【感想・ネタバレ】弥勒(みろく)の月のレビュー

あらすじ

小間物問屋・遠野屋(とおのや)の若おかみ・おりんの水死体が発見された。同心・木暮信次郎(こぐれしんじろう)は、妻の検分に立ち会った遠野屋主人・清之助(せいのすけ)の眼差しに違和感を覚える。ただの飛び込み、と思われた事件だったが、清之助に関心を覚えた信次郎は岡っ引・伊佐治(いさじ)とともに、事件を追い始める……。〃闇〃と〃乾き〃しか知らぬ男たちが、救済の先に見たものとは? 哀感溢れる時代小説!

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Posted by ブクログ

このシリーズ、もう一度読み直しということで。ところが内容にほとんど記憶がなく新鮮な気持ちで読み始めました。

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2025年08月12日

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木練柿を先に読んで感想を書いた。その時思った疑問はシリーズ一作目の弥勒の月を読むことによって全てが腑に落ちた。これがあさのあつこの初の時代小説だなんて凄すぎる!
元武士で今は遠野屋の主で暗い過去を持つ清之介。同心でいけ好かない男の信次郎。岡っ引で人の心を持ちまっとうな男の伊佐治。全く性格が合わない3人の共通点は皆、切れ者であること。
弥勒のような妻・おりんと出会い、暗い過去を断ち切る決心をし、商人として出直そうと決めた清之介。その大切な妻が不可解な死を遂げたのをきっかけに3人は出会う。
あさのあつこの情景描写と心中の描写がとても上手く、話にどんどん引き込まれていく。清之介が自分の過去と向き合い、葛藤しながらも淡々と前に進んでいく姿。そんな清之介にただならぬものを感じとる同心と岡っ引のやり取りや駆け引きは読み応えがある。続きが楽しみな作品だ。

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2024年08月14日

Posted by ブクログ

解説で児玉清さんも仰ってるけど、キャラが立っていて、事件の真相よりも登場人物がどう考え、どう動くのかを見ていたくなる。

続きを一気に読んでしまいそうなので、ゆっくりじっくり読むように心掛けたい。

時代小説って、若い人よりある程度の年齢の人が読む印象があるけど、良いことも悪いことも楽しいことも嫌なことも経験してこそ共感する人間のドラマがあるからなのかな。

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2021年06月20日

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何とも救われない話。
自分の過去からは逃げられない。
どんなに逃げたつもりでも、足跡を辿ってくる。
過去が今の自分を作っている。
しかし清之介さんなりの努力の結果がこれだなんて、と思ってしまう。

登場人物が皆、魅力的だった。伊佐治につい感情移入してしまう。
シリーズものと知らずに購入したので、最新巻まで全巻買った。話が暗く気力を使ったので、ゆっくり読み進めていこうと思う。

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2025年06月17日

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たくさん続刊があるらしい、あさのあつこの時代小説シリーズの一作目。

なかなか巧い。よく練られた小説だ。
暗いけど面白かった。

微エロ成分は私には不要だった。
青年誌マンガの原作のよう。

岡本綺堂→藤沢周平→宮部みゆき→あさのあつこという流れを感じました。
キャラクターを前面に出した作品構成もマンガっぽい。
ところで、《月》はもうちょっとストーリーに絡んでもよいのでは…?

今まであさの作品はほぼ読んでこなかったのだが(あさの版のバナナフィッシュたる、ディストピアブロマンスだけ読んだ)、こちらの時代小説のほうが私には面白かった。
伊佐治に感情移入してしまうな。

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2025年03月08日

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何とも切ないというか救われないというか。
清之介が全てを諦めず生きようとしたことが唯一の救いかなと思う。

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2024年11月17日

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腕っこきだが冷たい感じのする同心木暮信次郎、人情家岡っ引き伊佐次。
最愛の女房を殺されながら動揺を表に表さない訳ありの過去を持つ遠野屋の主人。
三者三様の登場人物がストーリーを紡ぎ謎を解いていく。
当初本作の主人公は信治郎という思いで読んでいたが、次第に伊佐次の目を通した人間物語に思えてきた。

