるの」
いつの日か、(兄の)あの背中に追い付きたい。勝つとか負けるとかじゃない。そんなことじゃなく、、、。(青波) -
Posted by ブクログ
医者の父松庵の娘おいちは不思議な力を持っている。あさのあつこさんの「おいち」シリーズ。作品のジャンルとしてはミステリーだろう。
医という漢字は、匸(かくしがまえ)の中に矢が入っている。矢を打つという意味と酒から成り立っている。かくしがまえの中に矢があるが、かくしがまえには抜け道がある、囲まれていないのである。私は医は完全なものではなく、これから先も未完成のままだと思っているのである。臨終の際に少しでも笑顔になるようにできれば良いのかもしれない。あくまでも個人的見解である。
優しさの中にハッキリとした物言い、一筋通った考え方においちの魅力がある。そして見えないものと遭遇できる能力。その能力で問題を解決していく姿が、温かい。その能力も完全ではないところが「医」に通じているのかもしれない。
現代口語で描写されているため、軽快さを感じる。文章からもあさのあつこさんらしさが滲み出ている良文である。