あらすじ
父の亡き後、常連客に支えられながら残された食堂『ののや』を守リ続ける継母の奈央と高校生の娘真子。客の笑い声があふれる店にある晩、新顔の青年が現れる。東山と名乗るその男は、ネットで評判の小説を読み、その舞台になっている『ののや』と登場人物のモデルを見にやって来たという。「小説? ののやが?」「いったい誰が?」みなの驚きをよそに、すっかり気に入って町に滞在する東山。しかし間もなく、胡散臭い探偵が町にやってきて……。「人は帰る場所があるから、旅立つことができる」小さな食堂を舞台に、毎日をせいいっぱい生きる人々の絆とそこから巣立っていく少女の成長を描いた傑作長編!
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Posted by ブクログ
登場人物の皆に味があって素敵。超美人やイケメンやお金持ちが出てこない。
和久くんなんかは、ドラマや漫画だと完全に脇役になるキャラだけど、へらへらとしつつも地方の田舎町に戻ってきた彼の心の中は本でしか語れないものだ。何年も前に亡くなった奥さんの秘密の小箱を開けてしまった野々村さんの葛藤も、ドラマや漫画ではきっとサマにならないけれど、読むとほんと良い。やっぱり紙の本はいいなぁってあさのあつこさんの本を読むとじんわり思う。
それから、ののやに集うお客さんの会話がほんと面白い。軽味があるからこそ、深い話が重くならない。
Posted by ブクログ
実際には存在しないけどホント心に響いてくるようなかんかん橋。
そこで織りなされる人間模様がとてもとても心地よかった。支え合って生きていくことの大切さを教えられたお話。
続編だったのはご本人の解説読むまで知らなかったなぁ。
小さい頃の真子ちゃんどんななんだろう。楽しみ。
Posted by ブクログ
前作から成長して高校生になった真子。津雲から出て自分の将来を切り拓くのか、初めての恋も悩みの種。義母の奈央に対する苛立ちや申し訳ない気持、思春期だね!
和久くんや野々村さんのストーリーも含め、ぜひシリーズ化してほしい!
Posted by ブクログ
自分が帰れる場所、安心していられる場所があることの大事さを思う。
食堂ののやも美味しいものを食べられる場所であり、人が集う居場所になっている。こういう「食堂」が増えたら、世の中はもっと温かく優しくなるにちがいない。
Posted by ブクログ
あさのあつこさんの作品を初めて読みました。
ユーモアに富んだストーリーで、飽きることなく最後まで読むことができました。
ただ主人公が高校生ということと、設定(舞台となっている街やストーリー展開)が架空と現実の間くらいに感じられるということで、年食ってる自分には感情移入はあまりできなかったですが(^_^;)
前作や続編もぜひ読みたいです。
Posted by ブクログ
地方の温泉街・津雲にある定食屋『ののや』での出来事が人間味溢れるキャラクターで彩られた一冊でした。
今の日本の地方都市でこんなに温かみのある風景は存在しているのかな?してるといいな。と思った一冊でした。
登場人物で和久が印象でした。ひどい体験をしても、帰れる場所があるというのは本当にかけがいのないことだと感じ入りました。