バッテリー」などスポーツ関係の作品が多いのだと思っていた著者の初めての時代小説。
なんともキレのあるキップのいい文章に魅了されました。
古今亭志ん生さんの「黄金餅」を聞いているような気がしました。
文章に酔うという感じで。
文庫本巻末に亡くなった読書家、児玉清さんの解説があり、こちらも素敵でした。

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2024年10月20日

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満月の夜。
小間物屋・遠野屋の若おかみ、おりんが身を投げた。
死体検分に立ち会った、遠野屋主人、清之助の態度に、違和感を覚えた、同心、小暮信次郎。

ただの飛び込み事件と思われるが、清之助の態度が気になり、事件を追う。

信次郎の父親、右衛門の代からの岡っ引の伊佐治目線で、信次郎と清之助の丁々発止が語られる。

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2023年11月19日

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ああ、またシリーズもんに手をだしてしもた。
これがこの物語の始まりなんやね。
登場人物のそれぞれの個性が際立ってる。
特に清之助やな、やっぱし気になるのは。
おもろいやん。

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2023年10月03日

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信次郎と遠野屋が徐々にお互いを強く意識し合うまでの展開が良い。クライマックスは手に汗握る場面ばかりでした。特に最後の回想の部分で儚さが込み上げてきました。
伊佐次が良い感じに読者の立場に立ってくれて、なんとも言えない安心感がありました。

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2023年03月04日

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このシリーズ好き過ぎて、本が汚れてしまうくらい読み返してます。立場の違う二人の関係が誰にも入り込めないヒリヒリする距離感
たまらないです。

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2022年03月31日

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ネタバレ

あさのあつこさんなのに
信次郎がほんと、やな奴で、好きになれなかった。
でも、さいご、どうなるのか知りたくて、あっという間に読んでしまった。
このシリーズ、次も読む…かなあ。

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2021年08月29日

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作者の歴史物を読むのは本作が初めて。期待通りの完成度ではあったが、それを越えてくる衝撃はなかったというのが正直な感想。

同心・信次郎は破天荒で人としてはどうかと思えるが仕事への意欲は高く、頭のキレも良く、見ていて気持ちが良い。語り手の伊佐治も対照的に人がよく正直な人物でこのコンビはワクワクするシーンが多かった。謎解きも序盤の伏線を丁寧に回収し驚きと納得で終盤はあっという間に読み終えるに至った。

ただ、本作のキーパーソンの遠野屋の描かれ方には少し納得がいかない点が多々あった。妻を失い再びダークサイドに落ちかけている中で味方であるはずの同心たちに反抗的な態度なのは分かるが、ミスリードを誘うような不自然さは否めなかった。また、過去についても脱藩した段階で追手が来るはずなのに何故今?という疑問と、決着が曖昧(黒幕は一旦引いたの?)だったのが少し気にかかった。

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2021年08月24日

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尊敬する読書家の児玉清さんのオススメおもしろ時代小説。岡っ引きと同心の捕り物。ある日一人の女が飛び込み自殺し、その後、それを目撃した男が殺され。過去に何をしていたのか全く分からない自殺した女の旦那の遠野屋。岡っ引きと同心の軽妙な会話と遠野屋と同心の緊迫感のあるやりとりが面白く、終盤では、遠野屋の過去が明らかに。読み終えて、少し切ない気持ちになるストーリーでした。

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2021年08月09日

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おもしろい、続きを読みたくなるシリーズです。
一作で終わりかと思ったら、続きがありました。
キャラクターが素敵

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2021年06月05日

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弥勒シリーズの最新刊「花下に舞う」が本屋の店頭を賑わしていたので、シリーズ第一作の本書を読んでみた。あさのあつこ初の時代小説だそうだが、そうは思えないほどの見事な筆致だった。作者の代表作である「バッテリー」と同様に、主要登場人物の心理描写が多くちょっとくどく感じられるが、それが読後に強い印象として残る。作者の意図する作風なのだろう。ミステリーの要素も強く、第二作を読みたくなる作品であった。

