【感想・ネタバレ】おもみいたしますのレビュー

あらすじ

「我慢しなくていいんですよ」
天才的揉み師のお梅が、
あなたの身体と心の闇まで
ほぐします。

申し込めば半年待ち。
評判のお梅の揉み治療だが、
一刻の猶予もない患者が現れた!

揉んだ人々の身体は、
全てこの指が覚えている。
身体に触れさえすれば、
いつどこで揉んだあの人だと
言い当てられる。
人に揉み治療を施すのが、お梅の生業。

■あらすじ■
頭風に苦しむお清を訪ねたお梅は
ギリギリのところまできていると
感じ取る。
揉みはじめると、
お清の身体に潜む「淀み」を感じ――。
彼女を悩ませるその原因とは?


■主な登場人物■
・お梅 五歳の時に光を失い、
人に揉みを施すことを
生業としている十七歳。
・お筆 豆大福が評判の
紅葉屋を出している。
依頼を受け、お梅に取り次ぐ。
・お昌 祖母のお筆と暮らし、
お梅の仕事の段取りを担う。
・十丸 お梅の用心棒。
人には白い大きな犬にみえる。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

17歳のお梅は、5歳の時に失明し、揉み師を生業としている。お梅の指先、視力を失って得た力は不思議な力を発揮する。更に助手の十丸も不思議な犬だ。最後に失明した時の話しが描かれている。お梅の不思議な力や十丸や先生との出会いが、今の彼女の生き様を決定付けていることがわかる。

半年先まで予約でいっぱいなのに、お清の話しを聞いて一刻の猶予もないと感じたお梅が奮闘する。お梅の施術の描写は臨場感があり,面白い。
喪黒福造はココロノスキマを産めるが、お梅は心の凝りもほぐす。
お梅の魅力的なところは、不思議な能力やほぐす技だけでなく、相手を思いやる心を持ち合わせているところだ。そして彼女の強い意志が施術を通して伝わっていくところが、なんともほっこりとさせられる。

我慢強いのは美徳とする反面、血や気の流れを妨げる。謙虚な素直さが流れを良くするのだと感じる。
お梅の目に見えないけれど、瞼の裏に描かれる見えるもの、それは貴重なものだ。その世界を垣間見ることができる作品だ。

特に印象深いのは、十丸以上にお昌の立ち振舞いだった。僅か8歳にして機智に富む。この作品に厚みを与えてくれるもの、先生と呼ばれる天竺鼠、仙五郎親分。親分がこのシリーズでも登場した。そしてあさのあつこさんの独特な表現が印象に残る。
あさのあつこさんの作品は、時を経ても変わらない人の原点のようなものを感じる。これもその作品の一つであった。

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2025年06月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読書記録です。まだの人は読まないでね。

久しぶりに仙五朗親分に会えた!読んでる途中で「あ、これは読後感が良い作品♪」と確信して最後まで一気に読み切りました。
途中で犯人はわかったし、たぶんそうだろうと思ったとおりの展開だったけど、私にとっては「読むことが癒しになる著者の本」
加代の生い立ち、汚れ仕事も引き受けて、大切な人の敵とみなした相手を始末していく…本来なら残された者が大きく背負うであろう禍根を「自分のしたことだから」と自分で心の臓を止めてしまってまで始末をつけてしまった。これ、刑罰で首を落とされたら残された者はもっと苦しむはず。そして汚れ仕事をさせた側(知っていた旦那と知らなかった奥方)にも一方的にワルイヤツというくくりもなくて。いろいろ考えさせられました。
揉み師になったお梅の「出逢い(先生と十丸@とおまる)」のエピローグもあって、これは続く予感、と思ったらR6.6に続きが出てました。

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2024年07月14日

Posted by ブクログ

すごく面白かった。それぞれ話が区切られてるのかと思いきや、文庫1冊まるまるの話だった。目が見えないけど、裏の世界と繋がれるという興味引かれる話だった。まだまだ知りたいことがいっぱいで、早く続編の文庫本が出て欲しい。自分が体凝りやすいから尚更興味深かった。

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2025年06月24日

Posted by ブクログ

あさのさんのいろいろな作品を混ぜ合わせたような小説。針と剣でも出てきた仙五朗親分が出てきて、一緒に事件を解決して行く。盲目で揉み治療を行うお梅を助けるのは犬とネズミ。常時控えるのは犬の十丸、揉み方を教えたのはネズミの先生。
小さい頃に見えていたお梅の目が見えなくなった理由と、二匹の動物の関係が明かされるのは、最後の章。疑問が最後まで引っ張られてしまう。
事件は解決するが、暗い内容だった。シリーズ化されているようなので、楽しみになる。

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2025年04月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

目が見えない主人公のお梅ですが、その世界は広く大きく豊かなところが素敵だなーと思いました。

そして、お梅を取り囲む登場人物が魅力的です。大きな白い犬の十丸と天竺鼠の先生がかわいいです!何より、仙五朗親分はかっこいい!いろいろな作品に出てきてくれて嬉しいです。

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2024年11月10日

Posted by ブクログ

江戸で人気の揉み師のお梅は青眼者には見えないものが見え、感じ、揉みほぐし心身を楽にしてくれる。お梅だけでも魅力的だけど、謎の多い大きな白い犬の十丸と天竺鼠の先生のかわいさが魅力。冒頭の事件をすっかり忘れ楽しんでたけど話が繋がった時に軽く衝撃を受け、悲しい女たちに切なくなる。もちろんお梅にも揉み師になるまでの悲しき過去がありこの終わり方では色んなことが気になって仕方ない。お梅や、自分を取り戻したお清の言葉が凛とし大事なことに気付かせてくれるので読んでると心がほぐれる。お梅に身体の凝りもほぐしてもらいたい。

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2024年10月29日

Posted by ブクログ

面白くて引き込まれて一気読み。是非シリーズ化して欲しい。お梅さんに揉んでもらって心も身体も軽くなりたいものだ。

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2024年09月04日

Posted by ブクログ

序/夜に浮かぶ/日だまりの庭/一人の男/夢の稲穂/
白い道/かそけき声/小さな真/おもみいたします/
跋:出逢いの一幕にかえて

人の体を揉み解すのは心をほぐすことにもなるのですね。心も身体もほぐれれば活力も湧いてくる。

ふと浮かんだのは「指圧の心母心おせば命の泉わく」。
何かのコマーシャルだったっけ?

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2024年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

万年肩こり、腰痛持ちの私σ(^_^;)

まじめに揉んでほしい! そして、悩むごとも解決してほしいと思いながら読んでました。

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2024年06月05日

Posted by ブクログ

これは、あさのあつこさんというより、宮部みゆきさん寄りの作品だと感じた、と言ったら、非常に失礼だし生意気な言い方だろう。何か不思議な「もの」が登場するし、完全なミステリーだし。しかし、そんな中でも、不思議と怖い感じじゃなく、温かいのはやっぱり、あさのさんらしいところかな?

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2024年05月27日

Posted by ブクログ

盲目のお梅、この先どの様に育って行くのか?おいちと近い物語。仙五郎親分も登場。十丸と先生がいささか現実離れ過ぎる。

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2025年09月28日

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