緋色の稜線

緋色の稜線

704円 (税込)

3pt

ホテルで行きずりの女を殺してしまった吉行は、車で逃げる山中で不思議な少年と幼女に出会う。「和子」と名乗る幼女の家に帰る途中だという。なりゆきで乗せてやることになった車内で、無邪気に話す和子の声を聞きながら、ふと吉行は自分の過去を振り返る。夜の闇が迫りひどい疲労感に襲われた吉行は、親子と偽り小さな旅館に宿をとる。穏やかな夕食と温泉。まるで本当の親子のようだ、そう独り言ちる吉行の目に飛び込んできたのは、膝に乗ってきた和子の首に残る、一筋の赤い線だった。過去の記憶がよみがえり苛む……。大人のサスペンス・ミステリ!
(※本書は、2012年9月講談社より刊行された単行本『白兎1 透明な旅路と』を加筆修正し、改題の上文庫化したものです)

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緋色の稜線 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    どこまでが幻でどこからが現なのか、読者をも幻惑する。
    行きずりの女を殺して逃亡を図る男の前に現れた、少年と幼女。
    彼らはいったい何者なのか。
    その正体を知りたくて、ひたすら頁を捲ってしまう。
    『バッテリー』などの青春ものとは一線を画す、人間の心の闇を描く『弥勒の月』シリーズに位置するものだろう。

    0
    2021年03月14日

    Posted by ブクログ

    一 月夜 二 雷光 三 漆黒
    四 出発 五 黎明 六 燭光

    山中で出会った少年と幼女。出会いから不思議さが増していく。吉行の認識は現実なのか、彼の意識が狂っているのか、茫漠とした中で時は過ぎる。
    そして残ったのは……

    0
    2021年01月08日

    Posted by ブクログ

    白兎シリーズとでも言うのだろうか、第一弾。
    山下和美さんのコミックであった不思議ナ少年のようでもあるが、やはり、あさのあつこさんは違う。大人をかく時のこの作家さんは妙な色気があると思う。妖艶というか、決してイヤなエロではなく明治大正昭和初期の文豪の持つエロチシズムとでも言うのか。内容はしっかり骨太な

    1
    2021年10月03日

    Posted by ブクログ


    不思議な少年、白兎の物語2冊目。

    まるで透明な膜を纏っているかのように
    現実離れした雰囲気の白兎と和子という名の幼女、
    チグハグな二人に真っ暗な山中で遭遇した吉行の
    3人が進む珍道中。

    理由もなく人を殺め逃避行をしていた吉行は、
    二人と関わるうちに人への無関心さは薄れて
    次第に血の通った人ら

    0
    2024年09月05日

    Posted by ブクログ

    白兎は、何者?
    主人公の深い心の内を、表に出し認識させ、行動をせまる。
    さまよう魂を救済する。
    現実と幻想が入り交じり、独特の雰囲気が漂う。

    0
    2021年05月23日

    Posted by ブクログ

    長らく在庫切れだった『白兎1 透明な旅路と』(2012年9月講談社)を著者が全面見直しし、加筆修正、改題の上文庫化。

    0
    2021年03月31日

    Posted by ブクログ

    うーむ…

    あまり好きではないかも。

    書店で「白磁の薔薇」を手に取って、シリーズと言うことだったので、まずは本書を購入。

    「大人のサスペンス・ミステリー」という裏表紙の解説で読み進んでいったが、ちょっとちゃうのでは?

    次を読むかどうか微妙…

    0
    2021年02月27日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本作は、長らく在庫切れだった『白兎1 透明な旅路と』(講談社)を著者が全面見直しし、加筆修正、改題の上文庫化したものらしく、読んだ記憶がやはりありました。で、前回読んだときは伏線がわからなく、あまりピンとこなかったが、読み直して納得しました。

    0
    2021年04月14日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    少年の名前が白兎だったので、主人公は騙されて滑稽な感じで終わるのかなと思いましたが、違いました。因幡の白兎ではなかった。

    人でないものの扱いが斬新で面白かったです。少しづつ増えていく謎が、いろいろな登場人物の過去と混ざり合っていて、それが繋がっていく展開にドキドキしました。過去の事実と出会うたびに

    0
    2021年07月03日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ミステリというよりは幻想小説。
    ホテルで行きずりの女を殺してしまった男が車で逃亡中、山奥で少年と少女を拾う。
    彼らは兄妹ではなく、少女を家に送り届けるために一緒にいたらしい。
    少女の家は、男の故郷のさらに奥。
    雨のため温泉旅館へ泊り、少女と過ごすうちに思い返される男の過去。
    不思議な少年と無邪気な少

    0
    2021年09月05日

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