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2021年04月20日

購入済み

エンターテイメントとして面白いです。清之介のキャラがいい。

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2017年11月08日

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切れ者同心の信次郎を実直な岡っ引の伊佐治がサポートするシンプルな捕物帖がと思いきや、町人のくせに怪しくも魅力的な個性を持つ遠野屋のおかげでもはやどちらが主人公かも分からない展開に。
シリーズ化されたということは今後も遠野屋は登場するのか、でもずっと彼と元父の部下との確執だけを追うわけにはいかないだろうし、元部下が陰の悪役組織として江戸を跋扈するのだろうか?
初回なのでまだ煮え切らない印象のまま終わりました。

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2024年08月31日

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あさのあつこさんの人気時代劇、弥勒シリーズ。江戸を舞台に闇に巣くう人々の業や悲しみをらしさ前回で描く。出てくるキャラが魅力的。主人公の同心、小暮信次郎はニヒルで人の嫌な部分ばかりを付いてくるいけ好かない奴。それを上手に窘める岡っ引きの伊佐治。このバランス感覚は素晴らしい。加えて物語の中心にドカッと座る、「遠野屋」主人、清之介の不気味さも相まって見事なコントラストをみせている。テーマは重く、時代ものらしい悲しい、暗い展開ながら粘っこくなく読めるのは、さすがあさのあつこさんという所か。

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2024年05月06日

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ネタバレ

時代物小説を一気に好きになるために吟味して選んだはずだが。うーん。小間物問屋・遠野屋の若おかみ・りんの水死体が発見される。岡っ引き・伊佐治、同心・信次郎がりんの夫の遠野屋の態度がどうにも引っかかる。りんの第一発見者である稲垣屋惣助が何者かに斬られて死亡した。実は、さかのぼること10年前、3人が斬られる事件があったことが判明。遠野屋の過去の闇、りんの過去の苦痛が明らかになる。さらに犯人に近づいていく。この作品をややこしくしているのが同心・信次郎の難しい性格。それと犯人の動機、最期のりんの行動も甚だ不可解。③

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2024年02月02日

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若い女が川から身を投げて亡くなったところから、その夫の過去やら役人の周りやら壮大に風呂敷が広がっていった印象。
ラストの夫婦の出会いの話が切ない。

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2023年09月02日

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ずしりとくる良い時代小説です。
小間物問屋の若女将が身投げをした。その主人である清之助の眼差しに、同心木暮信次郎と岡っ引きの伊佐次親分は、何かあると感じる。
清之助の人生に対する深い闇、苦悩をうまく表現しています。江戸の街並みが、手に取るようで、話もテンポ良い。
人生への苦悩が感じられ、引き込まれてしまいました。

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2023年08月18日

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あさのあつこさんの時代ミステリーのシリーズだ。弥勒と言えば菩薩で社会の教科書に写真が出ていたと思う。スマートで足を組んでいたかも、どことなくゴロゴロの実の能力者に雰囲気が似ている。ヤハハハハって笑う。それだけに月なのか?

さて、同心の木暮信次郎と、岡っ引きの伊佐治が謎解きをしていく。重要人物は小間物問屋の遠野屋清之介。清之介の妻りんが飛び込み自殺をするところから始まる。

登場人物にはそれぞれ過去の闇がある。それがまたミステリアスを演出している。朝顔の種はどんな結末を開いてくれるのだろう。そして、月が意味することは・・・

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2023年06月06日

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小説の出来は良いけれど時代劇と言えるかというとそうでもないな(あさのファン曰く、他の時代小説は読まないがこのシリーズだけは手に取るというのもむべなるかな。)ということで☆ひとつマイナス。もしドラマ化するということになれば、現代の刑事物にするのがふさわしい。解説によれば(児玉清=昭和期の俳優だが、ミステリ小説を語らせてもなかなかのもの。)結末に収まりがつかずに続編を書いたもののまだ足りないと作者が語った由だが、往時の江戸を堪能したいこちらとしては続きを読む気はないかな。

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2022年11月20日

Posted by ブクログ

弥勒シリーズ第一弾
時代小説+ミステリーという感じ

ストーリとしては
小間物屋の遠野屋の若おかみのおりんが水死体で発見されます。
ただの飛び込み事件なのか?
調べてほしいと願いでる主人の遠野屋清之助。この清之助には何か商人と思えない雰囲気があります。
その違和感を感じながら、同心の木暮伸次郎は岡っ引きの伊佐治と共に事件を追い始めます。

さらに殺人事件が発生!
犯人は誰?

といったミステリ展開です。

岡っ引きの伊佐治が良い味をだしています。
そして伸次郎の清之助へのこだわり
清之助の秘密..明らかになるその過去
それぞれの人物描写が深い..

続編楽しみ..

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2022年11月06日

Posted by ブクログ

キャラが濃ゆくてよい。
ちょっといっちゃってる感じの同心様。
仄暗い何かを持つ容疑者の商人。
2人のやりとりがよい。

事件はなんかブツって切られた感じがしてちょっと辛い。続きがあるようなので早く借りよう。

2022.9.11
128

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2022年09月11日

Posted by ブクログ

シリーズ第一弾
遠野屋の若女将おりんが身投げ、背後に隠された秘密を直感で感じる同心小暮信次郎、そして配下の伊佐治親分
清之介が清弥だった頃の父と兄の関係
この伏線で展開か

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2022年06月28日

Posted by ブクログ

読み終わった後もじっとりと残る後味の悪さ。スッキリハッピーエンドではない、人間の暗くてどろどろしたものにスポットライトが当てられた物語のように感じた。そういうところがとても人間味があって、リアルに感じられて面白い。登場人物の癖も強い。もうちょっと優しい物語を欲していたので私には少し闇が強すぎたかもしれない。あとこれは完全に個人の好みだしこの時代をだと当たり前なんだけど、「女は馬鹿だから」「浮気をされても女の度量の見せ所」みたいな言葉はかけられた登場人物はどれほど悲しかったろうと思ってしまって胸が痛かった。

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2022年05月06日

Posted by ブクログ

シリーズの初巻。
主人公は同心と商人だが同心の性格がすこぶる悪い。読んでいると苛々するがそれも魅力かな。岡っ引きの親分がいい味を出しているが近代の感覚で言えばどうしようもないクズの公務員だ。

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2021年08月14日

Posted by ブクログ

読書配信の視聴者さんに勧められて。
あさのあつこさんは初めて読む。

時代物は普段ほとんど読まないのだが、ミステリテイストなので話には入りやすかった。
ただ、私は途中からは完全にミステリだと思って読んでしまい、期待とは少し違う結末になってしまった。
殺人犯に関する伏線は序盤から張り巡らされており、それを追っていけば順当に犯人にたどり着く。
そしてその推理をひっくり返すような仕掛けもあって、そこまではいい。
しかし、その後に唐突で非科学的な結末が提示される。
とはいえ、本書はもともとミステリを謳っていないし、時代物は勢いが大事だからこれでいいのだと思う。

見どころは情景描写と人物描写だ。
同心の信次郎に対する清之介のひりついた雰囲気と得体の知れない感じとか、終盤の清之介とおりんの出会いのシーンの切なさとか、場の空気がよく表現されている。

清之介はおりんへの思いを直接的に口にすることはなくて、彼の過去のエピソードや振る舞いで感情を表現するのがまたうまい。
キャラクターがよく作りこまれている。

本作は同心の信次郎と岡っ引きの伊佐治が主人公かと思いきや、清之介の生い立ちや江戸に来るまでの過去を読むと気づけば彼が物語の中心にいた。
シリーズが続いているようだが、今後は信次郎たちにもスポットライトが当たるのだろうか。
機会があれば読み進めてみる。

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2020年10月12日

Posted by ブクログ

とても読みやすい時代物。
岡っ引きの伊佐治の目線で読み進めるのだが、同心の信次郎が曲者すぎて少し引いてしまう…。
シリーズもののようなので、信次郎がどう変化していくか読んでみたい。

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2020年10月10日

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